仮想通貨(暗号資産)とFXはどっちが投資しやすい?それぞれの特徴や違いを解説
2024.11.01
銀行の預金が超低金利のいまの時代、資産運用として投資をお考えの方もみえると思います。投資といえば、株式や債券が古くからありますが、最近では仮想通貨(暗号資産)やFXを投資方法として選んでいる方もいます。しかし、仮想通貨(暗号資産)やFXは、「理解が難しそう」「怪しそう」と感じている方もみえるのではないでしょうか?
そこで今回は、仮想通貨(暗号資産)とFXの違いや、仮想通貨(暗号資産)のメリット・デメリットを解説します。
そもそも仮想通貨(暗号資産)とは?FXとは?
まずは、仮想通貨(暗号資産)やFXがどのようなものかを解説します。
- 仮想通貨(暗号資産)はネット上で使えるデジタル通貨
- FXは通貨売買時の差額で稼ぐ投資
両者とも、株式と比べると比較的最近はじまった金融商品・投資手段です。しかし、それぞれ特徴が異なるので特徴を見てみましょう。
仮想通貨(暗号資産)はネット上で使えるデジタル通貨
仮想通貨(暗号資産)とは、インターネット上で取引できるデジタル通貨のことです。2009年初頭にビットコインが誕生したのが仮想通貨(暗号資産)のはじまりです。仮想通貨(暗号資産)の種類は10,000種類以上あるといわれており、もっともメジャーなのはビットコイン(BTC)です。他にもイーサリアム(ETH)やリップル(XRP)などがあり、それぞれ異なる目的で開発されました。
円やドルなどの法定通貨と違い、国や特定機関のような中央管理者がいないのが特徴です。2024年現在、普段の生活で決済として利用できる場面はすくないですが、各仮想通貨(暗号資産)のプラットフォーム内では決済手段として活用されています。
FXは通貨売買時の差額で稼ぐ投資
FXとは「Foreign Exchange」の略で、日本語に訳すと「外国為替証拠金取引」になります。円やドルなどの2国間の法定通貨の売買を繰り返し、為替レートの差額を利用して稼ぐ投資手段で、日本では1998年に取引がスタートしました。為替レートは一定ではなく常に変動しているので、基本的に、安いときに買って高くなったときに売れば、その差額分が稼げる仕組みになっています。
FX最大の特徴は、レバレッジという、実際に保有している資金の最大25倍の金額で取引できることです。たとえば、100万円の資金であれば、最大250円分の金額で取引できることになります。このように、FXは少ない元手でも大きく稼げる可能性がある投資手段です。
仮想通貨(暗号資産)とFXの違い5つ
つづいて、仮想通貨(暗号資産)とFXの違いを見てみましょう。
- 取引時間の長さ
- レバレッジ倍率の高さ
- 投資対象の数
- 価格変動幅の大きさ
- インカムゲイン
取引時間や倍率の違いがあるので、投資を始める際の参考にしてください。
取引時間の長さ
1つ目の違いは、取引時間の長さです。 FXは平日・祝日の24時間取引が可能です。株式取引での証券取引所のような特定の場所があるわけではなく、 電話やインターネットを活用して世界中の金融機関を利用するので、24時間取引できるようになっています。 FX会社によって多少の違いはありますが、月曜の朝7時から土曜の朝7時までが一般的となっています。
一方、仮想通貨(暗号資産)は特定の市場が存在せず、インターネット上で取引できるので 24時間365日いつでも取引できます。口座開設した取引所のメンテナンスなどを除けば、土日も取引できる点は仮想通貨(暗号資産)の強みといえます。
レバレッジ倍率の高さ
2つ目の違いは、レバレッジ倍率の高さです。 FXのレバレッジ倍率は、日本国内の場合は最大25倍まで、仮想通貨(暗号資産)の場合は最大2倍までとなっています。 レバレッジが掛けられる仮想通貨(暗号資産)FXについてはのちほど解説します。
レバレッジは実際の資金より多くの金額で取引できるのが魅力です。しかし、大きな利益が期待できる一方、 損失が膨らむ場合もあるので計画性のない過度な運用は危険です。
投資対象の数
3つ目の違いは、投資対象数の多さです。 FXの投資対象の投資ペア数は30前後となっています。世界中には180種類以上の法定通貨がありますが、すべて取り扱っているわけではありません。 ドルやユーロなどのメジャーな通貨はどのFX会社も取り扱っていますが、その他の通貨はFX会社によって異なります。
一方、仮想通貨(暗号資産)の投資対象数は10~20種類前後となっています。先述したとおり、仮想通貨(暗号資産)は10,000種類以上ありますが、 すべてが投資対象に適しているとはいえません。なかには、ミームコインと呼ばれるジョークを目的とした仮想通貨(暗号資産)もあり、 一時的な値上がりが期待できる場合もあります。
価格変動幅の大きさ
4つ目の違いは、価格変動幅の大きさです。 FXは価格変動幅が小さく、仮想通貨(暗号資産)は大きいです。FXは法定通貨を対象とした取引なので、変動は小さく安定しています。 仮想通貨(暗号資産)はそれぞれの通貨が異なる目的で開発され、価格に与える要因が多岐に渡るため、相場の変動幅が安定していません。 そのため、仮想通貨(暗号資産)の種類により異なりますが、価格が数十倍~数百倍まで膨れ上がる通貨もあります。
ビットコイン(BTC)の場合、2023年3月は1BTC=約360万円でしたが、1年後の2024年3月には1,000万円を突破し、 約3倍の上昇となりました。
ビットコイン(BTC)の相場に関してはこちらをご覧ください。
インカムゲイン
5つ目の違いは、インカムゲインです。 「インカムゲイン」とは、資産を保有することで得られる利益のことです。株式でいうところの、企業の商品やサービスを受けられる株主優待と考えるとわかりやすいでしょう。 FXの場合は、「スワップポイント」という2国間の通貨の金利差で得られる報酬がインカムゲインとなります。
仮想通貨(暗号資産)の場合は、ステーキングがインカムゲインに相当します。 「ステーキング」とは、仮想通貨(暗号資産)を保有し、ブロックチェーンの安定稼働に貢献して報酬を得る仕組みのことです。 取引所によっては、ステーキングサービスへの申し込みが必要な場合がありますが、それ以降は特に 手間を掛ける必要なく取引所に預けているだけで報酬を得られます。
FXと比較した仮想通貨(暗号資産)のメリット
両者の違いを理解したところで、仮想通貨(暗号資産)のメリットを解説します。
- 24時間365日取引できる
- 場合によっては大きく稼げる可能性がある
- 政治や経済情勢の影響を受けにくい
仮想通貨(暗号資産)は革新的な技術によって、これまでの金融商品にはない仕組みを持っています。今後さらなる活用場面の広がりが期待されています。
24時間365日取引できる
仮想通貨(暗号資産)はFXや株式と違い、24時間365日いつでも好きな時間に取引できるのがメリットです。 たとえば、平日は仕事に追われて忙しいサラリーマンでも、休日であれば時間に余裕を持って取引できます。
また、仮想通貨(暗号資産)を購入するための日本円の入金も、インターネットバンキングを利用すれば、24時間365日すぐに入金できるので、取引タイミングを逃す心配がありません。
場合によっては大きく稼げる可能性がある
仮想通貨(暗号資産)は価格変動幅が大きい金融商品なので、運用方法によっては 大きな利益が期待できます。過去には、マイナーな仮想通貨(暗号資産)の価格が高騰し、一攫千金を得ている投資家もいます。 しかし、逆の見方をすれば、損失を負うリスクも高いといえるので注意が必要です。
政治や経済情勢の影響を受けにくい
円やドルなどの法定通貨と異なり、仮想通貨(暗号資産)は特定の機関が管理しないため、政治や経済情勢の影響を受けにくいといえます。 しかし、コロナウィルス流行時のように世界情勢が悪化したときは、株式や債券などと同様に仮想通貨市場も打撃を受けました。 それでも、仮想通貨(暗号資産)市場は一時的な下落にとどまり、その後は回復を見せたので、安全資産として注目されるようになりました。
FXと比較した仮想通貨(暗号資産)のデメリット
仮想通貨(暗号資産)には以下のようなデメリットがあります。
- 相場が安定していない
- 詐欺に遭う危険がある
仮想通貨(暗号資産)は未来が期待できる一方、課題もあります。取引の際に損をしないよう、ポイントを押さえておきましょう。
相場が安定していない
仮想通貨(暗号資産)は相場が読みにくい金融商品といえます。 FXや株式であれば、国の情勢や企業の経営状況から相場を予想できる場合がありますが、仮想通貨(暗号資産)は、相場の判断基準が明確になっていないからです。
たとえば、ドージコイン(DOGE)は、テスラのイーロンマスク氏の発言で価格が高騰したときもありましたが、同氏のマイナス的なコメントにより急落した場面もありました。 相場が好転すれば大きく稼げますが、急変するリスクもあることを覚えておきましょう。
詐欺に遭う危険がある
仮想通貨(暗号資産)はこれまでに詐欺被害が多数報告されています。 「フィッシング詐欺」では、詐欺師がメールやSNSを利用して、仮想通貨(暗号資産)ウォレットの秘密鍵を盗み取り、 大事な資産をウォレットから抜き出します。
その他にも、偽サイトや偽アプリに誘導して仮想通貨(暗号資産)を入金させる詐欺もあります。 詐欺被害に遭ってしまった場合は、回収はほぼ不可能です。 そのため、詐欺に遭わないよう、 「信頼できる公式サイトのURLからアクセスする」「SNSでの勧誘には乗らない」などの徹底した対策が必要です。
仮想通貨(暗号資産)の詐欺に関する詳しい内容はこちら。
仮想通貨(暗号資産)とFXはどちらが投資しやすいか
仮想通貨(暗号資産)とFXはそれぞれ特徴が異なるので、 どちらが投資しやすいといのは断言できません。 先述したように、仮想通貨(暗号資産)は相場が読みにくく安定して利益が出る金融商品とはいえません。 一方、FXはというと、法定通貨を対象にした投資なので、経済指標やチャート分析に精通していないと、満足する結果にはつながりません。 このように、それぞれ特徴が異なるのでどちらも容易には利益が出しやすいとはいえないでしょう。
そのため、金融市場に興味があり、知識を習得しながら運用したい方はFXを選んでみてもいいでしょう。 投資対象としてだけでなく、ブロックチェーンのような最新の技術に興味があり、 仮想通貨(暗号資産)の未来に掛けてみたい方は仮想通貨(暗号資産)の購入を検討してみてください。
レバレッジ取引ができるビットコインFX/仮想通貨(暗号資産)FXとは
仮想通貨(暗号資産)にはFXの原理を取り入れた、「仮想通貨(暗号資産)FX」があります。 基本的な仕組みはFXと同じで、仮想通貨(暗号資産)の売買時の差額を利用して稼ぐ投資方法です。 「ビットコインFX」という名称で呼ばれる場合がありますが、これは対象銘柄をビットコインに絞った呼称となります。 イーサリアム(ETH)などの他の通貨でもFX取引はできるので、市場全体としては「仮想通貨(暗号資産)FX」となります。
現物取引との違いは、仮想通貨(暗号資産)FXは実際には仮想通貨(暗号資産)を購入しない点です。 預け入れた資金を担保にし、仮想通貨(暗号資産)を購入したと仮定して、売買時の値動きによりその差額分が利益となります。 最大レバレッジは2倍までとなっており、仮想通貨(暗号資産)の現物取引同様、24時間365日いつでも取引できます。
仮想通貨(暗号資産)FXについてはこちらの記事をご覧ください。
まとめ
今回は仮想通貨(暗号資産)とFXの違いや、仮想通貨(暗号資産)のメリット・デメリットを解説しました。 仮想通貨(暗号資産)はインターネット上で24時間365日いつでも取引できます。 価格変動幅が大きく、運用方法によっては大きく稼げるのが特徴の金融商品です。 新しい技術に触れながら投資を楽しみたい方は、仮想通貨(暗号資産)の購入を検討してみてください。