ニュースやメディアでたびたび老後の資金確保の重要性が報道され、その影響を受けて近年は投資を始めている人が増えています。 投資というと「株式」というイメージがあると思いますが、 仮想通貨(暗号資産)での資産形成も可能です。 一口に投資といっても両者は特徴が異なり、運用方法も異なります。

当記事では、株式と仮想通貨(暗号資産)の違いや仮想通貨(暗号資産)のメリット・デメリットをご紹介します。

米ドルの上に置かれた仮想通貨(暗号資産)コイン

そもそも株式とは何か?仮想通貨(暗号資産)とは何か?

まずは、株式と仮想通貨(暗号資産)それぞれがどのようなものなのかを確認してみましょう。

「株式」とは、株式会社が資金を調達するために発行する証券のことです。発行された株式を購入し株主となれば、その会社の経営に参加でき、保有数に応じて意見を言えるようになります。 また、会社の利益が出たときには保有数に応じた配当金が配られます。配当金以外にも「株主優待」という、運営会社の商品やサービスが受けられる株式もあります。

「仮想通貨(暗号資産)通貨」とは、インターネット上で利用できるデジタル通貨のことです。 「ブロックチェーン」と呼ばれる技術を利用し、暗号化された取引情報をブロック単位で管理し、すべてのブロックが一連の鎖のように繋がっているのが特徴です。 仮想通貨(暗号資産)は、ネット上の複数のコンピューターで取引内容を検証しているため、改ざんが不可能となっています。

仮想通貨(暗号資産)の種類は2024年現在1万種類以上があり、それぞれ異なる目的で利用されています。 なかでもビットコイン(BTC)は、世界発の仮想通貨(暗号資産)として有名で、 2024年には「半減期」と呼ばれる発行数が半減するイベントを迎え、大きな話題となりました。

通貨ペアとコイン

株式と仮想通貨(暗号資産)の違い

つぎに、株式と仮想通貨(暗号資産)の違いを比較してみましょう。

  • 価格変動の高さ
  • 取引時間の長さ
  • 配当の有無
  • 最低投資金額

それぞれ特徴が異なるので、ご自身の投資スタイルに合うか確認してみてください。

価格変動の高さ

1つ目の違いは、価格変動の高さです。価格変動とは、ある時点の価格から異なった価格になることを言い、「変動が高い」とはその差が大きいこと意味します。 株式と仮想通貨(暗号資産)は投資の種類のなかでは比較的価格変動が高い方に分類され、 現状では仮想通貨(暗号資産)の方が株式より価格変動が高い傾向にあります。

取引時間の長さ

2つ目の違いは、取引時間の長さです。株式は基本的に平日の昼間(9:30~11:30、12:30~15:00)と決まっており、取引時間が限定されています。 一方、仮想通貨(暗号資産)は365日24時間取引でき、取引所のメンテナンスなどを除けば、いつでも好きな時間に取引できます。

配当の有無

3つ目の違いは、配当が有るか無いかです。株式というと、配当金というイメージをお持ちの方もみえるのではないでしょうか? 配当金は発行会社の決算状況に応じて株主に配られます。 仮想通貨(暗号資産)はというと、株式のような配当金はありません。

最低投資金額

4つ目の違いは、投資に必要な最低金額です。株式を購入する場合、100株単位からの購入が原則となっており、ある程度まとまった金額が必要になります。 企業により株価が異なるので一概には言えませんが、数万円~数十万円の資金が必要になります。 「株式ミニ投資」という少額から購入できる株式もありますが、銘柄が限定されているなどの制限があります。

一方、仮想通貨(暗号資産)は取引所による違いはありますが、数百円から取引可能です。

重なった異なる種類のコイン

株式と比較した仮想通貨(暗号資産)のメリット

それぞれの違いを理解したところで、仮想通貨(暗号資産)のメリットを確認してみましょう。

  • 取引時間に制限がない
  • 価格変動が大きく資産を増やすチャンスがある
  • 市場の将来性が高い

仮想通貨(暗号資産)は他の投資にはない魅力があるので、これから投資を始める方にもおすすめです。

取引時間に制限がない

仮想通貨(暗号資産)は365日24時間いつでも取引可能なので、土日でも購入可能です。 株式と違い、いつでも好きな時間に取引できるので、平日仕事で忙しいサラリーマンにとっては大きなメリットといえます。 また、口座開設が簡単にでき、最短で当日から利用できる取引所もあります。

価格変動が大きく資産を増やすチャンスがある

価格変動が高い仮想通貨(暗号資産)はリスクがありますが、その反面、うまく運用すれば資産を大きく増やせます。 直近の価格変動をみてみると、2023年4月には 1BTC=390万円でしたが、1年後の2024年4月には1,000万円を突破し、2.5倍以上の上昇を記録しています。

もちろん、急落することもあるため今後も上昇するとは限りませんが、投資先の一つとして選択肢に入れてもいいでしょう。

市場の将来性が高い

仮想通貨(暗号資産)は2008年のビットコインの誕生により始まった比較的新しい市場で、これからさらに成長していくと予想されています。 Allied Market Researchの市場調査によると、2030年には約5000億円以上に成長するとされています。

仮想通貨(暗号資産)は決済手段として利用できる場面が少なかったり、法整備が進んでいないなどの課題がありますが、今後の市場拡大が期待されています。

台に置かれたビットコイン

株式と比較した仮想通貨(暗号資産)のデメリット

つぎは仮想通貨(暗号資産)のデメリットです。

  • 配当金がない
  • 市場の動向が読みにくい
  • 税制面で不利

投資でリスクを冒さないためにも、メリットだけでなくデメリットも把握しておきましょう。仮想通貨の性質を理解しておけば、資産運用の参考にもなるはずです。

配当金がない

仮想通貨(暗号資産)には株式の配当金といったような仕組みがありません。 しかし、一部の仮想通貨(暗号資産)では「ステーキング」という、報酬を得られるシステムがあります。

市場の動向が読みにくい

仮想通貨(暗号資産)は、株式に比べ値動きの予想が難しいと言われています。 理由は、他の金融投資に比べ歴史が浅く、価格予想に関する理論が定まっていないことや、経済理論から相場の動きを予測するのが難しいからです。

税制面で不利

仮想通貨(暗号資産)は売却などにより利益が発生した場合は税金がかかる場合があります。 税金の区分としては「雑所得」に分類され、所得額に応じて税率が決まる「累進課税」となっています。 所得によっては、最大55%の税金を支払わなければいけないケースもあります。

一方、株式は一律で20.315%の税金となっています。また、非課税制度の「NISA」を活用すれば、一定額までは税金を支払わなくて良い点が有利といえます。 このような状況から、「日本暗号資産取引業協会」は、株式のように一律税率とするよう、政府に法改正を要望しているので、今後の税制面での優遇が期待されます。

仮想通貨(暗号資産)にかかる税金に関しては、下記の記事を参考にしてみてください。

積み上げられた米ドル札束

仮想通貨(暗号資産)で稼ぐ方法

ここでは、仮想通貨(暗号資産)で稼ぐ方法をご紹介します。

  • 積立投資をする
  • レバレッジ取引をする
  • 仮想通貨(暗号資産)を貸し出す

仮想通貨(暗号資産)は基本的に、購入金額より高い価格で売却すればその差額が利益となりますが、その他にも稼ぐ方法がいくつかあります。

積立投資をする

「積立投資」とは、毎日・毎月のように決まったタイミングで、決まった金額で仮想通貨(暗号資産)を購入する投資方法です。 一括で購入するのではなく、購入タイミングを分散させることで、価格変動の差を平均化できるとして、投資初心者におすすめの方法です。 数百円から購入可能で、一度設定すれば自動購入されるので手間が省けます。

レバレッジ取引をする

口座に預けている仮想通貨(暗号資産)を証拠金として担保にし、最大2倍の金額で取引できる 「レバレッジ取引」でも資産を増やせます。 たとえば、5万円の証拠金であれば、最大10万円分の取引ができます。 実際に保有している金額以上に取引できるので、値上がりしたタイミングでうまく売却できれば大きく稼げます。 しかし、値下がりしてしまった場合はその分損失が大きくなるので注意が必要です。

レバレッジ取引に関する詳しい内容はこちら。

仮想通貨(暗号資産)を貸し出す

仮想通貨(暗号資産)を貸し出して稼ぐ「レンディング」もあります。 「レンディング」とは、保有している仮想通貨(暗号資産)を取引所に貸し出して、その利子として報酬を得るサービスのことです。 貸し出す期間を設定し、契約期間満了後に貸し出した仮想通貨(暗号資産)が返却され、その時に利子も受け取れます。 いったん貸し出してしまえば特に手間をかける必要がないので、初心者の方でも手軽に運用できる投資です。

レンディングについての詳しい内容はこちら。

インフォメーション看板

仮想通貨(暗号資産)で投資するときの注意点

仮想通貨(暗号資産)の投資に関する注意点も確認しておきましょう。

  • 投資は余剰資金で行う
  • 一度に多額の資金を投資しない
  • 詐欺に遭わないようにする

利益確保ばかりに目を向けがちですが、投資にはリスクがあることも理解しておきましょう。

投資は余剰資金で行う

仮想通貨(暗号資産)に限ったことではありませんが、 投資は余剰資金で行うのが基本です。 「余剰資金」とは、生活費やもしもの時に備えておく貯蓄以外の、当面使用する予定のない資金のことです。 投資は運用方法によっては利益を得られますが、場合によっては損失となる可能性もあります。

先述したように、仮想通貨(暗号資産)は価格変動が大きく、運用を間違えると大きな損失となります。 生活に支障をきたさないためにも、余剰資金での運用を心がけましょう。

一度に多額の資金を投資しない

大きな利益を期待して、 一度に多額の資金を投資しないようにしましょう。 仮想通貨(暗号資産)は短期的な価格高騰をみせる場合がありますが、長期的に右肩上がりになるとは断言できません。 そこで、多額の資金を投入してしまうと、急激な下落があった場合に損失が大きくなってしまいます。 そのため、初心者の方は少額を分散購入できる積立投資がおすすめです。

詐欺に遭わないようにする

仮想通貨(暗号資産)市場は年々拡大していますが、それと同時に 詐欺被害も増えています。 具体的には、「偽のWebサイトに誘導する」「パスワードや秘密鍵を聞き出して資産を盗む」といった手口があります。 他にもさまざまな詐欺手法がありますが、どれも巧妙に作られておりすぐには見抜けないようになっています。

盗まれてしまった場合、資産は戻ってこないので事前に自分で身を守るしかありません。 そのため、「信用できないURLにはアクセスしない」「パスワードや秘密鍵は第三者に教えない」などの対策を徹底するようにしましょう。

そびえ立つ複数のビル

仮想通貨(暗号資産)を始めるのにおすすめの取引所

さいごに、仮想通貨(暗号資産)を始めるのにおすすめの取引所をご紹介します。

  • Coincheck
  • bitFlyer
  • SBI VCトレード

どの取引所も使い勝手がよく初心者におすすめなので、取引所選びの参考にしてください。

Coincheck(コインチェック)

Coincheckは初心者から経験者まで幅広いユーザー層に人気の取引所です。 アプリのダウンロード数がNo.1となっており、画面が見やすく操作しやすいと多くのユーザーから定評を得ています。 セキュリティが強固で安心して取引できるので初心者の方におすすめです。

Coincheckについての詳しい内容はこちらで紹介しています。

bitFlyer(ビットフライヤー)

bitFlyerは幅広い銘柄を取り扱っている国内有数の取引所です。 国内外へのサービスを提供しているため、高い流動性を維持しており、安定した取引が可能です。 また、豊富な取引オプションを用意しています。 サポート体制も充実しているので初心者にとっても安心して利用できる取引所です。

bitFlyerについての詳しい内容はこちらでチェックしてみてください。

SBI VCトレード

SBI VCトレードは、銀行や証券、保険分野を展開しているSBIグループが運用する取引所です。 金融業界での高い実績と強固なセキュリティにより多くのユーザーから信頼を得ています。 低い手数料や即時入金といったユーザーにとって便利なサービスを提供しています。

SBI VCトレードについの詳しい内容はこちらで解説しています。

コインを積む男性

まとめ

今回は、株式と仮想通貨(暗号資産)それぞれの違いや、仮想通貨(暗号資産)のメリット・デメリットを解説しました。 ご紹介したようにそれぞれ特徴が異なるので、ご自身が望む投資スタイルに合わせて選択すると良いでしょう。 投資のリスクが心配な方は、比較的少ない資金から取引ができる仮想通貨(暗号資産)から始めてみてください。

仮想通貨(暗号資産)の購入を検討している方は、こちらで紹介する銘柄を参考にしてください。