9月14日、鈴木俊一財務大臣は一段と進む円安を受けて次のようにコメントしました。

「こういう状況が継続して続くようなことになれば、市場においてあらゆる手段を排除することなしに、やるべきことをやるということであると思います。あらゆる手段を排除しないということですから、日本語としてそのまま理解していただければいいと思います」

また、為替介入をすでに行ったのかとの質問には、「これは例えば予告的にやるものではありません。そしてやったかどうかも普通は言わない。やるときはしかし間髪入れずに、瞬時に行うということだと思います」と答えています。

こうした発言を受けて、日本銀行が「レートチェック」を行ったと見られます。

レートチェックは為替介入に向けた準備のため、市場参加者へ相場の水準をヒヤリングするもので、こうしたアクションがあると市場参加者は為替介入に対しての警戒を強める傾向があり、14日には円が買い戻される場面がありました。

ドル円の為替介入に向けては事前に米国との合意が必要ですが、米国は高インフレ抑制のためドル高を歓迎しており、「ドル売り円買い介入」となる為替への介入で日本に合わせて動くことは難しいと思われます。

目先のドル円の節目は147円台で1998年につけた水準になります。直近のインタビューで「ミスター円」と言われる榊原元財務官は、もし口先介入しか対抗手段がないならば「今年末に160円、来年末180円まで円安が進む」とコメントしています。

先週のこの欄で長期的な円安についての警戒を述べましたが、為替に関しての識者からもそうしたコメントが出始めました。来週の米国FOMC後の展開を注視していきたいと思います。