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倉本の国際経済の見どころ|国際経済の重要な出来事や抑えておくべきポイントを取り上げてわかりやすく解説

倉本の国際経済の見どころ   

株式会社J-CAM金融コンサルタントの倉本佳光が40年以上金融業に従事してきた経験を元に国際経済の重要な出来事や抑えておくべきポイントを取り上げてわかりやすく解説するコラムです。刻々と変化する相場のモメンタムをキャッチアップしていきます。

米国株価の調整が始まった?

米国株価の調整が始まった?

米国株価の調整が始まった

続く上値の重い展開

米国株式市場では9月に入ってから上値の重い展開が続いています。19日-20日のFOMCを意識して慎重な展開になったとも言えますが、会合では予想通りの利上げ見送りとなったにも拘わらず、金融当局のインフレへの強い姿勢が感じられ、その結果、高い金利水準が長期化するとの見方が強まり、一段と上値が重くなっています。

8月の安値を下回る展開

NYダウ平均、S&P500、NASDAQの3指数はFOMC後に8月の安値を下回る動きとなっています。これまで米国の株式市場は、金利上昇にも拘わらず、今後の企業収益の増益を見込み株式を買い織り込んできました。

金利上昇が始まる前、2021年12月31日のS&P500は4,766で2022年3月の1株利益は197円、米国債10年債利回りは1.5%程度でした。9月27日現在、S&P500は4,274、2,023年12月の予想1株利益は200円、米国債10年利回りは4.6%です。

2022年にFRBによる利上げが始まり、株価は大きく下落しました。現在金利は高い水準にあり、1株利益もあまり増えていないにも拘わらず、楽観的な見方から株価はこの夏に上昇しました。

トレンドの転換点か?

しかし、今後この高い金利が企業への圧力を強めると考えられ、米国企業の投資の伸びは厳しくなると考えられます。また輸出も顧客大手である中国の景気が揺らいでいますので、期待するのは難しい状況と思われます。

米国株式市場は、徐々に景気減速を織り込む動きを強めるのではないでしょうか。 またS&P500の配当利回りは9月22日現在1.59%で、リスクのない短期金利5.3%の1/3弱の水準になっていますので、減速が感じられるようになると資金逃避が強まる環境にあると認識を持っておくべきと考えています。