S&P500最高値更新でも暗号資産は調整局面──ETF資金流出の裏側
クリスマス・イブ(12月24日)のNYでは株式市場が堅調に推移し、NYダウ平均は5日連騰、S&P500は終値ベースで最高値を更新して終わりました(NYダウ平均:+288ドル、S&P500:6,932(+22))。
クリスマス・イブの米国市場:株高と金高
前日に発表された今年第3四半期のGDP成長率が前期比年率+4.3%と予想以上に強く、追加利下げへの期待が薄れる場面もありましたが、株式市場を取り巻くムードは底堅く、年末から新年に向けたサンタクロース・ラリーに期待する動きとなりました。
また金価格も最高値を更新し、1オンス=4,500ドル台まで上昇しました。
ここで補足すると、サンタクロース・ラリーは一般に「年末の数営業日〜年明けの数営業日」に株価が上がりやすいという季節性を指します。ただし、あくまで傾向であり、材料(金融政策・企業決算・地政学・需給)次第で外れることも多いため注意が必要です。特に今年のようにAI関連株の影響が大きい局面では、指数(S&P500)と個別(メガテック)の動きが同方向になりやすく、指数の強さが強調されやすい環境です。
暗号資産市場:BTCはレンジ、ETFは資金流出
一方、暗号資産市場では、牽引役であるBTCの動きが依然として重く、87,000〜88,000ドル(約1,350万〜1,370万円)近辺の狭いレンジでの取引が続いています。
現物BTC ETFでは資金流出がみられ、クリスマス前のポジション調整や節税に向けた取引が背景にあると考えられます。特に今年は、株価が堅調な一方で暗号資産側に含み損がある投資家が、株式の利益を暗号資産の損失で相殺するために売却している可能性があります。
このように年末の市場の風景は、上昇に湧く株式市場や金市場と、調整局面が続く暗号資産市場で相反する状況となりました。来年の市場見通しは、こうした温度差を映したものになりそうです。
本題:株高でも暗号資産が上がり切れない理由
今回のポイントは、株式が最高値を更新し「リスクオン」の空気があるにもかかわらず、暗号資産(特にBTC)が同じ温度感で上がり切れていない点です。暗号資産は株式と相関する局面もありますが、常に同方向とは限りません。年末は特に暗号資産特有の需給要因が前面に出やすく、株高を相殺する形で調整が長引くことがあります。
株高=即BTC高ではなく、年末は「需給(売り圧力)」が勝ちやすいという見立てが、今回の相場の読みどころです。
なぜ年末に「流出」が起きやすいのか(節税・リバランス・流動性)
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節税(タックスロス・ハーベスティング):株で利益が出ている投資家ほど、暗号資産側の損失を確定して相殺したい動機が強くなります。年内に損失確定の売りが出ると、BTCは「上値が重い」状態になりがちです。
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リバランス:機関投資家は四半期・年末でリスク量を調整します。株が上昇してポートフォリオ内の株式比率が上がった場合、他資産(暗号資産を含む)を減らしてバランスを戻す取引が起こり得ます。
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流動性の薄さ:年末は市場参加者が減り、値が飛びやすくなります。ETFの資金フローがニュース化されると、短期筋の追随も入りやすくなります。
現物ETFの仕組みが「価格」に与える影響(ざっくり)
現物BTC ETFは、投資家の買いが入ればETF側でBTC現物の購入が発生しやすく、逆に解約(償還)や売りが膨らむとBTC現物の売却が発生しやすい構造です。もちろん実務上は「現物の出し入れ」だけでなく、先物・OTC・在庫管理なども絡みますが、年末のように薄商いの時期は、ETFフローが需給の「見える化」として市場心理に強く作用します。
またETFフローは、価格そのもの以上に「センチメント(市場の気分)」へ影響しやすい点も重要です。株式が最高値を更新している局面で現物BTC ETFが流出すると、「今は株の方が良いのでは」「暗号資産はリスクが高いのでは」と心理的に傾きやすく、レンジ相場が長引きます。
データでみる「クリスマス・イブ」の流出(例)
報道ベースでは、クリスマス・イブに米国の現物BTC ETFから大きな資金流出が観測されたとされています。特にIBIT(BlackRock(ブラックロック))など主要ETFからの流出が目立つと、「象徴的な弱さ」と受け取られ、短期の戻り売りを誘発しやすくなります。
クリスマス・イブ前後の現物BTC ETFフロー(報道ベースの例)
| 項目 |
内容 |
| 当日の総流出 |
約3.38億ドル |
| IBIT(BlackRock) |
約1.887億ドル流出 |
| 補足 |
複数日連続の流出が報じられ、年末のポジション調整・節税・薄商いが重なった可能性 |
株高が続いてもBTCが重いときに起きがちな「もう1つの要因」
株式市場の上昇が「AIの設備投資」や「自社株買い」に強く依存している局面では、投資資金が株のテーマに集中し、暗号資産へ資金が回りにくいことがあります。さらに暗号資産は株式よりもボラティリティが高いため、年末のリスク管理局面では真っ先にポジション調整の対象になりやすい傾向があります。
一方で、この温度差がずっと続くとは限りません。株式のリスクオンが継続し、金利低下(金融緩和)が視野に入る局面では、遅れて暗号資産に資金が回り、BTCやETHが再評価されるパターンもあります。重要なのは、ETFフロー・年末需給・金利見通し・規制と政策など複数要因の合成で流れが決まる点です。
来年の見通し:株式(S&P500)
株式市場に関しては、大手金融機関のS&P500見通しは次のとおりです。
| 金融機関 |
S&P500見通し |
| ドイツ銀行 |
8,000 |
| モルガン・スタンレー |
7,800 |
| JPモルガン |
7,500 金融緩和が加速した場合:8,000超 |
| バークレイズ |
7,400 |
| バンク・オブ・アメリカ |
7,100 |
また企業側の材料として、マグニフィセント7を中心とする約6,000億ドル(約93兆1,900億円)のAI関連設備投資や、1.2兆ドルとみられる自社株買いの効果などが挙げられています。
AIとAI関連設備投資に偏った状態への懸念もありますが、「AIの急速な投資と普及が市場心理を引き続き独占する」「仮にハイテクの成長がピークアウトしたとしても、非ハイテクの成長が米国の牽引役になる」など、楽観的な見方が優勢です。
株式市場で好感される材料はリスクオンムードにつながり、暗号資産市場にとっても良い追い風になることを期待したいところです。
来年の見通し:ビットコイン(BTC)と暗号資産
しかし、現在の暗号資産市場での来年への見方は株式市場とは異なり、意見が分かれています。
弱気シナリオ:大きな調整(1万ドル台や4万ドル)
最も弱気とみられる見方の1つは、Bloomberg Intelligence(ブルームバーグ・インテリジェンス)のマイク・マクグローン(Mike McGlone)氏によるもので、「BTCが今年10万ドルを上回ったことで、1万ドル台まで調整するサイクルが引き起こされた可能性がある」としています。
また長期的な調整局面の可能性について、マクロ経済学者のルーク・グローメン(Luke Gromen)氏は「勝者は金とドルで、BTCは長期的な調整局面に入る可能性があり、2026年に4万ドルまで下落する可能性がある。大きな要因は、量子コンピューターが暗号資産の生態系全般を脅かしかねない点だ」と述べています。
補足すると、量子計算リスクは「直ちに現実化する」というより、セキュリティ設計(耐量子暗号への移行)や社会実装の時間軸をどう評価するかがポイントです。市場がこの論点を過度に織り込み始めると、短期的にはリスクプレミアム(不安の上乗せ)として価格の重しになり得ます。一方で暗号技術コミュニティは、耐量子暗号(PQC)やカギ管理の強化など、段階的な対策の議論と準備を進めています。投資家目線では「問題が起きるか」だけでなく「移行で対処できるか」が価格形成に効いてきます。
調整シナリオ:4年サイクル論(休息の年)
一方、Fidelity(フィデリティ)のグローバル・マクロ責任者であるジュリアン・ティマー(Jurrien Timmer)氏は「BTCの強気の4年サイクルが終わり、2026年は休息の年になる。サポートラインは65,000〜75,000ドルだ」としています。
このように4年サイクル論で調整を唱える人もいますが、現物ETFの登場と機関投資家の参入により、4年サイクルは終わったと考える人も増えています。
強気シナリオ:ETF・機関資金・長期採用(2030年/2035年の超長期)
代表例として、ARK Investment Management(アーク・インベストメント)のキャシー・ウッド(Cathie Wood)氏が挙げられます。ウッド氏は長期見通しとして、2030年にBTCが120万ドル(約1億9,000万円)になる可能性を示しています。
また長期的な予想では、CF Benchmarks(CFベンチマークス)が基本シナリオとして2035年までにBTCが142万ドル(約2億2,000万円)になるとしています。強気シナリオは295万ドル(約4億6,000万円)、弱気シナリオでも63.7万ドル(約1億円)です。
ここで補足すると、超長期の強気シナリオは「価格予想」というより、前提(普及率・規制整備・機関投資家の配分比率・マクロ環境)がそろった場合の到達可能性のレンジとして語られることが多いです。逆に言えば、来年の短期見通しと2030年/2035年の長期見通しは、同じ尺度で比べない方が読みやすくなります。
政策と規制:トランプ政権の暗号資産政策の影響
長期的に悲観的な見方もありますが、来年以降により具体化するトランプ政権の暗号資産政策によるサポート効果が期待されており、BTCの価格上昇を想定している人が多いように見受けられます。
政策面は暗号資産にとって非常に重要です。たとえば、ステーブルコインや取引所規制の枠組みが明確になると、機関投資家はコンプライアンス上の障壁が下がり、ETF以外(カストディ・デリバティブ・企業財務)にも資金が回りやすくなります。逆に不確実性が高いと、株が最高値でも暗号資産だけが出遅れる局面が生まれやすくなります。
金が先導し、BTC/ETHが「遅れて再注目」する可能性
個人的にはドルへの信認低下を想定しているため、中央銀行を中心とする買い需要をベースに、金価格がリードする展開は変わらないと考えています。ただし金価格が高くなったことで、買いやすさを求めて遅ればせながらBTCやETHがドルの代替として改めて注目を集めるのが来年なのではないでしょうか。
BTCは新年に入り、本格的に下値を固め、徐々に新たな高値を目指す動きになると考えています。
暗号資産目線で補足すると、BTCがレンジで底固めする局面では、相対的にボラが高いアルトコインに資金が回りにくくなりがちです。その一方でETHは、「実需(ステーキング・L2・手数料・ETF/機関の扱い)」の材料でBTCと異なる動きになることもあります。来年の注目点としては、①ETFフローの反転(流出→流入)、②金融緩和の現実味(利下げ時期)、③規制の明確化、④オンチェーンの実需(送金・DeFi・L2)がそろうかどうかが、BTCの「レンジ脱出」に影響しやすいと考えます。
まとめ
来年の展開がどうなるかはまったくわかりませんが、新たな期待を持って新年を迎えたいと思います。
本年もありがとうございました。
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