米CPI大きく鈍化インフレとの戦いのゴールが見え始めた?

注目の米国6月CPI大きく鈍化

今週12日(水)に注目された米国のCPI(消費者物価指数)6月の発表がありました。

結果は前年同月比+3.0%と5月の+4.0%から大きく鈍化し、2021年3月以来の低水準となりました。前月比は+0.2%で5月は+0.1%でした。落ち着いた動きになっています。

変動の大きい食品とエネルギーを除いたコア指数は、前年同月比+4.8%と5月の+5.3%から鈍化しています。前月比でも+0.2%で5月の+0.4%から改善した内容でした。これは2021年終盤以来の低水準です。

インフレとの戦いのゴールが見え始めた?

総合CPIが大きく鈍化したのは、前年同月である2022年6月と比較していることが注意するべきポイントになります。当時はロシアのウクライナ侵攻を受けてエネルギー価格が急上昇し、インフレを40年ぶりの高水準に押し上げていました。WTIの価格も2022年6月に120ドル台の高値を付け、その後も100ドル台で推移しています。今年6月のWTIは70ドル近辺での動きでした。

原油価格の上昇は昨年6月をピークに下落へ転じており、今後7月以降のCPIなどインフレに関する発表は低い数字との対比となり、どんどん鈍化していくような状況にはならないと思われます。

マーケットは今回のCPIの結果を受けて、「FRBの利上げが7月の1回で終わる」との見方を強め、金利低下、株高、ドル安へ動いています。当面はこの流れで動いていくと考えられますが、8月以降に発表されるインフレ指標の結果によっては、改めて金融引締めが意識される可能性があり、「金融引締め、景気減速、企業業績悪化、株価下落」のシナリオは保持しておくべきと考えています。