国内でも暗号資産現物ETF承認に向けた動きあり
2024.10.30
米国大統領選と暗号資産業界への影響
2024年11月5日に、米国で大統領選が控えている。米国のニュースサイトをみてもどのサイトも違った両候補の支持率が掲載されており、執筆時点では大接戦という表現が正しいと思う。私個人としては、暗号資産に好意的な政府を望んでいるが、大国の政治は人々の暮らしまで大きく影響を与えるという認識なのでここでは言及を避けたい。
現政権によるビットコイン現物ETF承認と影響
今年の1月11日、現在の政権でビットコイン現物ETFは承認され、10ヵ月ほどで合計で約200億ドル以上の資金を集めたとされている。これは、業界にとって大きな一歩であると同時に現政権にも柔軟に対応できる余地があることを感じた。
暗号資産への政府の柔軟な対応と将来の展望
どちらが大統領に選ばれたとしても、暗号資産に対するスタンスはより柔軟に、欲を言えば米政府が準備金の一部としてビットコインを購入することがあれば業界にとってポジティブに働くと考えている。
国内でも現物ETF承認に向けた動き
日本国内において暗号資産(仮想通貨)ETFの発行承認を目指し、証券会社や運用会社、信託銀行、国内暗号資産取引所など13社と法律事務所や税理士法人らが業界横断で提言書をまとめた。暗号資産現物ETFに優先的に組み込まれる暗号資産として、ビットコインとイーサリアムについて明言された。
日本における暗号資産ETFの組成とボトルネック
暗号資産が米国の大統領選の議題にあがっていることから考えても、海外では暗号資産の現物ETFは投資対象として認知が広まっているところだ。一方、日本では投資信託の投資対象資産である特定資産に、暗号資産が含まれていないため、暗号資産を投資対象としたETFの組成はできない。ここがボトルネックとなり長らくETFに関する目立った動きはなかった。
提言書の主要ポイントと今後の展望
25日の提言書の提出では、主に「暗号資産ETF等の組成等を可能とする諸制度の整備」、「暗号資産ETF等および暗号資産の現物取引について申告分離課税へ」、「暗号資産ETF等の組成等に係る議論の対象として主要な暗号資産を優先」の3点がまとめられている。
この動きを起点に国内で暗号資産ETFが承認されることとなれば、日本国内の暗号資産に対する認識も変わり、付随したサービスに関する整備や活用も進んでいくだろう。
[Iolite記事]
「日本でも暗号資産ETFを承認すべき」 初となる業界横断の提言書発表