先週の暗号資産市場は、金融市場とともに12月17日-18日に開催されたFOMC(連邦公開市場委員会)の結果に左右される展開となり、大きく揺れ動くものとなりました。

BTCの週初の動きとトランプ氏の発言の影響

16日にBTCが1,600万円程度から始まり、CNBCのインタビューを受けたトランプ氏が「戦略的ビットコイン備蓄」の実現に向けて意欲を見せたことから1,600万円台半ばまで上昇しました。

翌17日には1,665万円まで上昇しましたが、FOMCへの警戒感もあり、その後は上値の重い展開となりました。

18日にFOMCの結果が発表されると予想通りに政策金利は0.25%の引き下げとなりましたが、経済見通しの内容で「来年の金利引き下げ回数」が前回の4回から2回へ減少し、さらにパウエルFRB議長の発言がかなりタカ派的であったことから、債券市場で米国10年国債利回りが4.5%台へ大きく上昇しました。

こうした動きを受けて株式市場は大きく下落し、暗号資産市場でもBTCが1,550万円近辺まで急落するなど全面安の展開となりました。

暗号資産市場では、その後も地合の好転はなく軟調な展開が続き、BTCが1,540万円近辺、ETHが54万円台半ば、XRPが337円台前半で週を終えています。

米国連邦準備銀行

FOMC発表後の株式市場の急落

12月16日(月)に発表されたNY連銀製造業景気指数12月が前月比-31と大きく悪化したことや米国購買担当者景気指数(PMI)12月が総合では51.0と5ヶ月ぶりの高水準となったものの、内訳で製造業が48.2と-1.2悪化した事などにより株式市場が軟調な展開となりました。

18日(水)のFOMCの結果が発表されると前述したように株式市場は大幅な下落となり、NYダウ平均が1,123ドル安、S&P500が178ポイント安、NASDAQが716ポイント安で、NYダウ平均は10日連続安を記録しました。

20日(金)に金融当局が注目している米国個人消費支出価格指数(PCE)の発表があり、総合指数とコア指数がともに+0.1%とどちらも+0.2%であった市場予想を下回り、金融当局にとって好ましい結果であったことから漸く反発をして週を終えています。

今週も23日(月)にコンファレンスボード消費者信頼感指数や26日(木)に新規失業保険申請件数の発表があり、金融当局が注目すると思われますが、週半ばにクリスマスがあり、お休みムードが高まることから金融市場・暗号資産市場ともに先週の地合を引き継ぐような展開で、やや軟調な中でのもみ合いとなるのではないでしょうか。

ただ株式市場・暗号資産市場ともに11月の大統領選挙後に大きく上昇しているだけに、利益確定に向けた売却の動きが強まることも考えられますので、下値には十分に注意が必要と考えます。

トランプ大統領が暗号資産に対して積極的な政策を打ち出し始めたことで、11月末ごろからビットコインのドミナンスが大きく低下し、アルトコインへの資金流入が加速しています。

2024年に投資家の注目を集めたアルトコインを特集した記事をご用意しましたので、ぜひ合わせてご覧ください。

クリスマス年末年始とビットコイン

早いもので今回の記事が今年の最後の掲載となってしまいました。

今年はBTCを中心に暗号資産市場に対する認知度が大きく上がった年になったのではないでしょうか。BTCは2023年末円ベースで600万円程度でした。2024年に入り1月は値固め的な動きでしたが、2月に入ると騰勢を強め3月に1,000万円台に上昇しました。

その後、7月中旬まで1,000万円の攻防を続け、夏場に750万円程度までの調整局面を迎えました。9月に入ると米国大統領選挙の話題が盛り上がり始め、トランプ氏による暗号資産への支援への期待からBTCは上昇を始めました。そして大統領選挙でトランプ氏の当選が決まるとトランプ氏の政策に対する具体的な期待感が強まり1,500万円台へ上昇しました。

BTCにとっては記念すべき10万ドルの大台が示現された年になりました。

トランプ氏の政策はこれから具体化していきますが、暗号資産に対する認知度、信頼度は大きく上昇しており、トランプ氏の考え方を模倣して国や企業で暗号資産を保有しようとする動きまで出てくるようになりました。

来る2025年は、大国である米国が暗号資産に対して政策として支援を強め始める画期的な年となります。BTCをはじめとする暗号資産の価格がどのような展開になるのか想像もつきませんが、少なくとも今までとは違ったバックボーンのある価格の動きになっていくと考えられます。すでに暗号資産を保有していらっしゃる投資家のみなさまにおかれましては、さらに強い意志を持って保有を続けていただければと思います。

読者のみなさまには、この1年間ご愛読をいただき、ありがとうございました。
来年も引き続きよろしくお願い申し上げます。

         

今週の経済イベントカレンダー
Calendar of Economic Events This Week

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曜日日本時間経済イベント重要度
12 23 22:30 米国 耐久財受注11月 ★★★★☆
12 23 24:00 米国 コンファレンスボード(CB)消費者信頼感指数12月 ★★★★☆
12 23 24:00 米国 新築住宅販売件数11月 ★★★★☆
12 24 24:00 米国 リッチモンド連銀製造業景気指数12月 ★★★☆☆
12 25 終日 米国 クリスマス(アメリカ休場) ☆☆☆☆☆
12 26 22:30 米国 新規失業保険申請件数12/15-21 ★★★☆☆
12 27 08:30 日本 鉱工業生産指数11月 ★★★☆☆

これまでの暗号資産積み立ての状況
Accumulation Status

[期間:2023.06.05 〜 2024.12.23]

2023年6月から月毎に10万円分の暗号資産を実際に積み立てていき、そのポートフォリオを公開する企画です。ビットコイン(BTC)、イーサリアム(ETH)、日本の取引所でも取り扱われており、米ドルとペッグ〔連動〕するステーブルコインであるダイ(DAI)を対象としています。

ポートフォリオの現在の資産価値

含み益(現在の資産価値 - 合計積立金額)

利益率
%

積み立て回数
16

合計積立金額
1,600,000

ポートフォリオの構成

    ポートフォリオ

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    銘柄 シンボル 対円レート 保有数量 日本円換算 構成比
    ビットコイン BTC [BTC/JPY] 0.1523 BTC %
    イーサリアム ETH [ETH/JPY] 1.8884 ETH %
    ダイ DAI [DAI/JPY] 80 DAI %