戦略的ビットコイン備蓄政策とは?トランプ新政権の大胆な一手に注目|ビットコイン予測 今週のポイント2025.1/20-26
2025.01.21
先週の暗号資産市場の動向
先週の暗号資産市場は、トランプ新大統領の就任式を1月20日に控える中、新大統領への期待感の高まりとともに日に日に堅調さを増した週となりました。
週初の市場の動き
週初は生産者物価指数、消費者物価指数が14日と15日に発表されるのを警戒しながらの動きとなり、BTCが一時89,000ドル近辺まで急落する場面もありましたが、14日(火)は、債券市場で利回りが上昇しているにも拘わらずに堅調な株式市場の動きにつられるように上昇しました。
14日発表の生産者物価指数(PPI)12月は、前月比+0.2%と市場予想や前月の+0.4%を下回りましたが、コアPPIが横ばいで判断が難しい状況でした。
ただ翌日15日に発表された消費者物価指数(CPI)12月は前月比+0.2%で市場予想と前月の+0.3%を下回り、さらに前年同月比も+3.2%でこちらも市場予想と前月の+3.3%を下回りました。
債券市場と暗号資産市場の上昇
こうした結果から債券市場では、米国10年国債利回りが前日の4.79%から4.65%へ大きく低下したほか、株式市場では3指数がそろって大幅高となりました。(NYダウ平均+703ドル、S&P500+107、NASDAQ+466)暗号資産もBTCが10万ドル台を回復し、ETHは54万円近辺へ戻し、XRPは491円へ大きく上昇しました。
週後半の市場動向
16日(木)は各市場とも前日の上昇からもみ合いとなりましたが、17日(金)は16日、17日に発表された米国小売売上高、フィラデルフィア連銀景況指数、米国住宅着工件数などが思いのほか堅調なものとなったにも拘わらず、債券市場が平静なことから株式市場、暗号資産市場は一段高となりました。(NYダウ平均+334ドル、S&P500+59、NASDAQ+291)
暗号資産は、BTCが104,000ドル台へ進み円ベースで1,620万円台、ETHが54万円半ば、XRPが510円台で週を終えています。
今週の重要な経済イベント
今週は国内、ユーロ圏、米国で景気を判断する経済指標の発表が相次ぎますが、何と言っても20日(月)に行われる米国大統領就任式が最も注目される日程となります。この式典後にトランプ新大統領は多くの大統領令を発布すると言われており、今後4年間の米国経済の方向性を見極める重要なポイントとなると考えられます。
またこの大統領令の中には暗号資産市場にとっても重要な案件があります。
戦略的ビットコイン備蓄の注目
その中での注目は「戦略的ビットコイン備蓄(Strategic Bitcoin Reserve)」になります。現在の米国連邦準備法ではFRB(連邦準備理事会)がビットコインを保有することはできませんが為替安定基金(ESF)としてビットコイン(BTC)を購入し保管することは大統領令で可能と考えられます。
もしこれが実現すればBTCが米国の国の正式な資産として認められることとなり、BTCの価格形成に大きく影響を与えることになると考えられます。まして今後、米国政府がBTCを買い増していくと決定すれば、BTC市況は今までとは全く異なるものになると思われます。
「戦略的ビットコイン備蓄」政策の草案
- 米国経済を成長させ、米国の将来の金融支配を強固にするために戦略的なビットコイン準備金を確立する。
- ビットコインを米国政府が保有する戦略的資産に指定し、21世紀の国家経済安全保障と競争上の優位性を確保するためにESFが保有する資産の多様性を拡大し、資本、人材、発言力を引きつけて産業の発展を促進する。
- デジタル資産業界の世界的リーダーとなり、この偉大な国でビジネスを構築および拡大します。
この政策以外にも暗号資産市場に資する大統領令は考えられており、どのような内容で発表されるのか、大きな期待とともに注目されるところです。
日本銀行の金融政策決定会合
また今週は日本銀行の金融政策決定会合が23-24日に開催されます。今回の会合では今月14日に氷見野日銀副総裁が横浜で講演し、企業の賃上げの動きについて強い結果が期待できるという見方を示したうえで「来週の金融政策決定会合では利上げを行うかどうか議論し、判断したいと思う」と述べ、追加の利上げに向けた環境が次第に整いつつあるという認識を示したことから、国内金融市場では今回の会合で利上げが行われるとの認識が固まりつつあります。
国内金利の引き上げが有れば、ドル円相場への影響は十分に考えられ、暗号資産の円ベース価格がどのようになるのか注目されるところです。
今週の市場注視ポイント
今週は、週初そして週末に暗号資産へ影響を与える大きなイベントが控えているだけに、投資家のみなさまにとっては、目の離せない週となるはずです。今週発表される他の経済指標にも留意していただくとともに、まずはトランプ新大統領が大統領令でどんな発表を行っていくのかを注視したいと思います。
今週の経済イベントカレンダー
Calendar of Economic Events This Week
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月 | 日 | 曜日 | 日本時間 | 国 | 経済イベント | 重要度 |
---|
01 | 20 | 月 | 08:50 | 日本 | 機械受注 11月 | ★★★☆☆ |
01 | 20 | 月 | 13:30 | 日本 | 鉱工業生産指数 11月 | ★★★☆☆ |
01 | 20 | 月 | 26:00 | 米国 | 大統領就任式 | ★★★★★ |
01 | 21 | 火 | 19:00 | 欧州 | ユーロ圏ZEW景況感指数1月 | ★★★☆☆ |
01 | 23 | 木 | 22:30 | 米国 | 新規失業保険申請件数 | ★★★☆☆ |
01 | 24 | 金 | 08:30 | 日本 | 全国消費者物価指数12月 | ★★★☆☆ |
01 | 24 | 金 | 未定 | 日本 | 銀行金融政策決定会合 | ★★★★☆ |
01 | 24 | 金 | 18:00 | 欧州 | ユーロ圏PMI(購買担当者景気指数)1月(製造業、サービス業) | ★★★☆☆ |
01 | 24 | 金 | 23:45 | 米国 | PMI1月(製造業、サービス業) | ★★★★★ |
01 | 24 | 金 | 24:00 | 米国 | ミシガン大学消費者信頼感指数1月 | ★★★☆☆ |
01 | 24 | 金 | 24:00 | 米国 | 中古住宅販売件数12月 | ★★★★☆ |
これまでの暗号資産積み立ての状況
Accumulation Status
[期間:2023.06.05 〜 2025.01.22]
2023年6月から月毎に10万円分の暗号資産を実際に積み立てていき、そのポートフォリオを公開する企画です。ビットコイン(BTC)、イーサリアム(ETH)、日本の取引所でも取り扱われており、米ドルとペッグ〔連動〕するステーブルコインであるダイ(DAI)を対象としています。
ポートフォリオの現在の資産価値
円
含み益(現在の資産価値 - 合計積立金額)
円
利益率
%
積み立て回数
16回
合計積立金額
1,600,000円
ポートフォリオの構成
ポートフォリオ
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銘柄 | シンボル | 対円レート | 保有数量 | 日本円換算 | 構成比 |
---|---|---|---|---|---|
ビットコイン | BTC | [BTC/JPY]円 | 0.1523 BTC | 円 | % |
イーサリアム | ETH | [ETH/JPY]円 | 1.8884 ETH | 円 | % |
ダイ | DAI | [DAI/JPY]円 | 80 DAI | 円 | % |