年末の暗号資産市場は、クリスマス休暇もあり市場参加者の減少にともない、取引高も減少したため総じて軟調な展開となりました。

2024年末の暗号資産市場の動向

週初の12月23日(月)BTCは1,490万円前後で終始する一方でETHやXRPが堅調な動きを見せていました。この動きは、年末に向けた流動性の低下が影響しているとみられます。一方、主要銘柄以外にも値動きの激しい通貨が多く、投機的な取引が一部で活発化していました。

24日(火)にはクリスマスイブで売り物が薄いところを主要銘柄が上昇を見せ、BTCが1,550万円近辺、ETHが54万円台後半、XRPが364円台後半へ進みました。この日は、短期的な買い戻しが広がり、特に個人投資家の参加が価格上昇を後押ししたと分析されています。ただし、市場全体の取引量は依然として低調であり、この上昇が継続的なトレンドに繋がるかどうかについては懐疑的な見方もありました。

ただこの後の上値は重く、26日(木)から全体として軟調な地合が翌週30日まで続き、BTCが1,457万円近辺、ETHが52万円台後半、XRPが320円前後まで下落しています。この下落は、年末の利益確定売りや、株式市場におけるリスクオフの動きが影響しており、特にBTCは大口投資家による売り圧力が顕著でした。

2024年最終日となった12月31日の終値は、BTC1,473万円程度、ETH52万円半ば、XRP327円前後となりました。この結果により、BTCは年間を通して堅調なパフォーマンスを維持したものの、年末の調整局面では弱含む形となりました。一方で、ETHやXRPは、NFTや分散型金融(DeFi)分野での需要増加が引き続き価格を支える要因となりました。

2025年の取引はETHとXRPがリードする流れで動き始め、1月3日(金)の終値はBTC1,544万円前後、ETH57万円台半ば、XRP380円台前半となっています。この上昇は、2025年初頭に予定されている規制緩和や、新規プロジェクトの発表が市場参加者の期待感を高めた結果といえます。特に、XRPは国際送金分野での実用性が評価され、ETHはスマートコントラクトの活用拡大が引き続き支持されています。

USAの国旗とチャート

年末に発表された経済指標の結果

23日(月)に米国耐久財受注11月がマイナス0.1と予想の+0.3や前月の+0.2を下回り、コンファレンスボード(CB)消費者信頼感指数12月も104.7と予想の113.3や前月の112.8を大きく下回りました。しかし一方で新築住宅販売件数11月は年率換算664,000戸で前月比+5.9%、前年同月比+8.7%となり、2ヶ月ぶりの高水準となりました。ただこうした経済指標の結果について金融市場の反応はほとんどありませんでした。

米国金融市場は、暗号資産市場と同様にクリスマス休暇の影響で取引量が減少し、薄商いの中を株式市場は乱高下する展開となりました。NYダウ平均は24日+390ドル、26日+28ドル、30日-418ドルという状況でした。最終日の12月31日はNYダウ平均43,084ドル+510ドル、S&P500 5881.63-25、NASDAQ19,310.79-175で終えています。全体としては軟調な地合に終始した年末となりました。

2025年初の米国株式市場の動向

1月2日の米国株式市場は新年初めての取引でしたが、年末の地合を引き継ぎおとなしい動きに終始しました。

ただ翌3日の取引では下院の議長に共和党のジョンソン氏が再選され、トランプ新大統領の企業よりの政策と規制緩和を共和党が結束して進める可能性が示唆され、市場は好感した展開となりました。また、マイクロソフト社がAI用データセンターへ800億ドル投資すると発表し、半導体関連株や電力会社が大幅高となりました。

1月3日(金)の米国株式市場は、NYダウ平均+339ドル、S&P500 +73、NASDAQ +340の大幅高で終えています。

2025年の本格的な取引開始

今週から本格的に2025年の取引が始まります。トランプ新大統領の就任を今月20日に控え、新政権による新たな政策への期待とともにインフレに対する懸念も高まりを見せています。

昨年末の取引はクリスマス休暇という要因はあったものの株式市場はリスク回避的な動きもある乱高下となり、債券市場では米国10年国債利回りが12月27日には4.6%台へ乗せる動きも見られました。

2025年の米国ならびに世界経済がどのような展開になっていくのか予断を許さない状況と言えます。

アメリカの地図と労働者を表したイラスト

今週の重要な経済イベントと暗号資産市場動向

今週末には米国雇用統計の発表を控え、週央の8日(水)に前回のFOMCの議事録発表があり、タカ派的と言われたパウエルFRB議長のコメントがどのような議論で導かれたのか注目されます。

これらのイベントは、暗号通貨市場においても重要な影響を及ぼす可能性があります。特にFOMC議事録の内容が米国の金利政策の方向性を示唆するものであれば、投資家心理に影響を与えることが予想されます。議事録の内容がハト派的と受け止められた場合、リスク資産に対する楽観的な見方が広がり、BTCやETHをはじめとする主要暗号資産が上昇する可能性があります。一方、議事録でタカ派的なスタンスが強調された場合には、リスク回避の動きが強まり、暗号資産市場の一時的な調整を招く可能性があります。

また、米国雇用統計は労働市場の状況を示す重要な指標であり、投資家にとってFRBの政策姿勢を推測する重要な材料となります。雇用統計が市場予想を大幅に上回る強い結果となった場合、金融市場全体で米ドル高が進む可能性があり、BTCやETHを含む暗号資産には短期的な調整圧力がかかる可能性があります。一方で、雇用統計が予想を下回る場合には、米ドル安となり、暗号資産市場がリスクオンの流れに乗る可能性があります。

特に、最近の暗号資産市場は米国株式市場との相関性が高まっており、FOMC議事録や雇用統計の結果が株式市場の動向に影響を与えることで、暗号資産市場も連動する可能性があります。このような状況下では、投資家がこれらの指標を注視し、短期的な取引戦略を調整する動きが活発になると予想されます。

今週の市場イベントは、2025年の市場スタートを占う重要な局面となる可能性があります。特に、これらのイベントを通じて得られる経済の方向性や投資家心理の変化は、今後の暗号資産市場の価格動向に大きな影響を与えるでしょう。

市場の展望と予測

今週はそうしたスケジュールの中で全体として慎重な動きから始まると思われ、JOLTS求人件数やADP雇用者数の発表を見ながら神経質な展開になると見ています。その上で株式市場、暗号資産市場ともに下値を固め、20日の就任式に向けて上値へ向かうのではないでしょうか。

今週の経済イベントカレンダー
Calendar of Economic Events This Week

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曜日日本時間経済イベント重要度
01 07 19:00 欧州 ユーロ圏消費者物価指数(HICP)12月 ★★★☆☆
01 07 22:30 米国 貿易収支11月 ★★★★☆
01 07 24:00 米国 JOLTS求人件数11月 ★★★★☆
01 07 24:00 米国 ISM非製造業景気指数12月 ★★★★★
01 08 22:15 米国 ADP雇用者数12月 ★★★★☆
01 08 24:30 米国 FOMC議事録 ★★★★★
01 09 未定 中国 消費者物価指数(CPI)、生産者物価指数(PPI)12月 ★★★☆☆
01 09 22:30 米国 失業保険申請件数12/29-1/4 ★★★☆☆
01 10 22:30 米国 雇用統計12月(非農業部門就業者数、失業率、平均時給) ★★★★★
01 10 24:00 米国 ミシガン大学消費者信頼感指数1月 ★★★★☆

これまでの暗号資産積み立ての状況
Accumulation Status

[期間:2023.06.05 〜 2025.01.11]

2023年6月から月毎に10万円分の暗号資産を実際に積み立てていき、そのポートフォリオを公開する企画です。ビットコイン(BTC)、イーサリアム(ETH)、日本の取引所でも取り扱われており、米ドルとペッグ〔連動〕するステーブルコインであるダイ(DAI)を対象としています。

ポートフォリオの現在の資産価値

含み益(現在の資産価値 - 合計積立金額)

利益率
%

積み立て回数
16

合計積立金額
1,600,000

ポートフォリオの構成

    ポートフォリオ

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    銘柄 シンボル 対円レート 保有数量 日本円換算 構成比
    ビットコイン BTC [BTC/JPY] 0.1523 BTC %
    イーサリアム ETH [ETH/JPY] 1.8884 ETH %
    ダイ DAI [DAI/JPY] 80 DAI %