先週の暗号資産市場の概要

先週の暗号資産市場は、予想していたように12月11日(水)の米国消費者物価指数(CPI)11月の発表を控えて軟弱な地合からのスタートとなり、週前半は調整的な動きに終始し、週半ばから落ち着いた動きを見せました。

主要銘柄の価格動向

BTCの価格推移

BTCは9日(月)から軟弱地合により下落歩調となり、10日(火)には1,440万円近辺(ドルベース95,000ドル近辺)まで下落しています。

ETHとXRPの価格推移

他の銘柄も同じような展開になりETHは55万円近辺、XRPは330円台まで下落する場面もありました。

トレードする人

トランプ政権移行チームのコメントによる反発

ただ、そうした中でトランプ新政権移行チームトップのコメントとして、「トランプ氏が『もう1つの株式市場』のように、ビットコインの価格を重視しており、BTCの価格が早期に15万ドルに到達することを望んでいる。」と伝わり、暗号資産市場はBTCを中心に反発へ転じています。

米国消費者物価指数(CPI)の発表

11日(水)発表の米国消費者物価指数(CPI)11月は前年同月比+2.7%、前月比+0.3%で市場予想と一致したことから、市場は混乱することなく落ち着いた動きを見せました。

米国生産者物価指数(PPI)の影響

翌12日(木)に発表された米国生産者物価指数(PPI)11月前年同月比+3.0%、前月比+0.4%と市場予想を上回り、債券市場で米国10年国債利回りが上昇し、上値を抑える状況になりました。

その後は下値を固めるようなもみ合い的な動きで週を終えています。BTCは1,550万円台、ETHは60万円近辺、XRPは370円近辺となっています。

経済指標を分析する女性のイメージ

米国金融市場の動向

米国金融市場は、株式市場、債券市場ともに11日に予定されている消費者物価指数(CPI)の発表に向けて静かな展開となっていました。

消費者物価指数(CPI)の発表後の市場反応

株式市場の動き

CPIが発表されるとFOMCでの金利引き下げが確定的との見方が広まり、ハイテク株を中心として株価は堅調な動きを見せ、S&P500やNASDAQは上昇に転じ、特にNASDAQは最高値を更新しました。

債券市場の動き

ただ債券市場では11日から徐々に利回りが上昇し、12日(木)のPPIの結果から米国10年国債利回りが一段と上昇し、13日(金)には4.40%をつけています。

こうした金利上昇により株価も上値を抑えられた展開で週を終えています。

暗号資産マーケットのイメージ

今週の暗号資産市場の注目点

今週の暗号資産市場は17日-18日に開催されるFOMC終了後の結果発表により大きく左右される展開と思われます。今回のFOMCについては金融市場の予想として95%以上の確率で政策金利の0.25%引き下げが想定されていますので、この見方自体を覆すようなことにはならないと思われます。

FOMCにおける経済見通し(SEP)の注目ポイント

今回のFOMCでは経済見通し(Summary of Economic Projections、SEP)も公開される予定ですので、前回の9月から考え方に変更があったのか、もし変更があったならばどのような変更であったのか、といった点が注目されるところとなります。

具体的には、今後、金融当局が何回の利下げを想定しているのか、そして今回の利下げサイクルが最終的に何%で着地することを想定しているのかがポイントとなります。

前回(9月)の経済見通しとの比較

前回の経済見通しが発表されたのは9月のFOMCです。そのときには「来年にかけて4回の政策金利引き下げ」が想定されていました。ただその後の環境変化を受けて金融市場では利下げ回数について2回との予想が支配的になっています。

FOMCのSEPのイメージ

FOMC前の米国経済指標の注目点

FOMCの前に米国の経済指標の発表がいくつかあり、購買担当者景気指数や小売売上高そして住宅着工件数などで大きな変化がみられるかも注意が必要です。

発表結果が想定された内容であれば、米国金融市場そして暗号資産市場のフォロー材料として反応していくと思われます。

日銀金融政策決定会合の注目点

また国内では18日-19日に日本銀行の金融政策決定会合があります。今回の会合での国内政策金利引き上げは見送られると考えられていますが、利上げに向けての環境はほぼ整ったと思われ、今後の政策金利引き上げの実施時期やその幅に関して会合後の植田日本銀行総裁のコメントが注目されます。

トランプ新政権による暗号資産市場への影響

米国では来年以降の暗号資産市場の見通しについて、トランプ新政権による暗号資産市場への強力な支援を前提とした強気な考え方が発表されていますので、FOMCの結果に波乱が無ければ、今週後半から来年に備えて積極的な市場展開になる可能性もあります。

投資家に皆様におかれましては、本年の最後を無事に終えていただき、来年を気持ち良く迎えて行くために、日米の金融政策決定会合の結果について十分なる注意を持って注目していただきたいと思います。

今週の経済イベントカレンダー
Calendar of Economic Events This Week

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曜日日本時間経済イベント重要度
12 16 10:30 中国 新築住宅販売価格 11月 ★★★☆☆
12 16 11:00 中国 鉱工業生産、小売売上高 11月 ★★★☆☆
12 16 18:00 欧州 ユーロ圏製造業・サービス業PMI(購買担当者景気指数) ★★★☆☆
12 16 22:30 米国 NY連銀製造業景気指数 12月 ★★★☆☆
12 16 23:45 米国 製造業・サービス業PMI 12月 ★★★★★
12 17 22:30 米国 小売売上高 11月 ★★★★★
12 17 23:15 米国 鉱工業生産指数 11月 ★★★★☆
12 18 19:00 欧州 ユーロ圏消費者物価指数(HICP) 11月 ★★☆☆☆
12 18 22:30 米国 住宅着工件数 11月 ★★★★☆
12 18 28:00 米国 FOMC(連邦公開市場委員会) ★★★★★
12 19 未定 日本 日本銀行金融政策決定会合 ★★★★☆
12 19 22:30 米国 フィラデルフィア連銀景況指数 12月 ★★★★☆
12 19 24:00 米国 中古住宅販売件数 11月 ★★★★☆
12 20 08:30 日本 全国消費者物価指数(CPI) 11月 ★★★☆☆
12 20 22:30 米国 個人消費支出価格指数(PCE) 11月 ★★★★☆
12 20 24:00 米国 ミシガン大学消費者信頼感指数 12月 ★★★☆☆

これまでの暗号資産積み立ての状況
Accumulation Status

[期間:2023.06.05 〜 2024.12.22]

2023年6月から月毎に10万円分の暗号資産を実際に積み立てていき、そのポートフォリオを公開する企画です。ビットコイン(BTC)、イーサリアム(ETH)、日本の取引所でも取り扱われており、米ドルとペッグ〔連動〕するステーブルコインであるダイ(DAI)を対象としています。

ポートフォリオの現在の資産価値

含み益(現在の資産価値 - 合計積立金額)

利益率
%

積み立て回数
16

合計積立金額
1,600,000

ポートフォリオの構成

    ポートフォリオ

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    銘柄 シンボル 対円レート 保有数量 日本円換算 構成比
    ビットコイン BTC [BTC/JPY] 0.1523 BTC %
    イーサリアム ETH [ETH/JPY] 1.8884 ETH %
    ダイ DAI [DAI/JPY] 80 DAI %