12日に米国では3月に開催されたFOMCの議事録が公開されました。
議事録では、「銀行の破綻という銀行セクターで起きた展開が米国の経済活動とインフレに与える影響を踏まえ、十分に景気抑制的となるFF金利誘導目標レンジの判断を下方修正したと多くの参加者が指摘した。」とし、「当局者は銀行セクターの混乱が経済にどう影響するかを見極める上で、今後入手するデータの分析が必要になる。」との見解を示しました。

 また同日には米国3月のCPIも発表され、総合指数が前年比+5.0%となり前月の+6.0%から低下し2021年5月以来の水準となりました。ただコア指数は前年比+5.6%と6ヶ月ぶりに加速しサービスセクターの根強いインフレを示しています。

 これらの結果を受けてマーケットでは、5月のFOMCでの0.25%の利上げを予想するものの引き続き地方銀行の問題もくすぶっており、企業への貸出条件も厳格化している兆しもあり、その後の利上げは停止される可能性が高まったと考えられています。

 ドル円相場はCPIの発表後に円高方向への動きを強め133円前後の動きとなっています。前回も指摘していますが、チャートで見て135円台にある26週線が円高方向へ動く中、日足で25日線と75日線のデッドクロスがまもなく起こると予想され、円高への圧力が強まっていると思われます。

 5月2日-3日に開催されるFOMCまで米国の経済動向と企業決算を見ながら、円高方向へ徐々に足場を固める動きとなりそうです。