仮想通貨(暗号資産)のマイニングとは? 始め方やメリット・デメリットも解説
2024.09.27
仮想通貨(暗号資産)の取引を検討しているのであれば、仮想通貨(暗号資産)に関する知識も身につけていく必要があります。仮想通貨(暗号資産)の勉強を始めている方の中には「マイニングって何?」「稼げるって聞いたけど本当?」という疑問を持っている方もいるでしょう。
そこで本記事では、仮想通貨(暗号資産)のマイニングについてわかりやすく解説します。マイニングとは?何かという基本的なことからマイニングの種類や始め方、難易度やマイニングの種類ごとのメリット・デメリットなども紹介しますので、仮想通貨(暗号資産)のマイニングに関する知識を身につけたい方はぜひ参考にしてみてください。
仮想通貨(暗号資産)のマイニングとは、仮想通貨(暗号資産)の取引内容を検証・承認することによって報酬を得ることを指しています。
法定通貨には国や銀行など管理する組織がありますが、仮想通貨(暗号資産)には存在しません。その代わりにネットワークの参加者同士が、取引に不正がないかを検証・確認し、承認する作業を行っています。この検証・確認・承認を行うネットワークの参加者が、通称マイナーです。
仮想通貨(暗号資産)の取引データはブロックチェーンと呼ばれるインターネット上のデータベースで管理されています。ブロックごとにデータが暗号化して保存されており、それぞれのブロックが鎖のようにつながっていることからブロックチェーンと呼ばれています。
新しい取引に対してブロックを作成するためには、その都度承認作業が必要です。マイナーの協力を得て初めて新しいブロックの生成が可能になるため、協力への対価としてマイナーには報酬が与えられます。
なおマイニングは直訳すると「金などの資源を採掘すること」という意味です。マイニングを行うことで、金を採掘するように高額な報酬を得られることが、仮想通貨(暗号資産)におけるマイニングの由来となっています。
またマイニングには、大きく分けて3つの種類があります。それぞれの種類の違いを理解しておきましょう。
ソロマイニング
ソロマイニングは、個人で必要な機材を揃えて行うもので、仮想通貨(暗号資産)の誕生当初から行われてきた手法です。単独で参加できるため、一見簡単な方法に思えます。ただ、近年はマイニングを行っている大規模組織が増えており、マイニングを行う高性能なパソコンを用意してもソロマイニングで報酬を得るのはかなり難しくなっています。
プールマイニング
プールマイニングは、機材を持った複数人がチームとなり、協力してマイニングを行う手法です。参加者全員の計算能力を集約してマイニングを行い、提供した計算能力に基づき報酬が分配されます。
一人でマイニングをしなければならないソロマイニングと違い、メンバーで協力できるプールマイニングは、マイニングが成功する可能性が高いです。ソロマイニングで成功するよりは得られる報酬が少なくなりますが、手堅く報酬獲得を目指せます。
クラウドマイニング
クラウドマイニングは、組織や企業にマイニングを代行してもらう手法です。参加者はマイニングを行っている組織や企業に出資し、マイニングが成功した場合、配当として報酬を受け取れます。いわゆる投資のような形で、自分で高性能なパソコンを用意する必要はありません。特別な知識も必要としないため、初心者でも始めやすいです。
ただ、どの組織・企業に依頼するかは厳選しなければなりません。マイニングを行っている組織や企業は多数ありますが、過去にはクラウドマイニングの詐欺事件が起きたケースもあります。
5種のコンセンサスアルゴリズム
コンセンサスアルゴリズムは、直訳すると「合意方法」という意味です。仮想通貨(暗号資産)はブロックチェーンで管理されていますが、ブロックチェーンに新しいブロックを追加する際、どのような形で合意を行うかを決めるコンセンサスアルゴリズムが必要です。コンセンサスアルゴリズムは、仮想通貨(暗号資産)に特徴をもたらし、取引承認者への報酬ルールを決定する要素にもなります。
コンセンサスアルゴリズムの種類と、その特徴を見ていきましょう。
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PoW(プルーフ・オブ・ワーク)
仮想通貨(暗号資産)として知名度のあるビットコイン(BTC)に用いられているコンセンサスアルゴリズムが、PoW(プルーフ・オブ・ワーク)です。ビットコイン(BTC)以外にもさまざまな仮想通貨(暗号資産)のコンセンサスアルゴリズムとして用いられており、基本的なアルゴリズムと言えるでしょう。
PoWに基づいてブロックを生成するには、一つしかない値である「ナンス値」を探すために、膨大な計算を行わなければなりません。一番早くナンス値を見つけた人が勝者となり、マイニングに成功して報酬を手に入れられます。PoWでは、より演算能力が高い機材を使用しているマイナーにアドバンテージがあり、機材の性能がマイニングの成功を左右します。
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PoS(プルーフ・オブ・ステーク)
イーサリアム2.0(ETH)などに採用されているコンセンサスアルゴリズムがPoS(プルーフ・オブ・ステーク)です。早い者勝ちのPoWと違い、PoSではランダムでブロックを生成する人が決まります。そのため、計算能力によって報酬が左右されることはありません。PoSのネットワークでバリデータ(承認者)として機能し、報酬を得ることをステーキングといいます。
PoSの場合は、仮想通貨(暗号資産)の保有量が多ければ多いほど、承認の成功率が高くなります。膨大な計算を行える高性能なマシンでなくても、報酬を獲得できるチャンスがあるのが特徴です。また承認にかかるスピードが比較的早く、膨大な計算を行うための電力は必要ありません。ただしブロック生成権を得るには仮想通貨(暗号資産)を多く確保しなければならないため、通貨の流動性が落ちやすいことも懸念されています。
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PoI(プルーフ・オブ・インポータンス)
PoI(プルーフ・オブ・インポータンス)は、PoS(プルーフ・オブ・インポータンス)のコンセンサスアルゴリズムを発展させたアルゴリズムです。PoIは、仮想通貨(暗号資産)の保有量・取引回数・取引量など、いくつかの指標をもとにした保有者の重要度によって、ブロックを生成する人が決まります。
高性能な機材を用意できる人が有利になるPoWや、仮想通貨(暗号資産)をたくさん持っている人が有利になるPoSは、経済的に余裕がなければ承認を成功させることができません。しかしPoIの場合は、仮想通貨(暗号資産)コミュニティへの貢献度が重視されています。また貢献度が高い参加者がブロックを生成するため、流動性が落ちにくいというメリットもあります。
PoIを採用している仮想通貨(暗号資産)はネム(XEM)です。ネムでは承認により報酬を獲得することを「収穫」という意味を持つ「ハーベスト」と呼ばれているのも特徴です。
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PoC(プルーフ・オブ・コンセンサス)
これまで紹介したコンセンサスアルゴリズムは、各コンセンサスアルゴリズムで必要な条件を満たせば、誰でも参加できます。しかしPoC(プルーフ・オブ・コンセンサス)の場合、事前に決められたバリデーターと呼ばれる承認者しか、取引の承認ができません。
PoCを採用しているのはリップル(XRP)です。リップルは、リップル社が管理主体となってバリデーターを選出しています。バリデーターの80%以上が承認した場合のみ、新しいブロックが生成されます。(※) 個人は参加できません。
PoCは、他のコンセンサスアルゴリズムよりも処理スピードが早く、送金もスピーディーなため、国際送金にも大きなメリットがあります。このメリットを活用するためリップル社と提携を結んでいる金融機関も多いです。
ただし中央集権的なコンセンサスアルゴリズムであることに、批判の声が上がっているのも事実です。管理主体となっている組織(リップルの場合はリップル社)がもし不正を行ったとしても、不正を見抜きづらいというデメリットがあります。
※ XRP LEADER. 「Negative UNL」. https://xrpl.org/negative-unl.html, (参照 2023-04-18)LISK
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DPoS(デリゲート・プルーフ・オブ・ステーク)
DPoS(デリゲート・プルーフ・オブ・ステーク)は、PoS発展型のコンセンサスアルゴリズムです。リスク(LISK)やビットシェアーズ(BTS)などの仮想通貨(暗号資産)が、DPoSを採用しています。
DPoSでは、仮想通貨(暗号資産)の保有量に応じて投票権が与えられ、投票によってブロックを生成する権利が与えられる人が決定します。ブロック生成権を与えられる人数は一定ではなく、仮想通貨(暗号資産)によって異なります。
マイニングの始め方
ここまでマイニングに関する知識を紹介してきましたが、マイニングはどのようにして始めればいいのでしょうか。ソロマイニングの場合を例に、マイニングの始め方について解説します。
ASICマシンとは
ASIC(Application-Specific Integrated Circuit)とは、特定の使用目的の為に設計された集積回路(ICチップ)のことを言います。ですから、PoWマイニングで利用されるASICマシンといえば、ビットコインのマイニングの為に特別に設計された集積回路を搭載したマイニング専用のコンピューターのことを言います。マイニングに必要な演算を非常に高速で効率的に実行することができます。
1.高性能なパソコンを用意する
マイニングは一般的なパソコンやスマートフォンでも始められますが、マイニングで成功するためにはハイスペックのパソコンを用意しなければなりません。一般的なパソコンやスマートフォンはスペックが低いため、マイニングを行っても報酬を得られる可能性は限りなくゼロに近いです。
CPUやGPUなどを搭載している機材でも対応できますが、一般的にはマイニング専用の電子回路であるASIC(Application Specific Integrated Circuit:特定用途向け集積回路)を搭載した機材が推奨されています。
ただしマイニングに適切な機材は、仮想通貨(暗号資産)に使われているハッシュアルゴリズムなどの条件によっても異なります。仮想通貨(暗号資産)によってはASICでマイニングができないものもあるため、仮想通貨(暗号資産)に適したものを用意しましょう。
2.周辺機器を揃える
マイニングに必要なのは、高性能な機材だけではありません。マイニングには膨大な電力を使用するため、機材はかなりの熱を発します。安全にマイニングを行うためには、冷却ファンなどの周辺機器も必要です。十分に冷却せずにマイニングを行うと、機材故障が起こったり、最悪の場合は発火してしまったりするリスクもあります。
3.ウォレットを作成する
マイニングに成功して得た報酬は、仮想通貨(暗号資産)で支払われます。そのため、マイニングを行うには仮想通貨(暗号資産)のウォレットが必要です。ウォレットには種類があり、各種さまざまなサービスがあります。自分に合ったウォレットを選んで作成しましょう。
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4.マイニングソフトをインストールする
マイニングをするためには、機材にマイニングソフトをインストールする必要があります。マイニングソフトはさまざまな種類があり、特定の仮想通貨(暗号資産)に特化したソフトから、適切な銘柄を自動的に選んでくれるソフトなどさまざまです。マイニングを狙っている仮想通貨(暗号資産)に合ったソフトを選んでインストールしましょう。
なお代表的なマイニングソフトには、以下のようなものがあります。
- MinerGate
- NiceHash
- Claymore Dual Miner
- Awesome Miner
- CGMiner
5.ウォレットとマイニングソフトを接続する
マイニングソフトをインストールしたら、作成したウォレットとマイニングソフトを接続しましょう。どのマイニングソフトを選んだ場合でも、設定画面でウォレットのアドレスを入力する項目があります。ウォレットのアドレスを間違えないように注意してください。
6.マイニングスタート
ここまで準備できれば、マイニングが始められる状態です。マイニングソフトを使って、マイニングをスタートさせましょう。
PoWマイニングのエネルギー消費と環境への影響
仮想通貨のマイニングは、その高いエネルギー消費が環境に与える影響から批判を受けてきました。しかし、最近ではエネルギー効率を重視した新たな技術やアプローチが注目を集めています。特に、再生可能エネルギーを利用したマイニング施設の導入や、より省エネルギーなコンセンサスアルゴリズムであるProof of Stake(PoS)への移行が進んでいます。
一部のマイニング企業は、ソーラーや風力発電を活用して運営することで、カーボンニュートラルを目指した取り組みを行っています。また、各国の環境規制に対応するため、エネルギー消費の少ないハードウェアやクラウドマイニングの導入が進んでいます。今後は、より持続可能なマイニングが主流となることで、環境負荷を軽減しつつ、暗号通貨ネットワークのセキュリティを維持する方向へ向かっていくでしょう。
マイニングの難易度や必要な初期費用
PoCを除き、条件を満たせば誰でも始められるマイニング。ただし前述したとおり、ソロマイニングで成功できる可能性はどんどん低くなっています。
どの仮想通貨(暗号資産)でマイニングするかにもよりますが、高性能な機材の購入や大量の仮想通貨(暗号資産)の保有には資金力が必要です。また日本は世界的にも電気代が高額な傾向にあり、報酬を得られたとしても「電気代と相殺するとほとんど成果が出なかった」というケースも少なくありません。
マイニングにかかる初期費用は、どのマイニングを行うのかによっても異なります。一概には言えませんが、自分でハイスペックな機材を用意する必要があるソロマイニングやプールマイニングの場合、パソコンなどの機材購入費用として少なくとも数十万円の初期費用が必要です。これに加え、冷却ファンなどの周辺機器も購入しなければなりません。
クラウドマイニングの場合は、自分で機材を購入する必要がないため、機材にかかる費用は不要です。しかしハッシュレート(マイニングの速度単位)の購入費用がかかり、出資する組織や企業によっては、自分で機材を購入するより多くの費用が必要になるケースもあります。
ソロマイニングのメリット・デメリット
個人で始められるソロマイニングのメリットは、マイニングに成功した際の報酬額が大きくなることです。手数料もかからず、報酬が発生する場合は全額独占できます。
しかし繰り返しになりますが、全ての機材を自分で用意しなければならないため、初期費用が高額になることがデメリットです。またマイニングに成功しなければ、どれだけ手間と時間をかけても、報酬を得られません。莫大な電気代だけがかかって、マイナスになってしまう可能性も高いでしょう。一定レベルの知識も必要なので、学習にも時間がかかります。
プールマイニングのメリット・デメリット
プールマイニングのメリットは、他の参加者と協力してマイニング成功を目指すため、ソロマイニングよりも成功する可能性が高くなることです。ソロマイニングと比べて、安定した利益獲得を目指せます。一般的なパソコンでも始めやすく、初心者にもおすすめです。
ただし提供した計算能力に応じて報酬が分配されるため、報酬を独り占めすることはできません。一般的なパソコンなど計算能力が低い機材を使用している場合、かなり報酬が少なくなるでしょう。
クラウドマイニングのメリット・デメリット
クラウドマイニングのメリットは、高額な機材購入費用や知識を必要としないことです。機材購入の金銭的な負担だけでなく、機材を設置するスペースが必要ないこと、日々かかる膨大な電気代が発生しないこともメリットと言えます。その他にも機材による騒音トラブルなども避けられます。一度に高額の利益を得ることは難しいですが、安定して利益を得やすいです。
デメリットとしては、出資する組織や企業によっては出資にかなりのお金がかかることが挙げられます。仮想通貨(暗号資産)の価格が暴落したり出資した組織・企業が倒産したりすれば、原本回収は難しいでしょう。前述したとおり、クラウドマイニングによる詐欺事件も起きています。出資する組織・企業の実態をしっかり見極めないと、ただ仮想通貨(暗号資産)を失ってしまう可能性もあるので注意が必要です。
マイニングの前に保有コインの運用から始めよう
資金力や知識が必要なマイニングを始める前に、まずは今保有している仮想通貨(暗号資産)を運用することから始めるのがおすすめです。ただし「運用するにも知識がない」「そもそもどうやって運用するの?」という疑問を持っている方もいるでしょう。
そこでおすすめしたいのが、プロに運用を任せるレンディングです。保有している仮想通貨(暗号資産)を、仮想通貨(暗号資産)取引所などに貸し付ける手法をレンディングと呼びます。貸し付け後に発生した金利を得るという仕組みであるため、効率的かつ手軽に仮想通貨(暗号資産)を増やすことが可能です。仮想通貨(暗号資産)を預けるだけで、特別な知識は必要ありません。
ビットコイン
BTC
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イーサリアム
ETH
8%
リップル
XRP
6%
USテザー
USDT
10%
USDコイン
USDC
10%
ダイ
DAI
10%
キンカゴールド
XNK
4.5%
まとめ
本記事では、仮想通貨(暗号資産)のマイニングに関して、種類や始め方、メリット・デメリットを紹介しました。
今回紹介したとおり、マイニングはマイナーによって、仮想通貨(暗号資産)の取引内容を承認し、新たなブロックを生成する行為です。マイナニングに成功すると報酬として、仮想通貨(暗号資産)が得られます。大きく利益を得るチャンスがありますが、コストや知識習得までの手間もかかるため、マイニングを始める前にしっかり検討し、無理なく始めるようにしましょう。
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