イーサリアム大型アップデート「Dencun(デンクン)」が実装完了
2024.03.27
日本時間で3月13日23時頃、イーサリアムのアップデート「Dencun(デンクン)」が実装完了した。当日は一定程度の事実売りのような動きがあってもおかしくないだろうと思い、リアルタイムチャートを眺めていたが、調整は100ドルにも満たない幅だった。しかし、3月14日から15日にかけて下げは続き、執筆時点3月15日12:00頃には3,620ドル、日本円で約530,000円付近まで調整。
イーサリアム単体で考えればDencun実装完了を受けて、一旦利益確定の売りに向かった、という動きはあったと考えて良いだろう。これに加えて、3月14日に発表された米国の経済指標の2月卸売物価指数(PPI)が、2ヵ月連続予想を上回りインフレに関する警戒感を強め、3月14日から15日にかけて起こった暗号資産市場全体の調整に影響を与えたのではないかと思われる。PPIは消費者価格指数(CPI)に先行して変動する傾向があり、経済のインフレ傾向を早期に示す指標とされており、将来の消費者物価の動向を予測するうえで参考になる数値だ。
「Dencun(デンクン)」で変わったこととは?
ではイーサリアムのアップデート「Dencun(デンクン)」で変わったこととは何だろう。恥ずかしながら技術的な話は私自身も理解が及ばないので、簡単にではあるものの要点だけまとめたい。今回のイーサリアムアップデートのなかで最も主要な要素は「プロトダンクシャーディング(EIP-4844)」だ。シャーディング技術はネットワークを複数のシャード(セグメント)に分割し、それぞれのシャードがトランザクションの一部を独立して処理できるようにすることで、全体の処理能力を向上させる技術とされている。
そして今回のDencunで実装された、プロトダンクシャーディングはレイヤー2(L2)からレイヤー1(L1)へのデータ転送コストを削減し、結果としてレイヤー2のユーザーにとっての取引手数料を大幅に引き下げる仕組みのようだ。釈迦に説法ではあるが、要点はイーサリアムのレイヤー2郡の手数料が大幅にさがるアップデートということだ。
実際、イーサリアムのレイヤー2であるBaseやStarknet、Arbitrumではネットワーク手数料が大幅に削減されたことが確認されており、Starknetにおいてはアップデート前に2ドルほどの手数料がかかっていたのが、0.05ドル以下に現象したと公式から発表があった。
米国におけるビットコイン現物ETF承認から3ヵ月ほどで、私自身も想像していなかった価格に対するポジティブな影響があった。今年5月にイーサリアムの現物ETF承認が本当にあるのかどうかは全く未知数であるものの、将来的に承認される可能性は高いだろう。アルトコインの王様とも称されるイーサリアムがビットコインの価格を追いかける形でオーバーパフォームする可能性はあるのか、今後もビットコインと共に注視して起きたい銘柄ではある。
[Iolite記事]
イーサリアムの大型アップデート「デンクン」実装完了