米CPI上振れでM7も下落!決算シーズン本格化で見直すべきリスク分散と買い時

米国株式市場では、決算発表が本格化する中で大きな波乱が起きています。10月14日、米労働省労働統計局が9月の米消費者物価指数(CPI)を発表しました。その結果は、前月比0.6%、前年比で3.7%上昇し、前月の0.4%と3.4%上昇から加速しています。市場予想では前月比0.6%、前年比3.6%の上昇とやや強めの予想でしたが、前年比で予想も上回る高い伸びでした。これはガソリン価格の上昇を背景としており、過去5か月で最大の伸びとなっています。基調的なインフレが定着しつつあるのではないかとの懸念が市場では高まっているようです。11月中間選挙を控える中、家計への影響もあり、トランプ大統領と共和党へ打撃となりそうです。

この発表を受けて米国金融市場は大きく揺れ動きました。市場では、インフレ指標が強めに出るのではないか?との予想もあり、警戒はしていましたが、市場の反応は意外と強く出てきています。債券市場では米国10年国債の利回りが、一時前日比0.11%上昇し5.32%を付けるなど大荒れとなりました。

NY株式市場では、ネガティブな反応が見られ、ダウ平均こそ-0.09%安と小幅でしたが、S&P500が-1.11%、NASDAQが-1.88%と大幅な下げとなりました。特に半導体関連を中心にIT・ハイテク株に売りが広がり、フィラデルフィア半導体指数(SOX)は-4.29%と大きな下げを記録しました。マグニフィセント7もエヌヴィディア-3.1%、メタ-3.2%、テスラ-2.1%となっています。

指標・対象市場 発表結果 / 変動幅 市場の動向・要因
米9月CPI(前年比) 3.7%上昇 予想3.6%を上回りインフレ再燃の懸念
米10年国債利回り 一時5.32% 前日比0.11%上昇、金融引き締めの長期化を警戒
NASDAQ総合指数 -1.88% 金利上昇を嫌気しハイテク株中心に急落
SOX指数(半導体) -4.29% ITセクター内で突出した大幅安
ビットコイン(BTC) 81,500ドル近辺 83,800ドル近辺から急落、リスクオフ波及

決算本格化で浮き彫りになるハイテク株のリスクと投資戦略(買い時)

今後、マグニフィセント7やIT・ハイテク株などの動向がどのようになるのか注目されます。高PER(株価収益率)で取引されてきた大型テック株は、金利が上昇すると将来キャッシュフローの割引率が上がり、バリュエーション調整の圧力を真っ向から受けるためです。

その中でAI関連の成長鈍化や業績予想の下方修正、割高なバリエーションなどから、投資家はリスクに備え投資先の分散を進めると思われます。こうした動きが株式市場全体の調整局面につながることもあるかもしれません。具体的なリスク分散の手法としては、ハイテク株偏重のポートフォリオから、景気後退に強いディフェンシブセクター(公益や生活必需品など)や、より手堅い利回りを得られる短期国債への資金移動などが挙げられます。

そして投資家が狙うべき真の「買い時」は、焦って下落の初動で拾うのではなく、米10年債利回りのピークアウト(天井打ち)と、決算発表通過に伴う悪材料出尽くし(アク抜け)の2つのサインを確認してからとなります。ボラティリティが高い局面では、一括投資を避け、時間分散(ドルコスト平均法)を用いて段階的にエントリーしていく姿勢が重要です。

12月利上げ観測とインフレ長期化──金・暗号資産に訪れる資金シフトの好機

こうした金利上昇、ドル高を受け、金価格、暗号資産市場も揺れています。金価格は前日1オンス4,150ドル程度でしたが、一時4,080ドル割れまで下落し、現在は4,110ドル前後となっています。暗号資産市場ではBTCが83,800ドル近辺から81,500ドル近辺まで急落し、現在も81,500ドル近辺の動きとなっています。これは伝統的な金融市場の流動性低下に加え、デリバティブ市場における過剰なレバレッジ・ロングポジションの強制清算が連鎖したことが要因です。

今回の発表での利上げに対する市場の予想は、今月の利上げではなく、今月は据え置きで12月に利上げをするとの見方の方が有力視されています。まだ12月利上げの予想は37%ですが、イランとの和平協議の進展が見られない中、燃料価格をリード役とする米国のインフレは長期化する可能性を秘めており、金融市場は方向性を見いだせない中で難しい展開となっていきそうです。

また一方で、利上げプロセスに一服感の出てくる状況が訪れるとしたら、株式市場からの資金シフトも考えられ、金と暗号資産にチャンスが出てくるのではないでしょうか? 特にビットコインなどの暗号資産は、81,500-83,800ドルのレンジで調整を終えた後、金利高のピークアウトをきっかけにインフレヘッジ資産として再び強い資金流入を呼ぶシナリオが期待されます。株式市場の調整リスクに怯えるだけでなく、こうしたオルタナティブ資産への分散を戦略に組み込むことが、荒れ相場を勝ち抜くための鍵となります。