先週の暗号資産市場は、強く待ち望んでいたトランプ新大統領の就任式の日を迎えましたが、就任式での新大統領の演説には暗号資産に関するコメントがなく、また終了後の大統領令の発令でも暗号資産に関する発令がなく、大きな失望に包まれ、その後の1週間の動きはやや調整色のある展開となりました。

就任式当日の動きとその後の市場

1月20日(月)の暗号資産市場は、就任式当日の期待感があふれ、BTCは1,580万円(101,000ドル台)後半から始まり、11万ドルを目指す強い動きとなりましたが、トランプ大統領による就任式での暗号資産に関するコメントがなく、また大統領の発令も暗号資産に関するものが無かったことから失望感に包まれ、急速に下落し終わりました。翌21日には仮想通貨の規制明確化を目的としたタスクフォースの設立が発表され、これを好感して1,650万円台(106,000ドル台)まで回復しましたが、その後もトランプ大統領からの大統領令発令はなく、じり安症状のもみ合いとなり週末となりました。 BTCは1,630万円前後、ETHは51万円台半ば、XRPは482円台で週を終えています。

BTCを持つトランプ大統領のイラスト

暗号資産に関する大統領令の発令

トランプ大統領による大統領令の発令では、1月24日に暗号資産に関する発令がありましたが、暗号資産市場の反応はありませんでした。その発令の内容は、「暗号資産市場に関する作業部会を設立する」ものです。この発令の主な内容は以下の通りです。

  • デジタル金融における米国のリーダーシップを強化するため、デジタル資産市場に関する大統領作業部会を設立する。
  • 作業部会は、ステーブルコインを含むデジタル資産に関する連邦規制の枠組みを半年内に策定し、「戦略的国家デジタル資産備蓄」の創設を評価する任務を負う。
  • デジタル資産セクターに影響を与える規制や機関の行動について、撤回または修正すべき項目を特定し、作業部会に勧告するよう各省庁に指示する。
  • 中央銀行デジタル通貨(CBDC)の設立、発行、推進に関する機関の行動を禁止する。

この作業部会は、今後180日以内に「戦略的国家デジタル資産備蓄」創設に関する評価とその枠組みを提示することになっています。暗号資産市場での反応はありませんでしたが、この発令が米国のデジタル資産市場における重要な転換点となる可能性があると考えています。

米国金融市場の動き

一方、米国金融市場は債券市場での利回りの落ち着きとともに株式市場に勢いが増し、21日から23日にかけて米国株式市場は3市場とも連騰し、3日間でNYダウ平均は1,077ドル高、S&P500は+122、NASDAQは+423で、特にS&P500は最高値を更新しています。さすがに週末24日(金)は3市場とも若干小安く終了しています。

高層ビルに囲まれたFRBの名前が彫られた石板

今週の重要経済指標とFOMC

今週も米国を中心に多くの経済指標の発表、そして欧米での政策金利決定会合が予定されています。特に28日-29日にFOMCが予定されていますが、前回の会合後のパウエル議長の発言から考えると、今月の米国経済指標の発表結果が総じて堅調さを示すものが多かっただけに政策金利の引き下げは見送る公算が高いと考えられます。今後発表されるPCEや来月以降の雇用統計、物価の動向をもとに考えていくことになると思われます。

今週の暗号資産市場の見通し

今週の暗号資産市場は、先週の動きを引き継いで材料不足の展開となりそうです。新たにスタートする作業部会の報告や提案が出てくるまでは、特にBTCの動きは鈍くなりそうですので、やや調整色を強めるかもしれません。

一方でほかのコインについては、まず、先週リップルが「XRP Community Day 2025」を今月28日-29日に開催すると発表しました。

XRP Community Dayの目的

リップル社は、「XRP Community Day 2025」で以下の5つの目的を掲げています。

  • XRPのモメンタム(勢い)を祝うこと。
  • XRPレジャー(XRPL)のイノベーションにスポットをあてること。
  • XRPコミュニティを団結させ、サポートすること。
  • XRPL開発の次の波を促進すること。
  • 広く暗号資産コミュニティを迎えること。

XRPの所有者や開発者、プロジェクトが、XRPとXRPLの未来形成に参加できるグローバルな場所を提供するとしています。また、XRPLがどのようにDeFi、トークン化、電子市場、ゲームを発展させているのかを示し、暗号資産関係者に理解を深めてもらう計画です。

XRP現物ETF申請と規制緩和の可能性

さらに24日にコイン・シェアーズがXRPとライトコインの現物ETFについて上場申請を行いました。今後、トランプ大統領のもとで暗号資産に対する規制が緩和され、積極的な暗号資産へのサポートがなされると考えられます。このような規制緩和が進むことで、残高があり人気のある暗号資産に対する注目がさらに高まることが期待されます。

トランプ大統領による暗号資産に関する動きは、まだ始まったばかりですが、政府によるサポートが徐々に拡大し、大きな展開につながることが期待されます。

投資家の皆様におかれましては、暗号資産を短期的にとらえず、長期的な視野を持って時間をかけて見ていただくことをお勧めします。

今週の経済イベントカレンダー
Calendar of Economic Events This Week

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曜日日本時間経済イベント重要度
01 27 10:30 中国 購買担当者景気指数(PMI)1月(製造業、サービス業) ★★★☆☆
01 27 24:00 米国 新築住宅販売件数12月 ★★★★☆
01 28 22:30 米国 耐久財受注12月 ★★★★☆
01 28 23:00 米国 S&Pケースシラー住宅価格指数11月 ★★★☆☆
01 28 24:00 米国 リッチモンド連銀製造業景気指数1月 ★★★☆☆
01 28 24:00 米国 コンファレンスボード(CB)消費者信頼感指数1月 ★★★★☆
01 29 28:00 米国 FOMC(連邦公開市場委員会) ★★★★★
01 30 19:00 欧州 ユーロ圏2024年第4四半期GDP ★★★★☆
01 30 22:15 欧州 ECB政策金利会合 ★★★★☆
01 30 22:30 米国 2024年第4四半期実質GDP ★★★★★
01 30 22:30 米国 新規失業保険申請件数1/12-1/18 ★★★☆☆
01 30 24:00 米国 中古住宅販売成約指数12月 ★★★★☆
01 31 22:30 米国 個人消費支出(PCE)価格指数12月 ★★★★☆
01 31 23:45 米国 シカゴ購買部協会景気指数(PMI)1月 ★★★☆☆

これまでの暗号資産積み立ての状況
Accumulation Status

[期間:2023.06.05 〜 2025.02.11]

2023年6月から月毎に10万円分の暗号資産を実際に積み立てていき、そのポートフォリオを公開する企画です。ビットコイン(BTC)、イーサリアム(ETH)、日本の取引所でも取り扱われており、米ドルとペッグ〔連動〕するステーブルコインであるダイ(DAI)を対象としています。

ポートフォリオの現在の資産価値

含み益(現在の資産価値 - 合計積立金額)

利益率
%

積み立て回数
16

合計積立金額
1,600,000

ポートフォリオの構成

    ポートフォリオ

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    銘柄 シンボル 対円レート 保有数量 日本円換算 構成比
    ビットコイン BTC [BTC/JPY] 0.1523 BTC %
    イーサリアム ETH [ETH/JPY] 1.8884 ETH %
    ダイ DAI [DAI/JPY] 80 DAI %