ビットコインキャッシュ(BCH/BCC)とは? 4つの特徴と将来性を解説
2024.05.16
ビットコインキャッシュ(BCH/BCC)とは、ビットコイン(BTC)のハードフォークにより誕生した仮想通貨(暗号資産)です。誕生の背景には、ビットコイン(BTC)の抱えるスケーラビリティ問題を解消する目的があります。ビットコインキャッシュ(BCH/BCC)を取り扱う国内仮想通貨(暗号資産)取引所は多いので、気になる方もいるでしょう。
ビットコインキャッシュ(BCH/BCC)の運用を考えているなら、その特徴や誕生した背景、将来性などを把握しておく必要があります。何も知らない状態で運用を開始すると、利益を得るのが難しいのはもちろん、最悪の場合大きな損失を出してしまう可能性があるためです。
そこで本記事では、ビットコインキャッシュ(BCH/BCC)の特徴やビットコイン(BTC)との違いなどを詳しく解説します。記事後半ではビットコインキャッシュ(BCH/BCC)の将来性もご紹介するので、ぜひ参考にしてください。
ビットコインキャッシュ(BCH/BCC)の現在価格・リアルタイムチャート
それでは、ビットコインキャッシュ(BCH/BCC)の現在の値動きから確認していきましょう。
ビットコインキャッシュ(BCH/BCC)のリアルタイムテクニカル分析
ビットコインキャッシュ(BCH/BCC)のチャートにおける20種以上のテクニカル分析手法が示すシグナル[売り・中立・買い]をリアルタイムで集計してマーケットのトレンドを示しています。
ビットコインキャッシュ(BCH|BCC)とは?
ビットコインキャッシュ(BCH/BCC)とは、2017年8月1日に、ビットコイン(BTC)のスケーラビリティ問題を解消すべく誕生した仮想通貨(暗号資産)です。
ビットコインキャッシュ(BCH/BCC)はビットコイン(BTC)から派生して誕生したということもあり、誰もが安心して利用できる分散型の金融システムを実現しようとする目的があります。非中央集権型のシステムが構築されており、ソースコードが公開されている点が透明性の高さを表しています。
ビットコイン(BTC)のように誕生して長い歴史が経っているわけではありません。しかし、2023年6月時点で数ある仮想通貨(暗号資産)のうち時価総額ランキングでトップ30位に入っており、注目度の高さがうかがえるでしょう。
続いては、ビットコインキャッシュ(BCH/BCC)とビットコイン(BTC)の共通点を見ていきます。
ビットコイン(BTC)との共通点
ビットコインキャッシュ(BCH/BCC)のベースはビットコイン(BTC)ということもあり、以下の点で共通点が見られます。
- コンセンサスアルゴリズム
- 総発行枚数
- 半減期の存在
ビットコインキャッシュ(BCH/BCC)とビットコイン(BTC)は、いずれもコンセンサスアルゴリズムにPoW(Proof of Stake)を用いています。正しいハッシュ値を最も早く見つけたマイナーに対し、報酬が支払われる仕組みです。PoWを用いると、取引記録の改ざんが難しくなるため、セキュリティが強固なものとなります。
また、ビットコインキャッシュ(BCH/BCC)とビットコイン(BTC)はいずれも、総発行枚数が2,100万枚と共通しています。上限に達すると、新たに発行されることはありません。
その他、どちらの仮想通貨(暗号資産)にも半減期があります。半減期とは、マイナーに支払われるマイニング報酬が、半分に減るタイミングです。市場への供給量が減る分、希少価値が上がり、価格が上昇する傾向にあります。
ビットコイン(BTC)の詳細をより詳しく知りたい方は、こちらの記事をご参考ください。
ここではビットコイン(BTC)との共通点を見てきましたが、いくつかの点で違いも見られます。次章で違いを見ていきましょう。
ビットコイン(BTC)との違い
ビットコインキャッシュ(BCH/BCC)とビットコイン(BTC)は、以下の点で異なります。
- ブロックサイズ
- Segwit実装の有無
- マイニング難易度の調整アルゴリズム
トランザクションを書き込めるブロックサイズは、ビットコイン(BTC)は1MBですが、ビットコインキャッシュ(BCH/BCC)は32MBです。ブロックサイズを拡張しているため、多くのトランザクション処理が可能となり、スケーラビリティ問題が起きにくくなります。
また、ビットコイン(BTC)のスケーラビリティ問題が顕在化した際、どのように解決するかで意見が分かれました。問題解消のために、ビットコインキャッシュ(BCH/BCC)がハードフォークを導入したのに対し、ビットコイン(BTC)はSegwitを実装しました。Segwitとは、ブロックサイズを拡張するのではなく、ブロックに書き込むトランザクションのデータ容量を圧縮する技術です。
さらに、ビットコインキャッシュ(BCH/BCC)はマイニング難易度の調整アルゴリズムであるDAA(Difficulty Adjustment Algorithm)が実装されている点も、ビットコイン(BTC)との違いです。DAAでは、取引速度や通貨の供給量を適切に保つために、10分に1度マイニング難易度が調整されます。一方のビットコイン(BTC)には、NDA(Normal Difficulty Adjustment)が実装されており、2週間に一度調整されます。
ビットコインキャッシュ(BCH/BCC)が生まれた背景
ビットコインキャッシュ(BCH/BCC)誕生には、どのような背景があるのでしょうか。「ビットコイン(BTC)のスケーラビリティ問題」「ビットコイン(BTC)コミュニティの対立」に分けて解説します。
ビットコイン(BTC)のスケーラビリティ問題
世界で最初に誕生したビットコイン(BTC)は、取引速度の高速化や低い手数料を実現した、革新的な分散型金融システムを実装したこともあり、数年にわたり利用が進んでいました。
しかし、2016〜2017年頃にかけてスケーラビリティ問題が顕在化します。スケーラビリティ問題とは、ブロックに書き込めるトランザクション量が限られていることに起因する障害で、取引速度が遅延するだけでなく、取引手数料が高騰するなどの点が問題です。これにより、かつては時価総額に占める割合が95%だったビットコイン(BTC)は、40%にまで急落しました。
そこでビットコイン(BTC)のスケーラビリティ問題を解消しようと、ソフトフォークとハードフォークの2つの対策が考えられました。両者を簡単に説明すると、ソフトフォークがネットワークの容量を増やさず、データを圧縮する方法なのに対し、ハードフォークはネットワークの処理能力自体を向上させる方法です。ビットコインキャッシュ(BCH/BCC)は、ハードフォークを選択した結果誕生しました。
ハードフォークの概要は、後ほど解説します。
ビットコイン(BTC)コミュニティの対立
スケーラビリティ問題の解決を巡り、開発者・投資家・ユーザー・企業を中心とするビットコインコミュニティ内で対立が起こりました。一方はソフトフォークを支援する派閥、もう一方はハードフォークを支援する派閥です。
前者は、ビットコイン(BTC)のブロックサイズを拡張すると、その分セキュリティリスクが高まることを懸念していました。後者は、ビットコイン(BTC)がPeer to Peerの形でユーザーに利用してもらうには、スケーラビリティ問題を解決するのが急務だとし、ブロックサイズを拡張すべきだと訴えました。
結果的にブロックサイズを拡張する判断が取られ、ビットコイン(BTC)からハードフォークする形でビットコインキャッシュ(BCH/BCC)が誕生したという流れです。
ビットコインキャッシュ(BCH/BCC)の利点
ビットコインキャッシュ(BCH/BCC)には、以下のような利点があります。
- 個人間の送金を容易に行える
- 供給量が制限されている
- 決済システムに便利である
ビットコインキャッシュ(BCH/BCC)を活用すれば、個人間の送金が容易になります。非中央集権型のシステムが構築されているので、24時間365日、誰の許可も必要とせず送金が可能です。加えて、手数料も圧倒的に安く抑えられます。
また、供給量が制限されている点もユーザーにはメリットとして働きます。無制限に発行することによる、デフレーションを防げるためです。
さらに、ビットコインキャッシュ(BCH/BCC)は決済システムに便利な点もメリットです。ネットワーク手数料は1円未満と低額で、クレジットカード決済よりもはるかにコストがかかりません。
ビットコインキャッシュ(BCH/BCC)の特徴4つ
ビットコインキャッシュ(BCH/BCC)の特徴は、以下の4つです。
- ビットコイン(BTC)のハードフォークによって生まれた仮想通貨(暗号資産)である
- DApps(分散型アプリ)開発のプラットフォームになっている
- 半減期によって供給をコントロールしている
- 決済手段としての利用に向いている
ビットコインキャッシュ(BCH/BCC)の特徴を押さえておくと、運用する際や将来性を推測する際に役立ちます。各特徴を詳しく見ていきましょう。
1.ビットコイン(BTC)のハードフォークによって生まれた仮想通貨(暗号資産)である
ビットコインキャッシュ(BCH/BCC)は、ビットコイン(BTC)のハードフォークによって誕生した仮想通貨(暗号資産)です。ハードフォークとは、ブロックチェーンの仕様変更やアップデートを行う作業を指します。
ハードフォークが行われるとブロックチェーンが分岐するため、互換性のない異なる仮想通貨(暗号資産)が誕生する点が特徴です。事実、ブロックサイズやマイニング難易度の調整に関するアルゴリズムが異なります。
なお、ビットコイン(BTC)からハードフォークして生まれた仮想通貨(暗号資産)はいくつかありますが、ビットコインキャッシュ(BCH/BCC)が初めてだとされています。
2.DApps(分散型アプリ)開発のプラットフォームになっている
ビットコインキャッシュ(BCH/BCC)は、あらかじめ定めたプログラムに従って取引が実行されるスマートコントラクトの機能を有しており、DApps(分散型アプリ)の開発ができます。
DApps開発のメインプラットフォームは、イーサリアムチェーンやソラナチェーンなどが有名です。しかし、ビットコインキャッシュ(BCH/BCC)の機能拡張やアップデートにより利便性が高まれば、活用シーンは増えるでしょう。
3.半減期によって供給をコントロールしている
ビットコインキャッシュ(BCH/BCC)は、ビットコイン(BTC)同様、半減期によって供給量をコントロールしています。半減期が訪れると、市場に新たに出回る仮想通貨(暗号資産)の量が減少し希少価値が上がるため、一般的に価格が上昇しやすいとされています。
しかしながら、マイニング報酬が減る分マイナーにとっては魅力が薄れるので、通貨の価値は減少する可能性も否定できません。ビットコインキャッシュ(BCH/BCC)の次回の半減期は2024年頃だとされており、今後も要注目です。
4.決済手段としての利用に向いている
ビットコインキャッシュ(BCH/BCC)は、決済手段の利用に向いている点も特徴です。決済には取引速度の速さと、手数料の安さの両方が求められます。
ビットコインキャッシュ(BCH/BCC)はトランザクションがわずか数秒で処理され、数分後にはブロックに記録されます。
また、ハードフォークによりブロックサイズが拡張したこともあり、スケーラビリティ問題が起きにくい仕様です。そのため、ガス代の高騰などが生じにくく、手数料が圧倒的に安く抑えられています。
その他、銀行送金やクレジットカード決済などの従来の決済システムと比較して、ユーザーのプライバシーが保たれている点も、決済に向いているポイントです。
ビットコインキャッシュ(BCH/BCC)を運用する際に気になるのが、その将来性です。ビットコインキャッシュ(BCH/BCC)の将来性については、以下のように予想されています。
- 新たな基軸通貨として需要が高まる可能性がある
- 決済手段としての普及が期待できる
- 定期的なアップデートで利便性の向上が期待される
- 市場全体の低迷に影響を受ける可能性がある
- 新規ブロックチェーンの登場に地位が低下しつつある
各項目の内容を詳しくご紹介します。
新たな基軸通貨として需要が高まる可能性がある
基本的に、多くの取引所で基軸通貨となっているのはビットコイン(BTC)です。つまり、ビットコイン(BTC)がなければ、他の仮想通貨(暗号資産)との交換や取引などが行えません。
しかし、一部の仮想通貨(暗号資産)取引所ではビットコインキャッシュ(BCH/BCC)を新たな基軸通貨として採用しているところもあります。そのような取引所が増えれば、ビットコインキャッシュ(BCH/BCC)への需要が高まるでしょう。その結果、価格が上昇することも期待できます。
決済手段としての普及が期待できる
ビットコインキャッシュ(BCH/BCC)は投資だけでなく、決済手段としての普及が期待されています。オンラインショップをはじめ、実店舗でビットコインキャッシュ(BCH/BCC)が使えるようになると、より利用する人が増えるでしょう。
元々、ビットコインキャッシュ(BCH/BCC)はビットコイン(BTC)のスケーラビリティ問題を解消するために誕生した仮想通貨(暗号資産)なので、取引速度が速く決済向きです。それに加えてチャージバックがなかったり、注目度が高まったりと多くのメリットがお店側にあります。
利用店舗が増えれば需要が増し、価格にも好影響をもたらすと考えられます。
定期的なアップデートで利便性の向上が期待される
ビットコインキャッシュ(BCH/BCC)は、定期的なアップデートを繰り返しているため、利便性の向上に期待できます。
過去にはスマートコントラクトの実装や、DAppsを開発できるプラットフォームの公開などが行われました。
今後も、変化の激しいブロックチェーン・仮想通貨(暗号資産)業界の最新トレンドを取り入れたアップデートが行われるなら、注目度やニーズが高まり価格も上昇するでしょう。
市場全体の低迷に影響を受ける可能性がある
ビットコインキャッシュ(BCH/BCC)に限らず、仮想通貨(暗号資産)は市場全体の低迷に影響を受ける可能性があります。
仮想通貨(暗号資産)市場はさまざまな要因で変動しますが、主には以下が挙げられます。
- 各国の金融政策
- 国による仮想通貨(暗号資産)への法規制
- 取引所の破綻やハッキング
- 著名人の発言
ビットコインキャッシュ(BCH/BCC)の将来性を予測するには、上記についてどのようなトレンドがあるのかを把握する必要があります。日頃からニュースや報道などをチェックする習慣をつけましょう。
新規ブロックチェーンの登場に地位が低下しつつある
ブロックチェーンは、日々新たなものが誕生しています。ビットコインキャッシュ(BCH/BCC)は、そういったブロックチェーンに押されつつあり、地位が低下しているのも事実です。
数ある仮想通貨(暗号資産)の中でトップ30には入っていますが、過去にはトップ3だった時期もあります。
今後新たに台頭してくる仮想通貨(暗号資産)やブロックチェーンに対抗できなければ、さらに時価総額が下がるケースも考えられます。アップデートや新機能実装などの対応が求められるでしょう。
ビットコインキャッシュ(BCH/BCC)の購入方法
ビットコインキャッシュ(BCH/BCC)を購入する際は、以下の手順に従って進めていってください。
- 1.仮想通貨(暗号資産)取引所の口座を開設する
- 2.口座に日本円を入金する
- 3.ビットコインキャッシュ(BCH/BCC)を選択し、購入する
口座開設にあたっては、本人確認が必要です。パスポートや運転免許証など、身分を証明するものを手元に準備しておいてください。
なお、国内仮想通貨(暗号資産)取引所ではbitFlyerやGMOコイン、Coincheck、DMM Bitcoinなどでビットコインキャッシュ(BCH/BCC)の取り扱いがあります。仮想通貨(暗号資産)取引所によって最低購入金額や取引手数料は異なるので、取引を始める前に違いは把握しておきましょう。
まとめ
ビットコインキャッシュ(BCH/BCC)は、ビットコイン(BTC)のスケーラビリティ問題をきっかけに2017年に誕生した仮想通貨(暗号資産)です。ビットコイン(BTC)よりもブロックサイズが大きく、圧倒的な取引速度と安い手数料が特徴です。
将来性については「新たな基軸通貨として利用が進む」「決済手段として活用される」などポジティブな意見がある一方で、不安視する声もあります。ビットコインキャッシュ(BCH/BCC)の運用を考えているなら、実際どのような価格変動を取るのか予測しながら、運用してみてください。
なお、本記事ではビットコインキャッシュ(BCH/BCC)の特徴や利用するメリット、将来性まで幅広く解説しました。将来性に期待できる銘柄ですが、仮想通貨(暗号資産)初心者なら、よりメジャーな銘柄を安全に運用するのもおすすめです。
レンディングとは、保有する仮想通貨(暗号資産)を第三者に貸し出し、利息を得る運用手法です。現物取引やレバレッジ取引のように難しい知識は不要でありながら、銀行預金よりも高い利率で運用できる、自分で取引する必要がないなどの特徴があります。
BitLendingでは、レンディングサービスを提供しており、以下の銘柄を表記の利率で運用できます。
ビットコイン
BTC
8%
イーサリアム
ETH
8%
リップル
XRP
6%
USテザー
USDT
10%
USDコイン
USDC
10%
ダイ
DAI
10%
キンカゴールド
XNK
4.5%
メジャーな銘柄であるビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)はもちろん、価格が安定して推移するステーブルコインも取り扱っています。仮想通貨(暗号資産)運用に少しでも不安を感じる方は、ぜひプロの手によるレンディングをご検討ください。