ステーキングとは?仕組み・報酬・5つのリスクとレンディングとの違いをわかりやすく解説

監修:株式会社J-CAM 金融アドバイザー AFP認定者 倉本 佳光 Yoshimitsu Kuramoto

慶應義塾大学法学部法律学科を卒業後、山一証券株式会社に入社し金融業界でのキャリアをスタート。その後、メリルリンチ日本証券株式会社マネージメント・コミッティーメンバー、岡三アセットマネジメント株式会社理事などを歴任。
執筆:BitLending編集部 更新日:2026年9月16日

倉本 佳光

ステーキングとは、PoS型ブロックチェーンの検証に参加・委任して報酬を得る仕組みです。ただし、元本保証や固定利息の仕組みではありません。報酬だけでなく、価格変動、資産を動かせない期間、利用するサービスの条件まで確認して判断しましょう。

この記事の結論

  • ステーキングはネットワークの検証を支える対価として報酬が生じる
  • 高い年率だけでは判断できず、価格・ロック・手数料・運用形態を併せて見る
  • ビットコインはネイティブなステーキングの対象ではない
  • レンディングは貸出契約に基づく貸借料で、ステーキングとは別の仕組みである

免責事項(投資助言ではありません)

本記事は、暗号資産に関する情報提供を目的としたものであり、特定の銘柄の売買・投資行動を推奨するものではありません。暗号資産は価格変動が非常に大きく、短期間で大きな損失が発生する可能性があります。投資判断は必ずご自身の責任で行い、必要に応じて専門家へご相談ください。

利益相反に関する開示:本記事を掲載するBitLendingは、暗号資産レンディングサービスを提供しています。記事内には当社サービスへの導線が含まれる場合がありますが、特定の投資行動や暗号資産の貸出を推奨するものではありません。

ステーキングの仕組み

ステーキングとは?報酬を受け取る仕組みと、先に知るべきこと

ステーキングは、PoS(Proof of Stake)を採用するネットワークで、資産を預ける・委任することにより、取引の検証とネットワークの安全性を支える仕組みです。Ethereumでは、ETHを預けてバリデータを有効化し、合意形成に参加します。

《出典》
Ethereum staking: How does it work?|ethereum.org

報酬は「保有しているだけ」の利息ではない

報酬の原資や計算方法はネットワークごとに異なり、参加量、稼働状況、手数料、利用するサービスの条件などで受取額は変わります。表示された年率は将来の受取額や円換算の価値を約束しません

また、ビットコインはPoWを採用しており、BTCをネットワークへ預けてネイティブなステーキング報酬を得る仕組みではありません。「BTCで増やす」と表示される商品は、レンディングなど別の契約・サービスである可能性を確認してください。

ステーキングのメリット

ステーキングで得られることと、年率だけで判断できない理由

ステーキングの利点は、中長期で保有する暗号資産について、ネットワーク参加の報酬を得られる点です。取引所やプールを利用する方式では、利用者が自分でバリデータを運用しなくても参加できる場合があります。

一方で、報酬率は比較の入口にすぎません。実際に確認すべきなのは、控除後の配分、付与時期、最低数量、対象外となる残高、途中で売却・送付した場合の扱いです。

自前運用・取引所型・プール型は管理範囲が異なる

自前運用は鍵とノードを自ら管理し、直接参加する方式です。Ethereumの単独バリデータには32 ETHが必要です。取引所型やプール型は少額から参加できることがありますが、資産管理、委任先、手数料、規約変更の影響を受けます。

《出典》
Home stake your ETH|ethereum.org
Liquid & pooled staking|ethereum.org

ステーキングのリスク

ステーキングのデメリットと5つのリスク

ステーキングでは、報酬を受け取れても、資産全体の価値が増えるとは限りません。「何%増えるか」より「どの条件で損失や利用制限が生じるか」を先に確認することが重要です

  1. 価格変動リスク:報酬を上回る価格下落により、円換算の評価額が減ることがある
  2. ロック・解除待ちのリスク:ネットワークやサービスによって、売却・送付・引出しまで時間を要する
  3. スラッシングのリスク:不正行為や運用停止へのペナルティが、委任先の運用を通じて影響することがある
  4. 相手方・保管のリスク:取引所や事業者に預ける方式では、事業者の運営・セキュリティ上のリスクが加わる
  5. スマートコントラクト・派生トークンのリスク:リキッド型では、契約の不具合や価格乖離などが追加され得る

リキッドステーキングやリステーキングはリスクを重ねる

リキッドステーキングでは、預けた資産に対応するトークンを受け取れる場合がありますが、そのトークンの価格乖離やスマートコントラクトのリスクが追加されます。さらに、リステーキングは別サービスの安全性にも資産を使うため、追加報酬と引き換えにリスクが増えます。

DeFiの利用を検討する場合は、DeFiを利用するときの仕組みとリスクも確認してください。

《出典》
What is restaking?|ethereum.org

ステーキングを始める前の確認手順

ステーキングの始め方|方式を選ぶ前の確認手順

始める順番は、銘柄や年率を先に選ぶことではありません。次の5点を確認してから、利用する方式を比較します。

  1. 保有する暗号資産がそのネットワーク・サービスで対象か
  2. 資産と秘密鍵を誰が管理するか
  3. 売却・送付・解除までの条件と時間
  4. 報酬の計算、手数料、付与時期、規約変更の扱い
  5. 受取日時・数量・時価を後から確認できる記録が残るか

国内事業者を使う場合に確認すること

国内の暗号資産交換業者を利用する場合でも、登録は価格変動やサービス固有のリスクをなくすものではありません。金融庁の登録一覧、各社の対象銘柄、資産の保管方法、報酬配分、解除条件を確認してください。取引所を比較する際は、暗号資産取引所の比較で確認したい手数料と取扱条件も参考になります。

保管先を選ぶ前には、取引所とウォレットの役割の違いも理解しておきましょう。報酬を受け取った後は、暗号資産の取引履歴を残す実務上のポイントに沿って履歴を保存します。

《出典》
暗号資産・電子決済手段関係|金融庁

ステーキングとレンディングの違い

ステーキングとレンディングの違い

両者は「暗号資産を保有しながら受取がある」ように見えますが、収益源と追加リスクが異なります。

比較項目ステーキングレンディング
収益の性質ネットワーク検証への参加・委任に伴う報酬暗号資産を貸し出す契約に基づく貸借料
主な追加リスクロック、スラッシング、委任先、スマートコントラクト事業者・借り手・契約条件に関する相手方リスク
共通して確認すること価格変動、資産を動かせる時期、手数料・控除、記録

どちらが適しているかは、利率だけでは決まりません。収益がどこから生じ、資産を誰にどの条件で預けるのかを理解して選びます。

レンディングの詳細は別記事で確認する

レンディングのサービス比較、契約条件、相手方リスクを詳しく確認したい場合は、仮想通貨レンディングの仕組みと主なリスクを確認してください。

ステーキングのよくある質問

ステーキングで元本は保証されますか?

保証されません。ステーキング報酬を受け取っても、保有する暗号資産の価格下落により円換算の評価額が減ることがあります。取引所型やプール型では、さらに事業者・運用者・スマートコントラクトに関するリスクも確認が必要です。

ビットコインはステーキングできますか?

ビットコインはPoWを採用しているため、BTCを預けてネットワーク検証に参加するネイティブなステーキングの仕組みはありません。BTCで受取がある商品は、レンディングなど別の仕組みかを確認してください。

ステーキング報酬はどのくらい受け取れますか?

ネットワークの設計、参加量、稼働状況、手数料、利用するサービスの配分条件によって変わります。表示年率を固定利回りと考えず、控除後の条件と価格変動を併せて確認してください。

途中で売却・出金できますか?

ネットワークとサービスの条件によります。売却・送付が可能な方式でも、報酬の計算対象から外れたり、解除・反映に時間がかかったりする場合があります。申込み前にロックと解除条件を確認してください。

スラッシングとは何ですか?

バリデータの不正行為や重大な運用上の問題に対し、預けられた資産の一部をペナルティとして減額する仕組みです。委任やプールを使う場合も、運用者の仕組みと損失負担の条件を確認しましょう。

取引所で保有するだけでもステーキングになりますか?

自動的に対象となるサービスも、申込みや設定が必要なサービスもあります。対象銘柄、最低数量、対象外となる残高、報酬の配分日と手数料は各サービスの規約で確認してください。

リキッドステーキングは安全ですか?

預けた資産に対応するトークンを受け取れる利便性がある一方、スマートコントラクトの不具合、派生トークンの価格乖離、運営主体や流動性に関するリスクが追加されます。通常のステーキングより安全と一律にはいえません。

リステーキングとは何ですか?

すでにステーキングした資産を使い、別の分散型サービスの安全性も支えて追加報酬を得ようとする仕組みです。追加報酬の分だけリスクも重なり得るため、基本のステーキングと同じものとして扱わないことが重要です。

ステーキング報酬に税金はかかりますか?

暗号資産取引で生じる利益は、原則として雑所得に区分されます。ステーキング報酬の取扱いは受取状況などで確認が必要なため、受取日時・数量・時価の記録を残し、必要に応じて税理士へ相談してください。詳しくは仮想通貨の税金と確定申告の全体像を確認してください。

高い年率のステーキングを選べばよいですか?

年率だけで選ぶべきではありません。価格変動、ロック期間、手数料、委任先・事業者のリスク、報酬の原資を確認し、理解できない追加リスクを負わないことが大切です。

ステーキングとレンディングはどちらがよいですか?

一律に優劣は決まりません。ステーキングはネットワーク参加に由来する報酬、レンディングは貸出契約に由来する貸借料です。資産を動かせる時期、相手方リスク、報酬条件を比較して判断してください。

《出典》
暗号資産等に関する税務上の取扱い及び計算書について|国税庁

まとめ

ステーキングは、PoS型ネットワークの検証に参加・委任し、報酬を得る仕組みです。報酬の数字だけではなく、価格変動、解除条件、資産の管理者、追加されるリスクを確認してから判断しましょう

レンディングを検討する場合は、ステーキングと混同せず、貸暗号資産の条件と選び方を確認したうえで、契約上の相手方リスクも含めて検討してください。

《参考サイト》

資金繰り、資金調達、銀行融資の中小企業向けノウハウ提供サイト【資金繰りプラス】