円安146円台へ
2023.08.03
先日、9月22日に付けた為替介入前の145円90銭を超える146円台へ円安が進みました。英国ポンド安によるドル高の影響を受けたものと思われますが、11日に発表となったIMF(国際通貨基金)の世界経済見通しにより、来年に向けての世界経済の低迷が想定され
安全資産としてのドルへの傾斜が強まっています。
また同じ11日には国内で財務省による8月の経常収支速報値が発表されています。今回黒字とはなりましたが589億円の黒字で過去最少を記録しています。これは中国やEUに向けた輸出が伸び悩む中、原油・石炭・液化天然ガス(LNG)などのエネルギー価格上昇が主な原因として、8月の輸入額が単月では初めて10兆円を超えたことがポイントとなっています。
米国連邦準備理事会(FRB)は年内にさらに2回のFFレート水準の引き上げを予定していますが、一方日本では日本銀行による金融緩和政策が継続され、岸田政権もそれを容認する体制で「ドル高円安」を助長する環境となっています。
ドル円相場の状況は、しばらく為替介入に警戒をしながらも円安傾向を徐々に続けると考えられ、目先は1998年につけた147円66銭にトライをし、さらに150円を意識した展開へと向かうのではないでしょうか。