デジタルゴールドと評されるビットコイン

ビットコイン(BTC)の生誕から現在までの歴史と価格の推移を振り返る

数ある仮想通貨(暗号資産)の中で最初に誕生したビットコイン(BTC)は、その時価総額の高さからデジタルゴールドとも呼ばれます。仮想通貨(暗号資産)を本格的に運用するなら、まずは保有しておきたい銘柄の一つです。

2024年6月時点での史上最高額は2024年6月7日に記録した(bitflyer)約11,243,505円と注目度の高いビットコイン(BTC)ですが、誕生当初はほとんど通貨としての価値を持たないものでした。そこからどのように価格推移したのか、価格に影響を与える事件やきっかけを押さえておくと、今後の価格予想や運用に役立つ可能性があります。

そこで本記事では、ビットコイン(BTC)の生誕から現在までの歴史を価格の推移とともに振り返ります。記事後半では、ビットコイン(BTC)の価格が変動しやすいタイミングについても解説するのでぜひ参考にしてください。

ビットコイン

ビットコイン(BTC)とは?

ビットコイン(BTC)とは、インターネット上に突如現れたサトシ・ナカモト氏が2008年に発表した論文を基に開発された仮想通貨(暗号資産)です。ビットコイン(BTC)は「金融取引を中央管理者が存在しない状態で行う」という考え方がベースになっています。

ビットコインの登場によって人類は「金融機関を通さなくても当事者同士が直接安全に金融取引ができるようになった」ということができます。金融取引から第三者の介在が不要になったことで、取引にかかるコスト、つまり取引手数料が構造的に安くなるので、マイクロペイメント、つまり小額課金モデルを導入した新たなビジネスモデルの構築が可能になったということができます。従来の定額料金やサブスクリプションに代わり、ユーザーは実際に利用した分だけ支払う「使用料課金」が可能となります。これにより、ユーザーにとって費用対効果の高い支払いが実現可能となります。

ビットコイン誕生のストーリーはこちら ↓

ビットコインの登場がその後に与えた影響

ビットコインの成功により、ブロックチェーン技術は注目を集め、様々な用途への応用が検討され、金融取引だけでなく、データ管理、契約履行、アイデンティティ認証など、広範な分野での利用が可能とされました。

ビットコイン(BTC)の分散型仕組みは、イーサリアム(ETH)の開発者であるヴィタリック・ブテリン氏にも大きな影響を与えました。イーサリアムは、ビットコインが提供する単なる通貨の送金機能に留まらず、条件に従って資金を自動的に預けたり送金したりできるプログラムを自由に設計し、運用することができます。このイーサリアムで実行できる資金管理プログラムをスマートコントラクトと言います。

ビットコインによって始まった分散化のイノベーションは、イーサリアムのスマートコントラクトの登場により、さらに大きな可能性を持つようになりました。現在では、Web3と呼ばれる分散型インターネットの世界が広がっています。具体的には、NFT(Non-Fungible Token)やDeFi(分散型金融)の取引、Dapps(分散型アプリケーション)などが実装され、その可能性はますます拡大しています。

ヴィタリック・ブテリンとイーサリアム誕生のストーリーはこちら ↓

ビットコインと電子マネーは何が違うの?

ビットコイン(BTC)は仮想通貨(暗号資産)の一種です。しかし中には、仮想通貨(暗号資産)と聞くと電子マネーをイメージする方もいるかもしれません。両者は以下の点で異なるので、ビットコイン(BTC)の概要をつかむために具体的に見ていきましょう。

  • 発行する団体
  • 価格変動の有無
  • 利用可能な範囲

電子マネーは国が発行する法定通貨を元に、企業がデジタル上で作成しています。もちろん、中央で管理されているため分散型の仕組みではありません。一方の仮想通貨(暗号資産)は、あらかじめ決められた仕組みやルール、プログラムに則り発行されています。

価格変動の有無がある点も、仮想通貨(暗号資産)と電子マネーの違いです。電子マネーの利用可能金額は変化しませんが、仮想通貨(暗号資産)は市場動向や著名人の発言、銘柄自体のアップデートなどの要因や需給バランスによって変動します。

また、電子マネーの利用範囲は国の自治が及ぶ地域に限られるのに対し、ビットコイン(BTC)は決済手段に導入されていれば世界中で利用可能です。両替をする手間を省けるだけでなく、個人間送金のために金融機関を介す必要もありません。

ビットコイン(BTC)の特長

ビットコイン(BTC)の特長は以下の3つです。

  • 世界で最初に生まれた仮想通貨(暗号資産)
  • ブロックチェーンを使った取引
  • 発行枚数の上限がある

それぞれ詳しく見ていきましょう。

世界で最初に生まれた仮想通貨(暗号資産)

2024年4月現在、世界には約2万種類の仮想通貨(暗号資産)があります。その中でもビットコイン(BTC)は、世界で初めて誕生した仮想通貨(暗号資産)です。

詳しくは後述しますが、ビットコイン(BTC)はサトシ・ナカモト氏のブロックチェーン上で金融取引を行う仕組みに関する論文が基となり、2009年に稼働を開始しました。

当初こそ通貨的価値をほとんど持っていなかったビットコイン(BTC)ですが、1BTC=約15,248,074円、時価総額は301.7 兆円越えと投資対象として注目を浴びています。その注目度の高さから大企業が決済手段に採用する事例も多く、日本ではビックカメラ、世界的企業ではスターバックスやPayPalなどでビットコイン決済の利用が可能です。加えて、中央アフリカ共和国やエルサルバドル、スイスのルガーノ市では法定通貨として採用されており、公共料金の支払いや各種サービスの支払いに利用可能で、用途の幅は広がりつつあります。

blockchain ブロックチェーン

ブロックチェーンを使った取引

ビットコイン(BTC)はブロックチェーンを使った取引です。ブロックチェーンは中央管理者を必要とせず、P2Pネットワークによってつながっているコンピューターで分散して取引を管理する仕組みで、分散型台帳技術(DLT)とも呼ばれます。一部の参加者がマイニングという仕組みを通じて報酬と引き換えにコンピュータリソースを取引の検証の為に提供することでビットコイン(BTC)台帳を常に適切な状態に保っています。

P2Pネットワークとは? Peer-to-Peer Network

P2P(ピアツーピア)とは、コンピュータ同士が直接通信してデータをやり取りする仕組みのことです。サーバーを介さずに、ネットワーク上の各コンピュータ(ピア)が対等な立場で接続し合うため、情報の共有やファイルの転送が迅速に行えます。これにより、中央の管理者が不要になり、効率的で分散型のネットワークが構築されます。

ブロックチェーンを使った取引には、以下に挙げるメリットがあります。

  • 取引の透明性が高い
  • 不正が事実上不可能
  • システムの安全性が高い

各メリットを解説します。

1つ目のメリットは、取引の透明性が高い点です。ブロックチェーンでは取引記録を、ブロックと呼ばれる単位にまとめてそれぞれをつなぎ合わせる仕組みです。

中央集権型で管理されるシステムと異なり、それぞれのブロックはアクセス許可を持つネットワーク参加者なら誰でも見ることが可能なので、透明性の高い取引が実現します。

2つ目のメリットは、不正を行うのが事実上不可能な点です。ブロックチェーン上の取引はブロックをつなぎ合わせて管理され、その連結には入力データを一定の長さの文字列に変換するハッシュ関数が用いられます。

ブロックチェーンで特徴的なのは、現在のブロックは過去のブロックのハッシュ値が受け継がれている点です。仮に過去の記録を改ざんする場合、過去から現在にかけてのハッシュ値を全て、改ざん前のものと適合させる必要があります。膨大な計算が必要となり、実行するには計算能力の51%以上を占有しなければならず、現実的ではありません。

3つ目のメリットは、システムの安全性が高い点です。中央のサーバーでデータを管理する場合、不具合が起きると全体に影響が波及する可能性があるでしょう。

ブロックチェーンは各取引内容が分散管理され、ネットワークは同期されているため、システムダウンのリスクが大幅に抑えられています。これまでビットコイン(BTC)に大きなシステムトラブルはなく、安定したネットワークのもと、ビットコイン(BTC)は稼働しています。

発行枚数の上限がある

ビットコイン(BTC)は、発行上限の枚数が2,100万枚に定められています。国が発行する法定通貨には発行上限がない点が、ビットコイン(BTC)との大きな違いの一つです。

ビットコイン(BTC)は約10分に1度、ブロック承認作業を行うマイナーに支払われる報酬として新たに発行されます。ビットコイン(BTC)誕生当初の新規発行枚数は50BTCでしたが25BTC、12.5BTCと半減され、2024年4月20日に4回目の半減期を迎え3.125BTCです。新規発行枚数は約4年に1度訪れる半減期で半分になるため、2140年までに徐々に2,100万枚へと近付いていきます。

ビットコイン(BTC)には発行上限があり、無限に発行されるわけではないため、通貨の価値が保たれやすい構造です。実際、これまでに訪れた半減期の後は軒並みビットコイン(BTC)の価格が上昇しています。

ビットコインの歴史と価格の推移

ビットコイン(BTC)の歴史と価格推移、市場価値の移り変わり

ビットコイン(BTC)の歴史と過去15年の価格の推移を、2008年から時系列を追って見ていきましょう。

ビットコインの論文
Bitcoin: A Peer-to-Peer Electronic Cash System|Satoshi Nakamoto 2008

2008年:サトシ・ナカモトが論文を発表

ビットコイン(BTC)は、2008年にインターネット上に現れたサトシ・ナカモトと呼ばれる人物の出稿した論文「Bitcoin: A Peer-to-Peer Electronic Cash System」がベースです。

この論文では、金融取引が第三者機関を介して行われることに関する問題点や脆弱性に触れつつ、完全なP2P(Peer to Peer)により利用者同士でオンライン決済を可能にするシステムの概要が記されています。当時は画期的だったこの考え方は、今では多くの仮想通貨(暗号資産)に影響を与えています。Web3領域の開発プラットフォームに利用されるイーサリアム(ETH)の開発者のヴィタリック・ブテリン氏も、10代の頃ビットコイン(BTC)に出会い、その仕組みに魅了されました。

ここまでご紹介したサトシ・ナカモトは、名前から日本人ではないかと推測できますが、実際の国籍や1人なのか、それとも複数人からなる開発者グループなのか、そもそも本名なのかなど多くのことが分かっていません。サトシ・ナカモトの行ってきた活動や、本人ではないかと憶測される人物の詳細はこちらの記事で解説しているので、気になる方はぜひ参考にしてください。

ビットコインのジェネシスブロックのイメージ

2009年:ビットコイン(BTC)の稼働が開始

サトシ・ナカモトによる論文の発表後、2009年1月3日に初めてのブロックである「ジェネシスブロック・(Genesis Block)」が生成され、ビットコイン(BTC)の稼働が開始されました。

同年12月にはビットコイン(BTC)売買サービスのNew Liberty Standardにより、マイニングにかかる電気代を考慮して1ドル=1,392.33 BTCと値付けられました。この価格は、当時の日本円(1ドル=約90円)にして1BTC=約0.06円です。

ブロックにはテキストデータを含めることも可能で、サトシ・ナカモトは同日の英タイムズ誌の見出しを引用し、ジェネシス・ブロックに以下のように記しています。

The Times 03/Jan/2009 Chancellor on brink of second bailout for banks(2009年1月3日のThe Times紙の見出し:イギリス財務大臣、銀行への2回目の救済の瀬戸際に瀕している)

上記のメッセージもサトシ・ナカモトの正体同様、2009年1月3日以降に生成されたことを証明するもの、中央集権型の金融取引への風刺を含めたものなど、さまざまな憶測が飛び交っています。

ビットコインピザデイBitcoin Pizza Day

2010年:初めて商取引が成立

2010年は、ビットコイン(BTC)を使った商取引が初めて行われた年です。同年5月22日、プログラマーのラースロー・ハネツ(Laszlo Hanyecz)氏が、ピザ2枚をビットコイン(BTC)で決済しました。当時はビットコイン(BTC)がほとんど無価値だったこともあり、10,000BTCで決済されていますが、現在価格(1BTC=約15,248,074円)で換算するとピザ1枚あたり約億円です。

初めて商取引が成立したことを祝い、毎年5月22日は世界中の仮想通貨(暗号資産)愛好者から「ビットコインピザデー」として親しまれています。

また、世界初の仮想通貨(暗号資産)取引所であるMt.Gox(マウントゴックス)で取引が行われたのもこの年です。2010年終盤には、1BTC=約7円を記録しました。

2011年マウントゴックス事件

2011年:マウントゴックス事件

2011年にはビットコイン(BTC)が正式に取引されるようになり、1BTC=数十円台の価格がつきます。米タイムズ誌がビットコイン(BTC)特集を掲載した影響もあり、知名度が大きく向上しました。ROI(投資利益率)の高い資産として投資家からの注目度が高まった結果、2011年に初めてのビットコイン(BTC)バブルが訪れ、1BTC=約1,500円〜3,000円台にまで高騰しています。

しかし、マウントゴックス事件を契機にバブルは弾けます。マウントゴックス事件とは、当時最大のビットコイン取引所であったマウントゴックス(Mt. Gox)で発生したセキュリティ侵害事件です。この事件で、取引所のシステムがハッキングされ、多額のビットコインが盗まれました。

これにより、ビットコイン(BTC)への不安が強まり2011年末には300円台にまで暴落しました。

2012年:コインチェック創業

2012年は大手仮想通貨(暗号資産)取引所、コインチェックが創業した年です。これまでは海外取引所を介してのみビットコイン(BTC)を購入できませんでしたが、国内で取引が完結するということもあり、日本でも徐々にビットコイン(BTC)の認知が広がります。

また2012年は、ビットコイン(BTC)が初めて半減期を迎えた年でもあります。これまでのマイニング報酬は50BTCでしたが、2012年の半減期により25BTCとなりました。

ビットコイン(BTC)決済ができるWordPressのプラグインが登場し、注目度と期待の現れから再び1BTC=1,000円台にまで回復します。

2013年:時価総額が1000億円を突破

2013年はキプロス危機の影響からビットコイン(BTC)に資金が流れたこともあり、時価総額が初めて1,000億円を突破しました。

また、この年は再びビットコイン(BTC)バブルが訪れた年でもあります。年始は1BTC=数千円台で推移していましたが、中国版Googleとも称される大手検索エンジンの百度(バイドゥ)がビットコイン(BTC)決済を導入し、1BTC=約15,000円を記録しました。

その後、NHKで特集が組まれた影響も相まって約12万円まで値上がりしています。

暗号資産取引所のハッカー事件

2014年:マウントゴックス社が再びサイバー攻撃を受ける

2014年のビットコイン(BTC)価格は、先述した仮想通貨(暗号資産)取引所のマウントゴックス社が再びハッキング被害を受けた影響もあり、低迷します。サイバー攻撃を受けたマウントゴックスからは、ビットコイン(BTC)が不正に100億円以上も流出し、破綻に追い込まれました。年始の価格は1BTC=約90,000円だったのが、ハッキング被害を受け1BTC=40,000円台にまで下がっています。

不安視される報道があったものの、米マイクロソフトがビットコイン(BTC)決済を導入したり、bitFlyerが創業したりと仮想通貨(暗号資産)市場が前進した年でもあります。

2015年:仮想通貨取引所のBitstampがハッキングされる

2015年初め、仮想通貨(暗号資産)取引所のBitstampがハッキングの被害に遭い、約500万ドル相当のビットコイン(BTC)が流出しました。

また、ニューヨーク州の金融サービス局(Department of Financial Services)が仮想通貨(暗号資産)事業を免許制にすべく、BitLicenseを導入しました。今では信頼の証として機能していますが、当時は規制が厳しくなった影響もあり、多くの仮想通貨(暗号資産)事業者がニューヨーク州からの撤退を余儀なくされています。

この年はビットコイン(BTC)の価格に大きな変動はなく、1BTC=3〜4万円台で推移しています。

2016年:仮想通貨取引所Bitfinexがハッキングされる

2016年は、徐々にビットコイン(BTC)価格が上昇し始めた年です。同年5月に、仮想通貨(暗号資産)に関する定義や方針、取り決めをまとめた改正資金決済法が、世界に先駆けて成立しました。

7月には2度目の半減期を迎え、マイニング報酬が25BTCから12.5BTCに減少します。これらの影響もあってか、1BTC=70,000円台を記録します。

しかし8月に、海外取引所のBitfinexがハッキング被害に遭い、約12万BTCが不正に流出しました。一時は1BTC=50,000円まで下落しますが、年末にかけて上昇し始め、1BTC=10万円台にまで高騰します。

2017年ビットコインキャッシュが誕生

2017年、ビットコイン(BTC)コミュニティ内での対立が起こり、ハードフォークする形でビットコインキャッシュ(BCH)が誕生しました。ビットコインキャッシュ(BCH)は2023年8月時点で時価総額ランキングトップ20に入る銘柄です。ビットコインキャッシュ(BCH)の概要や将来性をより詳しく知りたい方は、こちらの記事で詳しく解説しているのでぜひ参考にしてください。

大手仮想通貨(暗号資産)取引所のBinanceが設立された他、多くの機関投資家や企業が仮想通貨(暗号資産)市場に参入した影響もあり、年末には1BTC=200万円を突破しました。

2018年仮想通貨取引所でハッキングが相次ぐ

ビットコイン(BTC)をはじめ、仮想通貨(暗号資産)市場が全体的に盛り上がりを見せた2017年からは一点、2018年は厳しい年となります。

FacebookやGoogle、Twitterなどで詐欺的ICOを懸念して、仮想通貨(暗号資産)に関わる広告が禁止されました。加えてコインチェックで不正アクセスにより約5億XEMが、Zaifではビットコイン(BTC)、モナコイン(MONA)、ビットコインキャッシュ(BCH)が流出した影響もあり、仮想通貨(暗号資産)への不信感が全体的に強まります。

その結果、年末には1BTC=40万円台を切る水準まで価格が暴落しました。

2019年ビットコイン(BTC)生誕から10周年

ビットコイン(BTC)のジェネシスブロックが誕生してから10周年を迎えた2019年は、価格が乱高下した年です。

年初は1BTC=約30万円台で推移していますが、6月には100万円を突破し、7月にはこの年最高値となる1BTC=約137万円を記録しています。しかし中国が仮想通貨(暗号資産)取引の規制を強めたことから、1BTC=約80万円台にまで価格は下落しました。

また、この年に国際的な情勢や動向を踏まえ、金融庁によって名称が「仮想通貨」から「暗号資産」へと変更されています。

2020年3年ぶりに過去最高値を更新

2017年に1BTC=約200万円を記録してから、しばらく続いた下落トレンドは2020年を契機に上昇トレンドへと変わります。年初は1BTC=80〜100万円台で推移し、3月には一時50万円台まで落ち込んだもののすぐに回復します。

同年10月には大手決済サービスのPayPalが、ビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)を取り扱ったサービスを展開した影響もあり、多くの投資家の注目を集めました。その結果、300万円に迫る勢いで高騰し、3年ぶりに過去最高値を更新しました。

過去最高額を更新するビットコイン

2021年大型アップグレード「Taprot」を実装

2020年から続く上昇トレンドは、2021年に入っても衰えませんでした。同年1月に300万円、2月に500万円、3月に600万円を突破し、11月には当時過去最高額となるの1BTC=約770万円を記録しています。

またこの年は、大型アップグレードの「Taproot」が実装されました。プライバシー機能やスマートコントラクト機能に関わるこのアップグレードにより、ビットコイン(BTC)は安全性と利便性がさらに向上しています。

2022年テスラが保有するビットコインの75%を売却

大きな価格上昇を見せた2021年とは異なり、下落トレンドが続くのが2022年です。年初は1BTC=400万円台で推移していましたが、年末には200万円台にまで値下がりしています。下落の要因として、不安材料が多かった点が挙げられるでしょう。

同年5月、米ドルと連動して価格推移するステーブルコインのペッグが外れ、仮想通貨(暗号資産)に対する信頼が落ちます。

また大手電気自動車メーカーのテスラが、2021年に購入した約15億ドル分のビットコイン(BTC)のうち75%を売却したことも、ビットコイン(BTC)の価格に悪影響を及ぼしました。

2023年現物ビットコインETFの承認に対する期待が市場を大きく動かす。

全体的に低迷した2022年でしたが、2023年は価格が大幅に回復しました。特に10月以降の期間は、現物ビットコインETFの承認に対する期待が市場を大きく動かしました。この期待は、特に米国証券取引委員会(SEC)が複数のETF申請を承認する可能性があるというニュースによって高まりました。

年始こそ200万円台だったものの、現物ビットコインETFの承認への期待と他の市場要因により、価格は年末には約600万円にまで回復します。

この回復基調は、2023年8月に、GrayscaleがSEC(米国証券取引委員会)に対する訴訟で勝利するところから始まります。

GrayscaleがSECに対して提起した訴訟は、同社のGrayscale Bitcoin Trust(GBTC)を現物ビットコインETFに転換する申請がSECに拒否されたことに対するものでした。Grayscaleはこの決定に異議を唱え、SECがETF申請を拒否した理由について十分な説明を提供していないと主張しました。訴訟の結果、アメリカ合衆国控訴裁判所はGrayscaleの訴えを認め、SECに対して拒否決定を取り消すよう命じました。この裁判所の判断は市場におけるETF承認への期待を強めることとなりました。

2024年現物ビットコインETFが承認され、価格は過去最高を更新

年始には、米国証券取引委員会(SEC)が複数の現物ビットコインETFの承認を発表しました。この歴史的な決定は、ビットコインと広範な暗号通貨市場に新たな正当性と透明性をもたらし、特に機関投資家からの関心を大きく引き寄せました。ETFの承認は、ビットコインが主流の投資商品としてさらに受け入れられることを意味し、市場へのアクセスを容易にしました。

これらの出来事の影響で、ビットコインの価格は大きく上昇し、前年比で見ると著しいパフォーマンスを記録しました。特に、ETF承認後の数ヶ月でビットコインは新たな価格の頂点を更新し、過去最高価格を大幅に上回りました。市場のセンチメントは極めて強気で、ビットコインへの信頼が確固たるものとなっていることが反映されました。

ビットコインの価格変動が起きやすい4つのタイミング

ビットコイン(BTC)の価格変動が起きやすい4つのタイミング

ビットコイン(BTC)を効果的に運用するなら、価格変動が起きる具体的なタイミングを押さえておくことが欠かせません。ビットコイン(BTC)をはじめ仮想通貨(暗号資産)では、以下のタイミングで価格変動が起きやすいとされています。

  1. ビットコイン(BTC)の利用できる範囲が広がるとき
  2. 行政や企業での利用やハッキング事件などがメディアで報道されるとき
  3. マイニングの報酬が半減する期間の影響があるとき
  4. 法定通貨への信用が低下したとき

各タイミングにおいて、ビットコイン(BTC)の価格がどう変動するか解説します。

1.ビットコイン(BTC)の利用できる範囲が広がるとき

ビットコイン(BTC)の利用できる範囲が広がった際、価格が上昇する傾向にあります。世界規模では多くの大手企業がビットコイン(BTC)決済を導入しており、その都度ビットコイン(BTC)の価格に影響を与えています。企業が決済手段に導入すると、市場や投資家からの注目度が高まり、ビットコイン(BTC)購入の動きが加速し需要が高まるためです。

直近の例では、GAFAMの一角であるマイクロソフトや大手決済サービスのPayPal、電気自動車メーカーのテスラによるビットコイン(BTC)決済導入の報道を受け、価格が上昇しました。

徐々に利用可能範囲が広がっているビットコイン(BTC)の普及度を調べるには、アクティブアドレス数を確認するといいでしょう。アクティブアドレスとは、一定期間内にウォレット間の送受金があるアドレスです。オンチェーン分析ができるglassnode studioによると、ビットコイン(BTC)の価格上昇と相関してアクティブアドレス数も増加しています。

また、企業が決済手段に導入した際だけではなく、法定通貨に採用された際もビットコイン(BTC)の価格は上昇します。

2021年9月、中南米のエルサルバドルでビットコイン(BTC)を法定通貨に採用する法律が施行されました。世界で初めて仮想通貨(暗号資産)が法定通貨に採用されたこともあり、大きな注目を集め、同年11月には史上最高額の約770万円を記録しています。

その後、中央アフリカやスイスのルガーノ市で法定通貨に採用されており、国をあげての普及が進んでいます。今後、大国でビットコイン(BTC)が法定通貨となるなら、大きな価格上昇を見せるでしょう。

2024年1月に米国証券取引委員会(SEC)によって現物ビットコインETFが承認されたことは、ビットコインの利用可能範囲を大幅に拡大しました。この承認により、ビットコインへの投資がより広い層の投資家、特に機関投資家にとってアクセスしやすくなったのです。

従来、ビットコインに投資する際には、デジタルウォレットを設定し、暗号通貨取引所で直接購入し、そのセキュリティを管理する必要がありました。これは、特に機関投資家にとっては、運用上のリスクや規制の複雑さが障壁となっていました。しかし、現物ビットコインETFの導入により、投資家は従来の証券口座を通じて、ETFを通じて間接的にビットコインに投資することができるようになりました。

このETFは、ビットコインを直接保有することなく、その価格動向に連動するリターンを得る方法を提供します。これにより、投資家はビットコインの保管やセキュリティに関する心配から解放され、また、税務や規制の面での取り扱いも簡単になります。さらに、ETFの形式であるため、価格の透明性が高まり、流動性も向上します。

このように、現物ビットコインETFの承認は、ビットコイン投資の新たな段階を象徴しており、暗号通貨が一般の投資商品としての地位を確固たるものにしていることを示しています。この変化は、ビットコインだけでなく、広範な暗号通貨市場においても、更なる資本の流入と投資の機会を生み出す可能性があります。

2.行政や企業での利用やハッキング事件などがメディアで報道されるとき

仮想通貨(暗号資産)に関する報道がメディアやニュースでされると、ビットコイン(BTC)をはじめ市場全体に影響を与えます。価格に好影響を及ぼすときもあれば、場合によっては価格が下がることもあるので、具体的な内容を把握しなければなりません。

例えば、行政や企業での利用が進んでいるニュースが報道されると、仮想通貨(暗号資産)の知名度が向上します。その結果「まずはビットコイン(BTC)を購入してみよう」「ビットコイン(BTC)には期待できる」などの変化が見られ、需要が高まり価格が高騰するでしょう。

一方で、仮想通貨(暗号資産)取引所のハッキング事件や流出事件などが報道されると、市場全体が冷え込み、価格が下落する可能性があります。

3.マイニングの報酬が半減する期間の影響があるとき

先述したようにビットコイン(BTC)には発行上限があり、4年に1度マイナーに支払われる報酬が半減します。

一般に、半減期が訪れた後は新規で発行される枚数が減り、希少価値が高まるため価格も上がりやすいとされています。実際、過去の半減期ではビットコイン(BTC)の価格は高騰しました。

しかし、マイニング報酬が減らされることでマイナーが減少することも懸念されています。そうなると、マイナーが資金のある団体や組織に限られることになり、ネットワークの安全性が低下します。この影響が強いと、半減期後に価格が低下する可能性も考えられるでしょう。

ビットコイン(BTC)の半減期は価格に影響を与える重要なイベントなので、市場動向を常にチェックすることが大事です。

4.法定通貨への信用が低下したとき

法定通貨への信用が低下したとき、資産の避難先としてビットコイン(BTC)が注目を集めるときがあります。

2013年3月、キプロスでの金融危機が起きた際、ビットコイン(BTC)は急激に高騰しました。ユーロへの信頼が落ち、ビットコイン(BTC)へ分散投資する機運が強まったためだとされています。

2023年には、取り付け騒ぎがSNSを中心に拡大した結果、シリコンバレー銀行が経営破綻に陥りました。一時的にステーブルコインと米ドルがディペッグした影響もあり、資金がビットコイン(BTC)に流れます。その結果、破綻した3月10日の価格は1BTC=約270万円だったのが、1週間後の3月17日には360万円にまで高騰しています。

預けて増やす暗号資産レンディング  最高利率10%「BitLending」ビットレンディング

BitLendingにビットコイン(BTC)を預けて価格変動に対応しよう

本記事では、ビットコイン(BTC)の概要や特徴をはじめ、これまでの価格推移などを解説しました。

誕生当初はピザ2枚を10,000BTCと交換するほど、ほとんど通貨としての価値はなかったものの、その後は史上最高額約770万円をつけるまで価格が高騰しています。法定通貨や決済手段に採用されたり、イーサリアム(ETH)の分散型システムのベースになったりと、その影響は計り知れません。今後にも期待し、運用を考えている方もいるでしょう。

しかし、ビットコイン(BTC)の歴史と価格変動のところで紹介したように、ビットコイン(BTC)は価格変動が大きい点には注意しなければなりません。現物取引では参入タイミングが良ければ利益を狙える一方、価格を正確に予測するのが難しい分、損失を出すリスクもあります。

そこでおすすめの運用方法が、保有する仮想通貨(暗号資産)を第三者に貸し出し利息を得るレンディングです。レンディングではプロの手に運用を任せられるため自分で運用する手間がかからず、銀行預金よりも高い利率で運用できます。

レンディングサービスを提供するBitLendingでは、以下の銘柄を表記の利率で運用できます。

ビットコインBTC

ビットコイン

BTC

8%

イーサリアム ETH

イーサリアム

ETH

8%

リップル XPP

リップル

XRP

6%

USテザー USDT

USテザー

USDT

10%

USDコイン USDC

USDコイン

USDC

10%

ダイ DAI

ダイ

DAI

10%

ダイ DAI

キンカゴールド

XNK

4.5%

今回紹介したビットコイン(BTC)は年利8%で運用できるので、運用自体はプロの手に任せつつ利益をしっかり狙いたい方は、BitLendingのご利用をぜひご検討ください。

また、時価総額ランキング第2位のイーサリアム(ETH)や主要銘柄のリップル(XRP)、価格が安定して推移するステーブルコインのUSテザー(USDT)・USDコイン(USDC)・ダイ(DAI)も取り扱っています。ビットコイン(BTC)をはじめ、多くの銘柄を分散して運用したい方にもおすすめです。