仮想通貨DAI(ダイ)とは?仕組み・将来性・買い方を2026年最新解説|Sky(USDS)移行の影響は?
2026.02.03
執筆:BitLendingリサーチチーム
本記事の「DAI」は、ステーブルコインの暗号資産DAI(ダイ)を指します。
暗号資産にはビットコイン(BTC)やイーサリアム(Ethereum:ETH)など、さまざまな銘柄があります。その中でもDAIは「1DAI≒1米ドル(USD)」を目標に設計されたステーブルコインで、取引や送金、DeFi(分散型金融)などで広く使われています。
ポイント:DAIは「銀行口座にある米ドルを1:1で引き出せるタイプ」ではなく、暗号資産を担保(預け入れ)にして発行される仕組みです。そのため、仕組みを理解しておくと安心して使いやすくなります。
この記事でわかること
暗号資産DAI(ダイ)とは?ステーブルコインの基本とSky(USDS)との関係
DAIの概要は、以下の表のとおりです。
| 銘柄名 | DAI(ダイ) |
|---|---|
| 現在の価格 | 157.92円 |
| 時価総額 | 約6736 億円 |
| 暗号資産時価総額ランキング | 23.00位 |
| 購入できる国内の取引所(例) | GMOコインなど(取り扱いは変更される場合があります) |
DAIは、米ドル(USD)とほぼ同じ価格になることを目標にしたステーブルコインです。暗号資産などを担保にして発行(生成)され、Ethereum(イーサリアム)上のERC-20トークンとして、多くのウォレットやサービスで利用できます。
なお「ステーブルコイン」は、価格が大きく動きやすい暗号資産と比べて、値動きを小さくすることを目指した暗号資産の総称です。ただし、後述のとおり「絶対に1ドル」で固定されるわけではありません。
Sky(旧Maker)のリブランドと、DAI→USDSの位置づけ
近年、Maker(メイカー)の名称体系はSky(スカイ、Sky Protocol)へ整理され、DAIはUSDSへ1:1で任意にアップグレード(交換)できるようになりました。「任意」とは、使う人が選べるという意味です。
公式ドキュメントでは、DAI↔USDSは固定比率1:1で、現時点では手数料なしと説明されています(将来の仕様変更はあり得るため、利用前に公式情報を確認してください)。
《出典》
USDS / DAI↔USDS Converter(1:1・手数料なし)|Sky Protocol Docs
Sky Protocol(USDS/報酬の案内)|sky.money
USDT/USDC/DAIの使い分け:結局どれを持てばよい?
比較表を見たあとに一番迷いやすいのが「結局どれを選ぶべきですか?」という点です。まずは目的別の結論を押さえておくと判断が楽になります。
結論:目的が違えば「最適なステーブル」も変わります
- 取引所での売買のしやすさ(流動性)を最優先するなら、USDT/USDCが候補になりやすいです。
- オンチェーン(ブロックチェーン上)で分散性・透明性を重視するなら、DAI(またはUSDS)が候補になりやすいです。
- 公式の利回り(貯蓄/報酬)を優先するなら、USDS/sUSDSが優遇される設計になりやすいです。
こんな人にはDAIがおすすめです
- 分散性を重視し、特定の企業の準備金リスクへの依存をできるだけ下げたい人に向きます。
- DeFiで担保・決済・待避として、幅広く使えるステーブルがほしい人に向きます。
- 取引所やdAppsで「まずDAI対応」が残っている間は、互換性を重視したい人に向きます。
こんな人はUSDSも検討できます(DAI→USDSは任意です)
- Sky側の貯蓄利回り(Sky Savings Rate)や報酬を、公式ルートで受け取りたい人に向きます。
- sDAIではなくsUSDSを推奨する案内が増えている点も踏まえたい人に向きます。
《出典》
Sky Savings Rate(表示・変動)|sky.money
sDAIは旧版でsUSDS推奨|Spark(スパーク)Docs
【図解】DAIの仕組み:過剰担保と清算で「1ドル付近」を目指します
DAIは「銀行に預けた米ドルを1:1で引き出せるタイプ」とは違い、担保(コラテラル)を多めに預けてDAIを発行することで、価格の安定を目指します。ここでいう「多めに」とは、発行するDAIよりも担保価値が大きい状態(過剰担保)にする、という意味です。
数値例:100ドル相当のETHを担保に、60DAIを発行します
たとえば、100ドル相当のETHをVault(担保を預ける仕組み)に入れて、60DAIを発行するケースを考えます。
| 担保価値 | $100 |
|---|---|
| 発行DAI | $60(=60DAI想定) |
| 担保率 | 約166%(=100/60) |
| 想定清算比率 | 150%(例) |
この状態では担保率が清算比率(例:150%)を上回るため、通常は清算されません。
清算(Liquidation)が起きるとどうなりますか?
清算は、担保が足りなくなりそうな状態を自動で解消する仕組みです。流れをステップで見てみます。
- ETH価格が下落し、担保価値が$80に下がります。
- 担保率は約133%(=80/60)となり、清算比率150%を下回ります。
- Vaultが清算対象になり、担保の一部(または全部)が売却されて、発行したDAIの返済に回されます。
- 残りがあれば手元に戻りますが、ペナルティ(手数料)やスリッページ(想定より不利な価格で約定すること)で、戻る量が減る可能性があります。
重要なのは、DAIの「安定」を守るために、担保側が自動的に処理されることがある点です。DAI保有者の安定性の裏側には、Vault利用者の清算リスクがあります。
《出典》
清算とオークションの概念|Maker Docs
USDS/DAIの公式整理(Skyの文脈)|Sky Protocol Docs
今から買うならDAIとUSDSはどちらがよい?結論と判断軸
結論:互換性(DAI)か、公式の報酬設計(USDS)かで決めます
- DAIが向きやすい:既存の取引所・dAppsでの互換性を最優先したい人に向きます。
- USDSが向きやすい:Sky側の貯蓄利回り(Sky Savings Rate)や報酬を、公式導線で受け取りたい人に向きます。
- 迷うなら:まずDAIで入り、必要に応じて1:1でUSDSへ任意アップグレードする方法がわかりやすいです(逆も可能です)。
「DAIを持ち続けるデメリット」はありますか?
公式ドキュメント上はDAI↔USDSを1:1で相互変換できるため、DAIがすぐに「使えなくなる」設計ではありません。一方で、sky.moneyやSpark Docsでは貯蓄系トークンがsUSDS中心になっていく説明があり、インセンティブ(利回り/報酬)がUSDS側に寄る可能性は意識しておくとよいです(利率は変動します)。
《出典》
DAI↔USDS Converter(1:1・手数料なし)|Sky Protocol Docs
Sky Savings Rate(表示・変動)|sky.money
sDAIは旧版、sUSDSで高い利回りを案内|Spark Docs
DAIのメリット:なぜ「分散型ステーブル」を持つ価値がある?
メリット1:価格変動が小さく、相場の待避・決済に使いやすいです
DAIは1ドル付近の安定を目標にするため、BTC/ETHのように大きく上下しやすい暗号資産と比べて、オンチェーンで扱える「待機場所」になりやすい特徴があります。
メリット2:オンチェーンでの透明性があり、DeFi互換性も高いです
ERC-20としてウォレットやdAppsの対応が広く、DeFiの担保・決済・流動性提供など幅広い使い道があります。
DAIのデメリット:ペッグ乖離リスクと「過去の事実」に基づく注意点
デメリット1:「ステーブル=絶対に1ドル」ではありません
DAIは1ドル連動(ペッグ)を目標に設計されていますが、市場の混乱や担保構成、流動性、スマートコントラクトの要因などが重なると、1ドルからずれる(乖離する)ことがあります。ペッグ乖離とは、かんたんに言うと「目標の値段から外れること」です。
デメリット2:2023年3月のUSDCデペグ局面で、DAIも乖離しました
過去事例として、2023年3月10日〜13日の混乱(Silicon Valley Bankの影響など)ではUSDCが1ドルから外れる「デペグ」が起き、分析によってはDAIも$1から外れ、局面によっては約$0.85付近まで下落したと整理されています。
このときは「当時の担保構成(USDC比率)」「市場の流動性」「不安心理」が重なり、ステーブルでも値が動きました。ステーブルだからといって、短期的な変動がゼロになるわけではない点は押さえておきましょう。
デメリット3:利回りや報酬を追うほど、リスク要因が増えます
DeFiでの運用(流動性提供・レンディングなど)は利回りが期待できる一方で、スマートコントラクト、清算、相手先、ブリッジなどリスク要因が増えます。目的(待避/決済/運用)ごとに、許容できるリスクの上限を決めておくことが大切です。
《出典》
Stablecoins: A Deep Dive into Valuation and Depegging(2023/3の乖離整理)|S&P Global(S&Pグローバル)
SVBとUSDCデペグの背景|Federal Reserve(米連邦準備制度理事会)
DAIの買い方:国内取引所で購入する手順
DAIを国内取引所で購入する一般的な流れは、次のとおりです(画面や操作は各社で異なります)。
- 国内取引所で口座を開設します。
- 日本円を入金します。
- 販売所と取引所(板取引)のどちらで買うかを決めます。
- 数量を指定して購入します。
円建てDAIは「ドル円の影響」も受けます
DAIは1ドル付近を目標にしますが、円建てで買う場合は為替(USD/JPY)の影響で円価格が動きます。買うタイミングを考えるときは、ドル円もあわせて確認すると判断しやすいです。
DAIの使い道:送金・DeFi・貯蓄(DSR/sDAI/sUSDS)
DAIは「値動きが小さい暗号資産」として、次のような使い方が多いです。
- 相場が急に動いたときの待避(売買の「待機場所」)にします。
- DeFiで担保・決済・流動性提供に使います。
- 貯蓄用途として、DSR(Dai Savings Rate)や、トークン化されたsDAI/sUSDSを利用します。
sDAIは旧版で、sUSDSが新しい貯蓄トークンとして案内されます
Spark Docsでは、sDAIはDSRの預け入れをトークン化したもの(旧版)と説明されており、sUSDSへのアップグレードと、より高い利回りを案内しています(利回りは変動します)。
《出典》
Savings DAI(sDAIは旧版、sUSDSへ)|Spark Docs
Sky Savings Rate(表示・変動)|sky.money
DAIの将来性:ステーブル市場の拡大と規制、Sky(USDS)移行
DAIの将来性は、主に次の3点で考えることが多いです。
- ステーブルコイン市場が今後も広がるかどうかです。
- 分散型ステーブル(DAI/USDS)の需要は、DeFiの盛り上がりと連動して変化しやすいです。
- 各国の規制と、Sky(USDS)へのインセンティブ設計がどう変わるかです。
重要:将来性は「DAIかUSDSか」だけでなく、採用状況で決まります
プロトコル側がUSDSを「中心(ネイティブ)」として推す設計である以上、報酬や利回りの中心がUSDS側に寄る可能性があります。一方で、DAIには既存の互換性(取引所・dApps)という強みも残るため、今後も目的に応じた使い分けが現実的です。
《出典》
USDS(DAI↔USDS 1:1)|Sky Protocol Docs
USDS/Sky Savings Rateの案内|sky.money
よくある質問(FAQ)
Q. DAIは絶対に1ドルですか?
A. いいえ。1ドル付近を目標に設計されていますが、市場環境や担保構成などによって乖離が起こる可能性があります。
Q. DAIとUSDSは、どちらを買うべきですか?
A. 互換性重視ならDAI、Sky側の公式報酬/貯蓄利回りを優先するならUSDSが判断軸です。迷う場合は、DAI→USDSを1:1で任意アップグレードする方法もあります。
Q. sDAIとsUSDSは何が違いますか?
A. Spark Docsでは、sDAIは旧版で、sUSDSへのアップグレードと高い利回りが案内されています(利回りは変動します)。
Q. 税金はどうなりますか?
A. 売却益、利息、他通貨との交換など取引内容で扱いが変わります。取引履歴を残し、必要に応じて税理士などに相談してください。
《出典》
USDS(DAI↔USDS 1:1)|Sky Protocol Docs
sDAIは旧版、sUSDSへ|Spark Docs
まとめ:結局、DAIはどんな人向き?
DAIは、暗号資産などを担保に発行され、1ドル付近の安定を目指す分散型ステーブルコインです。目的別に整理すると次のとおりです。
- 待避・決済・DeFi互換性を重視する人:DAIが候補です。
- 公式の報酬/貯蓄利回りを優先する人:USDS/sUSDSが候補です(利率は変動します)。
- リスクを抑えたい人:乖離や清算の仕組みを理解し、用途別に少額から試すのがおすすめです。
《出典》
USDS / DAI↔USDS Converter|Sky Protocol Docs
Sky Savings Rate(表示・変動)|sky.money
Stablecoins Depegging分析|S&P Global