Binance Labsとは?現在のYZi Labsとの違い・投資先・見方を解説
監修:株式会社J-CAM 金融アドバイザー AFP認定者 倉本 佳光 Yoshimitsu Kuramoto
慶應義塾大学法学部法律学科を卒業後、山一証券株式会社に入社し金融業界でのキャリアをスタート。その後、メリルリンチ日本証券株式会社マネージメント・コミッティーメンバー、岡三アセットマネジメント株式会社理事などを歴任。
執筆:BitLending編集部 更新日:2026年8月27日
Binance Labs(バイナンスラボ)は、2025年1月にYZi Labsへ名称を変更しました。単に看板を掛け替えただけではなく、現在は独立した投資組織として、従来のWeb3に加えてAIとバイオテックも投資対象にしています。
一方、過去の投資発表やプロジェクト紹介には「Binance Labs」という旧称が残っています。本記事では、Binance Labsと現在のYZi Labsの関係、Binanceとの違い、代表的な投資先、出資実績を暗号資産の判断材料として見る際の注意点を整理します。
免責事項(投資助言ではありません)
本記事は、暗号資産および暗号資産関連プロジェクトに関する情報提供を目的としたものであり、特定の銘柄の売買・投資行動を推奨するものではありません。暗号資産は価格変動が非常に大きく、短期間で大きな損失が発生する可能性があります。投資判断は必ずご自身の責任で行い、必要に応じて専門家へご相談ください。
利益相反に関する開示:本記事を掲載するBitLendingは、暗号資産レンディングサービスを提供しています。記事内には当社サービスへの導線が含まれる場合がありますが、特定の投資行動や暗号資産の貸出を推奨するものではありません。
Binance Labsは現在のYZi Labs
Binance Labsは消滅したのではなく、2025年1月にYZi Labsへ名称を変更しました。YZi Labs公式は、現在の組織を「独立した投資ビークル」と説明しています。
| 確認したいこと | 現在の整理 |
|---|---|
| 現在の名称 | YZi Labs |
| 旧称 | Binance Labs |
| 名称変更 | 2025年1月 |
| 現在の位置づけ | 独立した投資組織 |
| 主な投資領域 | Web3、AI、バイオテック |
そのため、2025年以降の新しい投資活動を調べる場合は「YZi Labs」、それ以前の投資やインキュベーション実績を調べる場合は「Binance Labs」も検索すると情報を追いやすくなります。
《出典》
YZi Labs公式サイト|YZi Labs
From Binance Labs Incubator to EASY Residency|YZi Labs
Binance Labsとは何だったのか
Binance Labsは、暗号資産取引所Binanceを源流とする投資・インキュベーション組織です。資金を提供するだけでなく、初期段階のプロジェクトに対して事業づくり、ネットワーク形成、成長支援を行ってきました。
YZi Labs公式によると、その取り組みは2017年に始まり、2018年にはWeb3の起業家を支援するインキュベーションプログラムへ発展しました。初期からインフラ、DeFi、ウォレット、決済など、暗号資産を支える複数の領域を対象としていました。
Binance Labsという名称が付いていた時期の実績は、現在のYZi Labsへ引き継がれています。ただし、古い投資記事に記載された組織名、投資方針、ポートフォリオ数を、そのまま現在の情報として読むのは適切ではありません。
Binance、YZi Labs、Binance Japanは別々に考える
名称が似ているため混同しやすいものの、暗号資産取引所のBinance、投資組織のYZi Labs、日本居住者向け取引所のBinance Japanは役割が異なります。
| 名称 | 主な役割 | この記事での扱い |
|---|---|---|
| Binance | グローバルに展開する暗号資産関連企業・サービス | Binance Labsの源流 |
| YZi Labs | Web3、AI、バイオテックへの投資と育成 | Binance Labsの現在の名称 |
| Binance Japan | 日本居住者向けの暗号資産交換サービス | 口座開設や売買を扱う別サービス |
日本で利用できる取引所機能や取扱銘柄を知りたい場合は、日本居住者向けのBinance Japanのサービス内容を確認してください。
Binance LabsとYZi Labsの違い
最も大きな違いは、組織の位置づけと投資対象の広がりです。旧Binance LabsはWeb3を中心に支援していましたが、YZi LabsはWeb3に加えてAIとバイオテックも投資対象にしています。
| 比較項目 | Binance Labs | YZi Labs |
|---|---|---|
| 名称 | 2025年1月まで使用された旧称 | 2025年1月からの現名称 |
| 位置づけ | Binanceを源流とする投資・育成組織 | 独立した投資組織 |
| 投資対象 | 主にWeb3 | Web3、AI、バイオテック |
| 育成プログラム | Binance Labs Incubation Programなど | EASY Residency |
| 過去実績 | 旧Binance Labsの投資・育成実績をYZi Labsが引き継ぐ | |
「Binance Labsの投資先」と「YZi Labsの投資先」は、名称変更の前後をまたぐ同じ系譜のポートフォリオとして確認する必要があります。一方、現在の新規投資をBinanceによる直接投資と表現するのは避け、発表主体と投資時期を確認することが重要です。
《出典》
From Binance Labs to YZi Labs — A Broader Frontier|YZi Labs
代表的な投資先と支援プログラム
YZi Labsは2025年10月の公式発表で、旧Binance Labs時代からのポートフォリオが25か国以上、300超のプロジェクトに及ぶと説明しています。このうち65超がインキュベーションプログラムを経験したプロジェクトです。
代表例として、公式資料ではPolygon、Injective、SafePal、Dune Analyticsなどが挙げられています。本記事では、出資時期や投資形態を一次資料で確認できないプロジェクトを一覧へ加えず、YZi Labsが現在の公式資料で実績として明示している案件を中心に扱います。
ただし、投資件数やポートフォリオは追加・売却・統合などで変化します。固定的な全件一覧を転載するより、YZi Labsの公式発表で最新状況を確認する方が確実です。
Polygon、Injective、SafePal、Dune Analytics
YZi Labsは、旧Binance Labs時代から支援してきた代表例として、Polygon、Injective、SafePal、Dune Analyticsを挙げています。いずれもWeb3関連ですが、ブロックチェーン、金融向けインフラ、ウォレット、オンチェーンデータ分析というように役割は異なります。
投資先の名前だけを並べて同じ基準で比較せず、各プロジェクトが提供する機能と関連トークンの用途を分けて確認してください。Polygonについては、Polygonの特徴とリスクで解説しています。
金融向けブロックチェーンとしての設計を確認したい場合は、Injectiveの特徴も参考にしてください。
EthenaとIncubation Season 6
YZi Labs公式によると、旧Binance Labsは2024年2月、Incubation Season 6を通じて、サービス公開前のEthenaを支援しました。これは、完成した暗号資産を選定したというより、初期段階のチームと事業モデルを支援した事例です。
同じSeason 6には複数のプロジェクトが参加しましたが、参加、投資、トークン発行、取引所への上場はそれぞれ別の出来事です。NFPromptやQnA3を含む個別トークンの上場時期は本記事の結論に不要なため掲載しません。
現在の育成プログラム「EASY Residency」
YZi Labsは、旧Binance Labsのインキュベーション活動をEASY Residencyへ発展させています。これは、Web3、AI、バイオテック分野の創業者を対象に、資金だけでなく、事業開発、採用、ネットワーク形成などを支援するプログラムです。
募集時期、開催地、投資条件はシーズンごとに変わる可能性があります。応募や条件確認を目的とする場合は、過去記事ではなく現行の公式ページを確認してください。
2026年に確認できる投資例
YZi Labsは2026年1月、オンチェーン取引端末を開発するGeniusへの投資と、デジタル資産カストディ企業BitGoの新規株式公開への参加を発表しました。これらは、旧Binance Labs時代の初期Web3プロジェクト支援に加えて、取引基盤や機関投資家向けインフラも対象としていることが分かる事例です。
ただし、個別の投資発表はYZi Labs自身による説明です。投資対象の事業内容やリスクを評価する際は、投資先企業の資料や規制当局への提出資料なども併せて確認する必要があります。
《出典》
YZi Labs Invests in Genius|YZi Labs
YZi Labs Announces Strategic Investment in BitGo’s IPO|YZi Labs
Binance Labsの投資先情報を見る際の注意点
著名な投資組織から出資を受けたことは、プロジェクトの成功や関連トークンの値上がりを保証しません。投資先情報は候補を知る入口にはなりますが、暗号資産を評価する結論にはなりません。
YZi Labs自身も、公式の投資発表で情報提供を目的とし、投資助言や金融商品の推奨ではないこと、暗号資産やDeFiには全損を含む大きなリスクがあることを明記しています。
《出典》
YZi Labs Announces Strategic Investment in BitGo’s IPO|YZi Labs
出資の対象を確認する
「プロジェクトへ投資した」という発表だけでは、何を取得したのか分かりません。企業の株式、将来株式へ転換する契約、トークン、プロトコルへの助成などでは、投資の意味が異なります。
- 発表主体:Binance Labs時代の発表か、現在のYZi Labsによる発表か
- 発表日:初回投資か、追加投資か
- 対象:企業、財団、プロトコル、トークンのどれか
- 投資段階:インキュベーション、シード、追加ラウンドなど
- 資金使途:開発、採用、市場拡大、流動性など何に使うのか
プロジェクトの成長とトークン価格を分けて考える
サービスの利用者や取引量が増えても、その価値がトークン保有者へ直接還元されるとは限りません。トークンの用途、供給量、追加発行、ロック解除、運営主体の保有割合などを確認する必要があります。
投資先に選ばれた事実は、デューデリジェンスを通過した可能性を示す材料の一つですが、読者自身の確認を不要にするものではありません。暗号資産を比較する際の基本的な視点は、暗号資産の将来性を見分ける判断基準で整理しています。
公式発表を装う勧誘にも注意する
著名な投資会社や取引所の名称を使い、「出資が決まった」「近く上場する」などと購入を急がせる勧誘には注意が必要です。公式サイトに発表があるか、名称・URL・コントラクトアドレスが一致するかを確認してください。
秘密鍵や復元フレーズの入力を求めるサイト、個人アカウントへの送金、利益を保証する説明は避けましょう。具体的な確認点は、暗号資産の勧誘で確認したい詐欺の兆候で解説しています。
Binance Labsに関するよくある質問
旧名称と現在の組織、投資先情報について、間違えやすい点を整理します。
Binance Labsはなくなったのですか?
Binance Labsという名称は2025年1月のリブランドで使われなくなり、現在はYZi Labsとして活動しています。過去の投資・インキュベーション実績はYZi Labsへ引き継がれています。
Binance LabsとYZi Labsは同じ組織ですか?
YZi LabsはBinance Labsを前身とする組織です。ただし、名称変更に伴って独立した投資組織として位置づけられ、投資対象もWeb3だけでなくAIとバイオテックへ広がっています。
YZi LabsはBinanceの子会社ですか?
YZi Labs公式は現在の組織を独立した投資ビークルと説明しています。Binanceを源流とし、旧Binance Labsの実績を引き継いでいますが、現在の新規投資をすべてBinanceによる直接投資とみなすのは適切ではありません。
Binance Labsの投資先一覧はどこで確認できますか?
現在の投資活動はYZi Labs公式サイトのブログやプログラムページで確認できます。過去の投資を調べる場合は旧Binance Labs名義の発表も対象になります。投資件数やポートフォリオは変化するため、確認日と発表主体を併せて確認してください。
投資先の暗号資産は値上がりしやすいですか?
出資を受けたことだけで値上がりしやすいとは判断できません。企業への出資とトークンへの投資は異なる場合があり、プロジェクトが成長してもトークン価格へ反映されるとは限りません。用途、供給量、ロック解除、開発状況、流動性なども確認してください。
Binance LabsとYZi Labsのまとめ
Binance Labsは2025年1月にYZi Labsへ名称を変更し、現在は独立した投資組織として活動しています。旧Binance Labsが中心としていたWeb3に加え、AIとバイオテックへ投資領域を広げています。
過去の投資実績を調べるときはBinance Labs、現在の活動を調べるときはYZi Labsの公式情報を確認すると整理しやすくなります。ただし、著名な投資組織の出資は成功や価格上昇の保証ではありません。発表日、投資対象、トークンの役割、供給設計、現在の開発状況を分けて確認しましょう。