今週のビットコイン市場のポイント
2024.9/23 〜 29

先週の金融市場の振り返り

先週の米国金融市場は17日‐18日に開催される米国FOMC(連邦公開市場委員会)を控えて慎重なムードと思われましたが、前週後半の堅調なムードが続き、16日(月)の株式市場はNYダウ平均が228ドル高と上昇しました。S&P500は7ポイント高、NASDAQは91ポイント安でした。

また、この日にはFOMCでの利下げ幅について「0.5%」と大きな利下げ幅になるとの観測が強まり、株高へ繋がったとも見られています。その後、17日(火)はFOMCの結果待ちから様子見で静かな展開に、そして18日(水)は利下げ幅が予想通り「0.5%」となったものの利益確定売りに押され株式市場は反落しました。

経済指標と市場への影響

17日、18日に発表された経済指標は、発表当日は全体の動きに押され評価されませんでした。内容としては、17日の小売売上高8月は市場予想のマイナス0.2%に対して前月比+0.1%と個人消費の強さを示し、18日発表の鉱工業生産と設備稼働率も市場予想や前月を上回る堅調な結果となりました。鉱工業生産は予想+0.2%、結果は+0.8%で、前月はマイナス0.9%でした。そして設備稼働率は前月の77.4から78.0へ上昇しました。

ウォール街のブルモニュメント

こうした良好な経済指標の結果は、19日(木)に評価され株価を上昇させる一因となりました。その19日は「0.5%という大幅な利下げ」による経済活性化を期待して上昇に転じ、NYダウ平均は史上最高値を更新しています。

USD/JPYの動き

19日(木)‐20日(金)には日本銀行の金融政策決定会合が開催され、予想通り政策金利は据え置きとなりました。この結果ならびに植田日本銀行総裁の記者会見での発言から、日銀の見通し通りの経済ならびに物価の動きであれば利上げを検討するとあったものの、「急ぐ必要はない」とのコメントがあり、市場関係者に安心感が広がりました。

その結果、週初140円台であったドル円相場は米国国債利回りが上昇したこともあり、143円台までドルが買われる動きとなりました。

BTCとETHの物理的コインのイメージ

ビットコインと暗号資産市場の振り返り

暗号資産市場の動きも金融市場の動向を強く反映しており、FOMCでの0.5%利下げが市場全体にリスクオンのムードを広げました。特にビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)は、株式市場での好調な動きを追随する形で週中から堅調な上昇を見せました。週初に820万円台半ばで推移していたBTCは、利下げ決定後の市場の期待感が高まるにつれ徐々に買いが集まり、最終的には907万円台後半で週末を迎えました。この急激な上昇は、投資家がリスクを取りやすい環境にあることを示しています。

一方、ETHも同様の動きを見せ、週初の32万円台前半から順調に上値を伸ばし、週末には36万円台後半に到達しました。これに加えて、XRPも週初の82円台半ばから84円台前半まで上昇しており、全体的な暗号資産市場の上昇基調を裏付ける結果となりました。利下げによる市場の流動性の向上やリスク資産への資金流入が、このような暗号資産価格の上昇に大きく寄与していると考えられます。

さらに、先週は主要経済指標の発表や米国国債利回りの上昇が、ドル買いに繋がった影響で、暗号資産市場にも一部調整が入る局面がありましたが、結果的には買い意欲が勝り、上昇トレンドが維持されました。投資家の関心が依然として暗号資産市場に向かっていることが、これらの堅調な動きの背景にあると考えられます。

ニュージャジーの都市の写真

今週の注目すべき経済指標

FOMCが終わり、想定されていた利下げが0.5%という大きな幅で行われ、金融市場での不透明感が消えてリスクが取りやすいムードになっていると思われます。ただ今週も米国経済の動向を占う重要な経済指標の発表が相次ぎます。23日(月)に米国購買担当者景気指数(PMI)の発表があり、製造業とサービス業それぞれでの景気の状況が確認されることになります。また24日(火)にはコンファレンスボードの消費者信頼感指数が発表され、個人消費の今後の動向が示されることになります。

米国経済指標の発表と市場の反応

こうした経済指標の発表結果で米国経済の底堅さが確認されると株式市場を中心にリスクオンの姿勢強まり、さらに上値を志向する可能性が出てくると思われます。しかし、一方でフェデックスの6‐8月期決算が利益予想に届かず通期売上高見通しを下方修正したように、大手企業の今後の業績見通しは慎重な動きが目立ちつつあり、経済指標の発表結果が芳しくない場合は、株価が割高で高値圏にあるだけに株式市場は一気に調整色を強める可能性もあります。

btcマーケットのイメージ

今週の暗号資産市場の見通し

暗号資産市場も先週のFOMCでの利下げを受けて、ビットコイン(BTC)を中心に堅調な値動きを見せました。特に、0.5%という予想以上の利下げ幅が発表されたことで、金融市場全体にリスクオンのムードが広がり、暗号資産市場もそれに追随しました。BTCは週初から徐々に下値を切り上げる展開となり、投資家のリスク志向が高まった結果、強気の姿勢が顕著となりました。また、イーサリアム(ETH)やリップル(XRP)などの主要アルトコインも同様に、利下げの影響を受けて堅調に推移しました。

このような値動きは、伝統的な金融市場の状況が暗号資産市場に与える影響を再確認させるものであり、特に利下げによる市場への資金流入が価格上昇の原動力となっています。米国の経済政策や金利動向は、今後も暗号資産市場に大きな影響を与える要因となると見られ、今週も重要な経済指標の発表により、市場が大きく振れる可能性が高いです。

今後のリスクと市場の変動要因に注目

今後についても、暗号資産市場は従来通り、株式市場や為替市場などの伝統的な金融市場の動向に左右される傾向が続くと考えられます。特に今週は、米国の購買担当者景気指数(PMI)やコンファレンスボードの消費者信頼感指数といった重要な経済指標の発表が控えており、これらの結果が金融市場全体にどのような影響を与えるかが注目されます。これらの指標が予想を上回る場合、さらなるリスクオンムードが強まり、暗号資産市場も上昇トレンドを維持する可能性があります。

スマホアプリとBTC

しかし、反対に経済指標の結果が芳しくない場合や、企業業績の下方修正などが相次いだ場合、リスク回避の姿勢が強まり、暗号資産市場でも短期的な調整が起こる可能性があります。特にビットコインやイーサリアムなどの主要暗号資産は、リスク資産としての性質が強いため、金融市場の動向に敏感に反応する傾向があります。

投資家の皆さんにおかれましては、今週も引き続き経済指標の結果に注目し、その結果から生じる金融市場の動向を十分に見極めることが重要です。特に、米国経済指標が今後の暗号資産市場の動向に与える影響を考慮しながら、慎重に取引を進める必要があります。利下げや経済指標の結果を見極めつつ、リスク管理を徹底し、柔軟に対応することが、暗号資産市場での成功の鍵となるでしょう。

今週の経済イベントカレンダー
Calendar of Economic Events This Week

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曜日日本時間経済イベント重要度
09 23 17:00 欧州 ユーロ圏PMI(購買担当者景気指数)9月(製造業、サービス業) ★★★☆☆
09 23 22:45 米国 PMI9月(製造業、サービス業) ★★★★★
09 24 22:00 米国 S&Pケースシラー住宅価格指数7月 ★★★☆☆
09 24 23:00 米国 コンファレンスボード(CB)消費者信頼感指数9月 ★★★★☆
09 24 23:00 米国 リッチモンド連銀製造業景気指数9月 ★★★☆☆
09 25 23:00 米国 新築住宅販売件数8月 ★★★★☆
09 26 21:30 米国 第2四半期実質GDP ★★★★☆
09 27 21:30 日本 自由民主党総裁選挙(投票、結果発表) ★★★☆☆
09 27 21:30 米国 個人消費支出(PCE)物価指数8月 ★★★★☆
09 27 23:00 米国 ミシガン大学消費者信頼感指数9月 ★★★☆☆

これまでの暗号資産積み立ての状況
Accumulation Status

[期間:2023.06.05 〜 2024.09.27]

2023年6月から月毎に10万円分の暗号資産を実際に積み立てていき、そのポートフォリオを公開する企画です。ビットコイン(BTC)、イーサリアム(ETH)、日本の取引所でも取り扱われており、米ドルとペッグ〔連動〕するステーブルコインであるダイ(DAI)を対象としています。

ポートフォリオの現在の資産価値

含み益(現在の資産価値 - 合計積立金額)

利益率
%

積み立て回数
14

合計積立金額
1,400,000

ポートフォリオの構成

    ポートフォリオ

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    銘柄 シンボル 対円レート 保有数量 日本円換算 構成比
    ビットコイン BTC [BTC/JPY] 0.1369 BTC %
    イーサリアム ETH [ETH/JPY] 1.7164 ETH %
    ダイ DAI [DAI/JPY] 80 DAI %