中国のGDP

中国のGDPから 想定すべきこと

10月18日に中国で経済成長率などの発表がありました。

発表された2023年第3四半期の実質GDPは前年比+4.9%で予想の+4.4%を上回りましたが、第2四半期の+6.3%から大きく鈍化しています。今回の鈍化要因としては、昨年春の新型コロナウイルス禍に伴う上海ロックダウン(都市封鎖)からの反動という影響が薄れた事によります。

同日に発表になった鉱工業生産(9月)は前年比+4.5%と前月と変わりませんでしたが、9月の製造業購買担当者景気指数(PMI)が6カ月ぶりに好調・不調の境目である50を上回っています。これは自動車や電気機械の生産が持ち直した事を映しています。生産面から見た景気は回復しつつあると思われます。

またサービス業も回復しつつあると見られますが、不動産市場の低迷が続いています。不動産投資は前年比マイナス9.1%、不動産販売面積は前年比マイナス7.5%と大きく減少している状況です。こうした不動産の不振から家具や家電の消費は低調です。 副局長は景気の先行きについて「外部環境は複雑で厳しさを増している。内需もまだ不十分であり、景気回復の基盤をさらに強固にする必要がある。」と述べています。

中国の不動産投資や力強い消費といった内需が世界経済の牽引役をはたしてきましたが、中国経済の停滞により今まであった海外からの中国への輸出や直接投資といった動きが減速すると思われ、世界的な経済循環が停滞するリスクが高まりつつあると思われます。

米国による中国への貿易圧力もある中、今後の中国の経済政策から眼が離せなくなっています。