仮想通貨(暗号資産)テザー(USDT)とは? メリット・デメリットや今後の動向を解説
2024.12.02
ビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)などのメジャーな銘柄だけでなく、安定した価格が魅力のステーブルコインへの注目度も高まっています。テザー(USDT)は世界で最初に 誕生したステーブルコインであり、仮想通貨(暗号資産)全体で時価総額第3位、ステーブルコインでは第1位の銘柄です(2024/12/22現在)。テザー(USDT)に興味のある方もいるのではないでしょうか。
テザー(USDT)への投資を始めるなら、概要や将来性を理解しておく必要があります。
そこで今回は、テザー(USDT)の特徴や仕組み、価格動向を深掘りして解説します。記事後半では、テザー(USDT)の将来性や購入方法もご紹介するので、ぜひ最後までご覧ください。
テザー(USDT)とは
テザー(USDT)とは、Tether Limited社の発行する、イーサリアムベースの仮想通貨(暗号資産)です。
米ドルと紐付いたステーブルコインであるため、ボラティリティが小さく、これから仮想通貨(暗号資産)投資を始めてみたい方におすすめの銘柄です。時価総額もビットコイン(BTC)、イーサリアム(ETH)に次いで第3位と注目度の高さが伺えます。
テザー(USDT)を法定通貨として取り入れる都市も現れるほど、実用性と信頼性が高く、今後の需要拡大に期待できます。
テザー(USDT)への投資を始めるなら、特徴を理解しておくことが重要です。テザー(USDT)の特徴を見ていきましょう。
テザー(USDT)の特徴
テザー(USDT)の主な特徴は、以下の3つです。- 米ドルと連動したステーブルコインである
- Kusamaネットワークでローンチされる
- テザー(USDT)を法定通貨とする都市もある
それぞれ詳しく解説します。
米ドルと連動したステーブルコインである
テザー(USDT)は米ドルと連動したステーブルコインです。ステーブルコインとは、価格が安定して推移するよう設計された仮想通貨(暗号資産)のことを指します。ステーブルコインは以下の4つに分類できます。
- 法定通貨担保型
- 仮想通貨(暗号資産)担保型
- 商品担保型
- 無担保型(シニョレッジ・シェア型)
テザー(USDT)は米ドルと相関した、法定通貨担保型となっています。
仮想通貨(暗号資産)は、一般的に価格の乱高下が激しく安定していない印象を受けるでしょう。短期間で価格が急変するのも珍しくなく、安定した資産運用には向いていない銘柄もあります。
堅実に運用したい方にとっては、魅力的な仮想通貨(暗号資産)です。
USDTの市場シェアと成長
Tether(USDT)は、過去数年間で市場シェアを大幅に拡大し、2024年にはステーブルコイン市場全体の75%以上を占めるまでに成長しました。
USDTの流通量は約1,200億ドルに達し、これは安定した需要と利用者の信頼によるものです。 特に、デジタル資産市場における主要なステーブルコインとして、法定通貨と暗号資産の橋渡し役を果たしています。
USDTは複数のブロックチェーン上で発行されており、2024年11月時点ではイーサリアム上のUSDT供給量がトロンを上回っています。 このように、USDTはデジタル資産市場での主要なステーブルコインとしての地位を確立し、法定通貨と暗号資産の橋渡し役として重要な役割を果たしています。
USDTの発行準備資産
テザー社は、ステーブルコインUSDTの発行準備金として、米国債を含む多様な資産を保有しています。2023年第3四半期末時点で、準備資産の85.7%は現金および現金同等物で構成されており、これは過去最高の割合です。
現金および現金同等物の内訳は以下の通りです。
- 米国財務省短期証券:直接的および間接的なエクスポージャーで約726億ドル(約10.9兆円)を保有しています。
- 現金および銀行預金:詳細な金額は公開されていませんが、現金および銀行預金として保有されています。
- ビットコイン(BTC):約16.6億ドル(約2,511.7億円)相当を保有しています。
- 金(ゴールド):約31.4億ドル(約4,752億円)相当を保有しています。
さらに、テザー社は約32億ドル(約4,841.8億円)の超過準備金を報告しており、発行済みのテザートークンの総額は831.5億ドル(約12.5兆円)相当です。 これらの多様な資産保有により、テザー社はUSDTの安定性と信頼性を維持しています。
テザー社は、ステーブルコインUSDTの発行準備金として、米国債を大規模に保有しています。2024年第3四半期末時点で、同社の米国債保有額は1,025億ドルに達し、これはドイツ、オーストラリア、アラブ首長国連邦などの国々を上回り、世界で18番目の規模となっています。
この米国債保有額の増加は、USDTの需要拡大と、それに伴う準備資産の増強を反映しています。テザー社は、発行したUSDTを1:1で裏付けるため、流動性の高い米ドル建て資産、特に米国債を積極的に購入しています。
さらに、テザー社の米国債保有は、同社の収益にも大きく寄与しています。2024年第3四半期には、米国債からの利息収入が13億ドルに上り、同四半期の純利益25億ドルの約半分を占めています。
複数のブロックチェーンで使えるUSDT
USDTは複数のブロックチェーン上で発行されることで、多様なユースケースに対応し、海外に送金するときに素早く手軽に使えるほか、オンラインでの買い物や個人間のお金のやり取りなど、幅広い用途で活用されています。この戦略により、取引所での対応が強化され、ユーザーに多様な選択肢を提供するとともに、ネットワーク依存リスクの分散も実現しています。これらの特長が、USDTの信頼性と利便性を一層高めています。
ビットコイン(Bitcoin)- Omni Layer:USDTの最初の発行は、ビットコインブロックチェーン上でOmni Layerというプロトコルを利用して行われました。このプロトコルは、ビットコインのネットワークを利用して追加機能を提供するレイヤーで、トランザクションの信頼性やセキュリティはビットコインのものと同等です。
USDTがビットコインのOmni Layerで発行されることの最大のメリットは、ビットコインの堅牢なセキュリティに基づいている点です。この仕組みにより、USDTは高い信頼性を持ちながら、最も歴史があり安定した発行方法として利用されています。一方で、トランザクション処理がビットコインのネットワークに依存しているため、処理速度が遅く、手数料が高くなるというデメリットもあります。
イーサリアム(Ethereum)- ERC-20トークン:イーサリアム上では、ERC-20規格に基づいてUSDTが発行されています。ERC-20トークンは、スマートコントラクトを利用した柔軟なトークンの発行・管理を可能にします。
USDTがイーサリアムのERC-20規格で発行されることには、多くのメリットがあります。スマートコントラクトを利用することで柔軟な運用が可能となり、特に分散型取引所(DEX)や分散型金融(DeFi)プラットフォームでの利用が容易です。また、ビットコインのOmni Layerと比較してトランザクション速度が速い点も大きな利点です。しかし、イーサリアムのネットワークではガス代(取引手数料)が高騰することがあり、この点がデメリットとして挙げられます。
トロン(Tron)- TRC-20トークン:トロンブロックチェーンでは、TRC-20規格に基づいてUSDTが発行されています。このプラットフォームは、高速かつ安価なトランザクションを可能にすることで、USDTの送金手段として人気を集めています。
USDTがトロンのTRC-20規格で発行されることには、いくつかの重要な利点があります。まず、トランザクション手数料が非常に安く、コストを抑えて利用できる点が魅力です。また、処理速度が高速で、迅速な取引が可能です。特にアジア圏を中心に広く普及しており、地域での利用率が高いことも特徴です。一方で、一部の取引所やウォレットでの対応が限定的であるため、利用できるサービスが限られる場合があるというデメリットもあります。
ソラナ(Solana)- SPLトークン:ソラナ上で発行されるUSDTは、SPLトークン規格に基づいています。このプラットフォームは、高速でスケーラブルなトランザクションを提供することで知られています。
USDTがソラナのSPLトークン規格で発行されることには、多くの利点があります。ソラナは非常に高いスループットを持つブロックチェーンであり、1秒間に数千のトランザクションを処理することが可能です。そのため、トランザクション手数料が非常に低く、効率的な取引が実現できます。また、この高い処理能力を活かし、新しいユースケースが今後さらに開発されることが期待されています。一方で、比較的新しいプラットフォームであるため、採用や普及がまだ限定的であるという課題もあります。
アバランチ(Avalanche):アバランチブロックチェーンでもUSDTが発行されています。このプラットフォームは、相互運用性と高いスループットを提供します。
USDTがアバランチで発行される利点として、高速なトランザクション処理とクロスチェーンアプリケーションとの統合の容易さが挙げられます。ただし、利用者層が限定的である点が課題です。
その他のプラットフォーム:BNB(BEP-20)、アルゴランド(Algorand)、ポリゴン(Polygon)、ビットコインキャッシュ(Bitcoin Cash)など、複数のプラットフォームでUSDTが発行されています。それぞれのプラットフォームは異なる利点と課題を持ち、ユーザーのニーズに応じて選択可能です。
国外への出稼ぎ労働に伴う家族への送金
国外への出稼ぎ労働に伴う家族への送金でUSDTを利用するケースは、世界の多くの地域で急速に増加しています。特にアジア、アフリカ、ラテンアメリカなど、銀行口座を持たない、または金融インフラが整っていない地域での利用が顕著です。
従来の国際送金サービスでは、送金額の5%から7%の手数料が一般的で、送金完了までに数日を要することが多いです。例えば、200ドルを送金する際の平均コストは5.7%と報告されています。
一方、USDTを利用した送金では、ブロックチェーンの種類によって手数料と送金時間が異なります。例えば、TRC-20(トロン)ネットワークを使用する場合、送金手数料は約1USDTで、送金時間は数秒から数分程度です。また、BEP-20(バイナンススマートチェーン)ネットワークでは、手数料が0.8USDTとさらに低く抑えられます。
このように、USDTを利用した送金は、従来の国際送金サービスと比較して、手数料が大幅に低く、送金時間も短縮されるという利点があります。
Kusamaネットワークでローンチされる
テザー(USDT)は、2022年4月13日にKusamaネットワークでローンチされると発表されました。
Kusamaネットワークとは、異なるブロックチェーン間を相互接続するPolkadot(DOT)の試験的ネットワークです。Kusamaネットワーク上では、独自トークン「KSM」が発行されています。
Kusamaネットワーク上で構築できるDappsの種類は多く、Polkadot(DOT)よりもネットワークのスピードが速い点が特徴です。
テザー(USDT)を法定通貨とする都市もある
ビットコイン(BTC)が、中南米のエルサルバドルで法定通貨として採用されたのは、よく知られています。実は、ビットコインだけでなく、テザー(USDT)が法定通貨とされている都市もあります。
スイスのルガーノ市は、ビットコイン(BTC)とテザー(USDT)、そしてスイスフランに連動するステーブルコインのLVGAを事実上の法定通貨として採用すると発表しました。同市では、数多くの企業が支払い手段として取り入れる他、公共サービスや税金の支払いなどにテザー(USDT)を利用できます。
ネットショッピングや実生活での決済だけでなく、法定通貨に採用されるケースも徐々に増えてきています。今後、仮想通貨(暗号資産)が一般に普及すれば、さらに実用化への動きが拡大するでしょう。
USDTとUSDCの違い
USDCとUSDTはいずれもステーブルの一種です。以下の表でそれぞれの概要を見てみましょう。
銘柄名 | Tether(USDT) | USD Coin(USDC) |
---|---|---|
発行年 | 2015年 | 2018年 |
発行元 | Tether Limited | CircleとCoinbaseが共同で発行 |
時価総額 | 約21.8 兆 | 約6.7 兆 |
暗号資産時価総額ランキング | 3位 | 7位 |
ステーブルコインの分類 | 法定通貨担保型 | 法定通貨担保型 |
ブロックチェーン | イーサリアム | イーサリアム |
※2024/12/22現在
いずれもイーサリアムベースのステーブルコインである点や、法定通貨担保型である点は共通しています。いくつか点で違いがあるので、詳しく見ていきましょう。
テザー(USDT)とUSDコイン(USDC)には、運用体制に違いが見られます。仮想通貨(暗号資産)は中央管理者が存在せず、権利がユーザーに分散されているものが多いです。しかし、テザー(USDT)は発行元のTether Limitedが、価格を中央集権体制でコントロールしています。
テザー(USDT)とUSDコイン(USDC)を比較すると、ややUSDコイン(USDC)の方が信頼性は高いといえます。なぜなら、資産管理に透明性がある他、ニューヨーク州から仮想通貨(暗号資産)事業の許可書を得ている からです。
USDコイン(USDC)とは?
特徴や価格動向、将来性について解説
とはいえ、テザー(USDT)の方が発行年が古い分、時価総額ランキングが高く、基準通貨として取り扱う取引所が多くなっています。流動性が高く、実用化が進められているので、信頼性が低いわけではありません。
テザー(USDT)のメリット
テザー(USDT)のメリットは、以下の4つです。
- 少ない価格変動
- 米ドルと連動しているペッグ通貨
- リアルタイム準備金報告の導入
- 基準通貨として取り扱う取引所が多い
それぞれのメリットを詳しく解説します。
少ない価格変動
テザー(USDT)は価格変動が少ない点がメリットです。
一般的に仮想通貨(暗号資産)はボラティリティが大きく、価格が乱高下しやすい点が特徴です。価格が急上昇する前に購入するのがベストですが、初心者は相場を正確に読んで取引するのは難しいでしょう。Terra(LUNA)のように、1週間で価値が100万分の1にまで暴落するケースもあります。
しかし、テザー(USDT)なら米ドルに紐付けられたステーブルコインなので、価格推移が安定しています。稀に仮想通貨(暗号資産)の信用に関わる出来事が起きた際は、下落することもありますが、一時的なものです。
仮想通貨(暗号資産)投資を始めてみたいが、まずは安全に運用したい人にとっては、テザー(USDT)は選択肢の一つになるでしょう。
米ドルと連動しているペッグ通貨
テザー(USDT)は米ドルと連動しているペッグ通貨です。1テザー(USDT)=1ドルになるよう、設計されています。ペッグ通貨とは、通貨の価値を維持するために、他の通貨と連動して価格推移する通貨のことです。
米ドルは世界で最も流通量の多い通貨です。世界有数の経済大国のアメリカが発行しているため、信頼性が高く、法定通貨を米ドルにペッグさせている国もあります。
仮想通貨(暗号資産)は基本的に特定の機関からの保証を受けていません。そのため不安定な側面があることは否めないでしょう。
一方で テザー(USDT)は米ドルと紐付いているため、他の多くの仮想通貨(暗号資産)と異なり、価格暴落のリスクは低い といえます。
リアルタイム準備金報告の導入
Tetherがリアルタイムの準備金報告を開始する予定です。これにより、USDTの準備金に対する透明性が大幅に向上し、規制当局や投資家に対してより信頼性の高い情報を提供できるようになります。この取り組みは、USDTが過去に準備金についての疑念を抱かれていたことを受けたもので、Tetherは今後も透明性の向上に努めていく方針です
基準通貨として取り扱う取引所が多い
国内仮想通貨(暗号資産)取引所での取り扱いはありませんが、海外仮想通貨(暗号資産)取引所では、テザー(USDT)を基準通貨として取り扱っているところが多く見受けられます。流動性が高いため、安定して換金することが可能です。
仮想通貨(暗号資産)の中には流通量が少なく、流動性が低いものもあります。流動性が低いと価格が大きく変動しやすく、大量に現金に換金するとマーケットインパクトを引き起こす可能性があります。マーケットインパクトとは、ユーザーの売買行動が価格に影響を及ぼす減少です。
テザー(USDT)は多くの取引所で通貨ペアとして扱われるケースが多く、流動性の高さを生み出しています。
テザー(USDT)のデメリット
テザー(USDT)のメリットを紹介しましたが、それだけではありません。テザー(USDT)には「大きい利益は見込めない」「カウンターパーティー・リスクがある」などのデメリットもあります。それぞれ詳しく解説します。
大きい利益は見込めない
テザー(USDT)は安定的な価格推移がメリットですが、見方を変えるとデメリットにもなります。仮想通貨(暗号資産)特有のボラティリティを活かし、大きな利益を狙う運用方法ができないためです。テザー(USDT)は米ドルに連動しており、ボラティリティが小さくなっています。
アルトコインは、価格が10倍以上になると期待できるテンバガー銘柄であることも珍しくありません。まだ注目されていない段階で購入すれば、高いリターンを得られます。
一方で、テザー(USDT)ではそのような運用手法は取れません。仮想通貨(暗号資産)で大きな利益を狙いたい人にとっては、テザー(USDT)は物足りなく感じるでしょう。
テザー(USDT)で利益を狙うなら、プロの手によるレンディングがおすすめです。レンディングとは、自身の保有する仮想通貨(暗号資産)を第三者に貸し出し、利息を得る投資手法です。
BitLendingなら、テザー(USDT)の年利は10%となっています。価格の安定したテザー(USDT)でリターンを得たいなら、ぜひご利用をご検討ください。
カウンターパーティー・リスクがある
テザー(USDT)はカウンターパーティー・リスクがある点は否めません。カウンターパーティー・リスクとは、金融取引において、取引先の破綻により不利益を被るリスクのことです。
先述したように、テザー(USDT)は米ドルと紐付いたステーブルコインであるため、大きく価格が変動せず、安定的に推移する点が特徴です。しかし、テザー(USDT)は価格安定化のために、Tether Limited社による中央集権型の管理システムを採用しています。
中央集権型はトップダウン式に物事を決められ、意思決定がスピーディーになされる点がメリットです。しかし、取引が正しく行われているかを外部から確認するのは困難である他、運営が破綻すると資産が戻ってこない可能性があります。
テザー(USDT)はTether Limited社により中央で管理されているため、他の仮想通貨(暗号資産)よりカウンターパーティー・リスクが高い傾向にあります。Tether Limited社が破綻した場合は、資産価値がなくなる可能性が高いでしょう。
テザー(USDT)を取引する際は、チャートに加えてニュースも確認しながら、動向を追うようにしてください。
テザー(USDT)の今後
仮想通貨(暗号資産)投資を始める際に気になるのが、その銘柄の将来性です。価格が投資する時点で高かったとしても、将来性が見込めなければ投資するのは控えたほうがいいでしょう。さまざまな観点から、仮想通貨(暗号資産)の将来性を予測するのは非常に大事です。
テザー(USDT)の将来性は、以下の理由から明るいとする意見が見受けられます。
- ステーブルコインの信頼が回復する
- 安全性が向上する
- スマートコントラクト搭載
ステーブルコインの信頼が回復する
2022年5月、ステーブルコインのUSTが大暴落しました。USTは無担保型(シニョレッジ・シェア型)と呼ばれるステーブルコインで、Terra(LUNA)とベックして価格が推移していました。しかし、Terra(LUNA)への不信感が強まり、売りが加速した結果、大暴落を引き起こしています。
安定して価格推移すると認識されていたステーブルコインの大暴落をきっかけに、仮想通貨(暗号資産)市場全体が冷え込みました。米ドルと連動している法定通貨型のテザー(USDT)も例外ではなく、ペッグが外れるのではないかとの懸念から売りが促進され、一時的に価格が下落しています。
しかし、その後は信頼を回復し、1ドルとほぼ等しい価格で推移しています。
安全性が向上する
テザー(USDT)は安全性が向上すると期待されています。
公式のホワイトペーパーによると、Multi Signature(マルチシグナチャー)を実装する予定であると記載されています。Multi Signatureとは、インターネットのセキュリティ技術です。Multi Signatureでは、複数の秘密鍵を利用するため、セキュリティが大幅に上昇します。
その他、秘密鍵が1つしかないときに比べて秘密鍵紛失による資産紛失のリスクが低く、複数の秘密鍵を入力するため誤送金にも気付きやすくなります。
出典:Tether 「TetherWhitePaper.pdf」 (参照 2023-10-26)スマートコントラクト搭載
テザー(USDT)は、ホワイトペーパーにてスマートコントラクト機能を搭載する趣旨を述べています。スマートコントラクトとは、取引を自動で実行するためのプログラムです。
スマートコントラクトによって記録された取引は、第三者はもちろん本人でさえも変更できません。取引や契約内容の不正や改ざんを防げます。
また、あらかじめ決められたルールに従って取引や契約が進められるため、仲介者を挟む必要もありません。その分、コストを削減できるため、各種手数料が安くなり、低コストで運用できると期待されます。
テザー(USDT)にスマートコントラクトが実装されれば、より利便性が向上します。その結果、取引量が増える可能性も大いに考えられるでしょう。
出典:Tether 「TetherWhitePaper.pdf」 (参照 2023-10-26)テザー(USDT)の買い方
テザー(USDT)は以下の3ステップに沿って購入します。
- 国内取引所でビットコインを保有
- ビットコインを海外取引所に送金
- 海外取引所でテザー(USDT)を取引する
国内取引所でビットコインを保有
まずは国内取引所でビットコイン(BTC)を購入します。国内にはいくつかの仮想通貨(暗号資産)取引所があるので、利便性やセキュリティの強さを確認し、自身にあったものを選んでみましょう。
ビットコインを海外取引所に送金
国内取引所でビットコイン(BTC)を購入したら、海外取引所に送金します。テザー(USDT)は、以下の取引所で購入可能です。
- Bybit
- gate.io
- Kraken
- Poloniex
このとき、ウォレットアドレスが正しく入力されているか入念にチェックしてください。送付先を誤ると、最悪の場合、購入した仮想通貨(暗号資産)を失う可能性があります。
また、海外取引所を選ぶ際は、信頼できる運営元かも確認しておきましょう。中には、無登録で仮想通貨(暗号資産)交換業を営んでいるとして、以下のように金融庁から警告を受けている仮想通貨(暗号資産)取引所もあります。
- Bitforex Limited
- Bybit Fintech Limited
- MEXC Global
- Bitget Limited
基本的に海外取引所は金融庁からの認可を受けていませんが、自身でリサーチして取引に使う取引所を選んでください。
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手数料を安く抑える方法も解説
海外取引所でテザー(USDT)を取引する
海外取引所にビットコイン(BTC)を送金できたら、実際に取引を開始します。
テザー(USDT)は国内取引所で購入できないためこの手順を踏む必要があり、少し難しく感じるかもしれません。しかし、各ステップはシンプルなので、テザー(USDT)に興味のある方はぜひ参考にしてください。
まとめ
今回は、テザー(USDT)の特徴やよく比較されるUSDコイン(USDC)との違い、メリット・デメリットを解説しました。テザー(USDT)は米ドルと連動したステーブルコインで、時価総額第3位の銘柄です。
基準通貨として扱う取引所が多く、価格変動が小さいため、ビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)に加えて保有しておくといいでしょう。
テザー(USDT)は、ボラティリティが小さいため、現物取引では大きな利益は見込めない点がデメリットです。テザー(USDT)でも利益を出した方は、プロの手によるレンディングをおすすめします。
BitLendingでは、テザー(USDT)を年利10%で運用できます。難しい知識は不要なので、これから仮想通貨(暗号資産)投資を始める人におすすめの運用方法です。ぜひご利用をご検討ください。
ビットレンディングでは下記の銘柄の仮想通貨(暗号資産)を以下の年率で運用することができます。
ビットコイン
BTC
8%
イーサリアム
ETH
8%
リップル
XRP
6%
USテザー
USDT
10%
USDコイン
USDC
10%
ダイ
DAI
10%
キンカゴールド
XNK
4.5%