ビットコイン週間相場レポート|FOMC後の金利観測とクラリティ法案が焦点
免責事項(投資助言ではありません)
本記事は、ビットコイン(BTC)に関する情報提供を目的としたものであり、特定の銘柄の売買・投資行動を推奨するものではありません。暗号資産は価格変動が非常に大きく、短期間で大きな損失が発生する可能性があります。投資判断は必ずご自身の責任で行い、必要に応じて専門家へご相談ください。
また、記事内で扱う価格予測は、将来の価格を保証するものではありません。「当たる/外れる」ではなく、想定レンジと前提条件(何が起きたら強気・弱気に傾くか)を整理する材料として活用してください。
総括・結論
先週の金融市場は、中東情勢と原油価格の動向、Alphabet(Googleの親会社)とTeslaの決算を見極める展開となりました。週間ではNYダウが199.17ドル安、S&P500が45.71ポイント安、NASDAQ総合指数が544.42ポイント安となり、主要3指数がそろって下落しています。
ビットコイン(BTC)は、週初に6万4,000ドル台で推移した後、21日には一時6万6,900ドル近辺まで上昇しました。しかし、週後半は原油高と米国株安が重しとなり、24日には6万4,000ドル前半まで下落しています。7月27日の執筆時点では6万5,000ドル台、ドル円レートを用いた参考換算で約1,070万円です。
今週は、7月28~29日に開かれる米連邦公開市場委員会(FOMC)と、米国の暗号資産規制を整備する「クラリティ法案」の交渉が重要です。FOMCでは政策金利の据え置きが中心予想ですが、インフレへの警戒から利上げを支持する声も増えています。クラリティ法案は更新案が公表された一方、成立に必要な超党派の支持を確保できるかは不透明です。
| 確認項目 | 現在の状況 |
|---|---|
| 先週のBTC | 約6万3,700~6万6,900ドルの範囲で推移し、週末は6万4,000ドル台 |
| 先週の米国株 | 原油高と大手テック株安を受け、主要3指数が週間で下落 |
| 今週の重要材料 | FOMCの政策判断とウォーシュFRB議長の会見、クラリティ法案の交渉 |
| 基本的な見方 | 上値は重いものの、6万4,000ドル前後で下げ止まれるかを確認する局面 |
《出典》
AP通信「How major US stock indexes fared Friday 7/24/2026」
CoinLore「Bitcoin Historical Data」
OANDA「USD/JPY 過去の為替レート」
先週の振り返り
先週は大きな経済指標の発表が少なく、中東情勢、原油価格、米大手テック企業の決算が相場を動かしました。BTCは独自の材料で上昇する場面もありましたが、週後半には米国株とともに上値が重くなっています。
週初は中東情勢を警戒し、BTCは6万4,000ドル台でもみ合い
7月20日(月)の米国株は、前週末の弱い流れを引き継いで下落しました。中東での戦闘が続き、原油価格の上昇が物価や金利に与える影響を警戒する動きも残りました。NYダウは305.86ドル安、S&P500は0.2%安、NASDAQ総合指数はほぼ横ばいで取引を終えています。
BTCは一時6万3,700ドル台まで下落しましたが、その後は6万5,000ドル台へ戻しました。日本円ではおおむね1,040万~1,070万円近辺です。中東情勢への不安が残る一方、直ちにBTCを大きく売り込む新材料もなく、方向感を欠く動きとなりました。
《出典》
Kiplinger「Dow Drops 305 Points as Apple Falls From Highs: Stock Market Today」
CoinLore「Bitcoin Historical Data」
クラリティ法案を巡る交渉が進み、BTCは一時6万6,900ドル近辺へ
7月21日(火)、BTCは6万5,000ドル前半から一時6万6,900ドル近辺まで上昇しました。この時期には、クラリティ法案の争点となっている倫理条項について、超党派で調整が続いていることも伝えられています。
クラリティ法案は、暗号資産をどの規制当局が監督するのか、事業者がどのルールに従うのかを明確にするための法案です。規制の不透明さが小さくなれば、企業や金融機関が暗号資産関連事業へ参入しやすくなるとの期待があります。
ただし、同日の上昇を法案だけで説明することはできません。米国株も反発しており、市場全体で投資家がリスクを取りやすくなったことがBTCを支えた可能性もあります。
《出典》
Axios「Progressives scorch Gillibrand over crypto」
CoinLore「Bitcoin Historical Data」
AlphabetとTeslaの決算後、原油高と大手テック株安が重しに
7月22日(水)の取引終了後にAlphabetとTeslaが決算を発表しました。翌23日(木)、Teslaは利益が市場予想を下回ったことなどから14.5%下落しました。Alphabetは売上高と利益が市場予想を上回ったものの、AI関連の設備投資計画が膨らんだことへの警戒から7.1%下落しています。
同日は中東の原油輸送を巡る不安も強まり、北海ブレント原油が1バレル=100.69ドルまで上昇しました。原油高が続けば、企業や家計の負担が増え、米国のインフレ率を再び押し上げる可能性があります。その結果、FRBが金利を高く維持したり、利上げに動いたりするとの見方が強まりやすくなります。
高金利は、利息を生まないBTCや金、将来の成長期待で買われるハイテク株にとって上値を抑える要因です。23日はS&P500が1.2%、NASDAQ総合指数が2.2%下落し、BTCも6万6,000ドル台から6万4,000ドル後半まで下落しました。
《出典》
AP通信「Brent oil tops $100 per barrel, as Tesla and Alphabet drag Wall Street lower」
CoinLore「Bitcoin Historical Data」
週末は原油価格が反落したものの、BTCの反発は限定的
7月24日(金)は北海ブレント原油が前日比で約4%下落し、1バレル=96.78ドルとなりました。NYダウは235.60ドル高、S&P500も小幅に上昇しましたが、NASDAQ総合指数は0.6%下落しています。
BTCは特に大きな上昇材料がなく、6万3,700~6万5,700ドル近辺で推移し、終値は6万4,100ドル前後でした。原油価格の反落は安心材料ですが、米国株、とくに大手テック株への警戒が続いたため、BTCがすぐに6万6,000ドル台を回復する展開にはなりませんでした。
先週の値動きからは、BTCが6万4,000ドル前後で一定の買いを集めていることが確認できます。ただし、6万6,000~6万7,000ドル近辺では上値が重く、明確な上昇基調に入ったと判断できる段階ではありません。
《出典》
AP通信「How major US stock indexes fared Friday 7/24/2026」
CoinLore「Bitcoin Historical Data」
テクニカル分析は別ページへ移行しました
さらに専門的なチャート分析をお届けするため、本記事でのテクニカル分析パートを切り離し、別ページにて掲載することといたしました。
最新のビットコイン(BTC)テクニカル分析や詳細な価格予測は、以下のリンクよりご確認いただけます。
今週の経済イベント
| 月 | 日 | 曜日 | 日本時間 | 国 | 経済イベント | 重要度 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 07 | 27 | 月 | 21:30 | 米国 | 耐久財受注 6月 | ★★★★☆ |
| 07 | 28 | 火 | 22:00 | 米国 | S&P ケースシラー住宅価格指数 5月 | ★★★☆☆ |
| 07 | 28 | 火 | 23:00 | 米国 | リッチモンド連銀製造業景気指数 7月 | ★★★☆☆ |
| 07 | 28 | 火 | 23:00 | 米国 | コンファレンスボード(CB)消費者信頼感指数 7月 | ★★★★☆ |
| 07 | 29 | 水 | 27:00 | 米国 | FOMC(連邦公開市場委員会) | ★★★★★ |
| 07 | 30 | 木 | 21:30 | 米国 | 個人消費支出価格指数 6月PCE物価指数 | ★★★★★ |
| 07 | 30 | 木 | 21:30 | 米国 | 新規失業保険申請件数 7/19-7/25 | ★★★★☆ |
| 07 | 30 | 木 | 21:30 | 米国 | 2026年第2四半期実質GDP | ★★★★★ |
| 07 | 31 | 金 | 08:30 | 日本 | 東京消費者物価指数 7月 | ★★★★☆ |
| 07 | 31 | 金 | 08:50 | 日本 | 鉱工業生産指数、小売業販売額 6月 | ★★★☆☆ |
| 07 | 31 | 金 | 10:30 | 中国 | 製造業・サービス業 PMI(購買担当者景気指数)7月 | ★★★★☆ |
| 07 | 31 | 金 | 18:00 | ユーロ圏 | 消費者物価指数(HICP) 7月 | ★★★★☆ |
| 07 | 31 | 金 | 22:45 | 米国 | シカゴ購買部協会景気指数 7月 | ★★★★☆ |
| 07 | 31 | 金 | 23:00 | 米国 | ミシガン大学消費者信頼感指数 7月 | ★★★★☆ |
| 07 | 31 | 金 | 未定 | 日本 | 日本銀行金融政策決定会合 | ★★★★★ |
注目のイベント解説
今週は、米国の金融政策を決めるFOMCと、暗号資産市場に直接関係するクラリティ法案の交渉が焦点です。どちらも結果だけでなく、今後の政策や審議の方向を示す発言がBTCを動かす可能性があります。
7月28~29日:FOMCとウォーシュFRB議長の記者会見
FRBは7月28~29日にFOMCを開き、日本時間30日未明に政策金利を発表します。市場では政策金利を3.50~3.75%に据え置くとの予想が中心ですが、原油高や関税による物価上昇を警戒し、利上げを支持するFRB関係者も増えています。
初心者が確認したいのは、「今回利上げするか」だけではありません。ウォーシュFRB議長が記者会見で、9月以降の利上げについてどの程度警戒を示すかが重要です。
FOMC後に確認したい反応
- 据え置きに加えて利上げを急がない姿勢が示される:米国債利回りが低下し、BTCや金には追い風となる可能性
- 9月以降の利上げ可能性が強く示される:ドルや米国債利回りが上昇し、BTCやハイテク株の上値を抑える可能性
- 委員の意見が割れる:発表直後に上下へ大きく動き、方向感が定まりにくくなる可能性
インフレへの警戒が強まる場合、株式、金、BTCはいずれも短期的に売られる可能性があります。一方、物価上昇は一時的で、追加利上げを急がないとの見方が広がれば、金やBTCが上値を試す展開が考えられます。ただし、株式市場では金利だけでなく、AI投資の採算に対する不安も残っているため、BTCとNASDAQが同じ方向へ動くとは限りません。
《出典》
米連邦準備制度理事会「FOMC meeting calendars and information」
Reuters「Warsh’s no-guidance approach confronts a hawkish world and hawkish Fed colleagues」
クラリティ法案:更新案公表後の超党派交渉
7月22日、シンシア・ルミス上院議員は、上院銀行委員会と農業委員会の案を統合したクラリティ法案の更新文書を公表しました。法案は5月に上院銀行委員会を15対9で通過しており、成立へ向けた次の段階に進んでいます。
ただし、更新案が出たことと、法案の成立が確実になったことは同じではありません。上院で審議を前へ進めるには、議事妨害を打ち切るための60票が事実上必要です。共和党は53議席のため、共和党内の賛成をまとめたうえで、複数の民主党議員からも支持を得る必要があります。
最大の争点の一つは、大統領や議員などの公職者が暗号資産事業から利益を得ることを制限する「倫理条項」です。超党派の合意が確認され、採決日程が具体化すれば、規制整備への期待からBTCの支えになる可能性があります。反対に、交渉がまとまらず審議が先送りされても、直ちにBTCの仕組みや供給量が変わるわけではありませんが、短期的な期待が後退して売り材料になる可能性があります。
法案を巡って確認したい3点
- 倫理条項について共和党と民主党が合意できるか
- 上院本会議の採決日程が正式に示されるか
- 審議を進めるために必要な60票の支持が見込めるか
《出典》
シンシア・ルミス上院議員公式サイト「Lummis Releases Updated Clarity Act Text」
Axios「Progressives scorch Gillibrand over crypto」
7月30~31日:Microsoft・Meta・Apple・Amazonの決算
今週後半は、Microsoft(MSFT)、Meta Platforms(META)、Apple(AAPL)、Amazon.com(AMZN)という米大手テック企業の決算にも注目です。米国時間ではMicrosoftとMetaが7月29日の取引終了後、AppleとAmazonが7月30日の取引終了後に発表します。日本時間では、MicrosoftとMetaが30日早朝、AppleとAmazonが31日早朝となる見込みです。
これら4社はNASDAQやS&P500に占める比重が大きく、決算後の株価変動が株式市場全体の投資家心理に波及しやすい企業です。BTCは常にハイテク株と同じ方向へ動くわけではありませんが、市場でリスクを取る動きが強まると買われやすく、反対に大手テック株が急落する局面では売りが波及する場合があります。
| 日本時間 | 企業 | 主な確認点 |
|---|---|---|
| 7月30日早朝 | Microsoft(MSFT) | Azureを中心とするクラウド事業の成長、AI需要、データセンターへの設備投資と収益のバランス |
| 7月30日早朝 | Meta Platforms(META) | 広告事業の成長、AI活用による収益改善、AIインフラへの投資額と今後の費用見通し |
| 7月31日早朝 | Apple(AAPL) | iPhoneやサービス部門の売上、AI機能への評価、中国を含む地域別需要、今後の業績見通し |
| 7月31日早朝 | Amazon.com(AMZN) | AWSの成長率、AI向けクラウド需要、設備投資、小売事業の利益率と今後の見通し |
特に重要なのは、各社の売上高や利益が市場予想を上回ったかだけではなく、AI関連の大規模な設備投資が実際の収益成長につながっているかです。先週は、Alphabetが好決算を発表したにもかかわらず、AI投資額の増加を警戒されて株価が下落しました。同じように、決算の数字が良くても投資負担が意識されれば、大手テック株が売られる可能性があります。
MicrosoftとMetaの決算は、FOMCの政策発表とほぼ同じ時間帯に市場へ伝わります。そのため、金利見通しと企業決算への評価が重なり、日本時間30日早朝はNASDAQ先物やBTCの値動きが大きくなる可能性があります。AppleとAmazonの決算後も、発表直後の株価だけでなく、経営陣が示す今後の売上・設備投資見通しを確認することが重要です。
決算後に確認したいポイント
- MicrosoftのAzureとAmazonのAWSが、AI需要を背景に高い成長を維持しているか
- 各社のAI関連投資が増えるだけでなく、売上や利益の成長につながっているか
- 決算後にNASDAQ先物が上昇するか、BTCも同じ方向へ反応するか
《出典》
Microsoft公式「Microsoft announces quarterly earnings release date」
Meta Investor Relations「Meta to Announce Second Quarter 2026 Results」
Apple Investor Relations「FY 26 Third Quarter Results」
Amazon Investor Relations「Amazon.com to Webcast Second Quarter 2026 Financial Results Conference Call」
今週の見通しの総括
今週のBTCは、6万4,000ドル前後で下値を維持できるか、6万6,000~6万7,000ドルの上値を超えられるかを確認する週です。7月27日の執筆時点では6万5,000ドル台で推移しており、現在の判定は「下値を固めつつあるものの、上昇再開を確認する前の段階」です。
上方向へ動く条件は、FOMC後に追加利上げへの警戒が弱まり、米国債利回りとドルの上昇が落ち着くことです。さらに、クラリティ法案の採決日程や超党派合意が具体化すれば、BTC独自の買い材料となる可能性があります。この場合、まず6万6,000~6万7,000ドル近辺を明確に上回り、その水準を維持できるかが焦点です。
下方向へ動く条件は、ウォーシュFRB議長が9月以降の利上げに前向きな姿勢を示すことや、中東情勢の悪化によって原油価格が再び100ドルを超えて上昇することです。米国株、とくに半導体・AI関連株の下落が続けば、投資家がリスクを避ける動きからBTCにも売りが波及する可能性があります。
今週確認したい3つの条件
- BTCが6万4,000ドル前後を維持し、6万6,000~6万7,000ドルへ上値を広げられるか
- FOMC後に米国債利回りとドルが上昇するか、低下するか
- クラリティ法案について超党派合意や具体的な採決日程が示されるか
反対に、6万4,000ドル近辺を明確に割り込み、6万3,000ドル台でも下げ止まらない場合は、下値が固まったとの見方をいったん見直す必要があります。その場合は、中東情勢、原油価格、米国債利回り、NASDAQの動きを分けて確認し、BTCだけに固有の売り材料が出ているのか、市場全体でリスク回避が進んでいるのかを判断することが重要です。
今週はFOMCと法案審議の見出しだけで売買を判断するのではなく、「発表後に金利・株式・BTCが実際にどう反応したか」を確認する局面です。好材料が出ても6万7,000ドルを超えられない場合は上値の重さが残り、悪材料が出ても6万4,000ドル前後を維持できる場合は下値が固まりつつあると判断しやすくなります。
《出典》
米連邦準備制度理事会「FOMC meeting calendars and information」
シンシア・ルミス上院議員公式サイト「Lummis Releases Updated Clarity Act Text」
AP通信「Brent oil tops $100 per barrel, as Tesla and Alphabet drag Wall Street lower」