【2026年最新】マイニングは儲からない?個人の利益・電気代・損益分岐点を解説

【2026年最新】マイニングは儲からない?個人の利益・電気代・損益分岐点を解説

監修:株式会社J-CAM 金融アドバイザー AFP認定者 倉本 佳光 Yoshimitsu Kuramoto

慶應義塾大学法学部法律学科を卒業後、山一証券株式会社に入社し金融業界でのキャリアをスタート。その後、メリルリンチ日本証券株式会社マネージメント・コミッティーメンバー、岡三アセットマネジメント株式会社理事などを歴任。
執筆:BitLending編集部 更新日:2026年7月23日

倉本 佳光

2026年現在、日本の一般家庭でビットコインを個人マイニングして利益を出すハードルは高いと考えられます。専用機器の購入費に加え、24時間稼働させる電気代や冷却費がかかり、同じ機器でもビットコイン価格、マイニング難易度、プール手数料などによって収益が変わるためです。

ただし、「個人マイニングは必ず赤字」「もうオワコン」と一律に決めつけることもできません。大切なのは、画面に表示された予想収益をそのまま利益だと思わず、自分の電気料金と機器代を差し引いて採算を計算することです。

本記事では、マイニングが儲からないと言われる理由、電気代と利益の計算方法、ソロ・プール・クラウドの違いを整理します。機器を買う前に、始めるか見送るかを判断できる状態を目指します。

免責事項(投資助言ではありません)

本記事は、暗号資産に関する情報提供を目的としたものであり、特定の銘柄の売買・投資行動を推奨するものではありません。暗号資産は価格変動が非常に大きく、短期間で大きな損失が発生する可能性があります。投資判断は必ずご自身の責任で行い、必要に応じて専門家へご相談ください。

利益相反に関する開示:本記事を掲載するBitLendingは、暗号資産レンディングサービスを提供しています。記事内には当社サービスへの導線が含まれる場合がありますが、特定の投資行動や暗号資産の貸出を推奨するものではありません。

個人のマイニングが儲かる条件を考えるイメージ

2026年現在、個人のマイニングは儲からないのか

家庭向けの電気料金でビットコイン用ASICを動かし、機器代まで回収しようとすると、個人が安定して利益を残すのは簡単ではありません。「採掘したBTCの円換算額」が電気代を上回っても、機器代、冷却費、プール手数料、故障時の費用を含めれば赤字になることがあります。

一方、低い電気料金を長期間確保できる、効率の高い機器を安く調達できる、排熱を有効利用できるといった条件がそろえば、採算が改善する余地はあります。したがって現在の判定は「誰でも儲からない」ではなく、一般家庭では不利になりやすく、個別の採算計算なしには判断できないです。

また、マイニング設備を持たずに保有中の暗号資産を活用する方法としてレンディングがあります。ただし、仕組みもリスクもマイニングとは異なるため、単純に安全な代替手段とは判断できません。

ビットコインのマイニングの仕組み

マイニングの収益と利益は何で決まる?

ビットコインのマイニングでは、専用機器が計算を繰り返し、条件を満たすハッシュを見つけたマイナーが新しいブロックを提案します。報酬の原資は、新規発行されるブロック報酬と、そのブロックに含まれる取引手数料です。

ビットコイン自体の特徴を先に確認したい方は、ビットコインの仕組み・価値・リスクを参考にしてください。マイニングの具体的な仕組みや基本的な始め方は、マイニングの仕組み・種類・始め方で詳しく解説しています。本記事では、採算判断に必要な部分へ絞って説明します。

《出典》
Mining|Bitcoin Developer

「収益」と「利益」は同じではない

収益シミュレーターに表示される金額は、電気代や機器代をすべて差し引いた最終利益とは限りません。採算は、次の関係で考えます。

利益=採掘報酬の円換算額-電気代-プール手数料-機器代の回収分-冷却・通信・保守費

1日当たりの予想収益がプラスでも、ASICの購入費を回収できなければ、事業全体では利益が残りません。「収益がある」と「儲かっている」を分けて確認しましょう。

報酬額を変える主な要因

  • 機器のハッシュレート:1秒間に試せる計算回数の目安
  • 消費電力と効率:同じ計算能力なら、消費電力が小さい機器ほど電気代を抑えやすい
  • ネットワーク難易度:条件を満たすハッシュを見つける難しさ。ビットコインでは一定のブロック数ごとに調整される
  • ブロック報酬と取引手数料:採掘できるBTC数量に関わる
  • BTC価格と為替:受け取ったBTCを円換算した収益に関わる
  • プールの分配方式と手数料:実際の受取額と収入のばらつきに関わる

難易度は固定値ではありません。BTC価格が上がって円換算収益が増えても、計算能力の参入や難易度上昇によって、同じ機器が得られるBTC数量が減ることがあります。

《出典》
Block Chain – Proof Of Work|Bitcoin Developer
getdifficulty|Bitcoin Developer

ASICの消費電力とマイニング電気代を計算するイメージ

マイニングの電気代はいくらかかる?

月間電気代は「消費電力(kW)×24時間×稼働日数×電気料金単価(円/kWh)」で概算できます。請求書の電力量料金だけでなく、契約内容に応じた燃料費調整額や再生可能エネルギー発電促進賦課金などを含む実質単価で確認することが重要です。

日本の電気料金は燃料価格や支援措置によっても変わります。過去の平均単価や海外との比較だけで決めず、実際に契約している電力会社の最新明細を使ってください。

《出典》
電気料金の変化・平均単価の推移|資源エネルギー庁

消費電力3,500WのASICで月間電気代を計算する

例として、BITMAINのANTMINER S21は、メーカー仕様上の消費電力が3,500W(3.5kW)です。30日間、24時間稼働させた場合の使用電力量は次のとおりです。

3.5kW×24時間×30日=2,520kWh

電気料金単価 月間電気代の概算
15円/kWh37,800円
20円/kWh50,400円
25円/kWh63,000円
30円/kWh75,600円
35円/kWh88,200円

これはASIC本体だけの概算です。換気扇や空調を使う場合、その電力も加算します。また、同機種はメーカー仕様上、AC入力電圧が220~277Vとされているため、一般的な家庭用100Vコンセントへそのまま接続する前提では考えられません。電源設備や安全面は有資格者へ確認してください。

《出典》
S21 Specification|BITMAIN Support

黒字になる電気料金単価を逆算する

電気代を除く月間収益から、プール手数料、機器代の月割り、冷却・保守費を差し引いた金額をA円、月間使用電力量をB kWhとすると、損益分岐となる電気料金単価は「A÷B」で概算できます。

たとえば、電気代以外を差し引いた残額が月60,000円、使用電力量が2,520kWhなら、損益分岐単価は約23.8円/kWhです。実質単価がこれを上回れば赤字になります。収益は変動するため、直近値だけでなく、収益が30%、50%下がった場合も試算してください。

個人マイニングが儲からない主な理由

個人マイニングが儲からないと言われるのは、単にBTC価格が低いからではありません。機器の購入、継続的な電力消費、競争環境の変化が同時に利益を圧迫します。

初期費用と電気代が大きい

ビットコインの採掘では、一般的なパソコンやグラフィックボードではなく、SHA-256計算に特化したASICが中心です。機器代に加えて、電源設備、配線、換気、防音などが必要になる場合があります。

電気代は稼働する限り発生しますが、報酬額は一定ではありません。収益が下がっても同じ消費電力で動かし続ければ、電気代の比率が上がります。

難易度と競争環境が変化する

ネットワーク全体の計算能力が増えると、同じASICを使い続けても、自分が占める計算能力の割合は小さくなります。難易度はおおむね2週間に相当する2,016ブロックごとに調整されるため、購入前の収益試算がそのまま続くとは限りません。

収益シミュレーターは、その時点のBTC価格、難易度、報酬などを使った試算です。将来利益の保証ではないことを前提に使いましょう。

《出典》
Block Chain – Proof Of Work|Bitcoin Developer

半減期でブロック報酬が減る

ビットコインでは一定のブロック数に達するたび、新規発行分のブロック報酬が半分になります。2024年の半減期後は1ブロック当たり3.125BTCです。次の半減期では、この新規発行分がさらに半分になる設計です。

BTC価格や取引手数料が同じ比率で上昇する保証はありません。半減期はマイナーの売上を圧迫し、効率の低い機器から採算割れしやすくなる要因です。詳しい仕組みは半減期がマイナーと市場へ与える影響で確認できます。新規発行が減り続ける設計については、ビットコインの発行上限とマイニング報酬も参考になります。

機器の性能が相対的に古くなる

ASICはハッシュレートの大きさだけでなく、1回の計算に必要な電力効率で比較します。新しい高効率機が普及すると、旧機種は同じ電気料金でも利益を残しにくくなります。

購入価格が安い中古機でも、消費電力が大きければ、稼働期間中の総費用が高くなることがあります。機器価格だけでなく「何カ月で回収できるか」「回収前に採算が悪化したらいくらで売却できるか」まで確認してください。

ソロ・プール・クラウドのうち個人に現実的なのは?

個人が自分の機器で継続的な報酬を目指すなら、一般にソロよりプールの方が収入のばらつきを抑えやすいと考えられます。ただし、プールへ参加すれば利益率が上がるわけではありません。クラウドマイニングは機器を持たずに済む一方、契約相手に関する別のリスクがあります。

方法 特徴 主な注意点
ソロブロックを発見すれば報酬を自分で受け取る報酬発生の間隔が極端に長くなる可能性
プール計算能力を集め、貢献度などに応じて分配手数料、分配方式、運営者リスク
クラウド事業者との契約により採掘能力や報酬を得る契約変更、事業者破綻、出金条件、詐欺

《出典》
Solo Mining and Pool Mining|Bitcoin Developer

プールマイニングは収入を平準化しやすい

プールでは複数の参加者が計算能力をまとめ、プールがブロックを発見したときに、提出した仕事量などに応じて報酬が分配されます。個人の小さな計算能力でも受取機会を増やしやすい反面、報酬は参加者間で分けられ、プール手数料も差し引かれます。

比較時には手数料率だけでなく、PPSやPPLNSなどの分配方式、最低出金額、出金手数料、運営実績を確認します。「ソロより当たりやすい」ことと「最終利益が大きい」ことは同じではありません。

クラウドマイニングは機器不要だが事業者リスクがある

クラウドマイニングでは、自宅にASICを設置しない代わりに、事業者の設備や計算能力に関する契約を結びます。電源工事や騒音への対応を避けられる一方、契約期間、管理費、収益悪化時の契約終了条件、出金条件を利用者側で変更できないことがあります。

「固定収益」「必ず元が取れる」といった表示だけで判断せず、運営会社、設備の実在性、契約書、報酬計算、解約・出金条件を確認してください。確認できない場合は契約しないことが重要です。

グラボやアルトコインなら儲かるのか

グラフィックボードを使えばビットコインを有利にマイニングできる、という意味ではありません。ビットコインはSHA-256に特化したASICが中心で、一般的なGPUとの計算効率には大きな差があります。

GPUで採掘できるアルトコインもありますが、使用するアルゴリズム、通貨価格、ネットワーク全体の計算能力、取引所の流動性が異なります。「ビットコインが赤字なら別の通貨に変えれば儲かる」とは限りません。また、PoSを採用する暗号資産では採掘ではなくステーキングによってネットワーク運営へ参加します。違いを整理したい方は、ステーキングの仕組みとマイニングとの違いを確認してください。

通貨を選ぶ際は、その通貨を採掘できる機器、消費電力、売却先、報酬変更の予定を個別に確認します。採掘時点で利益が出ても、流動性が低く希望価格で売却できない場合もあります。

マイニングを始める前の採算チェックリスト

ASICを購入する前に、少なくとも次の項目を確認してください。1つでも数字が分からない状態では、黒字かどうかを判断できません。

  • 機器のハッシュレート、消費電力、電源条件
  • 電力明細から求めた実質的な円/kWh
  • 換気・冷却設備を含む総消費電力
  • プール手数料、分配方式、出金条件
  • 機器代、送料、関税、電源工事費の総額
  • 機器代を何カ月で回収する計画か
  • 予想収益が30%、50%下がった場合の損益
  • 騒音、排熱、故障、停止時間へ対応できるか
  • 撤退時に機器を売却できるか
  • 報酬受取時の時価と費用を記録できるか

設備費と電気代を負担してまでマイニングする目的が合わない場合は、暗号資産を購入して保有する、あるいは保有資産を貸し出すレンディングと比較する余地があります。レンディングを検討する場合も、利率だけでなく価格変動、事業者信用、返還条件を含めて比較してください。

収益シミュレーターは条件を変えて複数回試す

シミュレーターには、正確な機種またはハッシュレート、消費電力、プール手数料、実際の電気料金単価を入力します。表示された回収期間が長いほど、その間に難易度や機器価値が変わる影響を受けやすくなります。

「現在値で黒字」だけではなく、BTC価格が下がる、難易度が上がる、機器が停止するといった条件でも赤字幅を確認しましょう。結果に余裕がなければ、わずかな条件変化で採算割れします。

マイニング報酬と費用を記録する

国税庁は、マイニングなどによって取得した暗号資産について、取得時点の価額を基に所得を計算し、マイニングに要した費用を必要経費へ算入する考え方を示しています。報酬を受け取った日時、数量、取得時の円換算額、電気代や機器代などの記録を残してください。

所得区分や経費算入の範囲は活動実態によって変わるため、個別判断が必要な場合は税理士などへ相談してください。暗号資産全体の税務は、マイニング報酬を含む仮想通貨の税金でも確認できます。

《出典》
暗号資産に関する税務上の取扱いについて(FAQ)|国税庁

まとめ|個人マイニングは機器購入前の採算計算が必須

日本の一般家庭で行うビットコインマイニングは、電気代と機器代を含めると利益を残しにくい条件になりやすいのが実情です。ただし、採算は電気料金、ASICの効率、BTC価格、難易度、プール手数料によって変わるため、「必ず儲からない」と一律には判断できません。

まず消費電力から月間電気代を計算し、機器代、冷却費、手数料まで差し引いてください。そのうえで、収益が30%、50%下がった場合にも耐えられるかを確認します。機器を買ってから計算するのではなく、回収期間と撤退条件まで決めてから判断することが重要です。

マイニングを見送る場合でも、レンディングは「安全な代替手段」ではなく、異なる仕組みとリスクを持つ選択肢です。比較対象に含める際は、レンディングが自分に合うかを判断するポイントを確認し、保有目的や資産を動かせない期間まで含めて検討しましょう。