7月26日、国際通貨基金(IMF)が世界経済成長率見通しを発表し、再度見通しを引き下げました。

《世界経済成長見通し》

 20212022.12022.42022.72023
世界6.14.43.63.22.9
先進国5.23.93.32.51.4
米国5.74.03.72.31.0
ユーロ圏5.43.92.82.61.2
日本1.73.32.41.71.7
新興国6.84.83.83.63.9
中国8.14.84.43.34.6

今年出された成長率見通しは4月に下方修正され、今回再度下方に修正されました。

具体的には、当初世界4.4%、先進国3.9%、新興国4.8%でしたが、4月にそれぞれ3.6%、3.3%、3.8%と修正され、今回3.2%、2.5%、3.6%となっています。

これは2月に起こったロシアによるウクライナ侵攻で世界的に進みつつあったインフレに拍車がかかり、欧米で大幅な利上げが行われ、また中国でのコロナ感染拡大に伴うロックダウンの影響も重なり、昨年には予想されなかった状況となっています。

個別には世界経済の牽引役である米国が2.3%、中国が3.3%と大きく下方修正されており、特に中国では政府計画の5.5%を大きく下回る見通しとなっています。

世界経済は新型コロナウイルス禍からの回復どころか、さらに欧州のエネルギー不足や新興国の債務危機などの不安要因を抱えることとなり、世界同時不況のリスクを考慮する段階に入っています。

このような環境の中、各国経済の舵取りは大変難しいものになっていますが、IMFの見通しで成長率を1.7%とされた日本において、「成長と分配の好循環」や「コロナ後の新しい社会の開拓」を目指す「新資本主義」を標榜する岸田内閣の今後の具体策が注目されます。