編集部員がGODIVAのチョコレートクッキーをくれた。気付けば、小麦抜きダイエットをしていることを忘れて口にしていた。そんな衝動を駆り立てるGODIVAのブランド力に関心を持ってパッケージを眺める。どこか品格を感じるサイズに、中身が見える透明なパッケージ。中央にはGODIVAのロゴが大きめに印字されていた。

ふと、パッケージの切り口が普段みるような幅にないことが気になった。袋の端から2mmほどだろうか。男性なら指先をすぼめるようにして切らないと、開けられないくらい端にあった。真相は全くわからず想像でしかないが、パッケージの中央にあるGODIVAのロゴが切れないように、あえて利便性を犠牲にしたGODIVAのこだわりなのではないかと思う。   

より便利に、より効率良く、より多くのものを。それも人々にとって素晴らしいことだ。ブランドには時に引き算を含んだバランス感覚があると確信している。

Iolite(アイオライト) 最新号 発売中!

友人にその事を話すと、人形町の100年続く人形焼屋の話をしてくれた。その人形焼は七福神を模して作られているが、どうやら6人の神様を模した型しか無いようなのだ。人形焼を食べたお客様が、7人目の神様のように穏やかな笑顔になるように、と思いを込めたこだわりのようだ。この話は聞いた話であるため、寓話のようなものだと思ってほしい。

ただ、ものづくりに対する情熱や愛情は、必ず長い年月をかけて受け取った人に伝わると思っている。Iolite(アイオライト)は創刊5号目にして、発売前に「債券・為替・外貨預金」のカテゴリで1位を獲得した。この成果は私の実力ではなく、編集部員あってのこと。しかし、細部へのこだわりとIoliteに対する愛情は誰よりも持っていたつもりだ。それがこのような結果に直接的に繋がっているのかどうかは誰にも分からないが、「Ioliteはメディアではなくブランドである。」そんな意志を受け継ぐ職人たちにIoliteが継がれる事を願っている。

Iolite(アイオライト) 最新号 11月30日(金)発売!

[Iolite記事]
Iolite(アイオライト) 最新号 11月30日(金)発売!