今週のビットコイン市場のポイント
2024.6/10 〜 16

暗号資産積立ポートフォリオについて


毎月一度、10万円分の暗号資産を購入し積み立てていきます。

購入する銘柄は「ビットコイン」と「イーサリアム」、そして米ドルペッグ通貨である「ダイ」の中から選択します。積立ポートフォリオはマーケットの動向に対して最適となるよう銘柄の構成比を調整していきます。


先週のビットコイン市場の振り返り

米国経済は硬軟織り交ぜた展開

先週の米国金融市場は、週末に米国労働省の発表する雇用統計を控える中、慎重な展開が続くかと思われましたが、製造業や非製造業に関するデータ発表が相次ぎ、硬軟織り交ぜた展開でしたが、週央まで比較的堅調な地合となりました。

週初6月3日(月)にはISM製造業景気指数が発表され、48.7と2ヶ月連続で50を下回り、前回の49.2や予想の49.6をも下回る結果となりました。今回の要因としては新規受注が前月の49.1から45.4と大幅に低下したのが全体へ影響を与えています。また受注残も前月の45.4から42.4と減少しており、今後の生産減少の可能性を示唆するものとなっています。

一方、6月5日(水)にはISM非製造業景気指数も発表され、こちらは前月の49.4から53.8と大きく上昇し、昨年1月以来の大幅な上昇となりました。予想の51も大きく上回っています。また同日にはPMI(購買担当者景気指数)5月の発表もあり、54.5とこちらも昨年4月以来の高水準を記録しました。サービス部門の堅調さが牽引しています。

このように製造業では景気の鈍化を示す一方で、非製造業特にサービス部門での堅調さが認められる結果となっています。

また5日にはADP(オートマティック・データ・プロセッシング)のデータを利用した米国非農業部門就業者数の予測統計5月が+15.2万人と発表され、前月(4月)の+18.8万人から鈍化しました。週末の雇用統計を意識していた金融市場は、この結果に反応して利下げ期待が高まり、株式市場ではS&P500が+62、NASDAQが+330と3指数とも上昇しました。また債券市場では米国10年債利回りが4.29%へ低下しています。

こうした金融市場の展開の中で6月7日(金)に米国労働省から雇用統計5月が発表されました。注目された非農業部門就業者数は+27.2万人と前月の+16.5万人や予想の+18万人を大きく上回る結果となりました。また失業率も4.0%と前月や予想の3.9%を上回りました。さらに平均時給が前月比+0.4%、前年同月比+4.1%となり、前月の+0.2%と+4.0%から伸びが加速する結果となっています。予想の+0.3%と+3.9%も上回りました。特に前月比は年率では+4.9%で前月の+2.8%から大幅な上昇を示しています。

雇用統計の発表を受けて、金融市場では株式は下落し、債券市場では米国10年債利回りが%へ大きく上昇しました。

ビットコイントレーディングのイメージ

ビットコインの価格変動のメカニズムの変化

このような金融市場の動きに対して、暗号資産市場も同様の動きを示しました。ビットコイン(BTC)は週初1,080万円前後から始まり、5日には1,100万円台まで上昇し、最終的に1,090万円前後で週を終えました。イーサリアム(ETH)やリップル(XRP)も同様の展開を見せ、ETHは60万円前後、XRPは82円台半ばで週を終えています。

ビットコイン現物ETFが2024年1月に米国で初めて承認された後、わずか数ヶ月で97億ドルの資金が流入しました。これにより、ビットコインが伝統的なアセットと同様にポートフォリオに組み込まれることになり、ビットコイン価格は金融市場全体の影響を受けやすくなっています。具体的には、米国の金融市場でリスクオフの動きが強まると、ビットコイン価格も同様に下落する傾向があります。

このように、ビットコインや暗号資産マーケットの価格変動のメカニズムに変化が起き始めていることに注意が必要です。ビットコインが伝統的な金融資産と同じポートフォリオに組み込まれることで、他の金融市場との連動性が増し、経済指標や政策変更に対する感応度が高まっています​

スタグフレーション

今週の注目の経済イベント

今週は米国で5月の消費者物価指数の発表とFOMCの開催が予定され、日本では国力を図る国際収支や実質GDPの発表などと日本銀行の金融政策決定会合が開催されます。 日米で重要な経済指標の発表と両国で金融政策に関する会合がある重要な週になります。

米国金融当局はインフレの動向を見極めるために、暫くはこの金利水準を維持していく考えのはずです。ただ先週発表された経済指標を見ると、製造業を中心に景気後退のサインが見え始めており、一方で平均時給の上昇などサービス業を中心としたインフレの動きはなかなか静まりそうにない様子も見えるようです。

米国の景気後退は来そうだが、インフレは経済成長ほど減速しそうにない、これは景気後退とインフレが同時に来るスタグフレーションの兆候と見ることになりそうです。

米国の金融当局は、金融を緩和して経済成長を支え、インフレを再燃させてしまうのか。あるいは金融緩和をせずに景気後退を受け入れるのか、選択をする時期が迫っているように考えられます。今回のFOMC後のパウエル議長の記者会見で年内の利下げの時期や回数だけでなく、こうした事への対処をどのように説明していくのか大変注目されるところになります。

 また日本銀行は、FOMC直後の開催となり、米国金融当局の今後のスタンスをもとに議論を深めることになりますが、「今後の追加利上げをいつどのように行うのか。そして国債買い入れ減額をどのように行うのか。」について円安環境が続く中でどのように議論の結果が出されるのか注目されるところとなります。

ビットコイン

今週のビットコイン・暗号資産マーケットの見通し

今週は日米の金融政策決定会合が予定されており、これらの会合に向けて金融市場は堅調ながらも比較的おとなしい動きとなると予想されます。米国では、先週の雇用統計の結果を受けて、日銀は利上げ期待が高まる一方で、金融緩和政策を維持する可能性が高いと見られています。こうした金融政策の動向が市場に与える影響に注目が集まります。

ビットコイン市場の今週の展開

ビットコイン市場も、先週同様に金融市場の動向を注視しながらの展開が予想されます。具体的には、以下の要因がビットコイン価格に影響を与える可能性があります。

金融政策決定会合の影響:

米国の金融政策に関する決定がビットコイン市場に直接的な影響を与えることが予想されます。FOMC後に恒例となっている議長スピーチが「タカ派的発言」との受け止めとなった場合など、内容次第ではリスク資産からの資金流出が懸念され、ビットコイン価格に下押し圧力がかかる可能性があります。

一方で、日銀の金融緩和政策の維持が発表された場合、投資家のリスク選好が高まり、ビットコイン価格のサポート材料となる可能性があります。

市場のボラティリティ:

日米の金融政策決定会合を前に、投資家は慎重な姿勢を取ることが予想され、市場のボラティリティが低下する可能性があります。これにより、ビットコイン価格も比較的安定した動きとなることが期待されます。

技術的要因:

ビットコインの技術的分析に基づく支持線および抵抗線の動きも注視されます。現在の価格帯での売買動向が今週の価格動向を左右する重要な要素となるでしょう。

今週のビットコイン市場は、日米の金融政策決定会合を控え、先週同様に金融市場の動向を見ながらの展開となる見込みです。投資家は慎重な姿勢を保ちつつ、政策発表後の市場反応に注目し、適切なリスク管理を行うことが重要です。



暗号資産ポートフォリオの変更

2月・3月・4月・5月はBTC・ETHを割高とみて、積立をスキップし、キャッシュでプールしています。

これまでの暗号資産積み立ての状況
Accumulation Status

[期間:2023.06.05 〜 2024.11.27]

2023年6月から月毎に10万円分の暗号資産を実際に積み立てていき、そのポートフォリオを公開する企画です。ビットコイン(BTC)、イーサリアム(ETH)、日本の取引所でも取り扱われており、米ドルとペッグ〔連動〕するステーブルコインであるダイ(DAI)を対象としています。

ポートフォリオの現在の資産価値

含み益(現在の資産価値 - 合計積立金額)

利益率
%

積み立て回数
16

合計積立金額
1,600,000

ポートフォリオの構成

    ポートフォリオ

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    銘柄 シンボル 対円レート 保有数量 日本円換算 構成比
    ビットコイン BTC [BTC/JPY] 0.1523 BTC %
    イーサリアム ETH [ETH/JPY] 1.8884 ETH %
    ダイ DAI [DAI/JPY] 80 DAI %