監修:株式会社J-CAM 金融アドバイザー AFP認定者 倉本 佳光 Yoshimitsu Kuramoto

慶應義塾大学法学部法律学科を卒業後、山一証券株式会社に入社し金融業界でのキャリアをスタート。その後、メリルリンチ日本証券株式会社マネージメント・コミッティーメンバー、岡三アセットマネジメント株式会社理事などを歴任。
執筆:BitLending編集部 更新日:2026年9月2日

倉本 佳光

仮想通貨(暗号資産)アプリを選ぶときは、手数料や使いやすさだけでなく、「今から新規に口座開設できるアプリか」を最初に確認する必要があります。2024年のDMM Bitcoinの事業終了、2026年のBITPOINTとSBI VCトレードの合併・新規受付終了など、国内の取引所アプリを取り巻く状況はこの数年で大きく変わりました。

この記事では、2026年9月時点で新規に口座開設できる国内主要アプリ5社(Coincheck、GMOコイン、bitFlyer、bitbank、SBI VCトレード)を比較します。あわせて、2026年7月31日に新規受付を終了し、既存口座がSBI VCトレードへ移管中のBITPOINTの現状も取り上げます。比較の軸は、手数料・取扱銘柄数・セキュリティ・金融庁登録の有無です。海外の取引所アプリを検討する前に確認しておきたい、金融庁への登録状況の見分け方もあわせて整理します。

免責事項(投資助言ではありません)

本記事は、仮想通貨に関する情報提供を目的としたものであり、特定の銘柄の売買・投資行動を推奨するものではありません。暗号資産は価格変動が非常に大きく、短期間で大きな損失が発生する可能性があります。投資判断は必ずご自身の責任で行い、必要に応じて専門家へご相談ください。

利益相反に関する開示:本記事を掲載するBitLendingは、暗号資産レンディングサービスを提供しています。記事内には当社サービスへの導線が含まれる場合がありますが、特定の投資行動や暗号資産の貸出を推奨するものではありません。

仮想通貨アプリはなぜ必要なのか

仮想通貨(暗号資産)アプリは、取引所が提供する売買の仲介サービスです。個人間で直接売買するよりも、価格の透明性やセキュリティ体制が整っている点が特徴です。初めて仮想通貨を扱う場合は、先に仮想通貨の始め方の基本を確認しておくと、アプリ選びの基準もつかみやすくなります。

取引の仲介

取引所アプリは、売り手と買い手をつなぐプラットフォームとして機能します。個人間で直接暗号資産を売買する場合と比べて、取引所を介することで価格提示や決済の仕組みが整理され、トラブル時の問い合わせ窓口も明確になります。

価格の透明性

取引所アプリでは、リアルタイムの価格情報や過去の取引履歴を常に確認できます。複数のアプリで同じ銘柄の価格を見比べれば、スプレッド(買値と売値の差)の大きさにも気づきやすくなります。

セキュリティ

暗号資産交換業者は、二段階認証、コールドウォレット(オフラインでの秘密鍵管理)、複数の鍵を使うマルチシグネチャなど、個人での自己管理よりも高度なセキュリティ対策を導入していることが一般的です。

仮想通貨アプリを選ぶときに確認したい6つのポイント

仮想通貨アプリは見た目が似ていても、手数料体系やセキュリティ機能、金融庁への登録状況まで踏み込むと違いがはっきりします。比較表を見る前に、まずこの6つの視点を押さえておきましょう。

ユーザーにとって使いやすいインターフェース

直感的に操作できるか、チャートやテクニカル指標が見やすいか、価格アラートを設定できるかなど、日常的に使う画面の分かりやすさは重要な判断材料です。

手数料

確認すべき手数料は1種類ではありません。取引手数料そのものに加え、販売所形式の場合は買値と売値の差であるスプレッド、日本円や暗号資産の入出金手数料、レバレッジ取引を使う場合はその手数料も個別に確認しましょう。

取扱銘柄数

取扱銘柄数は各社で異なり、規制や技術の変化に応じて増減します。銘柄数の多さだけでなく、希望する銘柄が販売所と取引所(板取引)のどちらに対応しているかも確認すると、実際の取引コストが見えやすくなります。

サポート体制

メール、電話、チャット、FAQ、SNS(X・LINEなど)といった問い合わせ窓口の種類や対応時間は、アプリによって差があります。取引に不慣れなうちは、サポート体制の充実度も選択の基準になります。

金融庁登録の有無

日本居住者を相手に暗号資産交換業を行う事業者は、海外の事業者であっても日本の法令に基づく登録が必要です。登録の有無は、金融庁が公表する暗号資産交換業者登録一覧で確認できます。ただし、登録があることは、価格変動による損失や事業上のすべてのリスクがなくなることを意味しません。

《出典》
暗号資産交換業者登録一覧|金融庁

アプリ自体のセキュリティ機能

取引所としての登録の有無に加えて、アプリ単体の機能としては、生体認証(指紋・顔認証)によるログイン、不審なログインを知らせるプッシュ通知、画面ロックなどが用意されているかも確認しておくと安心です。取引所・個人それぞれの安全対策の仕組みもあわせて確認しておくと、アプリの機能だけに頼らない判断ができます。

💡 用語解説:暗号資産交換業者の「登録」とは? ▼ 開く

■ 登録とは?

暗号資産交換業を行う事業者が、資金決済に関する法律にもとづき、財務局(金融庁)の審査を受けて登録されている状態を指します。海外の事業者であっても、日本居住者を相手に事業を行う場合はこの登録が必要です。

  • 確認点:金融庁の登録一覧に事業者名が掲載されているかで確認できます
  • 注意点:登録があっても、価格変動による損失や事業上のリスクがゼロになるわけではありません

この記事での読み方

この記事の比較表で紹介するCoincheck・GMOコイン・bitFlyer・bitbank・SBI VCトレードの5社は、いずれも独立した登録事業者です。BITPOINTは2026年4月1日の合併により、株式会社ビットポイントジャパンとしての登録は存続しておらず、現在はSBI VCトレードの登録のもとでサービスが継続されています。一方、後述する海外アプリの一部には、金融庁が無登録と公表しているものが含まれます。「利用者が多いから安全」と考えるのではなく、登録の有無を判断材料の一つとして確認しましょう。

【比較表】国内の仮想通貨アプリ、今開設できるのはどれ?

ここでは、Coincheck・GMOコイン・bitFlyer・bitbank・SBI VCトレードの5社と、参考としてBITPOINTの現状をあわせて比較します。Coincheck・GMOコイン・bitFlyer・bitbank・SBI VCトレードの5社は、いずれも関東財務局長の登録を受けた独立した暗号資産交換業者です。BITPOINTは新規口座開設を終了しており、既存口座はSBI VCトレードの登録のもとでサービスが継続されています。登録の有無自体は金融庁の登録一覧で随時確認できます。

手数料・取扱銘柄数は変更されることがあるため、口座開設前に必ず各社公式サイトで最新情報を確認してください。

アプリ 特徴 取扱銘柄数の目安 今から新規開設できるか
Coincheckスマホアプリの操作が分かりやすく、初めて少額購入する人向け35銘柄前後できる
GMOコイン板取引や暗号資産の外部送付のコストを抑えたい人向け公式サイトで要確認できる
bitFlyer1円からの少額購入、積立、独自銘柄への関心がある人向け40銘柄前後できる
bitbank板取引のメイカー・テイカー手数料を細かく確認したい人向け44銘柄前後できる
SBI VCトレードSBIグループでの利用、レンディング・ステーキングに関心がある人向け35銘柄前後できる
BITPOINT2026年4月にSBI VCトレードと合併済み。既存口座は移管まで利用可能移管に伴い変更の可能性あり新規開設は終了済み

Coincheck

Coincheckは、スマートフォンアプリや販売所の操作が分かりやすく、暗号資産を初めて少額購入する人にとって候補になりやすい取引所です。取扱銘柄は2026年8月時点で35銘柄前後です。二段階認証や画面ロックなどのセキュリティ機能も備えています。

手数料やスプレッドの詳しい内訳は、Coincheckの取扱銘柄・スプレッド・手数料の解説で確認できます。

GMOコイン

GMOコインは、販売所と取引所(板取引)の両方に対応する取引所です。取引所形式の指値注文や暗号資産の外部送付にかかるコストを確認しながら使いたい人に向いています。販売所の「取引手数料無料」という表示だけでなく、スプレッドも合わせて確認しましょう。

手数料の詳しい内訳は、GMOコインの手数料解説で確認できます。

bitFlyer

bitFlyerは2014年設立の取引所で、取扱銘柄は2026年9月時点で40銘柄前後です。1円からの少額購入や積立、独自銘柄「ジパングコイン」への関心がある人に向いています。一方、板取引での低コストな売買を最優先するアクティブトレーダーには、他の選択肢も比較する価値があります。

詳しい特徴は、bitFlyerの手数料・取扱銘柄・安全性の解説で確認できます。

bitbank

bitbankは、販売所に加えて現物の板取引や信用取引に対応する取引所です。取扱銘柄は2026年8月時点で44銘柄前後です。板取引のメイカー・テイカー手数料を細かく確認しながら使いたい人に向いています。

詳しい特徴は、bitbankの取扱銘柄・板取引の解説で確認できます。

SBI VCトレード

SBI VCトレードは、SBIグループ傘下の取引所です。現物取引・レバレッジ取引に加え、貸暗号資産(レンディング)やステーキングにも対応しています。SBI証券とは別会社・別口座である点には注意してください。2026年4月1日にビットポイントジャパンと合併しており、BITPOINTの契約関係を引き継いでいます。

会社の詳しい登録情報やBITPOINTとの合併の実務的な影響は、SBI VCトレード完全ガイドで確認できます。

BITPOINT

BITPOINTは2026年7月31日に新規口座開設の受付を終了しました。新しくアプリを探している場合、BITPOINTを選ぶことはできません。株式会社ビットポイントジャパンは2026年4月1日付でSBI VCトレード株式会社と合併しており、既存口座はSBI VCトレードのサービス(VCTRADE)へ順次移管される予定です。

既存のBITPOINT利用者が確認しておきたい移管スケジュールや影響は、BITPOINTの統合・口座移管の解説で整理しています。

《出典》
BITPOINTサービスの新規口座開設の受付終了について|BITPOINT
SBI VCトレード株式会社と株式会社ビットポイントジャパンの合併に関するお知らせ|SBIホールディングス

DMM Bitcoinについて:以前、比較記事などでDMM Bitcoinの名前を目にしたことがある方もいるかもしれません。DMM Bitcoinは2024年に発生した暗号資産の不正流出事案を受けて事業を終了し、顧客の口座・預かり資産はSBI VCトレードへ移管が完了しています。現在、DMM Bitcoinとして新たに口座を開設することはできません。

《出典》
「DMMビットコイン」廃業へ 5月に482億円相当が不正流出 口座などはSBI VCトレードに移管|ITmedia NEWS
当社事業の廃業とそれに伴う各種サービスの終了について|DMM Bitcoin

海外の仮想通貨アプリを検討する前に確認したいこと

「海外の取引所アプリの方が手数料が安い、取扱銘柄が多い」という情報を目にすることがあります。ただし、海外の事業者であっても、日本居住者を相手に暗号資産交換業を行う場合は、日本の法令にもとづく登録が必要です。登録を受けていない事業者は、金融庁が無登録業者として名指しで警告を公表している場合があります。

Binance(バイナンス)

「Binance」という名前のグローバル版プラットフォーム(Binance.com等)は、現物・先物取引や多数の取扱銘柄で知られる世界最大級の取引所です。一方で、金融庁はこのグローバル版の運営会社を無登録の暗号資産交換業者として、2018年と2021年の2度にわたり警告しています。

日本居住者向けの登録済みの窓口は、別会社であるBinance Japan(バイナンスジャパン)です。「Binance」という名前だけで判断せず、利用するサービスの運営会社と登録の有無を確認しましょう。

《出典》
無登録で暗号資産交換業を行う者について(Binance Holdings Limited等)|金融庁

MEXC

MEXCは、多数の取扱銘柄やレバレッジ取引を提供する海外の取引所として紹介されることがあります。金融庁は、MEXC Trading Platform(MEXC Global)の運営会社を無登録の暗号資産交換業者として公表しています。日本居住者向けの登録済みの選択肢としては、この記事で紹介した国内5社などが該当します。

《出典》
無登録で暗号資産交換業を行う者について(MEXC Trading Platform)|金融庁

OKXなど、その他の海外アプリを見分ける視点

Binance・MEXC以外にも、海外発の取引所アプリは数多く存在します。例えばOKXも、グローバル版と日本居住者向けの登録事業者(OKJ)が別会社である点で、Binanceと似た整理が必要です。アプリを検討するときは、まず運営会社の名称と金融庁登録の有無を確認する習慣をつけましょう。

金融庁の無登録業者リストは随時更新されるため、記載のない事業者が必ず登録済みとは限りません。判断に迷う場合は、金融庁の登録一覧と無登録業者への注意喚起ページの両方を確認してください。

《出典》
無登録業者との取引は要注意!!|金融庁

まとめ|自分に合う仮想通貨アプリの選び方

仮想通貨アプリを選ぶときは、次の点を順番に確認すると判断しやすくなります。

  • 今から新規に口座開設できるアプリか(BITPOINTのように新規受付を終了している場合がある)
  • 関東財務局長の登録を受けた事業者か(海外アプリは特に確認する)
  • 自分が重視する条件(手数料、取扱銘柄数、UI、サポート体制)に合っているか
  • アプリ自体のセキュリティ機能(生体認証、プッシュ通知など)が備わっているか

暗号資産を保有した後の活用方法として、暗号資産を貸して利息を得る仮想通貨レンディングを検討する人もいます。レンディングには元本保証がなく、通常の売買とは異なるリスクがあるため、仕組みとリスクを理解したうえで判断することが大切です。