監修:株式会社J-CAM 金融アドバイザー AFP認定者 倉本 佳光 Yoshimitsu Kuramoto
慶應義塾大学法学部法律学科を卒業後、山一証券株式会社に入社し金融業界でのキャリアをスタート。その後、メリルリンチ日本証券株式会社マネージメント・コミッティーメンバー、岡三アセットマネジメント株式会社理事などを歴任。
執筆:BitLending編集部 更新日:2026年8月20日
bitFlyer(ビットフライヤー)は、2014年設立の国内暗号資産(仮想通貨)交換業者です。結論から言うと、1円からの少額購入、積立、ジパングコインなど独自銘柄への関心、老舗としての実績を重視する人に向いており、板取引での低コストな売買を最優先するアクティブトレーダーには他の選択肢も比較する価値があります。
本記事では、bitFlyer公式ページで確認できる情報にもとづき、手数料・取扱銘柄・安全性を整理したうえで、Coincheck・bitbankなど他の国内取引所との違いを比較します。特定の取引所への投資や口座開設を推奨する記事ではなく、判断材料を提供することを目的としています。
免責事項(投資助言ではありません)
本記事は、暗号資産(仮想通貨)に関する情報提供を目的としたものであり、特定の銘柄の売買・投資行動を推奨するものではありません。暗号資産は価格変動が非常に大きく、短期間で大きな損失が発生する可能性があります。投資判断は必ずご自身の責任で行い、必要に応じて専門家へご相談ください。
利益相反に関する開示:本記事を掲載するBitLendingは、暗号資産レンディングサービスを提供しています。記事内には当社サービスへの導線が含まれる場合がありますが、特定の投資行動や暗号資産の貸出を推奨するものではありません。
bitFlyer(ビットフライヤー)はどんな人に向いているか
bitFlyerは、2014年1月9日設立、関東財務局登録(暗号資産交換業 第00003号)の国内暗号資産交換業者です。国内では比較的早い時期に登録を受けた事業者のひとつで、現物取引(販売所・かんたん取引所)に加え、レバレッジ取引、積立、暗号資産の貸し出し(レンディング)など複数のサービスを提供しています。
結論の理由は次章以降で手数料・取扱銘柄・安全性のデータとともに具体的に説明しますが、それぞれの根拠となる会社の登録状況や資産管理の体制、取引方式ごとの手数料の違い、現在の取扱銘柄を確認していない段階では、向き不向きを正しく判断できません。まずはこの3点から見ていきます。
bitFlyerの運営体制・登録状況・セキュリティ対策
取引所選びで最初に確認すべきは、金融庁登録の有無と資産管理の体制です。bitFlyerを運営する株式会社bitFlyerは、資本金41億238万円(資本準備金含む)、代表者は加納裕三氏で、暗号資産交換業として関東財務局長の登録(登録番号 第00003号)を受けた事業者です。一般社団法人日本暗号資産等取引業協会(JVCEA)にも所属しています。
《出典》
会社概要|bitFlyer
資産管理とセキュリティの仕組み
公式ページでは、顧客の暗号資産と会社自身の資産を分けて管理する分別管理、複数の署名がそろわないと送金できないマルチシグ、ネットワークから切り離して保管するコールドウォレットの採用が説明されています。顧客の暗号資産の大部分をコールドウォレットで保管しているとしており、ログイン時の多要素認証やアカウントロック機能も用意されています。
ただし、暗号資産交換業者は預金保険制度の対象外です。日本円の預り金は分別管理の対象ですが、銀行預金のような一律の保護制度がある取引ではない点は、どの国内取引所を使う場合でも共通の前提として理解しておく必要があります。
💡 用語解説:分別管理・コールドウォレット・マルチシグとは? ▼ 開く
■ それぞれの意味
- 分別管理:利用者から預かった資産と、会社自身の資産を別々に管理すること。会社の経営状況が悪化しても、利用者の資産が会社の資産と混同されにくくなります。
- コールドウォレット:インターネットに常時接続しない環境で暗号資産を保管する方法。外部からの不正アクセスによる流出リスクを下げます。
- マルチシグ:送金の際に複数の秘密鍵(署名)が必要になる仕組み。1つの鍵が漏えいしただけでは送金できないようにします。
この記事での読み方
これらはいずれも「絶対に流出しない」ことを保証するものではなく、リスクを下げるための仕組みです。国内の登録業者はおおむね同様の対策を講じているため、bitFlyer固有の優位性というより、登録業者を選ぶ際の最低限の確認ポイントとして理解してください。
bitFlyerの手数料を販売所・取引所・入出金別に整理
bitFlyerには、価格提示型の「販売所」と、指値注文ができる「かんたん取引所」の2つの購入方法があります。この2つは手数料の仕組みがまったく異なるため、混同すると想定より多く費用を払うことになります。
販売所とかんたん取引所の手数料の違い
販売所は売買手数料自体は無料ですが、購入価格と売却価格の差であるスプレッドが実質的なコストになります。bitFlyer公式ページでは、このスプレッドを利用者が負担する旨が明記されていますが、具体的な料率は市場状況により変動するため、購入直前に画面表示で確認する必要があります。
一方、かんたん取引所(Lightning現物取引を含む)は、過去30日間の取引量に応じて0.01%〜0.15%の間で手数料率が段階的に変わる仕組みです。取引量がおおむね10万円未満の場合は0.15%、5億円以上になると0.01%まで下がります。頻繁に取引する人ほど有利になる料率設計です。
《出典》
手数料一覧・税|bitFlyer
💡 用語解説:スプレッドとMaker・Takerとは? ▼ 開く
■ スプレッド
購入価格と売却価格の差のことです。手数料表には表示されませんが、実質的なコストとして利用者が負担します。
■ Maker・Taker
- Maker:指値注文を出し、すぐには約定せず板に注文を残す取引。市場に流動性を提供するため、手数料が割安・またはマイナス(受け取り)になることがあります。
- Taker:既存の注文にすぐ合わせて約定させる成行に近い取引。一般にMakerより手数料が高くなります。
この記事での読み方:かんたん取引所を使う場合、指値注文(Maker寄り)を意識すると手数料を抑えやすくなりますが、約定しないまま時間が経つリスクもあります。
日本円の入金・出金手数料
入金は、住信SBIネット銀行からのクイック入金であれば無料です。それ以外の銀行からのクイック入金やコンビニ入金は330円かかります。出金は振込先の銀行によって異なり、三井住友銀行宛は3万円未満220円・3万円以上440円、その他の銀行宛は3万円未満550円・3万円以上770円です。口座の開設・維持自体には費用はかかりません。
| 項目 | 手数料 |
|---|---|
| 日本円入金(住信SBIネット銀行クイック入金) | 無料 |
| 日本円入金(その他銀行クイック入金・コンビニ入金) | 330円 |
| 日本円出金(三井住友銀行・3万円未満) | 220円 |
| 日本円出金(三井住友銀行・3万円以上) | 440円 |
| 日本円出金(その他銀行・3万円未満) | 550円 |
| 日本円出金(その他銀行・3万円以上) | 770円 |
《出典》
手数料一覧・税|bitFlyer
積立で毎回自動購入する場合の手数料は、購入方法(販売所かかんたん取引所か)によって変わります。積立頻度ごとの詳しい比較は、ビットコイン積立の完全ガイド|手数料を徹底比較で確認できます。
bitFlyerの取扱銘柄とジパングコインなどの独自銘柄
bitFlyerは、公式ページで確認できる範囲で40種類以上の暗号資産を取り扱っています。ビットコイン(BTC)、イーサリアム(ETH)、XRP、ライトコイン(LTC)といった主要銘柄に加え、ソラナ(SOL)やアバランチ(AVAX)などのレイヤー1銘柄、シバイヌ(SHIB)やペペ(PEPE)のようなミーム系銘柄まで幅広く扱っています。取扱銘柄は追加・変更されるため、最新の一覧は必ず公式ページでご確認ください。
| カテゴリ | 主な銘柄 |
|---|---|
| 主要銘柄 | BTC、ETH、XRP、LTC、BCH、ETC |
| レイヤー1・スマートコントラクト系 | SOL、DOT、AVAX、MATIC/POL |
| 国内で古くから知られる銘柄 | モナコイン(MONA)、ステラルーメン(XLM)、ネム(XEM)、テゾス(XTZ) |
| ミーム・エンタメ系 | DOGE、SHIB、PEPE、APE、SAND、MANA |
| bitFlyer独自の取扱銘柄 | ジパングコイン(ZPG)、ジパングコインプラチナ(ZPGPT)、ジパングコインシルバー(ZPGAG) |
ジパングコイン(ZPG)とは
ジパングコインは、bitFlyerが上場させた銘柄のひとつで、金(プラチナ・銀の派生シリーズもあります)に価値の裏付けを持たせる設計のトークンです。他の国内取引所での取り扱いも始まっていますが、bitFlyerは早期から取り扱ってきた取引所のひとつです。
本記事では、ジパングコインを含むいずれの銘柄についても、将来の価格を予測する情報は提供しません。「10年後にどうなるか」を知りたい場合は、価格予想ではなく、裏付け資産の仕組みや発行体の情報、取引量の推移など、確認できる一次情報にもとづいて自分で判断することをおすすめします。全期間のチャートは、bitFlyer公式ページでいつでも確認できます。
銘柄そのものの選び方や、どんな基準で見ればよいかを整理したい場合は、仮想通貨の種類一覧|選び方のポイントや国内取引所上場のみ厳選したおすすめ銘柄も参考にしてください。
bitFlyerが強みを発揮する人・シーン
ここまでの内容を踏まえると、bitFlyerが特に向いているのは次のような人です。
- 少額から始めたい人:1円単位で購入できるため、まとまった資金がなくても操作に慣れることができます。
- 積立で仕組み化したい人:「bitFlyerかんたん積立」で自動購入を設定できます。
- クレジットカード決済や保有ポイントを暗号資産に回したい人:「bitFlyerクレカ」の決済還元や、Vポイントからの交換に対応しています。
- 幅広い銘柄から選びたい人:40種類以上の取扱銘柄があり、ジパングコインのような独自性のある銘柄にも触れられます。
- 長く続いている事業者を重視する人:2014年設立、登録番号「第00003号」という早期登録の実績があります。
これから初めて口座を作る場合は、本人確認や保管方法など事前に押さえておきたい注意点をビットコインを買う前の準備にまとめています。開設から購入までの具体的な手順はビットコイン(仮想通貨)はいくらから買える?初心者の購入金額と買い方も参考にしてください。
bitFlyerが向かない使い方と注意点
板取引でのMaker/Takerコストを最優先に、頻繁に売買するアクティブトレーダーは、bitFlyer単体で決めず、他の取引所の料率とも比較したほうがよい場合があります。かんたん取引所の手数料は取引量に応じて下がるとはいえ、Takerで高頻度取引を行う場合は、他社の板取引専業サービスの方が有利になることがあります。
また、取扱銘柄の中でも出来高が少ない銘柄では、販売所形式のスプレッドが広がりやすい点にも注意が必要です。購入前に、画面に表示される購入価格と売却価格の差を確認する習慣をつけると、想定外のコストを避けやすくなります。
レバレッジ取引(旧Lightning FX)は仕組みが変わっている
以前提供されていた証拠金取引「Lightning FX」は2024年3月28日に廃止され、同日から後継サービスの「bitFlyer Crypto CFD」に切り替わっています。現行のbitFlyer Crypto CFDは、個人向けで最大2倍のレバレッジという上限は維持しつつ、日本時間18時に満期を迎える1日満期・ロールオーバー型の仕組みで、ファンディングレートやサーキットブレーカー制度が導入されています。古い情報のまま「Lightning FX」という名称で解説している記事を参考にすると、現在の商品性と食い違うため注意してください。
《出典》
bitFlyer Crypto CFD|bitFlyer
Lightning FXの廃止及びbitFlyer Crypto CFDの提供開始に関する重要なお知らせ|株式会社bitFlyer
レバレッジをかけた取引は、現物取引より損失が拡大しやすい仕組みです。制度そのものへの向き不向きも含め、仮想通貨はやめとけ?理由と後悔しない判断基準も参考に、余剰資金の範囲で判断することをおすすめします。
Coincheck・bitbankとの比較
bitFlyer単体の特徴だけでなく、他の国内取引所と並べることで「自分に合っているか」が判断しやすくなります。ここでは、公式ページで手数料を確認できたCoincheckとbitbankを例に、取引形式の違いを整理します。
| 取引所 | 取引形式の中心 | 現物の手数料方式 | 日本円出金手数料 |
|---|---|---|---|
| bitFlyer | 販売所+かんたん取引所(指値も可能) | かんたん取引所は取引量連動0.01〜0.15%、販売所はスプレッド型 | 220円〜770円(銀行・金額により変動) |
| Coincheck | 販売所中心 | 売買手数料無料、スプレッド0.1〜5.0%(銘柄により2.0〜6.5%) | 407円 |
| bitbank | 取引所(板取引)中心 | Maker最大−0.02%〜0.00%、Taker0.10〜0.12% | 550円(3万円未満)/770円(3万円以上) |
板取引でのコストを抑えたい場合はbitbankの料率が有利になりやすく、指値に不慣れで手軽さを重視する場合はbitFlyerやCoincheckの販売所が使いやすい傾向があります。GMOコインやSBI VCトレードなど他の取引所も含めた一覧比較は、仮想通貨取引所の手数料比較!おすすめ10選にまとめています。
《出典》
手数料一覧・税|bitFlyer
手数料|Coincheck
《出典》
手数料|bitbank
選び方の結論と次にすべきこと
bitFlyerは、2014年設立・関東財務局登録の国内暗号資産交換業者で、分別管理・マルチシグ・コールドウォレットといった基本的な安全対策を備えています。1円からの少額購入、積立、40種類以上の銘柄(ジパングコインを含む)から選びたい人には向いていますが、板取引でのコスト最小化を最優先するなら他の取引所とも比較したほうがよいというのが本記事の結論です。
口座を開設したあとは、購入した暗号資産をどう管理・記録するかも重要です。ビットコインを買った後にやること|ウォレット・記録・税金の確認ポイントもあわせてご確認ください。保有した暗号資産を貸し出して活用するという選択肢もあり、リスクと条件を確認したい場合は仮想通貨レンディング完全ガイドで仕組みを整理しています。