DeFiとは? 仮想通貨との関係やメリット・デメリットを解説
2024.11.01
DeFi(ディーファイ)とは、ブロックチェーンを利用した分散型金融サービスのことです。仮想通貨(暗号資産)について調べているとよく見かける言葉で気になっている方も多いでしょう。
そこで本記事では、DeFiの特徴やメリット・デメリットを解説します。後半では、DeFiを利用した投資手法やおすすめの取引所も解説していますので、興味のある方はぜひ参考にしてください。
DeFiとは
DeFiとは、Decentralized Financeの略で「分散型金融」を意味します。分散型金融は、銀行や証券会社のような中央集権的な管理者がいない金融サービスとなっており、ユーザーはブロックチェーン技術を利用して直接取引を行なう仕組みです。なお、DiFi(分散型金融)の対比にはCeFi(中央集権型金融)と呼ばれるものがあります。
このDeFiは、あらかじめ入力した契約内容を自動実行してくれる「スマートコントラクト」という仕組みを用いることで、中央管理者がいなくとも安全な取引が可能となっています。
DeFiのメリット
DeFiのメリットは以下の3つがあげられます。
- 手数料が安い
- 不正が起こりにくい
- いつでもどこでも利用できる
3つのメリットは仮想通貨(暗号資産)を扱う上で、どれも重要な要素といえます。そのメリットを順番に見ていきましょう。
手数料が安い
まずDeFiは「手数料が安い」のが魅力です。
銀行や証券会社など、従来の中央集権型金融サービスでは中央管理者に仲介手数料を支払う必要がありました。しかし、分散型金融サービスであるDeFiには中央管理者が存在しません。そのため、支払う仲介手数料を抑えて取引を行えるのです。
不正が起こりにくい
DeFiの分散型金融という仕組みは「安全性の担保」にも役立っています。なぜなら、取引のデータ管理を複数のユーザーで行なえるからです。
従来の中央集権型金融では、中央管理者がデータを扱っており、ユーザーは裏で何が行われているのか確認ができませんでした。そのため、データを改ざんされるリスクがあったのです。しかし、分散型金融ではユーザーがデータ確認をできるため、不正が起こりにくくなっています。
いつでもどこでも利用できる
DeFiは、取引を行うのに中央管理者の手が必要ありません。そのため銀行やATMの営業時間や場所に縛れることなく24時間365日取引が可能です。
仮想通貨(暗号資産)のウォレットさえあれば、国外であっても気軽に利用できます。
DeFiのデメリット
DeFiのデメリットは以下の3つがあげられます。
- ガス代高騰のリスクがある
- 詐欺被害に遭うリスクがある
- 将来的に帰省されるリスクがある
順番に見ていきましょう。
ガス代高騰のリスクがある
ガス代とは、ブロックチェーン上で発生する取引手数料を指します。中央管理者のいない分散型金融では取引を記録する作業者が必要であり、この作業者に対してユーザーは手数料を支払う必要があります。
中央集権型の手数料よりは低めに設定されていますが、DeFiの利用者が増加すると、作業者の負担増から手数料が高騰してしまう可能性もあります。
詐欺に遭うリスクがある
DeFiは、これまで多くの詐欺被害が報告されています。具体的には、プロジェクトの投資話、詐欺サイトへの誘導、フィッシング詐欺などです。
中央管理者のいないDeFiでは、消費者保護の制度がありません。すべて自己責任となってしまうため、少額から始める、サービスの内容を理解した上で始めることが大切です。
将来的に規制されるリスクがある
2024年現在、DeFiは世界中で法整備が進んでいません。しかし、前述の詐欺被害や仮想通貨(暗号資産)の認知拡大にともない、今後何らかの法規制がされる可能性があります。
法規制が整うことで詐欺などの被害から守られるメリットはありますが、自由な取引ができるという現在のメリットは失われてしまうかもしれません。
DeFi投資の基本手法・稼ぎ方
DeFi投資の基本手法・稼ぎ方を4つ紹介します。
イールドファーミング
イールドファーミングは、DeFiが運用する分散取引所に所有する仮想通貨(暗号資産)を預け入れて、報酬を受け取る方法です。
DeFiを用いた取引所では中央集権者が存在しないため、ユーザー同士で流動性を保つ必要があります。
その流動性を保つために仮想通貨(暗号資産)を提供したユーザーに対価として報酬を与えるのが、イールドファーミングなのです。
流動性マイニング
流動性マイニングは、イールドファーミングと同様に、取引所へ仮想通貨(暗号資産)を預けて報酬を得る手法になります。イールドファーミングとの違いは「報酬にガバナンストークンが含まれること」です。
ガバナンストークンとは、プロジェクトの発言権のようなもので、保有量が多いほど発言権などが大きくなります。
レンディング
レンディングとは、仮想通貨(暗号資産)を取引所やサービスに貸し出すこと利息を得る手法です。
イールドファーミングと比較すると、価格変動のリスクを抑えられのがポイントです。端的に言えば、銀行の定期預金のようなものです。
利回りは5%前後と低めですが、リスクも低めであるため長期投資を検討している方に向いています。
ステーキング
ステーキングとは、仮想通貨(暗号資産)をブロックチェーン上に保有することで報酬を得る手法です。取引所やサービスに貸し出す必要はなく、ただ保有しているだけで構いません。
「なぜ保有するだけで報酬を得られるのか」と不思議に思うかもしれませんが、ブロックチェーンの取引記録を行った作業者に支払われる手数料は、このステーキングユーザーの保有する仮想通貨(暗号資産)から支払われます。つまり、ただ預けているだけでもブロックチェーンの維持に貢献しているため見返りを得られるのです。
ステーキングは保有する仮想通貨(暗号資産)の銘柄によって報酬が大きく変動します。ステーキングサービスを利用すれば、比較的初心者でも始めやすい仕組みになっているのもポイントといえるでしょう。
DeFi関連の注目銘柄3選
DeFi関連の銘柄はさまざまありますが、本記事では以下の3つに注目して紹介します。
- イーサリアム(ETH)
- Uniswap(UNI)
- CainLink(LINK)
それぞれ見ていきましょう。
イーサリアム(ETH)
イーサリアム(ETH)は、仮想通貨(暗号資産)の中心的な立ち位置となっており、DiFiにおいて最も人気が高い銘柄です。
時価総額ランキングはビットコインに次ぐ第2位、またビットコインと異なり発行上限が設けられていない点から、今後広く普及していくことが予想されています。
イーサリアム企業連合(EEA)といった団体が設立され、改めて注目度が高まっています。イーサリアムに関する詳しい情報は、こちらの記事を参考にしてください。
https://bitlending.jp/crypto-media/vitalik-buterin/
Uniswap(UNI)
Uniswap(UNI)は、分散型取引所のDEXが発行するトークンです。定期的にバージョンアップが行われており、資本効率化が図られているのが特徴といえます。
効率化が進むことで、ガス代の低下が期待できます。また、Uniswap(UNI)は非常に値動きが激しいことで有名です。過去にはたった1ヶ月で価格が倍以上に跳ね上がったケースもあり、短期的な投資で稼ぎたいと考える方から多くの注目を集めています。
チェーンリンク(LINK)
チェーンリンク(LINK)は、ブロックチェーンを銀行や電子決済サービスに接続するためのプラットフォームのことです。このチェーンリンク内で発行されるトークンをLINKと呼びます。
ブロックチェーンは、仮想通貨(暗号資産)を持つユーザー同士が気軽に取引をする上で欠かせない技術ではありますが、実は現実社会のサービス(PayPalの電子決済や銀行決済など)にアクセスができないという欠点がありました。そのブロックチェーンの欠点を解消させたのがチェーンリンク(LINK)です。
つまり、チェーンリンク(LINK)は、今後DeFiやブロックチェーンを世に普及させていくために不可欠な存在と言っても過言ではありません。実際、SWIFT(国際銀行間通信協会)やGoogleなどの大企業も導入をしており、今後の将来性は明るいと期待されています。
チェーンリンクに関する詳しい情報は、こちらの記事を参考にしてください。
https://bitlending.jp/crypto-media/chainlink-virtual-currency/
まとめ
本記事では、DeFiの特徴やメリット・デメリット、基本的な稼ぎ方、そして注目銘柄について解説しました。DeFiは「分散型金融サービス」と呼ばれるもので、銀行や証券会社のような中央管理者が存在しないのが特徴です。
中央管理者が存在しないことで「仲介手数料を抑えられる」「いつでもどこでも取引ができる」「取引の透明性が高く不正が起こりにくい」といったメリットがあります。
ただ一方で、詐欺のターゲットになりやすい、また法整備が整っていないことから被害に遭っても自己責任というデメリットに注意しなければなりません。
DeFiのメリット・デメリットを理解し、有効活用しましょう。