ビットコインは、仮想通貨(暗号資産)としての利便性とブロックチェーンによるセキュリティの高さから、世界中で利用されています。 日本国内でもビットコインを利用できる店舗が存在し、日常の買い物やサービス利用など様々なシーンで活用されています。

ビットコインの利用は、個人情報の漏洩リスクを軽減することや実際の決済取引を可能にするため、ますます注目されている手段でもあります。

そこで今回は、ビットコインが使える店をテーマにどのようなお店があるのか、利用方法はどうなのかについてまとめました。

ビットコインと街のイラスト

ビットコインはお店の支払いで使える!その代表的なものは?

ビットコインは投資目的で運用される方が多いですが、店の買い物にも利用できる通貨なのです。特に大都市圏では、小売店や各種サービスなど、多彩な店舗でビットコイン決済に対応している状況です。これにより、キャッシュレス社会の進展に伴い、ビットコイン利用者にとって利用できる場所が提供されてきています。

また、一部のネットショップやオンラインサービスでもビットコインが決済時に使えるため、自宅にいながら簡単に買い物ができるのも大きな魅力です。ここでは日本で利用できる代表的な店舗についていくつか紹介していきましょう。

ビットコインはお店の支払いにも使える

ビットコインは、その取引価格や時価総額など投資対象としての話題が多い傾向です。しかし、本来ビットコインはブロックチェーンによる決済を目的に開発された経緯があり、使用することを前提に開発された経緯があります。

つまり、使えるお店があること自体、本来の姿といえるのです。事実、いくつかのメジャーなサービスやお店でビットコインによる決済が可能になっています。

メルカリ

フリマアプリの日本最大手であるメルカリでもビットコインによる決済ができ、メルカリアプリを使用してビットコインを使うことが可能です。

ただ、どんな取引でもビットコインが利用できるわけではありません。アプリ経由であることや1取引100万円未満、毎週水曜日13:50〜16:03に実施しているメンテナンス中は決済できないなどの条件があります。

このように利用するためには条件があるものの、メジャーなプラットフォームでビットコインが利用できるのは大きなポイントといえるでしょう。

家電量販店(ビックカメラ・コジマ・ソフマップ)

家電量販店でもビットコインが使える店は多くあります。代表的なものが、ビックカメラ、コジマ、ソフマップを中心とするグループです。

免税店や空港に出店するなど海外の消費者も意識しているビックカメラやその系列であるコジマ(一部店舗を除く)、ソフマップ(一部店舗除く)では海外で利用されることの多いビットコイン決済を実施しています。1会計につき税込30万円という条件はあるものの、気軽に買い物が利用できます。

なお、ネットでの取引は上限が10万円までなので注意しましょう。

メガネスーパー

眼鏡小売店大手のメガネスーパー全店舗(334店舗)でビットコインによる決済が可能です。モバイル決済 for Air レジを利用することで決済を進める仕組みになっています。

ただ利用時期については不安定で、メンテナンスやシステムトラブルなどで利用停止になることもたびたびあるため、利用前にチェックしておくことが重要です。

ビットコインモール(通販サイト)

日本で注目されているのが仮想通貨決済専門サイトのビットコインモールです。国内仮想通貨決済専門サイトでは最大級の商品点数を誇り、カメラ、パソコン、OA機器や情報家電、さらにはキッチン用品など10万点以上の商品を揃えています。

これまで紹介したビットコインが使える店の中でも最もビットコインとの親和性が高く、QRコードやアドレスのリンクを利用すればクリック操作だけでビットコインの決済が簡単にできます。

ビットコイン決済のイメージ

こんなところでもビットコインが使える店は存在!

ビットコインが使える店は、先ほど紹介したメジャーなところや広域でサービスを提供しているところだけではありません。 近所の店舗や規模の小さい個人店、あるいは意外な分野のところなど、使える場所が想像以上に多くみられます。

ここではその一例を紹介しましょう。

中古車販売のお店

意外なところとして中古車販売店でもビットコインが使える店舗があります。全国展開している大手では利用できないものの、 個人で、あるいは地域密着型で営業をしている中古車販売の一部店舗ではビットコインの決済ができます

このような場所では決済金額の上限や対象の車両などの設定といった制限があるものの、ビットコインで決済できます。中古車とはいえ、クルマがビットコインで購入できるのは注目といえるでしょう。

特許商標事務所

普段の生活ではあまり耳にしない商標特許事務所の一部事務所でビットコインが利用できます。ここでは商標に関する事務を行っており、商標の調査をはじめ、商標出願、海外商標業務、商標の期限管理業務などを手掛けています。

個人レベルではまず利用しないこのサービスも、企業では頻繁に利用するといったことが珍しくありません。

占いのお店

街角や住宅地で占いの鑑定が行われています。この報酬をビットコインで支払えるところもあります。鑑定終了後に店舗に掲げてある QRコードを読み取ることで決済できる気軽さが特徴です。

トレーニングジム

トレーニングジムでもビットコイン決済が普及し始めています。都度払いのトレーニングジムやある程度まとまった費用が必要になるパーソナルトレーニングジムでも対応しているジムが存在しています。 現金とクレジットカード、あるいは振り込みなど支払い方法の限られるトレーニングジムもある中、画期的といえるでしょう。

ビットコイン暗号資産とウォレット

海外はさらに多い!ビットコインが使える店

ビットコインによる決済は、日本よりも海外の方が盛んです。これはキャッシュレス決済が日本より普及していることなども考えられます。また、誰しもが知っているところで利用できるケースもあるため、ここではその一例を紹介しましょう。

海外楽天

楽天市場は日本で有名な通販サイトですが、海外進出も積極的に行っています。また、海外の事情に合わせてローカライズされている点も特徴と言えます。

その一例がビットコイン決済への対応です。 海外の楽天では決済にビットコインが利用でき、クレジットカードのような感覚で気軽に決済可能です。日本の楽天では利用できないビットコイン決済も、海外の楽天なら問題なく決済できます。

海外デル

日本でもシェアが高いパソコンメーカーのDELL(デル)は通販に特化している点が特徴です。このデルも海外向けサイトではビットコイン決済が可能です。 パソコンのような高額商品もビットコインで気軽に購入できる体制が構築されています。

マイクロソフトのオンラインストア

マイクロソフトは公式のオンラインストア(Microsoft Store)を展開しています。国内でもSurfaceやXBOX、ゲーム、ソフトウェアが購入できます。

一方、海外のオンラインストアでも同様の展開を行っていますが、 海外のオンラインストアでは決済にビットコインが利用可能です。国内では対応していないものの、冒頭のアイテムがビットコインで手に入ります。

ビットコインとドルとゴミ箱

ビットコインが使えるお店が増加しない原因は?

海外では普及しているビットコイン決済も日本国内ではそこまで増えていません。実は、ビットコイン決済にいくつかの弱点が存在していることで使える店舗が伸び悩んでいるとされています。その主な原因を解説しましょう。

かつてはクリニックの検診でも利用できた

2020年以前、日本国内でも海外のように急激な普及が起こった時期もありました。たとえば、クリニックのような医療施設でも保険診療でない検診にかかる費用が一部の機関でビットコイン決済でできたのです。

このように身近なところにも普及の兆しが見えたビットコイン決済ですが、今紹介したクリニックも数年前から決済をやめてしまいました。このように利用を中止するところも出てきているのです。

スケーラビリティ問題がネックで利用を止める

ビットコイン決済が増加しない理由としてスケーラビリティ問題があります。これは簡単に言えば決済にかかる時間です。たとえば、クレジットカードやQRコード決済は数秒で完了しますが、ビットコインの場合は処理が遅いと数時間かかるケースもあります。そのため、なかなか収入が反映されないケースも見られます。これでは売り上げが確認しにくいため、現場での利用が難しいと言えます。

相場の不安定さも一因

ビットコインの相場は、米ドルや日本円、ユーロに比べるとジェットコースターのように変動します。そのため、ビットコインの売り上げが為替相場の影響以上に影響を受けてしまうのです。確かに価値の上がっている時期であれば店舗の利益になりますが、下落した場合は大きな損失を被ることもあります。

また海外ではビットコインを法定通貨にしても課税率がそこまで高くないものの、日本では同じことをした場合、課税率がかなり高いという背景も考えられます。

ブロックチェーンテクノロジー

お店での決済方法を紹介!

日本では普及が十分進んでいないものの、ビットコインが使える店舗は意外に多くあります。ここでは具体的な決済方法について解説しましょう。

仮想通貨取引所でアカウントを作成

まず、仮想通貨取引所でアカウントを作成します。これは取引所のウォレットと呼ばれる決済手段を利用するためです。

法定通貨を入金

アカウントが作られ、口座が開設されたら、日本円などの法定通貨を入金しましょう。ATMやネットバンキングなどで気軽に入金できます。

ビットコインを購入

口座に入金が反映されたらビットコイン(BTC)を購入します。購入すると口座にビットコインが入り、ウォレットでもビットコイン決済ができる状態になります。

ウォレットアプリでお店のQRコードを読み取る

ウォレットにビットコインが入ったら、あとはスマホのQRコード決済と同じ要領で利用します。あらかじめウォレットのアプリを入れておき、ビットコインがチャージされていることを確認します。

その上で、ビットコインが使える店舗にあるQRコードを読み取りましょう。

金額を入力して送金

請求された金額を入力して店舗の人に見せながら送金を押します。これでビットコイン決済の操作ができます。

決済完了

数分から数時間後に店舗へビットコインが送られて取引は完了します。

ビットコインとデータ

ビットコイン決済の注意点

ビットコイン決済の操作自体はスマホで行うQRコード決済とほとんど変わりません。しかし、いくつか注意点があるため、それらを知っておきましょう。

ウォレットが指定されていることがある

店舗によっては、特定の取引所のウォレット以外は利用できないことが書かれています。そのため、利用する際は対応しているウォレットかどうかをチェックしてから利用するようにしましょう。

決済が完了するのに時間がかかる

先ほども触れたようにビットコインは決済が完了するのに時間もかかります。そのため、頻繁に決済をするとうまくいかないことも出てくる可能性があります。

一日数回以内、数時間以上おいて利用するなどの工夫をしましょう。

レートが不安定

ビットコインはレートが不安定です。そのため、決済内容によっては損をしてしまうかもしれません。米ドルと日本円の為替レートより変動が激しいことを知っておきましょう。

全国展開している店舗では一部でのみ

全国展開している店舗では一部のみというケースもあります。

たとえば、先ほど紹介したコジマやソフマップでは首都圏の一部店舗のみでの利用です。そのため、地方の店舗へ行ってビットコイン決済をしようとしたらできなかったというケースも出てくるため、注意しましょう。

ビットコインとスマートフォン

まとめ

ビットコインは、その利便性と安全性から、国内外で利用が広がっている決済手段です。日本でもビットコインが使える店舗が存在し、日常生活の様々な場面で活用されています。これにより、現金を持たずに買い物ができるキャッシュレスの選択肢が増えているといえます。

また、オンラインショッピングやデジタルサービスの分野でも、ビットコインを利用できる店舗が存在しており、自宅からでもクレジットカード感覚で簡単に取引ができるようになっています。 これにより、個人情報の漏洩リスクを軽減し、安全かつ迅速な決済が可能です。

一方で、スケーラビリティ問題による決済確定の時間がかかることやレートが不安定など課題もあります。それでも日本国内でビットコインが使える店舗を活用し、新しい決済体験をすることで、ビットコイン決済の利便性が感じられることでしょう。

まずは、今回紹介した内容をもとにビットコインが使える店で決済に挑戦してみることをおすすめします。