仮想通貨レンディングの税金・確定申告ガイド|計算方法とBitLending取引履歴、分離課税を解説

仮想通貨レンディングの税金・確定申告ガイド|計算方法とBitLending取引履歴、分離課税を解説

監修:株式会社J-CAM 金融アドバイザー AFP認定者 倉本 佳光 Yoshimitsu Kuramoto

慶應義塾大学法学部法律学科を卒業後、山一証券株式会社に入社し金融業界でのキャリアをスタート。その後、メリルリンチ日本証券株式会社マネージメント・コミッティーメンバー、岡三アセットマネジメント株式会社理事などを歴任。
執筆:BitLending編集部 更新日:2026年8月7日

倉本 佳光

仮想通貨(暗号資産)のレンディングでは、貸借料を日本円へ換金していなくても、受け取った時点の数量と円換算額を記録しておく必要があります。さらに、その暗号資産を後日売却・交換した場合は、受取時の価額を取得価額として、別に損益を計算します。

受取時の所得計算と、その後の売却損益は分けて考えることが、レンディングの税金で最も重要なポイントです。

この記事では、BitLendingの取引履歴を使った集計方法、確定申告が必要か確認するポイント、2026年7月に成立した金商法等改正法と申告分離課税の対象範囲まで整理します。

確認する場面 記録する内容
貸借料の受取時 付与日、銘柄、数量、受取時の円換算額
売却・交換時 売却等の価額、受取時から引き継いだ取得価額、手数料
確定申告の判定時 レンディング以外も含む年間の所得と必要経費

免責事項(投資助言ではありません)

本記事は、暗号資産レンディングと税金に関する情報提供を目的としたものであり、特定の銘柄の売買・投資行動を推奨するものではありません。暗号資産は価格変動が非常に大きく、短期間で大きな損失が発生する可能性があります。投資判断は必ずご自身の責任で行い、必要に応じて専門家へご相談ください。

利益相反に関する開示:本記事を掲載するBitLendingは、暗号資産レンディングサービスを提供しています。記事内には当社サービスへの導線が含まれる場合がありますが、特定の投資行動や暗号資産の貸出を推奨するものではありません。

TAXの文字と小銭

レンディングの税金はいつ計算する?

個人がレンディングで暗号資産の貸借料を受け取った場合は、売却時だけでなく、受け取った時点から記録を始めることが基本です。少なくとも、付与日、暗号資産の種類、受取数量、受取時点の円換算額を残します。

一方、貸し出した元本と同じ種類・数量の暗号資産が返還されただけであれば、通常は貸借料を受け取った場合と同じではありません。元本の返還、貸借料の受領、その後の売却・交換を区別して管理します。

国税庁の暗号資産FAQにはレンディング報酬だけを扱った設例が十分に示されているわけではありません。実際の所得区分や収入計上時期は、契約内容、報酬が確定する条件、取引規模などにより個別判断が必要になる場合があります。

レンディングそのものの仕組み、返還条件、事業者リスクについては、仮想通貨レンディングの仕組みとリスクをまとめた総合ガイドをご確認ください。

《出典》
暗号資産等に関する税務上の取扱い及び計算書について|国税庁
暗号資産等に関する税務上の取扱いについて(FAQ)|国税庁

12月分の貸借料が翌年1月に付与された場合

BitLendingでは、2024年12月分から貸借料の付与日が対象月の翌月1日へ変更されています。例えば、2026年12月分が2027年1月1日に付与された場合、取引履歴上は2027年の日付で記録されます。

「何月分か」だけでなく、実際の付与日と報酬が確定する条件を確認することが大切です。対象年の取引履歴を取得し、年をまたぐ付与を漏らさないようにします。

《出典》
貸借料の付与タイミングについて|BitLending

レンディング報酬は受取時と売却時を分けて計算する

レンディング報酬として暗号資産を受け取った後、その暗号資産を保有し続ける場合と、売却・交換する場合では、確認する取引が異なります。

受取時の円換算額は、その後の売却損益を計算する際の取得価額につながります。売却額の全額へもう一度課税するという意味ではなく、受取時から売却時までの価値変動を別に計算します。

段階 基本的な計算
貸借料の受取時 受取数量 × 受取時の1単位当たり円価格
後日の売却・交換時 売却等の価額 − 取得価額 − 直接対応する手数料

受取時の計算例

1BTCが1,000万円のときに、貸借料として0.01BTCを受け取ったとします。

1,000万円 × 0.01BTC = 10万円

この例では、受取時に確認する円換算額は10万円です。また、この10万円は受け取った0.01BTCの取得価額を管理するうえでの基礎になります。

使用する価格と時点は、合理的な方法で継続して記録してください。取引履歴に円換算レートがある場合は、その算出条件も含めて保存します。

受け取った暗号資産を後日売却した場合

先ほどの0.01BTCを、1BTCが1,200万円のときにすべて売却したとします。手数料を考慮しない単純例では、売却時に確認する差額は次のとおりです。

12万円 − 取得価額10万円 = 2万円

実際には、同じ銘柄を以前から保有している場合、個別の0.01BTCだけを切り出して原価を決めるとは限りません。暗号資産の取得価額は、選択している移動平均法または総平均法に基づき、同一銘柄の取引をまとめて計算します。

暗号資産全体の取得価額、税率、売却・交換・決済時の税務については、仮想通貨の税金・計算方法・確定申告の総合ガイドをご確認ください。

《出典》
暗号資産の計算書(移動平均法用・総平均法用)|国税庁

確定申告書類のイメージ

BitLendingの取引履歴を使って確定申告の準備をする

BitLendingでは、マイページから取引履歴ファイルをダウンロードできます。対象年の1月から12月までを指定し、貸借料の付与日、銘柄、数量、円換算額を確認します。

取引履歴は計算の出発点ですが、他の取引所やウォレットを利用している場合は、それらの履歴も合わせて集計します。BitLendingの履歴だけで暗号資産取引全体の損益が完成するとは限りません。

取引履歴ファイルをダウンロードする

BitLendingのマイページへログインし、メニューから「取引履歴ファイル」を選択します。

BitLendingマイページの取引履歴ファイルメニュー

開始年月と終了年月を対象年の範囲に設定し、必要な形式でダウンロードします。

BitLending取引履歴ファイルの期間指定とダウンロード画面

銘柄ごと・付与日ごとに確認する項目

項目 確認する理由
付与日 どの年分として集計するか確認するため
銘柄・数量 受取時の円換算額と保有数量を照合するため
付与時レート・円換算額 受取時の収入額と取得価額の基礎を残すため
返還・送金記録 元本、貸借料、その後の移動を区別するため
手数料 取引へ直接対応する必要経費か検討するため

CSV、計算結果、価格データ、送金履歴を同じ年ごとに保存しておくと、後から数量差を確認しやすくなります。

《出典》
操作ガイド・サービス仕様書|BitLending

BitLendingの履歴だけでは足りないケース

  • 他の取引所で同じ銘柄を購入・売却している
  • 自己管理ウォレットへ送金している
  • 海外取引所やDEXで交換している
  • 他社のレンディングやステーキングでも報酬を受け取っている
  • 暗号資産で商品やサービスを購入している

このような場合は、取引所、ウォレット、レンディングサービスを横断して、同じ銘柄の取得・移動・売却を追える状態にします。

確定申告が必要か確認するポイント

現行制度では、個人の暗号資産取引による所得は、事業所得などに該当する場合を除き、原則として雑所得に区分されます。ただし、本記事では雑所得全体の税率説明を広げず、レンディング利用者が確認すべき点に絞ります。

給与を1か所から受け、その給与が源泉徴収の対象となる一定の給与所得者は、給与所得・退職所得以外の所得合計が20万円を超える場合などに所得税の確定申告が必要です。

20万円は貸借料の受取総額ではなく、レンディング以外の副業なども含む「所得」の合計で判定します。また、医療費控除などのために確定申告をする場合は、20万円以下の所得も申告へ含める必要があります。

所得税の確定申告が不要でも、住民税の申告が必要になる場合があります。居住地の市区町村で確認してください。

《出典》
確定申告が必要な方|国税庁
No.1500 雑所得|国税庁

必要経費は取引との直接的な関係を確認する

暗号資産に関係する支出なら、すべて全額を必要経費にできるわけではありません。売却時の手数料など、その所得を得るために直接必要な支出を確認します。

通信費、端末代、計算ツール代などは、利用目的や取引との関係に応じて判断が必要です。私用と共通する費用は、直接必要と説明できる部分だけを合理的に区分します。

領収書や利用明細だけでなく、何の取引に必要だったかも説明できるように保存してください。

《出典》
暗号資産の必要経費|国税庁「暗号資産等に関する税務上の取扱いについて(FAQ)」

金商法等改正法が成立|申告分離課税はいつから始まる?

2026年7月15日、暗号資産を金融商品取引法の規制対象とする「金融商品取引法及び資金決済に関する法律の一部を改正する法律案」が国会で可決・成立しました。

これに対応する令和8年度税制改正では、一定の特定暗号資産の譲渡等について、所得税15%・個人住民税5%の合計20%で課税する申告分離課税と、一定の損失を翌年以後3年間繰り越す制度が示されています。

法案の成立直後から、すべての暗号資産取引が20%になるわけではありません。適用開始時期、取引相手、銘柄、取引方法に条件があります。2026年7月23日時点では、衆議院の審議経過情報に公布日と法律番号はまだ掲載されていません。

《出典》
国会提出法案等|金融庁
金融商品取引法及び資金決済に関する法律の一部を改正する法律案 審議経過情報|衆議院

適用は改正法の施行年の翌年1月1日から

財務省の大綱では、申告分離課税の適用開始日を「金融商品取引法の改正法の施行の日の属する年の翌年1月1日」としています。

改正法の施行時期 分離課税の適用開始見込み
2026年中 2027年1月1日以後
2027年中 2028年1月1日以後
2028年中 2029年1月1日以後

例えば2027年中に改正法が施行された場合、対象取引へ分離課税が適用されるのは2028年1月1日以後となる見込みです。それ以前の取引を、成立後という理由だけで20%として申告することはできません。

《出典》
令和8年度税制改正の大綱|財務省

分離課税の対象は「登録業者への特定暗号資産の譲渡等」

財務省の大綱で示されている中心的な対象は、居住者などが「暗号資産取引業」を行う者に対して、金融商品取引業者登録簿に登録された「特定暗号資産」の譲渡等をした場合です。

国内で広く知られた銘柄かどうかではなく、業者、銘柄、取引方法の条件をそれぞれ確認する必要があります。

取引例 現時点の見通し
国内の登録業者で対象銘柄を売却 対象となる可能性が高いが、登録簿と適用開始日の確認が必要
日本で登録を受けていない海外取引所で売却 対象外となる可能性が高い
DEXでスワップ 登録業者に対する譲渡等ではないため、対象外となる可能性が高い
登録簿にない暗号資産を売却 特定暗号資産の要件を満たさず、対象外となる可能性がある
レンディング報酬を受領 譲渡益と同じ分離課税になるとは現時点で断定できない

海外版BinanceやBybitなど、日本で登録を受けていない海外取引所、UniswapなどのDEXでの取引は、分離課税の対象外となる可能性が高いと考えられます。ただし、最終的にはサービス名ではなく、契約主体、日本での登録状況、取引の法的な位置付けで判断します。

BTCやETHも、主要銘柄だから自動的に対象になるとは断定せず、制度開始後に登録簿を確認します。国内に上場していない銘柄、DEXでしか取引できないトークン、NFTやLPトークンなどは、別の整理が必要になる場合があります。

《出典》
暗号資産に係る課税関係の見直し|財務省
金商法等改正法案に対する附帯決議|衆議院

レンディング報酬も税率20%になるとは限らない

申告分離課税として示されているのは、登録業者に対する特定暗号資産の譲渡等による所得です。一方、レンディングの貸借料は、暗号資産を売却して得た利益ではなく、貸し出した対価として受け取る報酬です。

そのため、制度開始後は次のように扱いが分かれる可能性があります。

  1. 貸借料として暗号資産を受け取った時点の所得
  2. 受け取った暗号資産の取得価額
  3. その暗号資産を対象となる登録業者で売却したときの損益

貸借料の受領と、その暗号資産の後日の売却は、同じ税率・同じ所得区分になるとは限りません。施行後に国税庁から公表されるFAQ、対象業者・銘柄の登録簿、政省令を確認する必要があります。

海外で取得し、国内登録業者で売却する場合も履歴は必要

海外取引所で取得したBTCを自己管理ウォレットやBitLendingへ移し、最終的に国内登録業者で売却する場合、売却場所だけでなく取得価額を説明できる履歴が必要です。

  • 海外取引所での購入・交換履歴
  • 送金日時、数量、手数料、トランザクションID
  • BitLendingへの貸出数量と返還履歴
  • 貸借料の付与日、数量、受取時の円換算額
  • 国内登録業者への入庫・売却履歴

国内での売却が将来の分離課税対象になっても、それ以前の海外取引やレンディング履歴が不要になるわけではありません。

レンディングの税金FAQ

レンディングの税金・確定申告に関するよくある質問

レンディングの記録と確定申告で迷いやすい点を、要点に絞って整理します。

貸し出した元本が返ってきたときも所得計算が必要ですか?

貸し出した元本と同じ種類・数量が返還されただけであれば、通常は貸借料の受領と同じではありません。ただし、返還時に別の暗号資産や日本円を受け取る契約、元本数量が変わる契約などは個別確認が必要です。

貸借料を売却していなくても記録が必要ですか?

必要です。売却時だけでなく、受取時の付与日、数量、円換算額を記録します。この円換算額は、その暗号資産を後日売却・交換するときの取得価額を計算する基礎にもなります。

年間所得が20万円以下なら何もしなくてよいですか?

20万円以下でも記録は必要です。また、20万円基準を利用できるのは一定の給与所得者などに限られ、住民税の申告が必要になる場合もあります。医療費控除などで所得税の確定申告をする場合は、20万円以下の所得も申告へ含めます。

分離課税が始まればレンディング報酬も20%ですか?

現時点では断定できません。税制改正で示された中心的な対象は、登録業者に対する特定暗号資産の譲渡等です。貸借料の受領と、その暗号資産を後日売却したときの損益は、分けて確認する必要があります。

BitLendingの取引履歴を計算ツールへ読み込めば申告は完了しますか?

計算ツールは集計を支援しますが、取引漏れ、取得価額、必要経費、所得区分、申告要否まで自動的に保証するものではありません。他の取引所やウォレットの履歴も含め、最終的な計算結果を確認してください。

まとめ|BitLendingの履歴を早めに保存しておく

仮想通貨レンディングの税金では、次の3点を押さえてください。

  1. 貸借料の付与日、数量、受取時の円換算額を記録する
  2. 受取時の価額を、その後の売却損益を計算する取得価額へつなげる
  3. BitLending以外の取引も含めて、確定申告の要否を確認する

申告分離課税は金商法等改正法の成立だけで直ちに始まるものではありません。施行日、適用開始日、登録業者、特定暗号資産、レンディング報酬の取扱いを分けて確認しましょう。

取引件数が多い場合、海外取引所・DEXを利用している場合、所得区分や必要経費の判断が難しい場合は、暗号資産税務に詳しい税理士または所轄税務署へ相談してください。

《参考サイト》

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