ハリス氏がTV討論会で優位に立つ!|米国大統領選挙
2024.09.13
ハリス対トランプ:初のTV討論会で勝者は誰か?
初のTV討論会の概要
9月10日に11月の米国大統領選挙に向けた初のTV討論会がABCテレビ主催で開催され、全米で約5,770万人が視聴しました。開催場所は、大統領選挙の激戦州と言われる東部ペンシルベニア州フィラデルフィアでした。
無党派層へのアピール
今回の大統領選挙はハリス氏とトランプ氏による初のTV討論会で、まだ投票先を決めていない米国民有権者へ「自分たちこそ米国が前へ進む道である」とアピールし売り込む機会であり、そうした無党派層をどちらが引きつけられるかが焦点でした。
討論会後の世論調査結果
討論会後に米国CNNテレビが討論会の視聴者を対象にした世論調査では、ハリス氏勝利との回答が63%、トランプ氏勝利との回答が37%となりました。これは討論会で終始落ち着いた雰囲気と口調で討論を展開し余裕を持っていたハリス氏に対して、トランプ氏はハリス氏の挑発に乗り無駄な話に時間を使う事が多く、「トランプ氏は奇妙な人物」という民主党の主張を補強する結果となりました。
経済問題に関する議論
討論会の内容としては、はじめに経済問題が取り上げられました。ハリス氏はトランプ氏の主張する高関税が物価高を再燃させるリスクがあるとして指摘し、「トランプ消費税」と比喩的に表現しました。これに対してトランプ氏は「消費税ではない」と否定しましたが、「以前に関税を導入した際にはインフレは起きなかった」と反論しました。
さらにハリス氏は、トランプ氏の減税方針を「億万長者や大企業への減税」とし、格差拡大や政府債務の膨張を招くと警鐘を鳴らしました。一方、トランプ氏は「前政権では経済は好調だった」とだけ説明を行い、具体的な反論は見られませんでした。
内政問題に関する議論
人工妊娠中絶について
内政問題では「人工妊娠中絶」と「不法移民」がテーマとなりました。「人工妊娠中絶」について、ハリス氏がトランプ氏を「女性を侮辱している」と非難しましたが、トランプ氏は「中絶を禁止するかどうかの判断は各州に委ねられている」と述べました。
不法移民について
「不法移民」では、トランプ氏が「彼らは犯罪者で追い出さねばならない」と主張し、「不法移民が住民のペットの犬や猫を食べている」と発言しましたが、司会者から「証拠がない」と否定されています。これに対してハリス氏は「連邦議会での共和党によるかけ引きが法案の成立を妨げた」と反論しました。
外交問題に関する議論
ウクライナ問題について
外交問題では「ウクライナ」について、トランプ氏がハリス氏に対して「プーチンに甘く見られている」と指摘しましたが、ハリス氏は「プーチン氏はトランプ氏のことを容易にやり込める」と反論しました。
中東問題について
トランプ氏は「すぐに戦争を止められる」と訴え、ハリス氏は「停戦を求めていく」方針を改めて説明しました。
討論会の総評と今後の展望
討論の内容としては、議論を戦わすというよりも相手の政策やスタンスを批判する場面が多かったものの、ハリス氏は重要な政策課題に関してトランプ氏と張り合うことができ、次の大統領への資質があるとの印象を残すことができました。これがCNNの調査に現れた結果だと考えられます。
トランプ氏の政策や考え方はすでに広く認識されているため、ハリス氏は今後具体的な政策を掲げて支持を集めることが重要となるでしょう。
今後の選挙活動
次の討論会の開催について、ハリス氏は前向きな姿勢を示しましたが、トランプ氏は開催に否定的な態度を示しています。TV討論会での優劣が大統領選挙の結果に必ずしも結びつくわけではありませんが、これからの2ヶ月間の選挙活動が大きなポイントになるでしょう。
米国大統領選挙の結果は、世界経済および外交など幅広い分野に影響を与えるため、今後の両候補の動向から目が離せません。