暗号資産市場の動向(先週の振り返り)

先週の暗号資産市場は、中東情勢に左右される状況が続き、安心感と緊張感の狭間で難しい動きとなりました。

16日(月)は前週のリスクオフムードから中東情勢の安心感が広がり、米国株式市場は堅調な戻りを見せて、NYダウ平均で+317ドル高となりましたが、週央にFOMC を控え上値をトライするまでの動きとはなりませんでした。BTC もこの動きに同調する展開で一時、109,000ドル(約1,575万円)近辺まで上昇する場面も見られましたが、その後の上値は重く106,000ドル台半ば(約1,540万円台半ば)まで戻されています。

17日(火)は再度中東情勢に緊迫感が広まり、原油価格が1バレル75ドル台へ急伸するなどの動きとなり、NYダウ平均は299ドル安と3市場ともに下落しました。BTCもリスクオフムードから104,000ドル台半ば(約1,520万円台)へ下落しました。

中東情勢とBTCの値動き

18日(水)になると中東情勢での外交的解決への期待から株式市場では一時買い戻しも見られましたが、FOMC後のパウエルFRB議長の発言が関税によるインフレへの警戒を強めている事を嫌気し、ほとんど横ばいの動きとなりました。

19日(木)はジューンティーンスの祝日で休場となり、BTCも動きはありませんでした。

20日(金)になると中東情勢への外交的解決への期待から株式市場は落ち着いた動きとなりましたが、トランプ大統領による中国への半導体規制の強化検討のニュースで株式市場は伸び悩みました。一方、BTCは株式市場の動きを見て上値の重い状況となり、103,000ドル台(約1,510万円台)で週を終えています。

ETH・XRPの値動きと最新動向

ETH(イーサリアム)およびXRP(リップル)は週初、やや堅調な値動きを見せたものの、週を通じて方向感のない展開となりました。ただ週末にはBTC同様、上値の重さが鮮明となり、ETHは35万円台前半、XRPは310円台で週を終えています。

ETHについては、米国での現物ETF承認後に予想されていた大規模資金流入がやや鈍化しているものの、DeFi(分散型金融)やL2ソリューションへの関心が高まりつつあり、長期的にはユーティリティの拡張が期待されます。一方、XRPは、米SEC(証券取引委員会)による規制強化の影響が後退しつつあり、決済分野でのユースケース強化や新たなパートナーシップの発表が投資家の関心を集めています。

こうしたファンダメンタルズの改善が、ボラティリティが高い中でも中長期的に両通貨のサポートとして働く可能性があります。ただ、短期的には中東情勢などのマクロ要因が相場全体の重しとなるため、次週以降も引き続き相場の動向とニュースフローを慎重に見極める姿勢が求められます。

週末の影響と今後の警戒ポイント

ただ21日(土)米国がイランの核施設3カ所を攻撃したことからリスクオフムードが広がっており、BTCが一時10万ドルを割れ、その後も10万ドル近辺での動きを続けており、今後の展開には警戒が必要な状況となっています。

週末の影響と今後の警戒ポイント

週末の市場では、21日米国がイランの核施設3カ所を攻撃したとのニュースが流れたことで、一気にリスクオフムードが広がりました。これにより、安全資産への資金シフトが進む中、BTC(ビットコイン)は一時10万ドルを割り込み、投資家心理の冷え込みが鮮明となりました。その後も10万ドル近辺で神経質な値動きが続いており、市場全体に警戒感が漂っています。

今回の攻撃は、中東全域の地政学的リスクを一段と高めるものであり、今後イランによる報復行動や域内の緊張拡大が現実のものとなれば、暗号資産市場だけでなく株式・債券・原油市場も大きく揺さぶられる可能性があります。特に、エネルギー価格の急騰がインフレ圧力を強め、金融政策の見通しにも波及することが懸念されています。

暗号資産市場においては、米国の対イラン政策の動向や国際社会の対応、中東情勢の落ち着き具合が、今後の相場の鍵を握ると言えます。現状では、リスクオフの流れが継続する可能性が高く、短期的には下値を模索する展開となるリスクもあり、投資家は相場の急変動に備えた慎重な対応が求められる状況です。

今週の経済イベントカレンダー
Calendar of Economic Events This Week

曜日日本時間経済イベント重要度
6 23 17:00 欧州 ユーロ圏製造業・サービス業PMI6 月(購買担当者景気指数) ★★★☆☆
6 23 22:45 米国 製造業・サービス業PMI6月(同上) ★★★★★
6 23 23:00 米国 中古住宅販売件数5月 ★★★★☆
6 24 21:30 米国 第1 四半期経常収支 ★★★★☆
6 24 22:00 米国 S&P ケースシラー住宅価格指数4月 ★★★☆☆
6 24 23:00 米国 リッチモンド連銀製造業指数6月 ★★★☆☆
6 24 23:00 米国 コンファレンスボード(CB)消費者信頼感指数6 月 ★★★★☆
6 25 23:00 米国 新築住宅販売件数5月 ★★★★☆
6 26 21:30 米国 第1 四半期実質GDP ★★★★☆
6 26 21:30 米国 新規失業保険申請件数6/8-6/14 ★★★☆☆
6 27 21:30 米国 個人消費支出(PCE)価格指数5 月 ★★★★☆
6 27 23:00 米国 ミシガン大学消費者信頼感指数6 月 ★★★☆☆
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インフレ指標(PCE)とその他重要指標の動向

今週は週末にPCE(個人消費支出)価格指数の発表があり、金融当局が最も注目するインフレ指標になります。先週FOMCで政策金利の据え置きを決定しましたが、関税政策の影響が出てきているのか注目される点となります。また、今年に入って注目度が高まっているCB(コンファレンスボード)とミシガン大学の消費者信頼感指数そして同時に発表される期待インフレ率が注目されます。こうしたインフレ指標の動向は、次の利下げが実施されるのか重要な参考データとなります。

その他経済指標と中東情勢の影響

今週は他にも経済指標は数多く発表がありますが、インフレ指標の注目度が高いと考えられます。またイベントではありませんが、金融市場および暗号資産市場への影響は中東情勢の動向が最も大きいと考えられます。

今回、トランプ大統領がイランへの攻撃を決定し実行した事でイランによる米国への報復攻撃が開始されると考えられ、イスラエルの攻撃で始まってしまった紛争がどこまで拡大してしまうのか心配されます。

投資家への注意喚起

今週も基本は中東情勢の動きがポイントとなって展開されると思われますので、投資家の皆さんにおかれましては、この紛争の展開に十分に注意をしていただきたいと思います。

現在、暗号資産市場は中東情勢を受けてリスクオフムードが強まっており、上値の重い状況です。下値不安も高まり、価格の推移を注視していただくようお願いいたします。

BTC積立企画

2023年6月から月毎に10万円分の暗号資産を実際に積み立てていき、そのポートフォリオを公開する企画です。ビットコイン(BTC)、イーサリアム(ETH)、日本の取引所でも取り扱われており、米ドルとペッグ(連動)するステーブルコインであるダイ(DAI)を対象としています。

これまでの暗号資産積み立ての状況
Accumulation Status

[期間:2023.06.05 〜 2025.06.30]

ポートフォリオの現在の資産価値
 円

含み益(現在の資産価値 - 合計積立金額)
 円

利益率
%

積み立て回数
16 回

合計積立金額
1,600,000 円

ポートフォリオの構成

    ポートフォリオ

    銘柄 シンボル 対円レート 保有数量 日本円換算 構成比
    ビットコイン BTC [BTC/JPY] 0.1523 BTC %
    イーサリアム ETH [ETH/JPY] 1.8884 ETH %
    ダイ DAI [DAI/JPY] 80 DAI %
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