ビットコインは底打ちか?先物建玉30%減とクラリティ法案延期で読む今週の焦点|ビットコイン予測 今週のポイント2026.01/19-25
概要(先週の値動きと今週の焦点)
先週の米国金融市場は、トランプ大統領による金融当局への圧力と地政学リスクの高まりを受けて、全体として上値が重く、目立った支援材料もなく伸び悩む展開となりました。
一方で暗号資産市場の反応は、株式市場ほど大きく売られる場面はなく、やや上値を試す動きとなりました。
先週の米国金融市場と暗号資産(1/12〜1/16)を日付別に総括
1月12日(月):FRBへの圧力で株は急落→持ち直し、BTCは反応限定で上値を試す
週初の1月12日(月)は、トランプ大統領がパウエル議長に対して刑事訴追を示唆する大陪審の召喚状を送付したことが嫌気され、NYダウ平均は一時492ドル安まで下げました。しかし、その後は持ち直して終えています。
パウエル議長は「トランプ大統領による金融政策への介入を狙った試みとして、圧力には屈しない」と述べています。
中央銀行の独立性が揺らぐ局面では、長期金利(タームプレミアム)やインフレ期待が上振れしやすく、「株式の割引率上昇=バリュエーション低下」を通じてリスク資産の上値を抑えがちです。もっとも、暗号資産は“金利・ドル高”だけで動くわけではなく、規制・ETFフロー・デリバティブ需給など複数のドライバーで短期的に株とデカップリングする場面もあります。
暗号資産市場は株式市場のように売られる場面はなく、やや上値を試す動きとなりました。BTCは91,000ドル(1,430万円台前半)から始まり、92,500ドル台(1,460万円近く)まで上昇を試しましたが、終値は91,300ドル手前(1,440万円程度)でした。
1月13日(火):CPIは予想通りで株は軟調、暗号資産は堅調に上伸
1月13日(火)はCPI(消費者物価指数)12月の発表があり、+2.7%と予想通りの結果となりました。しかし、金融市場の反応はほとんどなく、株式市場は軟調に推移しました。
一方、暗号資産市場は堅調となり、BTCは96,300ドル台(1,520万円台後半)まで上昇し、95,400ドル台(1,510万円台後半)で終わりました。
1月14日(水):米指標への反応は薄いまま、暗号資産は上値トライを継続
1月14日(水)には小売売上高と生産者物価指数の発表がありましたが、金融市場の反応はなく、株式市場は3市場とも小安い展開でした。
暗号資産市場はこの日も堅調な動きを見せました。BTCは97,900ドル台(1,550万円近辺)まで上昇を試す場面もあり、終値は97,000ドル手前(1,530万円台半ば)でした。
1月15日(木):TSMC決算で株高、暗号資産は上昇後に利確で反落
1月15日(木)は台湾のTSMCの決算発表があり、予想を上回る強気の見通しだったことから半導体株が牽引役となり、3市場は上昇しました(NYダウ平均:+292ドル、S&P500:+17、NASDAQ:+58)。
暗号資産市場も反応して上昇しましたが、利益確定の売りが出てやや下げて終わりました(BTC:95,600ドル近辺、1,510万円台後半)。
1月16日(金):FRB人事観測で金利上昇、株は小幅安/暗号資産は反応限定
1月16日(金)は目立った動きはなかったものの、トランプ大統領がFRB(米連邦準備制度理事会)議長の候補として有力視していた、NEC(国家経済会議)のハセット委員長の指名に難色を示したことから長期金利が上昇し、株式市場も小幅安となりました。
暗号資産市場の反応は限定的で、BTCは95,500ドル半ば(1,510万円近辺)でした。
アルトコイン動向(ETH・XRP・SOL):通貨別まとめ
ETH(イーサリアム):BTC高に追随しつつ、高値圏では伸び悩み
ETHはBTCが上値を試す局面で堅調となり、1月13日(火)には53.3万円台後半まで上昇を試す場面が見られました。その後の終値は52.9万円程度でした。
1月14日(水)も底堅く、53.8万円台半ばまでつける動きが見られました。一方、1月15日(木)〜16日(金)はBTC同様に利益確定・様子見が優勢となり、52.7万円近辺、さらに52.1万円半ばまで軟化しています。
ETHは「現物ETF(承認動向・資金流入)」「L2手数料環境」「大型アップグレードの期待」「ステーキング利回りの相対魅力」といった独自材料で、BTCと異なる動きをしやすい通貨です。足元のようにマクロ材料(米金利・政治)で市場が神経質な局面では、まずBTCに資金が集まりやすく、ETHは“追随はするが相対的に鈍い”形になりやすい点は押さえておきたいところです。
XRP:上昇局面では強く反応、しかし高値圏は利確が出やすい
XRPは1月13日(火)に340円台半ばまでつける場面が見られました。その後は高値圏まで切り上がり、終値は370円台半ばでした。
1月14日(水)もまずまずで340円台後半までつける動きが見られましたが、その後の1月15日(木)〜16日(金)にかけてはリスク選好の持続が弱まり、330円近辺、さらに320円台半ばまで軟化しています。
XRPはBTCやETHよりも「ニュースフロー(規制・訴訟・提携)」「短期筋の回転(ボラティリティ)」の影響を受けやすく、上昇局面で値幅が出やすい一方、反転局面では利確も速い傾向があります。したがって、XRPを見る際は価格だけでなく、出来高の増減や急騰局面での“上ヒゲ”の出方(買いの勢いが続いたか)も合わせて観察すると、短期の方向感をつかみやすくなります。
Solana|SOL:ネットワーク運用の緊張感と実需の強さが際立ちます
先週(2026/1/12〜1/18)のSOL/JPYは、週前半に上へ走ったあと高値圏でもみ合い、週末(1/18)に急落して「行ってこい」に近い形で着地した1週間でした。週次の終値ベースでは、1/12の21,979.1円から1/18の21,740.3円へと、約−1.1%とほぼ横ばい〜やや下落です。
日次で見ると、週初(1/12)は21,979.1円でスタートし、1/13に高値23,543.8円まで一気に上伸しました。その後も1/14は終値23,250.4円と高値圏を維持しましたが、1/15〜1/17は上値を追い切れず、週末1/18に安値21,722.4円まで崩れて終値21,740.3円でクローズしました(先週レンジは概ね21,722円〜23,544円)。
材料面でSOL固有の注目点は、ネットワーク運用の「緊張感」です。直前の1/10にMainnet-Betaバリデーター向けクライアントv3.0.14が「緊急リリース(導入推奨)」として告知され、週をまたいで導入状況が意識されました。
実際、1/11時点の報道では、ステークの約51.3%が旧v3.0.13側に残り、v3.0.14は18%にとどまっていたとされています。上昇局面でも強気が一方向に走りにくい「心理的な重し」になり得る状況でした。
一方で、実需の強さも同時に確認されています。DeFiLlama(ディファイラマ)のデータとして、Solanaチェーン上のDEX(分散型取引所)取引高が週次で+23%、週次取引量が350億ドルを突破した(昨年11月第1週以来の高水準)という報道がありました。「使われているチェーン」としての強さが材料化しやすい地合いでもありました。
今週の経済イベントカレンダー
Calendar of Economic Events This Week
| 月 | 日 | 曜日 | 日本時間 | 国 | 経済イベント | 重要度 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 01 | 19 | 月 | 10:30 | 中国 | 新築住宅販売価格 12月 | ★★★☆☆ |
| 01 | 19 | 月 | 11:00 | 中国 | 実質GDP 2025年第4四半期 | ★★★★☆ |
| 01 | 19 | 月 | 11:00 | 中国 | 小売売上高 12月 | ★★★☆☆ |
| 01 | 19 | 月 | 11:00 | 中国 | 鉱工業生産指数 12月 | ★★★☆☆ |
| 01 | 19 | 月 | 19:00 | ユーロ圏 | 消費者物価指数(HICP・確報値) 12月 | ★★☆☆☆ |
| 01 | 22 | 木 | 22:30 | 米国 | 個人消費支出(PCE)価格指数 10月・11月 | ★★★★☆ |
| 01 | 22 | 木 | 22:30 | 米国 | 失業保険申請件数 1/11-1/17 | ★★★☆☆ |
| 01 | 23 | 金 | 23:45 | 米国 | 製造業PMI(速報値) 1月 | ★★★★★ |
| 01 | 23 | 金 | 23:45 | 米国 | サービス業PMI(速報値) 1月 | ★★★★☆ |
| 01 | 23 | 金 | 24:00 | 米国 | ミシガン大学消費者信頼感指数(確報値) 1月 | ★★★☆☆ |
今週の焦点:ビットコインは底打ちか?先物建玉30%減とクラリティ法案延期で読む今週の焦点
結論の前提:BTCの“底打ち”は「価格」だけでなく「需給の浄化」とセットで見る
目先の価格がレンジに見えても、デリバティブ市場の過熱が冷め、ポジションの偏り(過剰レバレッジ)が解消されていく局面は、歴史的に「次の上昇の土台」になりやすいと指摘されてきました。
その観点で、先週の材料は大きく2つです。①先物建玉(オープンインタレスト:OI)の減少=レバレッジの整理、②クラリティ法案(暗号資産市場構造法案)の審議延期=短期の失望と中長期の制度期待のせめぎ合いです。
先物建玉30%減は「底打ちサイン」になり得るか
暗号資産の分析企業CryptQuant(クリプトクアント)社は、BTC先物市場の建玉が10月のピーク時から30%減少しており、歴史的に重要な底値を示すシグナルとなっているとコメントしています。
先物建玉(OI)は「市場に積み上がった未決済ポジションの総量」で、増えすぎると小さな材料で清算(ロング/ショートの連鎖)を招きやすくなります。逆に、OIが大きく落ちる局面は、
- レバレッジの高い参加者が退場し、価格変動が“軽く”なる(下値が固まりやすい)
- ファンディングレートが沈静化し、片側に偏ったポジションが解消される
- 現物主導(ETFや長期投資家)に相対的に有利な地合いになりやすい
といった意味合いを持ちます。特に今回のように「政治・金利・規制」と材料が多い局面では、過剰レバレッジが溜まっているほど値動きが荒れ、結局は“上にも下にも振らされる”展開になりがちです。OIの低下は、その荒さが一段落し、地味でも下値を切り上げるシナリオが成立しやすい状態(=土台づくり)と解釈できます。
チェックポイント(実務的):「OIが減っているのに価格が崩れない」状態は強い一方、「OIが減って価格も落ちる」は単なるリスクオフ(買い手不在)なので区別が重要です。加えて、
- 現物/先物ベーシス(先物プレミアム)が過熱していないか
- 主要取引所の清算(ロング清算・ショート清算)の偏り
- 出来高が“戻り売りの増加”なのか“押し目買いの増加”なのか
を併せて見ると「底打ちの確度」が上がります。
クラリティ法案(暗号資産市場構造法案)延期:なぜ相場に効くのか
先週15日に米国議会の上院銀行委員会で審議が計画されていた「暗号資産市場構造法案(クラリティ法案)」について、Coinbase(コインベース)のブライアン・アームストロングCEOが法案への支持を撤回したことにより、審議が延期されています。これを受けて暗号資産各銘柄の価格は下落しています。目先はこの法案に関する審議が再開されるのかに注目していくことになります。
市場構造法案が相場に与える影響は、短期と中長期に分けて整理すると理解しやすいです。
短期:延期=「期待の巻き戻し」になりやすい
暗号資産は、米国のルール整備が進むほど(特に大手機関・上場企業・金融機関が参加しやすくなるほど)リスクプレミアムが低下しやすい資産です。したがって、審議延期は、
- 制度整備のタイムラインが後ろ倒し→期待の先食い分が剥落
- 関連株(取引所、ブローカー、カストディ等)と同時に暗号資産にも利益確定が出やすい
- 「結局いつ決まるのか」という不確実性で、短期資金が様子見になりやすい
という形で、上値を抑えたり、調整のきっかけになったりします。
中長期:内容次第では大きな追い風になり得る
一方で、市場構造法案の核心は「証券か商品か(SECかCFTCか)」の線引きや、業界が従うべき枠組みを明確にすることです。これが進むと、
- 取引所・カストディ・ブローカー等のルールが明確化し、事業者の米国回帰や投資が進みやすい
- 機関投資家は「コンプラ観点で投資できる状態」になり、参入ハードルが下がりやすい
- プロダクト(ステーブルコイン利回り、DeFi、トークン化資産など)の扱いが定まるほど、資金が入りやすい領域と入りづらい領域が整理される
といった形で、長期的には市場の厚み(流動性)を押し上げる可能性があります。重要なのは「延期そのもの」よりも、再開後にどの論点がどう修正されるかです。
支持撤回が示す論点(読み手が押さえるべきポイント)
今回、Coinbase側が異議を唱えた論点として報じられているのは、概ね以下のようなテーマです(いずれも相場に影響し得ます)。
- ステーブルコイン報酬(利回り)の扱い:銀行預金の競合になり得るとして制限論が強まりやすいです。利回り規制はレンディング/取引所収益モデルに直撃し、関連トークンやDeFiにも波及し得ます。
- DeFi・自己執行ソフトウェアの扱い:規制対象の定義が広がると、開発者・バリデータ等の取り扱いが論点化し、関連プロトコルにリスクプレミアムが乗りやすくなります。
- トークン化資産(株式等)への影響:規制設計によっては「許容される形」と「抑制される形」が分かれ、将来の成長テーマ(RWAなど)に直接影響します。
このように、クラリティ法案の審議はBTC単体ではなく、ETHやDeFi、取引所株、ステーブルコイン、RWA(実世界資産のトークン化)といったテーマ全体に波及し得ます。したがって、今週の相場観は「BTCのテクニカル」だけでなく、法案ヘッドライン(再開・修正・延期の延長)を材料として組み込む必要があります。
今週以降の見立て(シナリオ整理)
今週以降は「暗号資産市場構造法案(クラリティ法案)」の審議状況が焦点になってくると思われます。BTCについては底値を形成した可能性が高く、地味ながらも着実に下値を切り上げる展開が期待されます。
シナリオ:
- シナリオA(強気):審議が早期に再開し、主要論点が「産業の成長と消費者保護のバランス」で着地します。不確実性の低下でBTCは上値を試しやすくなります。しかし、材料出尽くしの利益確定も出やすくなります。
- シナリオB(中立):再開はするものの修正協議が長引きます。BTCはレンジ継続となり、OI低下が支えとなって「下値を固める時間」を確保しやすくなります。
- シナリオC(弱気):延期が繰り返され政治争点化します。「米国での制度期待」が後退し、リスクオフ局面では株と同時に調整しやすくなります。
免責事項
本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品・暗号資産の売買や投資行動を推奨するものではありません。記載内容は作成時点の情報に基づいており、正確性・完全性を保証するものではありません。投資判断はご自身の責任で行い、必要に応じて専門家へご相談ください。暗号資産は価格変動が大きく、元本割れ等のリスクがあります。