今週のビットコイン

今週のビットコイン

今週のビットコイン市場の見通しをまとめています。先週のマーケットの振り返りや、今週の経済イベントについても注目ポイントを明らかにして、トレード戦略の組み立てをサポートしています。

BTCはまだ底を探るのか? 利下げ期待後退とアーサー・ヘイズ25万ドル予想を検証|週間ビットコイン予想 2025.12/01-07

2025.12.01

直近のBTC急落と相場環境

本コラムの執筆後、本日朝からビットコイン(BTC)が大きく下落し、「利下げ期待一辺倒」だったムードにやや変化が生じています。急落の直接的な原因を現時点で特定するのは早計ですが、米長期金利の反発観測や「利下げペースは当初想定ほど速くないのではないか」といった見方の広がり、前週までの上昇局面で積み上がっていたポジションの利益確定売りに加え、ストップロス注文も巻き込んだことで、BTCは前週までの上昇分を巻き戻すような調整局面に入っていると考えられます。

もっとも、今回の下落は、前週まで続いてきた利下げ期待を背景としたリスク資産全体の上昇が行き過ぎていたことに対する「反動」とも解釈できます。本稿では、先週の米国金融市場と暗号資産市場の動きを振り返りつつ、本日朝の急落も踏まえて「BTCはまだ底を探るのか」という視点から、アーサー・ヘイズ氏の年末25万ドル予想がどのような前提に立っているのかを検証していきます。

先週の米国金融市場と暗号資産市場の動き

先週の米国金融市場は、前週末から続く追加利下げ観測が経済指標の結果によってさらに強まり、債券市場・株式市場ともに堅調な展開となりました。長期金利の低下と株高という「リスクオン」の組み合わせが進んだことで、暗号資産市場でもBTCを中心に、下値を固めながら週末にかけてじり高となる動きが目立ちました。

11月24〜28日:米株高・利下げ期待とBTCの推移

11月24日(月)は、前週のウィリアムズNY連銀総裁による追加利下げの可能性を示唆したコメントを好感するムードが続き、NY株式市場は堅調にスタートしました。さらに、デーリーSF(サンフランシスコ)連銀総裁による利下げ期待を後押しするコメントも加わり、3指数とも大きく上昇しました(NYダウ平均 +202ドル、S&P500 +102ポイント、NASDAQ +598ポイント)。
暗号資産市場でもBTCが86,800ドル(約1,360万円)近辺から始まり、89,000ドル台(約1,400万円手前)をトライする動きを見せ、最終的には88,300ドル(約1,385万円)近辺で取引を終えました。

11月25日(火)には、9月分の小売売上高が発表され、前月比 +0.2%と市場予想の +0.4%を下回る結果となりました。加えて、11月のCB(コンファレンスボード)消費者信頼感指数は88.7と発表され、前月比 -6.8ポイントの大幅低下となりました。こうした弱めの指標を受けて「景気の減速 → 利下げ観測強まり」という構図が意識され、株式市場では3指数が続伸しました。
一方で、IT・ハイテク株はやや伸び悩み、その影響もあって暗号資産市場では上値が重い展開となり、BTCは87,000ドル台(約1,370万円台)での推移にとどまりました。

11月26日(水)は、前日に報道された「METAがグーグルのAI半導体の採用を検討している」というニュースを材料に、株式市場はリスク選好の流れが続き、3指数とも3日連続の上昇となりました。長期金利の指標である米国10年国債利回りも3.99%と4.0%を下回り、利下げムードが継続していることを示しました。
暗号資産市場も株高・金利低下の流れを受けて堅調な値動きとなり、BTCは一時92,000ドル(約1,440万円)近くまで買われる場面がありました。その後はやや伸び悩みつつも、91,300ドル台(約1,430万円近辺)で取引を終えました。

11月27日(木)は感謝祭の祝日であったため、米金融市場は休場となりました。現物・先物ともに取引参加者が限られる中で、BTCはやや利食い売りに押されつつも91,000ドル台(約1,400万円台)で推移し、最終的には91,300ドル(約1,430万円近辺)でおおむね横ばいの一日となりました。

11月28日(金)は、米金融市場が短縮取引だったこともあり全体として薄商いとなりましたが、利下げムード自体は継続し、株式市場は堅調な地合いで週を終えました。
暗号資産市場では、株高を背景にBTCが一時93,000ドル台(約1,450万円台)まで買われる場面もありましたが、その後は利食い売りに押され、最終的には91,900ドル(約1,420万円)近辺で週末を迎える形となりました。

アルトコインの動きも、週を通じてほぼBTCと同じような展開となりました。ETH、XRPともに毎日上値を試す動きを見せ、28日(金)にはそれぞれ48.4万円近辺、356円近辺まで上昇しましたが、BTC同様に週末にかけて利食い売りが出て、それぞれ47.4万円近辺、340円前半で週末を迎えています。

このように、先週までは「利下げ観測の強まり → 株高・金利低下 → BTCを含むリスク資産の上昇」という分かりやすい構図が続いていましたが、本日朝からの急落は、利下げ期待がやや後退した局面でのポジション調整としても読み解くことができます。

今週の主な経済指標とイベント

今週は、発表が遅れていた経済指標を含め、マーケットの方向性を左右しうる重要指標が目白押しです。特に、利下げ期待が後退したタイミングでこれらの指標がどのような結果になるかは、BTCを含むリスク資産の方向性を占ううえで非常に重要なポイントとなります。

また、発表日未定のものとして、米国では遅れていた以下の経済指標の公表が予定されています。

  • 住宅着工件数 9月・10月
  • 新築住宅販売件数 9月・10月
  • 消費者物価指数(CPI)10月
  • 鉱工業生産指数 9月・10月
  • 設備稼働率 9月・10月
  • 貿易収支 9月
  • 雇用統計 10月
  • JOLTS 求人件数 9月
  • 耐久財受注 9月・10月

なお、次回FOMCの開催日は12月9日(火)〜10日(水)となっており、今週公表される各種指標の結果を材料に、来週のFOMCで今後の金融政策が議論される流れとなります。

雇用統計・PCE・FOMCがBTCに与える影響

今週は、先送りされていた指標も含めて数多くの経済指標が発表されますが、なんと言っても12月5日に予定されている11月雇用統計個人消費支出(PCE)価格指数に注目が集まります。

2つを比較すると、足元のFRB(米連邦準備制度理事会)にとっては雇用統計の方が「景気の強さ」や「どこまで利下げ余地があるか」を測るうえで重要と考えられます。一方で、PCEはインフレ指標として金融当局が最も重視する物価指標であり、その結果次第では「利下げペースを早められるか / 逆に慎重にならざるを得ないか」という判断材料にもなってきます。

これらの指標の結果を踏まえ、翌週に開催されるFOMCでは、

  • 利下げ開始のタイミング
  • 利下げのスピード(1回ごとの幅・回数)
  • どの水準まで政策金利を引き下げるのか(ターミナルレートのイメージ)

といった点が議論されることになります。

コラム執筆時点では「今の情勢は追加利下げに傾いており、今週の金融市場は来週のFOMCまで利下げムードを続けていく」と見込まれていましたが、本日朝からのBTC急落は、利下げ期待が一方的に織り込まれすぎていた反動や、一部投資家の間で利下げペースを見直す動きが出ている可能性を示唆しているとも言えます。

暗号資産市場は、こうした金融市場全体の動き、とりわけ株式市場のIT・ハイテク株の動向に敏感に反応してきました。先週までの動きだけを見れば「下値を固めながら上値を試す展開」が続いていましたが、本日の急落によって、改めて「本当に底を打ったのか、それともまだ底を探る過程なのか」が問われる局面に入ったと見ることもできます。

WebXに登壇するアーサーへイズ氏

出典:WebXに登壇するアーサーへイズ氏|Iolite「WebX2025」徹底レポート

アーサー・ヘイズ25万ドル予想と2026年相場への視点

かねてよりBTCの価格予想で強気姿勢を崩していないアーサー・ヘイズ氏は、先週11月27日に「BTCの年末予想価格を25万ドル」として、従来からの予測を改めて維持しました。ヘイズ氏は、先週ビットコインが一時8.2万ドル台まで下落した局面を「底値」と位置づけ、その後9.2万ドル台まで急反発したことが、この見方を裏付けていると述べています。

彼は「BTCはすでに底を打っており、ここから上昇できるだろう」とコメントしており、短期的なボラティリティよりも、金融緩和(利下げ)方向への大きな流れや、2026年に向けた暗号資産市場の構造的な拡大を重視していると考えられます。本日朝の急落は、こうした強気シナリオに対する不安を呼び起こす動きではありますが、ヘイズ氏のような長期強気派にとっては「ボラティリティはあくまで通過点」と見る向きも多いでしょう。

ヘイズ氏に限らず、今後のBTCについて上昇を見込む市場参加者は少なくありません。機関投資家の参入余地、規制環境の整備、金融政策の転換といった要因が重なれば、2026年から新たな暗号資産相場の幕開けにつながるとの見方も根強く存在します。

足元では、本日朝の急落に象徴されるように「利下げ期待の後退」と「ポジション調整」が交錯し、短期的には不安定な値動きが続く可能性があります。しかし、中長期で見れば、利下げサイクルや暗号資産の普及がBTCに追い風となるシナリオも依然として有力です。
12月の相場は、「本当に底を打ったのか」「ヘイズ氏の25万ドル予想がどこまで現実味を帯びるのか」を見極めるうえで、非常に重要であり、今後の暗号資産市場を占う試金石となるでしょう。

《参考サイト》

低価格&高機能な業務改善プラットフォームFlexCRM

 BTC / JPYのモメンタム 

モメンタムメーターは、それぞれ[30分足・4時間足・日足・週足]の4つの時間軸に対応しており、投資スタイルや分析目的に応じて柔軟に相場のモメンタムを確認することができます。

移動平均(MA)やRSI、MACDなど、代表的な複数のテクニカル指標を自動的に分析し、現在の相場に対して、いくつの指標が「売り」または「買い」のシグナルを出しているかを示しています。

30分足
[BTC / JPY]

4時間足
[BTC / JPY]

日足
[BTC / JPY]

週足
[BTC / JPY]

BTC積立企画

2023年6月から月毎に10万円分の暗号資産を実際に積み立てていき、そのポートフォリオを公開する企画です。ビットコイン(BTC)、イーサリアム(ETH)、日本の取引所でも取り扱われており、米ドルとペッグ(連動)するステーブルコインであるダイ(DAI)を対象としています。

これまでの暗号資産積み立ての状況
Accumulation Status

[期間:2023.06.05 〜 2025.12.06]

ポートフォリオの現在の資産価値
 円

含み益(現在の資産価値 - 合計積立金額)
 円

利益率
%

積み立て回数
16 回

合計積立金額
1,600,000 円

ポートフォリオの構成

    ポートフォリオ

    銘柄 シンボル 対円レート 保有数量 日本円換算 構成比
    ビットコイン BTC [BTC/JPY] 0.1523 BTC %
    イーサリアム ETH [ETH/JPY] 1.8884 ETH %
    ダイ DAI [DAI/JPY] 80 DAI %
    横スクロール(フリック)でご確認いただけます>>

    過去記事アーカイブ