監修:株式会社J-CAM 金融アドバイザー AFP認定者 倉本 佳光 Yoshimitsu Kuramoto

慶應義塾大学法学部法律学科を卒業後、山一証券株式会社に入社し金融業界でのキャリアをスタート。その後、メリルリンチ日本証券株式会社マネージメント・コミッティーメンバー、岡三アセットマネジメント株式会社理事などを歴任。
執筆:BitLending編集部 更新日:2026年9月8日

倉本 佳光

イーサリアムクラシック(ETC)は、2016年の「The DAO事件」への対応方針を巡ってコミュニティの意見が対立した結果、イーサリアム(ETH)から分岐して誕生した暗号資産です。「もう取引所で買えないのでは」「開発が止まっているのでは」といった不安の声も見られますが、結論から言うと、2026年9月時点で国内の複数の暗号資産交換業者で購入でき、開発コミュニティによる新しい取り組みも続いています。

本記事では、こうした不安の背景にある事実関係を一次情報で確認したうえで、イーサリアム(ETH)との違い、買い方、将来性を判断するための材料を整理します。投資を勧める記事ではなく、ご自身でイーサリアムクラシックを値踏みするための判断材料をお伝えすることが目的です。

免責事項(投資助言ではありません)

本記事は、仮想通貨に関する情報提供を目的としたものであり、特定の銘柄の売買・投資行動を推奨するものではありません。暗号資産は価格変動が非常に大きく、短期間で大きな損失が発生する可能性があります。投資判断は必ずご自身の責任で行い、必要に応じて専門家へご相談ください。

利益相反に関する開示:本記事を掲載するBitLendingは、暗号資産レンディングサービスを提供しています。記事内には当社サービスへの導線が含まれる場合がありますが、特定の投資行動や暗号資産の貸出を推奨するものではありません。

イーサリアムクラシック Ethereum Classic ETC

イーサリアムクラシック(ETC)とは?The DAO事件とイーサリアムとの違い

イーサリアムクラシック(ETC)は、2016年に発生した「The DAO事件」への対応方針を巡ってコミュニティの意見が対立した結果、イーサリアム(ETH)から分岐して誕生した暗号資産(仮想通貨)です。ブロックチェーンに一度記録された取引は書き換えないという立場を貫いた側がイーサリアムクラシック(ETC)、被害を補償するために取引履歴を書き換えた側がイーサリアム(ETH)にあたります。

The DAO事件とは、イーサリアムのブロックチェーン上に構築された自律分散型組織「The DAO」のスマートコントラクトにあった脆弱性を突かれ、約360万ETH(当時の価格で約52億円相当)が不正に引き出された事件です。イーサリアムコミュニティは、この資金を正規の持ち主に取り戻すため、取引履歴の一部を無効化する形でブロックチェーンを分岐(ハードフォーク)させることを選択し、この新しい履歴を引き継いだチェーンが現在のイーサリアム(ETH)になりました。

一方で、この対応に反対したコミュニティは「一度記録された取引は、たとえ不正なものであっても書き換えるべきではない」という「Code is law(コードが法律である)」の思想を掲げ、書き換え前のブロックチェーンをそのまま引き継ぎました。これがイーサリアムクラシック(ETC)です。

《出典》
イーサリアムクラシック|Wikipedia

イーサリアム(ETH)との違い

イーサリアムクラシック(ETC)とイーサリアム(ETH)は同じ起源を持つチェーンですが、分岐から10年近くが経ち、次の3点で明確な違いが生まれています。

  • 発行上限の有無
  • コンセンサスアルゴリズム
  • 想定される用途

イーサリアムクラシック(ETC)には発行上限があり、公式の解説によると最終的な発行総量は約1億9,900万〜2億1,070万ETCの範囲に収束する設計です。一方のイーサリアム(ETH)に発行上限はなく、取引手数料の一部を焼却(バーン)する仕組みで過剰な供給を抑制しています。

コンセンサスアルゴリズムにも違いがあります。イーサリアムクラシック(ETC)は現在もPoW(プルーフ・オブ・ワーク、計算作業によって取引を承認する仕組み)を採用していますが、イーサリアム(ETH)は2022年9月の大型アップグレード「The Merge」でPoS(プルーフ・オブ・ステーク、保有量に応じて承認権が割り当てられる仕組み)へ移行しました。

用途の面では、イーサリアム(ETH)が多様な分散型アプリケーション(DApps)の開発基盤として広く使われているのに対し、イーサリアムクラシック(ETC)は同じくスマートコントラクトを実行できる基盤でありながら、利用者数・DApps数ではイーサリアムに水をあけられているのが実情です。この差を埋めるための取り組みは、後述する将来性の章で確認します。

《出典》
Ethereum Classic Course: Ethereum Classic’s Monetary Policy|ethereumclassic.org

現在の値動きを確認する(リアルタイムチャート)

文章で振り返る値動きだけでなく、まずは現在のレートを確認しておきましょう。以下はイーサリアムクラシック(ETC/USD)のリアルタイムチャートと、複数のテクニカル指標を集計した売買シグナルです。注)チャートのペアはETC/USD

イーサリアムクラシック(ETC)は今も買える?取扱い停止・再開の経緯

「イーサリアムクラシックはもう買えないのでは」と感じている方もいるかもしれません。結論から言うと、2026年9月時点で、国内の複数の暗号資産交換業者でイーサリアムクラシック(ETC)を購入できます。この不安の背景には、実際にあった取扱い停止の経緯があるため、順を追って確認します。

なぜ一時的に取扱いが停止していたのか

Coincheckは、2020年8月初旬から断続的に発生した「51%攻撃」(採掘者の計算力の過半数を握った攻撃者が取引履歴を書き換えられる攻撃)によるイーサリアムクラシックネットワークの大規模な再編成(リオーグ)を受け、顧客資産を保護する目的で2020年8月6日にETCの受取を、同年9月15日には販売所での売買とCoincheckつみたてでの積立を停止しました。なお、板注文形式の「取引所」サービスでは、同年10月5日から取扱いが開始されており、この間も購入手段が完全に失われていたわけではありません。

《出典》
イーサリアムクラシック(ETC)の販売所、受取サービス再開のお知らせ|コインチェック株式会社
コインチェックがイーサリアムクラシックの板取引サービス開始|あたらしい経済

2025年7月の取扱い再開

Coincheckは2025年7月11日、Ethereum Classicネットワークの安全性を再評価した結果サービス提供の再開が可能と判断したとして、ETCの受取、販売所での購入・売却、Coincheckつみたてでの積立を再開したと公式に発表しました。約5年にわたる取扱い停止からの再開であり、この記事の執筆時点(2026年9月)では、Coincheckを含む複数の取引所でETCを購入できる状態が続いています。古い記事や比較サイトの情報を参考にする場合は、取扱い停止時点の情報のまま更新されていないケースがある点に注意してください。

《出典》
イーサリアムクラシック(ETC)の販売所、受取サービス再開のお知らせ|コインチェック株式会社

イーサリアムクラシック(ETC)の買い方

イーサリアムクラシック(ETC)の買い方

イーサリアムクラシック(ETC)は、次の手順で購入できます。

  1. 暗号資産交換業者の口座を開設する
  2. 本人確認(KYC)を完了させる
  3. 日本円を入金する
  4. イーサリアムクラシック(ETC)を選んで購入する

口座開設には、運転免許証やマイナンバーカードなどの本人確認書類が必要です。本人確認の具体的な流れや必要書類は、KYC(本人確認)の手順や必要書類の解説で詳しく確認できます。

どの取引所・アプリで始めるか迷ったら

初めて暗号資産を購入する場合、どの取引所やアプリを選べばよいか迷うこともあるでしょう。手数料や取扱銘柄数、使いやすさを比較したい方は、業界再編もふまえた仮想通貨アプリの比較も参考にしてください。

イーサリアムクラシック(ETC)を購入するのにおすすめの取引所

イーサリアムクラシック(ETC)を購入できる取引所

2026年9月8日時点で、イーサリアムクラシック(ETC)を取り扱っている国内の暗号資産交換業者は限られており、実際に購入できるのはCoincheck・bitFlyer・SBI VCトレードの3社のみです。

取引所 取扱形式 特徴
Coincheck販売所・取引所2025年7月に販売所での取扱いを再開
bitFlyer販売所「イーサ(イーサクラシック)」の名称で取扱い
SBI VCトレード販売所DMM Bitcoinから資産を承継した交換業者

GMOコイン・bitbank・BITPOINTなど、他の主要な取引所ではイーサリアムクラシック(ETC)を取り扱っていません(2026年9月8日時点、各社公式サイトで確認)。2025年にはDMM Bitcoinが事業を終了して口座・資産をSBI VCトレードへ移管したほか、BITPOINTも2026年7月31日に新規口座開設の受付を終了し、既存口座のSBI VCトレードへの移管が進められています。比較サイトや古い記事の中には、こうした変化を反映せずETCの取扱いを掲載しているものもあるため、購入前には必ず各取引所の公式サイトで最新の取扱状況を確認してください。

《出典》
終値一覧|GMOコイン
取扱ペアおよび注文単位|bitbank
銘柄別価格一覧|BITPOINT
「DMMビットコイン」廃業へ 5月に482億円相当が不正流出 口座などはSBI VCトレードに移管|ITmedia NEWS
【重要】VCTRADEサービスとBITPOINTサービスのサービス統合について|SBI VCトレード株式会社

手数料やサービス内容を詳しく比較する

取引所ごとの手数料やレンディング・積立への対応状況を詳しく比較したい場合は、国内主要取引所の手数料比較を参考にしてください。DMM Bitcoinから資産が移管されたSBI VCトレードについては、SBI VCトレードの手数料やサービス内容の解説で詳しく確認できます。

イーサリアムクラシック(ETC)の今後や将来性

イーサリアムクラシック(ETC)の今後や将来性

「イーサリアムクラシックは開発が止まっているのでは」という声もありますが、2025年5月、開発コミュニティ「Ethereum Classic DAO」がプロトコルの自立的な資金調達を目的とした大型アップデート案「Olympia Upgrade」を公表しており、開発は現在も継続しています。

Olympia Upgradeは、イーサリアム(ETH)が採用している取引手数料の一部焼却(バーン)の仕組みを見直し、その手数料を開発資金を管理する「Olympiaトレジャリー」へ充当することで、コア開発チームの資金調達と、イーサリアム(ETH)とのEVM(実行環境)互換性の維持を両立させることを目指す提案です。マイナーへのブロック報酬・手数料は従来どおり確保される設計とされています。2026年9月時点では2027年より前のメインネット導入を目標に掲げていますが、具体的な実施時期は確定していません。

《出典》
Ethereum Classic’s Olympia Upgrade|Ethereum Classic DAO

発行上限という判断材料

価格の当てものではなく、構造から将来性を考える材料として、発行上限に近づく過程のスケジュールを確認しておきましょう。イーサリアムクラシック(ETC)は「ECIP-1017」という規定に基づき、約500万ブロック(約28か月)ごとにブロック報酬が20%ずつ減少する設計になっています。新規発行ペースが段階的に絞られていく点は、需給を考えるうえでの材料の1つになります。

《出典》
Ethereum Classic Course: Ethereum Classic’s Monetary Policy|ethereumclassic.org

過去の値動きの振り返り

ここでは将来の値動きを予想するのではなく、過去に実際に何が起きたかを振り返ります。イーサリアムクラシック(ETC)は2017年後半の仮想通貨市場全体の急騰局面で価格を大きく伸ばし、2021年前半にも市場全体の過熱とともに高値をつけました。その後は市場全体の地合いの悪化とともに下落基調が続いています。具体的な値動きは、本記事冒頭のリアルタイムチャートで確認してください。

イーサリアムクラシック(ETC)投資で知っておきたいリスク

将来性への期待だけでなく、投資判断の前に知っておきたいリスクも整理します。

51%攻撃と取引所の取扱変更リスク

前述のとおり、イーサリアムクラシック(ETC)は2020年に51%攻撃を受けた実績があります。ネットワーク全体の計算力(ハッシュレート)が相対的に小さい銘柄は、同様の攻撃を受けるリスクが高くなりやすいという点は押さえておく必要があります。また、Coincheckの事例が示すとおり、セキュリティ上の懸念が生じた場合には、取引所側の判断で取扱いが一時的に停止されることがある点も踏まえておきましょう。

流動性の低さ

イーサリアムクラシック(ETC)は、時価総額・取引量の面でビットコインやイーサリアムほど大きな市場ではありません。取引量が少ない銘柄は大口の売買によって価格が大きく動きやすく、狙った価格で売買できない可能性がある点に注意してください。

よくある質問

ここまでの内容を、よくある質問の形で簡潔に整理します。

イーサリアムクラシック(ETC)は今も購入できますか?

2026年9月8日時点で、Coincheck・bitFlyer・SBI VCトレードの3社で購入できます。GMOコイン・bitbank・BITPOINTなど、他の主要な取引所ではETCを取り扱っていません。Coincheckでは2020年から約5年間取扱いを停止していましたが、2025年7月11日に再開しました。

イーサリアムクラシック(ETC)とイーサリアム(ETH)はどう違いますか?

2016年のThe DAO事件をきっかけに、取引履歴を書き換えずに引き継いだ側がイーサリアムクラシック(ETC)、書き換えた側がイーサリアム(ETH)です。発行上限の有無、コンセンサスアルゴリズム(ETCはPoW、ETHはPoS)、DAppsの普及度合いなどの点で違いがあります。

イーサリアムクラシック(ETC)は開発が終わっているのですか?

終わっていません。2025年5月には、開発コミュニティが「Olympia Upgrade」という新しい資金調達の仕組みを盛り込んだアップデート案を公表しており、開発は現在も続いています。

イーサリアムクラシック(ETC)に投資するリスクはありますか?

2020年には実際に51%攻撃を受けた実績があり、取引量もビットコインやイーサリアムほど多くありません。将来性への期待だけでなく、こうしたリスクもふまえたうえで判断することをおすすめします。