アクシーインフィニティ(AXS)はどのような仮想通貨なのか?特徴や将来性、購入方法を解説
2024.11.01
仮想通貨(暗号資産)といえば、普及の発端が技術者であったり、投資家であったりと、一般の方にとって敷居が高いイメージがあるかもしれません。 しかし、アクシーインフィニティ(AXS)はむしろそういった人々ではなく、一般のゲーマーから注目を集めて人気になった存在なのです。 アクシーインフィニティ(AXS)は、なぜこのようにユニークな広がりを見せたのでしょうか?
今回は、アクシーインフィニティ(AXS)がなぜ注目されたのかその経緯を解説し、特徴や投資するにあたっての懸念点、購入方法、そして気になる疑問について解説します。
アクシーインフィニティ(AXS)とは
アクシーインフィニティ(AXS)とはなんなのか、詳細や注目されている理由について解説しましょう。 まず、アクシーインフィニティ(AXS)はSky Mavis(スカイ・メイビス)という民間企業が運営しています。
この企業は2018年に設立されたゲームスタジオであり、ベトナムのホーチミン市を中心に活動している企業です。ゲーム開発を目的とする企業でしたが、その技術を活用し、ブロックチェーンを利用したゲームを生み出します。それが今回紹介するアクシーインフィニティ(AXS)になります。
内容はイーサリアム(ETH)のトークン規格であるERC-20を使用したゲームで、Axie(アクシー)と呼ばれるモンスターをNFTとして収集します。そしてそのモンスターをほかのユーザーなどと戦わせることで楽しむゲームでもあります。この対戦などの報酬として受け取れるのが仮想通貨(暗号資産)であるアクシーインフィニティ(AXS)なのです。
Play to Earn(遊んで稼げる仕組み)が注目された
次に注目されている理由として、Play to Earn(遊んで稼げる仕組み)を実現したNFTゲームという点がポイントになります。
当初アクシーインフィニティ(AXS)が立ち上げられたベトナムではなく、フィリピンで注目を浴びます。フィリピンでは空前のゲームブームが到来しており、様々なジャンルのゲームがプレイされるようになりました。その時に注目されたのゲームの一つがアクシーインフィニティ(AXS)だったのです。
注目された2019年から2020年は、ちょうど世界的な感染症の拡大によって国外で季節労働者をしていた多くのフィリピン人が帰国していました。しかし、現地では国外のような産業が多くあるわけでもなく生計を立てる手段が限られていたのです。そんな時にアクシーインフィニティ(AXS)を利用することで生計を支えられることが理解され、フィリピンで一気にブレイクするに至りました。
実際多くのフィリピン人がアクシーインフィニティ(AXS)のプラットフォームを利用して、遊んで稼ぐという仕組みの恩恵で収入を得ることに成功します。中には家を2軒を購入したという男性すらいたのです。
このような背景から東南アジアでアクシーインフィニティ(AXS)の人気はブレイクし、全世界へ波及していきました。2021年には1日あたりの利用ユーザー数の指標であるデイリー・アクティブ・ユーザーにおいて、100万人を突破するに至ります。
AXSの現在価格
対円での現在価格:1,306.94 円
AXSの最高価格
アクシーインフィニティ(AXS)の価格推移は、暗号資産市場全体のトレンドやゲーム内エコシステムの発展に密接に関わっています。
AXSは2021年11月、暗号資産市場が活況を呈していた際に、約165ドルという最高価格を記録しました。この時期は、NFTとブロックチェーンゲームに対する関心が急激に高まり、Play-to-Earn(P2E)ゲームとして注目されていたアクシーインフィニティの利用者数が急増した影響もありました。
AXSの価格の下落
しかし、2022年に入ると、暗号資産市場全体の調整が始まり、AXSの価格も大幅に下落しました。2022年3月には、Roninネットワークがハッキングされ、約6億ドル相当の暗号資産が盗まれるという事件も発生し、これがAXSの価格にさらなる圧力をかけました。
現在価格を見ると最高価格から大幅な下落を示していますが、エコシステムを活性化する取り組みが続いています。AXSは大きく値を下げたものの、ゲームの進化や新機能の導入により市場での存在感を維持しようとしています。今後の価格推移は、ユーザー数の推移やゲームのさらなる発展にかかっていると言えます。
https://axieinfinity.com/
アクシーインフィニティ(AXS)の特徴
アクシーインフィニティ(AXS)の特徴は、次のポイントが挙げられます。
- NFTを使用したアイテム
- サイドチェーンによる安価な取引手数料
- 初期費用免除の制度
- ゲームで報酬が得られる
これらの点についてそれぞれ解説しましょう。
NFTを使用したアイテム
アクシーインフィニティ(AXS)は冒頭でもお話ししたようにモンスターやアイテムをNFTとして利用し、プレイするゲームです。そして、アクシーインフィニティ(AXS)はゲーム内通貨として使用できる仮想通貨(暗号資産)になります。
このゲームに使用するアイテムはいずれもブロックチェーンを利用したNFTで管理されており、唯一無二の存在になっています。複製できないデータとして所有できるため、価値も高めやすい点もメリットです。また、アイテム同様、ゲームに登場するモンスターもNFTのため、モンスター自体の価値も高められるようになっています。
サイドチェーンによる安価な取引手数料
アクシーインフィニティ(AXS)のブロックチェーンは、もともとあるイーサリアム(ETH)ブロックチェーンを直接使用しません。そのブロックチェーン上に追加した独自のブロックチェーンで取引や処理が行われます。
当初はイーサリアムブロックチェーンの上に構築されたNFTゲームでしたが、処理能力の問題や取引のたびに発生する高額な手数料がネックとなっていました。そのため、運営元がイーサリアム上で動く新しい別のブロックチェーンを模索しました。
そして自社で新しいサイドチェーンを開発します。それがRoninサイドチェーン(ロニン・サイドチェーン)です。なお、お気づきの方もいるかもしれませんが、この名前の由来は「浪人(ろうにん)」から来ています。イーサリアム(ETH)のブロックチェーンに頼らない独立したサイドチェーンであることを示しています。
初期費用免除の制度
初期費用免除の制度が整備されている点もアクシーインフィニティ(AXS)の特徴です。これはスカラーシップ制度と呼ばれる制度のことで、アクシーインフィニティ(AXS)の仮想通貨(暗号資産)をほかのユーザーから借りてゲームをプレイします。そしてプレイによって得た報酬の一部を貸し手に渡すという仕組みです。
この場合のアクシーインフィニティ(AXS)を貸している側がマネージャー、借りている側をスカラーといいます。報酬の一部とは得られた利益の50~70%のことで、きちんとしたスカラーに貸すことができれば、運用による不労所得を得られます。一方、スカラーになった側も初期費用なしにアクシーインフィニティ(AXS)のゲームをプレイできるので、両者にとって大きなメリットがあるのです。
ゲームで報酬が得られる
アクシーインフィニティ(AXS)最大の特徴がPlay to Earn(P2E/プレイ・トゥー・アーン)です。先ほど触れたようにアクシーインフィニティ(AXS)は遊んで稼げるNFTゲームです。
このゲームではアイテムの売買やモンスターの売買以外にも対戦で勝利したり、クエストをクリアすることでも報酬がられます。つまりゲームを通じて仮想通貨(暗号資産)のアクシーインフィニティ(AXS)やSLPと呼ばれる仮想通貨(暗号資産)を受け取れるのです。
アクシーインフィニティ(AXS)の懸念点
アクシーインフィニティ(AXS)は少なからず懸念点もあります。それは次の2点です。
- ユーザー数の減少
- セキュリティに不安
これらの懸念点についてどのようなものか見ていきましょう。
ユーザー数の減少
アクシーインフィニティ(AXS)のユーザー数が減少しています。2021年をピークにユーザー数が減少しており、これは季節労働者が元いた国に戻ってしまいプレイする機会が減ったり、そもそもゲームに飽きが来てしまったりといったことが挙げられます。
セキュリティに不安
セキュリティにも不安があります。サイドチェーンのRonin Networkが2022年3月にハッキングされているからです。しかもアクシーインフィニティ(AXS)の仮想通貨(暗号資産)ではなく、価値の高いイーサリアム(ETH)や米ドルと同じ価値のUSDC(USD Coin)でした。総額750億円もの被害とされている大きなハッキング事件でした。
アクシーインフィニティの現在
アクシーインフィニティはブロックチェーンゲームの中で注目され続けていますが、市場の挑戦にも直面しています。AXSの価格は低迷しているにもかかわらず、アクシーインフィニティは開発とコミュニティへの取り組みを続けており、プレイヤーのエンゲージメントを高めるための新機能を導入しています。
Meta Morphing機能をアップデート
最近の重要なアップデートとして、「Meta Morphing」という機能が登場しました。この機能では、ゲーム内で使う「アクシー」を強化し、プレイスタイルに合わせてカスタマイズすることができ、これによりゲームに新たな活力がもたらされています。この新機能の導入によって、過去2か月間で1,510万SLPトークンがバーン(焼却)され、ゲーム内トークンの需要が高まっています。
一方で、AXSトークンは市場の変動に影響を受けており、Roninネットワークに関するセキュリティ問題などの課題も残っています。しかし、開発チームは引き続きゲームの体験を向上させるための取り組みを進めています。
総じて、アクシーインフィニティは、NFTゲーム領域での主要な存在であり続けていますが、プレイヤーの関心を持続させるための進化が求められています。AXSの将来は、ユーザーのエンゲージメントを維持し、ブロックチェーンゲーム市場の急速な変化に適応できるかどうかにかかっています。
引用元:https://bitflyer.com/ja-jp/
アクシーインフィニティ(AXS)の購入方法は?
アクシーインフィニティ(AXS)の購入方法は、国内取引所で購入する方法と海外の取引所で購入する方法の2つがあります。それぞれについて解説しましょう。
国内の取引所で購入する
国内の取引所でもアクシーインフィニティ(AXS)を購入可能です。取り扱っている取引所を探して、そこでアカウントを作成して入金します。
そして、法定通貨で直接アクシーインフィニティ(AXS)を選択して取引所から購入すれば、アクシーインフィニティ(AXS)を手に入れることができます。
海外の取引所を使って購入する
国内の取引所で購入するのではなく、海外の取引所で購入することもおすすめです。この仮想通貨(暗号資産)は、海外の方が取り扱っている取引所も多いのがポイントといえます。ただ、一度国内取引所でほかの仮想通貨、例えばビットコイン(BTC)を購入する必要があります。
アクシーインフィニティ(AXS)のよくある疑問
最後にアクシーインフィニティ(AXS)のよくある質問について解説しましょう。
アクシーインフィニティとAXSは違う?
簡単に言えば、アクシーインフィニティはブロックチェーンゲームのことです。一方、AXSはそこで決済に使用できる仮想通貨(暗号資産)になります。このように同じ名称を使用しているものの、ゲームそのものか、そこで利用できる仮想通貨(暗号資産)かという点が大きな違いになります。
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まとめ
アクシーインフィニティ(AXS)は、ベトナムで誕生したNFTゲームのブロックチェーンで、ゲーム内で使用仮想通貨(暗号資産)のことです。遊びながら稼げる特徴を持っていることから多くのユーザーを獲得しました。
仮想通貨(暗号資産)を扱う方法の1つとして、こういったNFTゲームと関連づけられたものは興味深い存在といえます。今後の発展に期待しながら、仮想通貨(暗号資産)の投資先として検討してみてください。