2026年年初の市場概況(2025/12/31→2026/1/15)

に入り、リスク資産市場は総じて堅調に推移しています。 と年末最終日()の終値を比較すると、下表の通りです。

主要資産の終値比較(2025/12/31終値vs2026/1/15終値)
資産 2025/12/31終値 2026/1/15終値 価格差 騰落率(%)
NYダウ平均 48,063.29 49,504.07 1,440.78 3.00
S&P500 6,845.50 6,966.28 120.78 1.76
NASDAQ 23,241.99 23,671.34 429.35 1.85
GOLD 4,341.10 4,607.61 266.51 6.14
BTC 87,648.21 95,605 7,956.59 9.08
ETH 463,755 527,104 63,349.00 13.66
XRP 287.93 330.45 42.52 14.77

※ETHとXRPの価格は、国内円ベース表示です。

金融市場での話題は株式市場になりがちですが、新年に入ってからの米国株式市場の動きは堅調に推移しています。

しかし、騰落率をみるとNYダウ平均が+3.00%、S&P500が+1.76%、NASDAQが+1.85%といったところです。

一方で、金(GOLD)は+6.14%、暗号資産はBTC+9.08%、ETH+13.66%、XRP+14.77%と、株式を上回る上昇となりました。 年初は「株・金・暗号資産」が同時に上がる局面も起こり得ますが、背景は資産ごとに少しずつ異なります(株=成長期待と金融条件、金=不確実性と通貨要因、暗号資産=流動性・需給・制度要因など)。

  • 株式利下げ観測や企業業績の見通しが支え
  • 地政学・通貨(脱ドル化)テーマの再燃
  • 暗号資産:年末の損失確定売り一巡+制度・政策期待+ETFなどの資金フロー

米国株:利下げ観測と企業業績への楽観

株式市場は金融当局による利下げが今年も最低2回行われると予想し、企業業績についても明るい見通しを持って楽観的にみているスタンスが株価にあらわれています。

株高の「条件」が崩れやすいポイント

株価が堅調でも、景気・金利・インフレの組み合わせが変わると相場の主役が入れ替わることがあります。

特にテック比率の高い指数(NASDAQなど)は、金利の変動(実質金利)やドル高・ドル安の影響を受けやすい傾向があります。

金:地政学リスクと「脱ドル化」テーマ

新年に入ってベネズエラ情勢、イラン問題、グリーンランドを巡る安全保障など地政学的な話題が取り沙汰され、金価格は堅調に上値を取ってきており、騰落率は+6.14%になっています。

ここで重要なのは、「安全資産への逃避」だけで金が動くわけではない点です。

需給(中央銀行・機関投資家)、実質金利、ドルの信認、地政学、インフレ懸念が絡み合ってトレンドが形成されます。

機関投資家視点のコメント(原文趣旨)

グローバル・データ(GlobalData)のラムニヴァス・ムンダダ(Ramnivas Mundada)氏は「安全資産への逃避以上のものが反映され、米国経済の減速、貿易摩擦問題、そして各国で加速する脱ドル化に対する機関投資家や投資家による戦略的対応をあらわしている」とコメントしています。

同氏は金価格が2026年に8%~15%上昇すると述べています。

「安全資産への逃避以上のものが反映され、米国経済の減速、貿易摩擦、脱ドル化への戦略的対応をあらわしている」

GlobalDataコメント Upward trend in gold and silver prices to continue through 2026, says GlobalData

またユーロ・パシフィック(資産運用会社)のピーター・ヒシュ(Peter Schiff)氏は、「ドルの王座は終わりを迎えようとしている。金が中央銀行の主要な準備資産として王座に就くことになる。米国がほかの通貨に対して暴落し、米国が享受してきた世界経済における『ただ乗り』は終わりを告げるでしょう。歴史的な経済崩壊に備えましょう」と述べています。

「ドルの王座は終わりを迎えようとしている。金が中央銀行の主要な準備資産として王座に就くことになる」

Peter Schiff(SNS投稿として報道された内容の一例) Hindustan Times報道

金高が暗号資産(特にBTC)に与える示唆

金とBTCは、必ずしも短期で同じ値動きをするとは限りませんが、「通貨の信認」「実質金利」「地政学」「資本移動規制」などがテーマになる局面では、どちらも買われやすい(=“価値保存”の文脈で再評価されやすい)という共通点があります。

その一方で、BTCはリスク資産としての側面も強く、流動性が縮む局面では株と同時に売られやすい点には注意が必要です。

暗号資産:年末の需給一巡+政策期待で上値が軽くなる

暗号資産市場については、表の通り騰落率が最も高い上昇となっています。

これは昨年末に、年末特有の税務処理に向けた損益相殺作業での損失売却が膨らんでいたものの、年が変わって売り物が減り、上値を試しやすくなったためだと考えられます。

前述のピーター・ヒシュ氏のコメントは、金だけでなくデジタル・ゴールドのBTCにも当てはまると考えてよいのではないでしょうか。

年初に暗号資産が伸びやすい「3つの要因」

  1. 需給(税務・リバランス・損失確定売りの反動)
    国内外で年末にポジション整理が出やすく、年が明けると“売り圧”が一巡しやすい、という季節性が語られることがあります。 ただし、これは毎年必ず再現するわけではなく、その年のボラティリティやレバレッジ状況次第で振れ幅が大きくなります。
  2. マクロ(ドル・金利・流動性)
    BTCは「インフレヘッジ」だけでなく「グローバル流動性」「実質金利」「リスク許容度」の影響を強く受ける局面があります。 米国の雇用・インフレ指標、金融政策の織り込みが変化すると、暗号資産の値動きも加速しがちです。
  3. 制度要因(ETF資金フロー/規制・政策)
    特に米国の現物ETFなど、伝統金融(TradFi)経由での資金流入・流出が短期トレンドを作る場面が増えています。 報道ベースでは、米国のビットコイン現物ETFの規模が大きくなり、資金フローが価格に与える影響が無視できなくなっています。

ETFフローは「追い風にも逆風にもなる」

たとえば一部報道では、米国のビットコイン現物ETFの資産規模が1,200億ドル超に達したと伝えられています。 これは中長期でみると「市場の構造(保有主体の変化)」を示唆し得る一方、短期では 流入が加速すれば上昇圧力流出が続けば下落圧力として働きます。

実際、米国ビットコイン現物ETFで大きめの流出が出たとする報道もあり、BTC・ETH・XRPは短期的には「ニュース(政策・統計)×資金フロー×ポジション調整」で振れやすい環境です。

政策面:2026年は「選挙イヤー」で暗号資産が争点化しやすい

暗号資産市場では、今年のBTCの動きや目標水準について強気・弱気ともにコメントが出されていますが、今年は中間選挙があり、選挙に向けたトランプ大統領の積極的な行動が出てくると考えられます。

そのなかの1つとして暗号資産政策がクローズアップされる可能性もあります。

実際にホワイトハウスはデジタル資産市場に関する提言をまとめた「大統領作業部会」のファクトシートを公開しており、政策の方向性(規制の明確化、産業育成、ドル建てステーブルコインやCBDCを巡る議論など)が、市場の期待と不確実性の両方を生みやすい局面です。

今年の暗号資産市場は、トランプ政権の政策の具体化と実現によって盛り上がっていくことを期待したいと思います。

※本稿は情報提供を目的としたもので、特定の金融商品の投資勧誘を目的とするものではありません。

今後の注目点(短期チェックリスト)

BTC(ビットコイン)に影響しやすい観点

  • 米金利・実質金利:利下げ観測が強まると追い風になりやすい一方、インフレ再燃で金利が上昇すれば逆風になりやすいです。
  • ドル動向:ドル高は重し、ドル安は追い風になりやすいです(局面差があります)。
  • ETFの資金フロー:流入=買い需要、流出=売り需要として短期の値動きを増幅しやすいです。
  • 規制・政策ヘッドライン:選挙イヤーは発言・法案・行政措置が増え、ボラティリティが上がりやすいです。
  • 地政学リスク:金と同様に「価値保存」文脈で買われることもありますが、流動性ショックでは売られることもあります。

ETH・XRPの独自の材料

  • ETH:ネットワーク需要(レイヤー2含む)、ステーキング、ETF等の制度面がテーマ化しやすいです。
  • XRP:決済・送金文脈に加え、規制・訴訟・上場国/取引所動向など「法制度・事業ニュース」の影響が相対的に大きいです。
  • 円建て評価:国内円ベースの場合、暗号資産のドル建て変動に加えてUSD/JPYも損益に影響します。