FOMC議事録とパウエル講演から米国金融市場の未来を読む|ビットコイン予測 今週のポイント2024.8/26-9/01
2024.08.26
今週のビットコイン市場のポイント
2024.8/19 〜 25
先週の米国金融市場の振り返り
先週の米国金融市場は、21日(水)のFOMC議事要旨公表と23日(金)のジャクソンホール会合でのパウエルFRB議長講演を控えて週初こそ堅調であったものの、週を通じて様子見的な展開で推移しました。
FOMC議事要旨では、「最近のインフレでの進展と失業率の上昇は、同会合で政策金利を25ベーシスポイント引き下げる妥当な論拠を示したとの見解を幾人かは示した、もしくはそのような決定を支持しただろうとした」とされ、「データが引き続きほぼ予想通りの内容となれば、次回会合での利下げは適切になる公算が大きいとの考えを大多数が示した」とされています。
また「参加者ほぼ全員が、最近のディスインフレに寄与した要因は今後数カ月にインフレに下押し圧力をかけ続ける可能性が高いとの見解を示した」としています。こうした議事要旨を受けて市場関係者は「9月利下げへの疑念をFOMC議事要旨が一掃した」と判断し、9月利下げへの期待を一段と強めています。
ジャクソンホール会合と市場の反応
ジャクソンホール会合でのパウエルFRB議長の講演は、「コロナの出現から4年半が経ち、コロナに関連する経済の歪みは消えつつある。インフレは大きく下がった。労働市場はもはや過熱しておらず、コロナ前の水準よりも引き締まっていない。インフレが持続的に2%に戻ってゆくというわたしの確信は大きくなっている。」と述べました。
そして、「インフレ上昇のリスクは減少し、雇用の減速リスクは増大した。今こそ金融政策を調整する時だ。旅の方向は決まっている。利下げのタイミングとペースについては経済データや景気見通し、リスクのバランス次第となるだろう。」と金利引き下げへの政策転換を示唆する発言を行いました。
この発言により23日(金)の米国株式市場は上昇して終わっています。NYダウ平均は+462ドル、S&P500は+63ポイント、NASDAQは+258ポイントでした。米国10年国債利回りも3.80%に低下し、ドル円相場は144円台と円高へ進みました。
暗号資産市場の動向
暗号資産市場は想定していたように金融市場の動向をにらみ慎重な動きを示し、週央までBTCが860万円前後、ETHが37万円後半、XRPは86円前後で推移していました。
22日(木)にカマラ・ハリス副大統領の上級顧問であるブライアン・ネルソン氏が「カマラ・ハリス副大統領は、暗号資産(仮想通貨)分野の成長を目指した政策を支持する予定である。」とコメントし、暗号資産業界の成長に対する支持を明確にしたことから堅調な動きとなり、週末にはBTCが885万円前後、ETHが38万円台前半となっています。
今週の見通し
今週も米国の景気動向を示す経済指標の発表が相次ぎますが、注目されるのは28日(水)の半導体大手エヌビディアの2024年5-7月期決算発表です。この結果によっては、米国株式の3市場が市場最高値を更新する動きを見せることも考えられます。しかし、期待に反した結果となれば、金融当局による利下げを好感して上昇した相場の調整も考えられます。
また、30日(金)に発表される米国PCE物価指数は、9月の利下げを確定的にするかどうかの重要な発表となります。現時点での市場予想ではPCEコア指数は前月比+0.2%であり、これが予想通りであれば、コアインフレ率が3ヶ月年率換算で2.1%まで鈍化し、目標の2%に近づくことになります。
さらに、7月の個人消費支出は前月比+0.5%の予想で、4ヶ月ぶりに高い伸びになると見られています。これらが予想通りとなれば、金融当局による利下げを裏付けるとともに、米国金融当局が景気拡大を維持することに成功していると示すことになるでしょう。
今週の2つの発表は、米国経済のリセッション懸念を払拭できるか、それとも懸念が残るのかを示す重要な指標となります。
ビットコインと暗号資産市場の見通し
米国の金融政策と暗号資産市場
暗号資産市場は依然として伝統的な金融市場の動向に大きく影響を受けていますが、今後の展開にはいくつかの重要な要素が絡んできます。まず、米国の金融政策の動向が暗号資産市場に与える影響は無視できません。FRBの金利政策やインフレ指標が示す方向性は、ビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)といった主要暗号資産の価格に直接的な影響を及ぼす可能性があります。
現在、FRBの利下げが期待されていることから、リスク資産としての暗号資産が再び注目を集める可能性があります。特に、金利が低下することで債券市場からの資金流入が増えることが予想され、暗号資産市場にポジティブな影響を与える可能性があります。ただし、これらの動きが市場全体に及ぼす影響は、他の経済指標やFRBの追加発表に依存するため、不確実性が残ることに注意が必要です。
技術的進展と規制の影響
さらに、暗号資産市場は技術的な進展や規制の動向にも大きく影響を受けます。特に、イーサリアム2.0のローンチや、各国での規制強化が市場に与える影響は大きいです。これらの技術的な進展が、スマートコントラクトや分散型金融(DeFi)といった分野での革新を促進し、市場全体の成長を支える要因となる可能性があります。
一方で、各国政府や規制当局の動向も市場の不確実性を高める要因です。例えば、米国政府による暗号資産規制強化の動きが続く中で、特に大手取引所や暗号資産関連企業に対する監視が強化される可能性があります。これにより、取引量の減少や市場のボラティリティの上昇が予想されますが、規制が明確化されることで市場の信頼性が向上し、長期的な安定につながる可能性もあります。
世界的な経済動向との関連性
また、世界的な経済動向も暗号資産市場に影響を与える重要な要素です。中国の経済指標や欧州の金融政策など、主要経済圏の動向が市場全体に波及する可能性があります。特に中国における経済成長の鈍化や、欧州でのエネルギー価格の高騰が、暗号資産市場にとってリスク要因となり得ます。これらの外部要因が複雑に絡み合う中で、投資家はより慎重な姿勢を取ることが求められるでしょう。
今後の市場の見通し
総じて、今後の暗号資産市場は、米国の金融政策、技術的進展、規制の動向、そして世界的な経済動向という複数の要因が交錯しながら展開されることが予想されます。特に、FRBの政策決定や中国の経済指標に対する市場の反応が、短期的な価格変動を左右するでしょう。投資家にとっては、これらの要因を総合的に分析しながら、リスク管理を徹底することが重要です。
また、カマラ・ハリス副大統領の暗号資産業界への支持表明も、今後の市場にポジティブな影響を与える可能性があります。これにより、暗号資産に対する政策的支援が強化されることで、新たな資金流入や市場の成長が期待されます。ただし、この動きが具体的にどのような形で現れるかは今後の政策の詳細次第となるため、注意深く見守る必要があります。
今週の経済イベントカレンダー
Calendar of Economic Events This Week
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月 | 日 | 曜日 | 日本時間 | 国 | 経済イベント | 重要度 |
---|---|---|---|---|---|---|
08 | 26 | 月 | 21:30 | 米国 | 耐久財受注7月 | ★★★★☆ |
08 | 27 | 火 | 22:00 | 米国 | S&Pケースシラー住宅価格指数6月 | ★★★☆☆ |
08 | 27 | 火 | 23:00 | 米国 | コンファレンスボード(CB)消費者信頼感指数8月 | ★★★★☆ |
08 | 27 | 火 | 23:00 | 米国 | リッチモンド連銀製造業指数8月 | ★★★☆☆ |
08 | 29 | 木 | 06:00 | 米国 | エヌビディア決算発表(2,024年5-7月期) | ★★★★★ |
08 | 29 | 木 | 18:00 | 欧州 | ユーロ圏景況感指数8月 | ★★★☆☆ |
08 | 30 | 金 | 18:00 | 欧州 | ユーロ圏消費者物価指数(HICP)8月 | ★★★☆☆ |
08 | 30 | 金 | 21:30 | 米国 | 個人消費支出(PCE)物価指数7月 | ★★★★☆ |
これまでの暗号資産積み立ての状況
Accumulation Status
[期間:2023.06.05 〜 2024.12.11]
2023年6月から月毎に10万円分の暗号資産を実際に積み立てていき、そのポートフォリオを公開する企画です。ビットコイン(BTC)、イーサリアム(ETH)、日本の取引所でも取り扱われており、米ドルとペッグ〔連動〕するステーブルコインであるダイ(DAI)を対象としています。
ポートフォリオの現在の資産価値
円
含み益(現在の資産価値 - 合計積立金額)
円
利益率
%
積み立て回数
16回
合計積立金額
1,600,000円
ポートフォリオの構成
ポートフォリオ
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銘柄 | シンボル | 対円レート | 保有数量 | 日本円換算 | 構成比 |
---|---|---|---|---|---|
ビットコイン | BTC | [BTC/JPY]円 | 0.1523 BTC | 円 | % |
イーサリアム | ETH | [ETH/JPY]円 | 1.8884 ETH | 円 | % |
ダイ | DAI | [DAI/JPY]円 | 80 DAI | 円 | % |