暗号資産市場の概況(先週)

先週の暗号資産市場は、週末に発表される雇用統計の結果を控えて、他に発表された経済指標の結果にはほとんど反応を示す事がなく、トランプ政権による対中国との関税交渉やロシアとのウクライナ紛争に関する交渉の経過状況を注視する動きとなり、やや上値の重い展開から週央には下値に振れ、BTCにおいては10万ドル近くまで下落する場面もありました。

しかし週末の雇用統計の結果発表後、株式市場の反発からBTCを中心に値を戻す展開となりました。

主要通貨の値動き

BTCの動きとしては、6月2日(月)は105,000ドル台半ば(約1,520万円程度)から始まり、対中国関税交渉への緊張感が高まったことで下落する場面もありましたが、値を戻しました。翌3日(火)になると米中首脳会談の開催決定の発表を受けて、106,000ドル台半ば(約1,540万円近辺)へ反発しましたが大きく伸びるには至らず、4日には104,000ドル台半ば(約1,500万円近辺)となりました。

5日(木)になるとさらに上値の重さが見られ、10万ドル近辺(約1,440万円程度)まで下落しています。6日(金)に雇用統計の発表があり、104,300ドル(約1,510万円)程度で週を終えました。

ETHとXRPも同じような展開で、ETHが2,540ドル(約36.7万円)程度、XRPが2.15ドル(約310円)程度で週を終えています。

トランプ政権の金融政策

米国金融市場の動向

米国金融市場は、暗号資産市場同様にトランプ政権の動向を注視し、左右される展開が続きました。

3日は米中首脳会談開催決定の報を受けて、株式市場はNYダウ平均が+214ドル、S&P500が+34、NASDAQが+156と上昇しましたが、同日のJOLTS求人件数で解雇の増加が見られ、4日(水)のISM非製造業PMIが49.9と予想を下回って50を切ったことなどから、株式市場は軟調な動きとなりました。

6日の雇用統計の発表結果で、非農業部門就業者数が予想の12.6万人を上回る13.9万人増、失業率も4.2%と前月と変わらず、米国景気の底堅さを確認したことで株式市場に安心感が広がり、NYダウ平均が+443ドル、S&P500が+61、NASDAQが+231と大きく反発して週を終えています。

ただし、米国10年国債利回りは4.51%と4.5%台へ乗せ、金融当局による利下げは遠のいたと見られています。

今週の経済イベントカレンダー
Calendar of Economic Events This Week

曜日日本時間経済イベント重要度
6 9 08:50 日本 2025 年第1 四半期実質GDP ★★★☆☆
6 9 08:50 日本 国際収支(経常収支、貿易収支)4 月 ★★★☆☆
6 9 10:30 中国 生産者物価指数(PPI)、消費者物価指数(CPI)5 月 ★★★☆☆
6 9 12:00 中国 貿易収支5 月 ★★★☆☆
6 11 21:30 米国 消費者物価指数(CPI)5 月 ★★★★☆
6 12 21:30 米国 生産者物価指数(PPI)5 月 ★★★☆☆
6 12 21:30 米国 新規失業保険申請件数 6/1-6/7 ★★★☆☆
6 13 23:00 米国 ミシガン大学消費者信頼感指数6 月 ★★★★☆
6 15(日)-17(火) 国際 G7 サミット(先進7 カ国首脳会議)
カナダ/カナナスキス
★★★★★
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今週の経済指標の発表では、日本の第1四半期実質GDPと国際収支、中国の物価指標と貿易収支の発表があり、どちらも米国の関税政策との兼ね合いで注目されるものとなります。

また米国でも、12日(木)の消費者物価指数(CPI)、13日(金)の生産者物価指数(PPI)が発表され、先週確認された米国景気動向の底堅さとともに、金融当局の利下げに対する指標として注目されます。

さらに、13日に発表されるミシガン大学消費者信頼感指数では、消費者が感じている期待インフレ率に注目が集まります。現時点での米国金融市場の利下げに対する期待は、先週の状況から米国景気の底堅さにより遠のいた感覚が広まっていますが、今週の物価や期待インフレ率の結果によって変化が見られるかもしれません。

今後の注目点と市場の見通し

米国金融市場および暗号資産市場の動きは、今週もトランプ政権による関税問題への取り組み状況がポイントになると考えられ、9日(月)にロンドンで開催される米中閣僚会議の結果が最も注目されるのではないでしょうか。

また、来週開催予定のG7サミット(先進7カ国首脳会議)に向けたトランプ政権による関税問題やウクライナ支援とロシア制裁に関する話題にも注目することになります。

一方で、以前から株式などの暴落と、金銀およびBTCの推奨をしている「金持ち父さん貧乏父さん」の著者ロバート・キヨサキ氏が先週再度、2025年夏にかけて株式・債券・不動産の暴落があると予想し、金・銀・BTCを推奨しているのが注目されます。

最近、米国の大手金融機関では割高だとしていた米国株式市場の今後の見通しを訂正し、株式市場はさらに上値を目指すとコメントをしています。関税政策の先行きが不透明かつ、米国経済の見通しがはっきりしない中で、判断が難しくなってきています。

また政権を離れたイーロン・マスク氏はトランプ政権に対する批判を強め、今後の政権運営に対して大きな障害となってきそうです。

今後の方向感が全く見えない不透明な状況で、投資家の皆さまには市況の展開に十分に注意を払っていだだければと思います。

BTC積立企画

2023年6月から月毎に10万円分の暗号資産を実際に積み立てていき、そのポートフォリオを公開する企画です。ビットコイン(BTC)、イーサリアム(ETH)、日本の取引所でも取り扱われており、米ドルとペッグ(連動)するステーブルコインであるダイ(DAI)を対象としています。

これまでの暗号資産積み立ての状況
Accumulation Status

[期間:2023.06.05 〜 2025.06.30]

ポートフォリオの現在の資産価値
 円

含み益(現在の資産価値 - 合計積立金額)
 円

利益率
%

積み立て回数
16 回

合計積立金額
1,600,000 円

ポートフォリオの構成

    ポートフォリオ

    銘柄 シンボル 対円レート 保有数量 日本円換算 構成比
    ビットコイン BTC [BTC/JPY] 0.1523 BTC %
    イーサリアム ETH [ETH/JPY] 1.8884 ETH %
    ダイ DAI [DAI/JPY] 80 DAI %
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