ビットコイン(BTC)1週間の分析と見通し|2026.02/09-02/015
当記事は今週(短期予想)のビットコインマーケットの分析と見通しです。ビットコインの今後について短期から長期にわたる詳細な分析と見通しは、下記リンクもあわせてご覧ください。
【ビットコインマーケット総合予測】ビットコインの今後の見通し【2026年最新版】短期・中期・長期(10年後)
先週のマーケットは、トランプ大統領が次期FRB議長候補として元FRB理事のケビン・ウォーシュ氏を指名したことで米金融政策の先行きを巡る思惑が再燃し、神経質な展開となりました。米株、とりわけSaaS/ソフトウェア株が崩れてリスクオフが強まる中で、7万ドル割れを起点に売りが連鎖し、一旦トランプ大統領当選前の水準である6万ドル近辺まで急落した後、7万ドル台へ自律反発した1週間でした。
週前半はじり安でしたが、市場が最も強く意識したのは心理的節目の「7万ドル」です。ここを割り込むと売りが加速し、リスク資産全般から資金を引く流れがBTCにも波及しました。下落局面ではレバレッジの解消・清算が重なって“ドミノ”的に下げが深掘りされ、ピークは2/6前後に到来しました。水準としては、BTC/USDが一時6万ドルちょうど近辺(報道ベースでは約60,057ドル)まで突っ込み、円建てでも1,000万円割れ(960万円台)まで下押しするほど、短時間で値幅が出ました。
加えて、米スポットBTC ETFからの資金流出が続いたことも売りの燃料になり、機関投資家サイドのリスク縮小と重なってセンチメントが冷えやすい地合いでした。その後は、急落で売りが一巡したことでショートカバーや押し目買いが入り、7万ドル台へ戻す反発が見られました。しかし全体としては、株式側の不安定さが残る中で「戻りはあっても上値は重い」という空気を残した形で週を終えています。
暗号資産取引所Bithumbでキャンペーン報酬の誤付与
2026年2月6〜7日ごろ、韓国の暗号資産取引所Bithumbでキャンペーン報酬の付与処理にミスが発生し、本来「2,000ウォン」を付与するはずが誤って「2,000BTC」が多数のユーザーに残高として表示・付与されました。取引所は、ハッキングなどの外部要因ではなく、内部手続き上のミスによるものだと説明しています。
この誤付与分を売却しようとする動きが出たことで、Bithumb内のBTC価格が他取引所と大きく乖離し、一時的に約55,000ドル付近まで急落したと報じられています。なお、影響は暗号資産市場全体というよりも、主にBithumbという単一取引所内での価格急変として現れた点が特徴で、短期的には裁定取引や流動性の偏りを通じて周辺市場のボラティリティを高める要因になり得ます。
Bithumbは異常を把握後、該当アカウントの取引・出金制限などの措置を実施し、誤って付与された分について「99.7%を回収した」と説明しました。また、韓国の金融当局がオンサイト点検を含む検査に動いたと報じられています。
【免責事項】
本記事は、市場動向の情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘や特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。最終的な投資決定は、お客様ご自身の判断と責任において行われますようお願いいたします。掲載された情報の正確性や完全性について、一切の保証を行うものではありません。
BTC/JPY(bitFlyer)1時間足:EMA20・EMA100、出来高、MACD(12,26,9)|Chart by TradingView
【今週】ビットコインテクニカル分析
ここからは、BTC/JPY(bitFlyer)1時間足のチャートをみていきましょう。短期の流れを捉えるEMA20(ライトグリーン線)と、相場の基調を示すEMA100(パープル線)を軸に、出来高で売買の勢いを確認しつつ、MACD(12,26,9)でモメンタムの変化をチェックしていきます。
なお、BTC/JPYは円建てのため、ドル円の変動(円高・円安)が同じBTCの値動きでも見え方を変えやすい点に注意したいところです。足元のBTC/USDは約7.08万ドル、BTC/JPYは約1,110万円で推移しており、両者からみた為替水準はおおむね157円前後になります。円高側に振れるとBTC/JPYの戻りが鈍くなりやすく、円安側に振れると下落がいくらか和らぎやすい点は今週も意識したいところです。
現在のBTCトレンド判断
1時間足チャート:急落後の自律反発で「一旦下げ止まり」、しかし戻り売りに注意
直近は大きく下に振れたあと、急落局面で出来高が膨らみ(投げ売り・ロスカットが出やすい形)、その後は反発して落ち着きを取り戻しつつあります。目先で意識されやすい下値は、直近の急落で付けた約1,097万円前後(日足ベースの安値目安)です。
一方で、現在値(約1,110万円台)は約1,111万円(1時間足EMA20)と約1,110万円(1時間足EMA100)がほぼ重なるゾーンにあり、短期的には「均衡地帯」に入っています。ここを明確に割り込むと再び下方向へ圧力がかかりやすく、逆に上で踏ん張れれば短期レンジ化(もちあい)しやすい局面です。
しかし、上には戻りを抑えやすい価格帯が控えています。特に、直近の戻り高値帯(約1,135万〜1,150万円)を超えられない限り、反発は「戻り売り」に押し返されやすい点に注意が必要です。
補足|日足チャートでみる:下落トレンド継続、上には厚い移動平均の壁
日足チャートでみると、現在の価格は、短期移動平均線(EMA20:約1,224万円)と長期移動平均線(EMA100:約1,403万円)の両方を大きく下回っています。移動平均線の並びも、上から「長期・短期・価格」の順になっており、下落トレンドが継続している形です。
この形では、価格が反発しても上に控える移動平均線が強固な「ふた」として機能しやすく、上昇局面は戻り売りが優勢になりやすい状況です。中期的に地合いを改善するには、まず約1,224万円(日足EMA20)までの回復が1つの目安になります。
判断材料となる重要価格マップ
| 区分 | 価格水準(目安) | テクニカル根拠・戦略 |
|---|---|---|
| レジスタンス③ | 1,224万円 | 日足EMA20。中期目線での「戻りの上限」になりやすい境界線です。 |
| レジスタンス② | 1,220万円 | 4時間足EMA100付近。ここを上抜けると戻りが一段進みやすくなります。 |
| レジスタンス① | 1,135万〜1,150万円 | 直近の戻り高値帯。まずはこのゾーンを超えられるかが短期の焦点です。 |
| 最重要分岐 | 1,097万円 | 直近急落の安値目安です。ここを割ると再加速の下落に注意が必要です。 |
| サポート① | 1,050万〜1,020万円 | 1,097万円割れ後に「着地しやすい」ゾーンです。急落時は値が飛びやすく注意が必要です。 |
| サポート②(心理的な最終防衛) | 1,000万円 | 心理的な大台です。割れると弱気が一段強まりやすく、ボラティリティ拡大に注意が必要です。 |
上値の抵抗(赤:レジスタンス):戻りを阻む3つの関門
上方向には、反発が進んだとしても「戻り売り」が入りやすい壁が段階的に控えています。
- レジスタンス①(1,135万〜1,150万円): 直近の戻り高値帯です。ここを超えられない限り、短期の反発は頭を抑えられやすくなります。
- レジスタンス②(1,220万円): 4時間足EMA100付近です。抜けると短期の地合いが一段落ち着き、戻りの幅が広がりやすくなります。
- レジスタンス③(1,224万円): 日足EMA20です。中期トレンドの境界線で、回復できれば弱気ムードの緩和が進みます。
下値の支持(青:サポート):崩壊を防ぐ防衛線
下方向は、直近の急落で付けた安値が最重要の分岐点になります。
- 最重要分岐(1,097万円): 直近急落の安値目安です。今週ここを割らずに推移できれば、売り圧力が一巡してレンジ化しやすくなります。
- 短期の次サポート(1,050万〜1,020万円): 1,097万円を割れた場合の次の着地点候補です。出来高を伴う投げ売りが出ると一気に到達しやすいゾーンです。
- 心理的な最終防衛(1,000万円): 大台割れはセンチメントが悪化しやすく、下落が加速しやすい注意ラインです。
現在は短期的に落ち着きが出ている一方、日足・4時間足の上値抵抗が厚く、上では戻り売りが出やすい地合いです。まずは1,097万円を割らずに踏ん張りつつ、上では1,135万〜1,150万円(レジスタンス①)を回復して短期レンジ上放れの形にできるかが今週の焦点となります。
今週のMACD
今週のMACD(移動平均収束拡散手法)の状態と、それが示唆する短期の展望について解説します。
現状のMACDステータス
- 1時間足(短期): MACDラインはプラス圏にあるものの、シグナルラインを下回っており、ヒストグラムも小幅にマイナスで推移しています。これは「反発モメンタムが一旦鈍化」しているサインで、短期は上値が重くなりやすい局面です。レンジ内でのもちあい〜小さな押し目を作りやすく、上は戻り売りに注意が必要です。
- 補足|日足のMACDを見ると: 日足はMACD・シグナルともに大きくマイナス圏で、ヒストグラムもマイナスが続いています。中期の下落圧力はまだ解消されておらず、短期の反発が入っても「戻り売り」が出やすい地合いです。
今週注目すべき経済イベント
先月末(1/28)のFOMCでは、政策金利は据え置かれ、景気については「堅調(solid pace)」との認識を示す一方、雇用は「増加ペースは低水準だが失業率は安定化の兆し」、インフレは「依然やや高い」といった整理が続きました。また政策運営は「事前に決めたコースではなく、会合ごとに判断する」スタンスが改めて意識されました。
今週は、政府閉鎖の影響で延期されていた重要統計が集中し、景気・雇用・インフレの見え方が一気に更新されます。特に「小売(需要)→雇用→CPI」の順で材料が出るため、週内の市場心理が振れやすい点に注意したいところです。
景気・需要に関する指標
- 小売売上高(12月)
- 雇用コスト指数(ECI:Q4)
- 輸出入物価(12月)
雇用に関する指標
- 雇用統計(1月)
- 実質賃金(Real Earnings:1月)
インフレに関する指標
- CPI(消費者物価指数:1月)
市場では利下げ期待が揺れやすい局面にあり、今週の統計結果は「利下げの時期」と「FRBがどこまで慎重姿勢を維持するか」を占う材料になります。
注目の企業決算
決算発表も山場を迎えます。ネットワーク/半導体(AIインフラ)と消費関連、さらに暗号資産関連株の反応が、株式市場と暗号資産市場のセンチメントに波及しやすい点は押さえておきたいところです。
- 2/10(火) :Coca-Cola、Ford、Marriott、Robinhoodなど
- 2/11(水) :Cisco、McDonald’s、T-Mobile、Shopifyなど
- 2/12(木) :Applied Materials、Airbnb、Coinbase、Unileverなど
今週のビットコイン見通し
先週の急変は、「金融政策の不確実性(FRB人事)×リスクオフ(株の不安定化)×需給イベント(Bithumbの誤付与)」が重なり、BTCがテクニカル節目を割ったところに売りが連鎖した形でした。
今週の最大テーマは、「急落後の戻りが“自律反発”で終わるのか、需給が落ち着いてレンジ化するのか」です。カギになるのは①米金利・ドル(雇用/CPI)、②株のリスクセンチメント(決算反応)、③ETFフロー、④重要価格帯での反応の4点です。
今週、BTCに影響が大きい注目点(重要度順)
1) 2/13(金)「雇用×CPI」:金利が動けばBTCも振れやすい
雇用統計とCPIが同日に出る週は、債券・ドルが大きく動きやすく、BTCも「金利感応度の高いリスク資産」として連動しやすくなります。特にCPIが上振れすると実質金利上昇→リスク資産の上値抑制が意識されやすい点に注意が必要です。
2) 2/10(火)小売売上高・ECI:景気の「強すぎ/弱すぎ」どちらでも揺れやすい
小売が強いと「利下げが遠のく」方向で金利高になりやすい一方、弱すぎると「景気不安→リスクオフ」でBTCが売られる形もあり得ます。重要なのは結果そのものより市場の織り込みとの差です。
3) 地政学・原油:ヘッドラインで一気にリスクオフになりやすい
米・イランを巡る緊張や交渉報道は、原油・株・金利に波及しやすく、BTCにも「リスク資産としての売り」が入りやすい局面があります(週前半ほど薄い時間帯に値が飛びやすい傾向があります)。
4) 需給(ETFフロー):戻りの強さを測る体温計
先週の下げ局面では、米現物BTC ETFに大きめの資金流出が観測され、戻り局面の上値を抑える要因になり得ます。今週は「価格が戻る日でもフローが改善するか」をあわせてみたいところです。
5) 「連鎖売り」再点火リスク:節目割れ→清算の再発に注意
Bithumbの件が一過性でも、心理面では「悪材料に敏感」な状態が残りやすい可能性があります。今週も重要価格帯(直近の戻り高値・急落の起点)での反応次第では、戻り売り→再下落の形になり得るため注意が必要です。
まとめ
今週のBTC相場は、「米インフレ×米雇用(+景気指標)」の結果を受けて、FRBの金利見通しがどちらに傾くかが最大のコアドライバーになります。延期分を含む重要指標の発表が重なる週として注目されており、発表タイミングの前後では市場の織り込みが揺れやすく、ボラティリティが上がりやすい局面とみておきたいところです。
シナリオとしては、インフレが強めに出て雇用も堅調(=利下げ期待の後退)となれば、米金利上昇とドル高方向の圧力が強まり、短期的にリスク資産全体が上値を抑えられやすくなります。この場合、BTCも戻り局面で売りが出やすく、上値の重い展開を警戒します。反対に、インフレの鈍化と雇用の減速(=利下げ再評価)の組み合わせになれば、米金利低下を介してリスク許容度が改善し、BTCは反発して上値トライに向かいやすい週になると見込みます。
また、週後半のCoinbase決算は、暗号資産市場の“実需”(取引量や手数料環境)の代理指標として意識されやすく、内容次第ではクリプト関連株の動きがリスクセンチメントを左右し、BTCにも心理面の追い風/向かい風をもたらす可能性があります。加えて日本側では、日銀の利上げ観測が再燃しやすい環境が示唆されており、円金利や為替の連想を通じてグローバル金利に波及する局面では、BTCも“マクロ連動”が強まりやすい点に注意が必要です。