リップル(XRP)とは? 5つの特徴と将来性、課題について解説
2024.11.01
リップル(XRP)は取引速度の速さやコストの低さから、国際送金に利用されている仮想通貨(暗号資産)です。時価総額ランキングでも上位に入る銘柄なので、運用を考えている方もいるでしょう。
しかし、リップル(XRP)の概要や特徴、将来性や関連するニュースを把握しておかないと、適切な運用はできません。利益を出すのが難しくなるのはもちろん、大きな損失を生み出す可能性もあります。
そこで本記事では、リップル(XRP)の概要や特徴、購入方法などを詳しく解説します。記事後半では、将来性や課題などもご紹介するのでぜひ参考にしてください。
リップル(XRP)
- XRP/JPY:239.79 円
- 銘柄名(通貨単位):リップル(XRP)
- 暗号資産時価総額ランキング: 6位
- 過去24hの価格の変化:25.72 円
- 時価総額:13,641,822,371,360 円
- 過去24hの時価総額の変化:1,431,425,619,329 円
- 過去24hの最高値:248.78 円
- 過去24hの最安値:212.00 円
- 最終更新:2024/11/23 16:44
- DATA by CoinGecko
リップル(XRP)の現在価格・リアルタイムチャート
それでは、リップル(XRP)の現在の値動きから確認していきましょう。
リップル(XRP)のリアルタイムテクニカル分析
リップル(XRP)のチャートにおける20種以上のテクニカル分析手法が示すシグナル[売り・中立・買い]をリアルタイムで集計してマーケットのトレンドを示しています。
リップル(XRP)とは?
リップル(XRP)とは、リップル社の発行する仮想通貨(暗号資産)です。2024/11/23時点で時価総額は13.6 兆兆円でランキング第6位と、数ある仮想通貨(暗号資産)の中でも注目度の高い銘柄です。
国際送金は時間だけでなく、手数料もかかるなどの問題を抱えています。リップル(XRP)はブロックチェーン「XRP Ledger (XRPL)」を活用し、圧倒的なスピードと低コストを実現しました。
これらの有用性に加えて、現在テスト段階のサイドチェーンが実装すると他のブロックチェーンとの相互運用性が生まれ、DApps(分散型アプリケーション)の開発がしやすいなどのメリットも追加されます。
リップル(XRP)発行元のリップル社は株式市場への上場を期待されている他、リップルネットの需要拡大から将来性に期待できます。一方で、解消しなければならない課題があるのも事実なので、今後の動向から目が離せない銘柄です。
ちなみにリップル(XRP)は国内仮想通貨(暗号資産)取引所での取り扱いが多く、気軽に購入できます。気になる方は、後述するステップに従って購入手続きを進めてください。
リップル(XRP)の特徴5つ
リップル(XRP)の特徴は以下の5つです。
- リップル社が管理・運営を行っている
- 上限まで発行されており新規発行の予定がない
- 取引処理が早くコストが安い
- ブリッジ通貨の機能を持っている
- 承認方式として「PoC」を採用している
それぞれの特徴を詳しく見ていきましょう。
1.リップル社が管理・運営を行っている
仮想通貨(暗号資産)リップル(XRP)の管理・運営は、アメリカに拠点を置くリップル社(Ripple Inc)が行っています。
一般的に、仮想通貨(暗号資産)は非中央集権型で運用されている銘柄が多くなっています。実際、ビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)などのメジャー銘柄は、中央管理者が存在しません。
リップル(XRP)の場合は、発行元が中央で一元管理しています。中央管理者がいると、意思決定に至るまでのスピードが速くなるため、トラブルや問題にすぐに対処できます。
また、意見の対立により新たな仮想通貨(暗号資産)に分岐する可能性も低いでしょう。非中央集権型のビットコイン(BTC)の場合、コミュニティ内の対立からビットコインキャッシュ(BCH/BCC)が誕生しました。
一方で、取引の透明性が失われる、運営の都合により資産が凍結されるなどのリスクもあります。
2.上限まで発行されており新規発行の予定がない
リップル(XRP)はすでに上限の1,000億枚まで発行されており、新規発行の予定がない点が特徴です。
通常、仮想通貨(暗号資産)はマイニングと呼ばれる承認作業を通して発行されます。マイニングはマイナーによって行われますが、リップル(XRP)のマイニングには関係者しか参加できない仕様です。
なお、すでに1,000億枚発行されていますが、それらが全て市場に出回っているわけではありません。これだけの量が急激に市場に放たれると、需要と供給のバランスが崩れ大暴落が誘発される可能性があります。
そのため、リップル社は第三者機関が保有するリップル(XRP)をロックアップさせ、自由に売買できないようにしています。毎月10億枚ずつロックアップが解除されており、2024年2月時点では、約54%の544億枚が供給されています。
3.取引処理が早くコストが安い
リップル(XRP)は取引処理が早く、コストが安い点も特徴の一つです。以下は、リップル(XRP)と主な仮想通貨(暗号資産)のスペックを比較した表です。
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仮想通貨名 | トランザクション あたりの秒数 | トランザクション あたりのコスト | 1秒で処理できる トランザクションの数 |
---|---|---|---|
リップル (XRP) | 3.3秒 | 0.000005ドル | 3,400TPS |
ビットコイン (BTC) | 380分 | 10ドル | 3-7TPS |
イーサリアム (ETH) | 4.49分 | 8.34ドル | 16TPS |
ビットコインキャッシュ (BCH/BCC) | 60分 | 0.005ドル | 116TPS |
ダッシュ (DASH) | 2分40秒 | 0.0016ドル | 56TPS |
ライトコイン (LTC) | 2分30秒 | 0.03-4ドル | 56TPS |
時価総額ランキングで長年トップの座を占めるビットコイン(BTC)と比較すると、トランザクションの処理は約7000倍以上も速く、コストは平均で約2,000,000分の1と安く抑えられています。
*2024年2月調べ
4.ブリッジ通貨の機能を持っている
リップル(XRP)はブリッジ機能を有しています。ブリッジ機能とは、通貨を異なる銘柄に換金できることです。リップル(XRP)のブリッジ機能は、国際送金で活躍します。
例えば、日本円をドルに換金するケースを考えてみましょう。この場合、銀行や金融機関を介する必要があるため、時間的・金銭的コストがかかります。
そこでリップル(XRP)のブリッジ機能を利用し「1.日本円をリップルに換金する」「2.リップルをドルに換金する」の2つの手順を踏みます。工数自体は増えるものの、銀行や金融機関に仲介してもらうよりも、手数料を抑えつつ、短時間での送金が可能です。
ここでは日本円とドルの例を挙げましたが、どのような通貨であっても、リアルタイムで送金できる点が特徴です。
5.承認方式として「PoC」を採用している
いくつかある取引の承認方法のうち、リップル(XRP)は「PoC(Proof of Consensus)」を採用しています。
ビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)の取引の認証は、マイナーと呼ばれる団体やユーザーによって行われます。リップル(XRP)の場合は、リップル社が選出したバリデーターによって取引が承認される点が特徴です。
新たな取引がされた際、バリデーターが取引の正当性を確認します。80%以上の賛同が得られたら、ブロックチェーンに追加されるという流れです。
この承認方法は中央集権的なものの、悪意のあるユーザーが取引を承認することはないので、信頼性の高い企業や団体が行う場合は大きな問題は生じにくいとされています。
運営元が認めたバリデーターのみが承認に参加するので、トランザクションの処理速度が高速になる点がメリットです。このスピードの速さを活かし、リップル(XRP)は国際送金での活用が進んでいます。
また、ビットコイン(BTC)の承認方法であるPoW(Proof of Work)のように膨大な電力を使うこともないので、低コストでの運用が可能です。
リップル(XRP)の将来性
仮想通貨(暗号資産)を運用する際に気になるのが、その銘柄の将来性です。リップル(XRP)については、以下のように将来性が予想されています。
- リップル社が株式市場へ上場する可能性がある
- リップルネットの需要が高まっている
- リップル社がサイドチェーンの追加を目指している
- 有価証券訴訟の判決が有利に進んでいる
それぞれの内容を詳しく見ていきましょう。
リップル社が株式市場へ上場する可能性がある
リップル社は、株式市場への上場を目指しており、今後その可能性は十分に考えられます。
2021年5月、カンファレンス「コンセンサス」に登壇したリップル社のブラッド・ガーリングハウスCEOは、訴訟問題を受けIPO(株式上場)が行われる可能性についての明確な言及は避けました。
しかし、仮想通貨(暗号資産)関連の企業ですでに株式上場しているCoinbaseの例を挙げ、IPOへの興味は示しており、実行される可能性があることを示唆しています。
また、2022年にはシリーズC資金調達ラウンドの株を150億円分買い戻す動きもありました。これは、将来的なIPOに向けた動きではないかとされています。
IPOが行われると、知名度が向上し、資金調達が行いやすくなる点がメリットです。社会的信用も増すため、リップル社が株式上場すると、リップル(XRP)への需要の高まりから価格が上昇すると考えられるでしょう。
リップルネットの需要が高まっている
リップルネットとは、リップル社の提供するグローバル決済ネットワークを指します。
国際送金には「Swift (Society for Worldwide Interbank Financial Telecommunication)」が用いられることが一般的です。しかし、複数の金融機関に仲介され取引が進められるので、時間的・金銭的コストがかかるのが難点です。
リップルネットは、リップル(XRP)の特徴である「送金の速さ」「手数料の安さ」を活かし、国際送金を容易に行えるシステムを提供しています。利便性の高さから、BANK OF AMERICAやStandard Chartered、三菱UFJ銀行など国内外問わず活用が進んでいます。すでに300社以上の企業がリップルネットワークに参加している点に加えて、世界の外国為替市場において、約90%のシェアを占めている点から、需要の高さがうかがえるでしょう。
また、セキュリティに関するフレームワークである「SOC2(System and Organization Controls 2)」や「ISO 20022」などを採用し、ユーザーが安心して取引できる体制を整えています。常に進化し続けるリップルネットへの需要は、今後も高まると考えられるでしょう。そうなると当然、運営元のリップル社への注目も集まり、仮想通貨(暗号資産)リップルの価格上昇に期待できます。
リップル社がサイドチェーンの追加を目指している
リップル社がサイドチェーンの追加を目指している点も、リップル(XRP)の将来性に期待できるポイントです。サイドチェーンでは、親元のチェーンに機能を追加できたり、新たな独自通貨を発行できたりします。
2022年、リップル(XRP)のブロックチェーンである「XRP Ledger(XRPL)」のサイドチェーンのテスト版がリリースされました。このサイドチェーンには、EVM(Ethereum Virtual Machine)互換性があります。そのため、イーサリアムブロックチェーン上でリップル(XRP)が利用できる他、DeFi(分散型金融)の実装やDApps(分散型アプリケーション)の移植や構築が可能です。
XRPレジャーにサイドチェーンが追加されれば、より利便性が増し、参入障壁も下がるので多くのユーザーが流入するでしょう。そうなるとリップル(XRP)への関心も高まり、価格に好影響を及ぼすと予想できます。
まだ開発の見通しは完全に立っているわけではありませんが、注目に値するイベントであることは間違いありません。
有価証券訴訟の判決が有利に進んでいる
現在リップル(XRP)は、有価証券訴訟の判決待ちの状態です。この裁判は「リップル(XRP)が有価証券に値するかどうか」が論点となっています。
以前はこの裁判においてリップル側の主張が中々認められていませんでしたが、7月13日の裁判において、有価証券に値しないものとして判決が下されています。
このまま訴訟が認められず、これまでどおり仮想通貨(暗号資産)として発行され流通するなら、大きな影響なく取引が継続できるため、今後の需要増加にも期待ができます。
リップル(XRP)の課題
リップル(XRP)の将来性が明るいとする意見は先述したとおりですが、課題があるのも事実です。リップル(XRP)の課題は、以下の4つとされています。
- リップル社が保有するリップル(XRP)の数が多い
- 価格の変動幅が大きい
- 仮想通貨(暗号資産)の法整備が不十分である
実際に運用する際は、上記の項目に関連する報道やニュースを読み解く必要があります。各内容を詳しく見ていきましょう。
リップル社が保有するリップルの数が多い
リップル社の課題の一つに、リップル社自身の保有量が多い点が挙げられます。
一つの団体や組織が、多く保有するのは健全な状態とはいえません。なぜなら、急激に市場に出回り、需要と供給のバランスが崩れるリスクがあるためです。
実際にはロックアップが導入されており、大量に出回る可能性は低いものの、ユーザーにとっては不安の残るポイントです。
価格の変動幅が大きい
リップル(XRP)はボラティリティ(価格変動の度合い)が大きく、不安定に推移している点も懸念されるポイントです。
2023年当初の価格は40円台前後でしたが、6月後半には60円台後半〜70円台前半を記録しています。この部分だけ切り取って考えると、価格が1.5倍になっているので大きな利益を得られるのではと考えられるでしょう。
しかし、価格が暴落するケースも当然あります。2022年11月5日には73円台でしたが、わずか5日で48円台にまで下がっています。
さまざまな要因により価格は変動するため、正確に予想するのは仮想通貨(暗号資産)運用の上級者でも困難を極めます。これから始めようと考える人にとっては、現物取引で利益を出すのは敷居が高いかもしれません。
仮想通貨(暗号資産)の法整備が不十分である
仮想通貨(暗号資産)の法整備が、まだ不十分な点もリップル(XRP)の将来性にネガティブなインパクトを与えます。訴訟されている状態にあるのも、法整備が追いついておらず、あいまいな部分が多いためです。
リップル(XRP)のみならず、仮想通貨(暗号資産)市場が今まで以上の盛り上がりを見せるためには、関連する法整備を整え、ユーザーや事業者にメリットのある環境が構築されなければなりません。各国が、どのような規制や法整備を取るのかは定期的にチェックしておく必要があるでしょう。
リップル(XRP)の購入方法
リップル(XRP)の購入は、以下の手順に従って進めてください。
- 仮想通貨(暗号資産)取引所の口座を開設する
- 口座に日本円を入金する
- リップル(XRP)を選択し、購入する
仮想通貨(暗号資産)取引所の口座開設にあたって、本人確認を行う必要があります。パスポートや運転免許証など、身分を示すものを準備してください。
リップル(XRP)は、国内仮想通貨(暗号資産)取引所での取り扱いが多いので購入しやすい銘柄ですが、取引所によって最低購入金額や手数料は異なります。事前に詳細を確認した上で、取引所を選ぶようにしましょう。
まとめ
リップル(XRP)は仮想通貨(暗号資産)では珍しく、リップル社によって発行・管理される中央集権型の仮想通貨(暗号資産)です。承認方法にはPoCが用いられており、低コストかつ高速なトランザクションの処理が実現しています。国際送金の現場での活用が進んでおり、2024/11/23時点で時価総額ランキング第6位と注目度の高さがうかがえます。
リップルネットへの参加企業は増加傾向にあり、サイドチェーンの開発やアップデートにより機能が向上すれば、さらなる需要増加が期待できるでしょう。
一方で、リップル社の保有数が多かったり、有価証券訴訟の判決待ちであったりと不安な点も残ります。関連するニュースや報道を日頃からチェックし、どのように価格推移するのかに注目しておきましょう。
なお、本記事ではリップル(XRP)の特徴や将来性、解決するべき課題などを解説しました。仮想通貨(暗号資産)初心者なら、よりメジャーな銘柄をレンディングで安全に運用するのも一つの選択肢です。
レンディングとは、保有する仮想通貨を第三者に貸し出すことで、利息を得られる運用手法です。チャートや市場動向を頻繁にチェックする必要はないものの、銀行預金よりも高い利率で運用できる点が魅力です。
暗号資産レンディングサービスのBitLendingでは、以下の銘柄を表記の利率で運用できます。
ビットコイン
BTC
8%
イーサリアム
ETH
8%
リップル
XRP
6%
USテザー
USDT
10%
USDコイン
USDC
10%
ダイ
DAI
10%
キンカゴールド
XNK
4.5%
本記事でご紹介したリップル(XRP)に加え、ビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)などのメジャーな銘柄はもちろん、価格が安定して推移するステーブルコインも取り扱っています。仮想通貨(暗号資産)運用に少しでも不安を感じる方は、ぜひプロの手によるレンディングをご検討ください。