BTCのもみ合い相場とXRPの急騰理由を徹底解説！

先週の暗号資産市場の動向

先週の暗号資産市場は、11月28日（木）が感謝祭で週を通じて経済指標の発表も少ないことから金融市場とともに比較的落ち着いた動きの週となりました。

BTCの価格変動と市場要因

BTCは週初、1,500万円台（ドルベース97,600ドル近辺）から始まりましたが、イスラエルとレバノンの停戦のニュースを受けて原油や金価格が下落し、その連れ安と見られる利益確定売りから1,400万円近辺まで下落しました。26日（火）には11月開催のFOMC議事要旨の発表がありましたが、内容的に大きなサプライズはなく、BTCはもみ合いから1,450万円近辺へ反発しています。27日（水）の金融当局が注目している個人消費価格指数（PCE）の発表では、結果が市場予想と一致していたことから小じっかりの動きとなっています。

イスラエル・レバノン停戦による影響

BTCの一時的な下落には、原油や金価格の動向が影響しました。

XRPの独自の動きと要因

このように落ち着いた動きとなったBTCですが、XRPだけは違った展開となりました。26日にFOX Businessに出演した米国商品先物取引委員会（CFTC）の元委員長クリス・ジャンカルロ氏が「米国証券取引委員会（SEC）がリップル社への提訴を取り下げるだろう」との見方を示し「規制当局は多くの負けた裁判を取り下げる時がきている」とコメントしました。また28日にはデラウェア州でXRPの現物ETFの登録が行われ、リップル社のガーリングハウスCEOが「現物ETFの承認は避けられないだろう」との見方を示しました。こうしたXRPへの支援材料が相次ぎ、XRPは週末にかけて上昇を続け、270円台で週を終え、現在は395.47円で推移しています。(最終更新：2024/12/04)

XRPの価格上昇を後押しする材料

元CFTC委員長の発言や現物ETF登録申請がXRP価格を押し上げました。

感謝祭前の金融市場の落ち着き

金融市場では、やはり感謝祭を控えておとなしい1週間となりました。経済指標の発表では、11月26日（火）にS&Pケースシラー住宅価格指数9月が+4.57と発表され、予想の+4.70や前月の+5.21を下回り、住宅価格の落ち着きを示し、新築住宅販売件数10月は年率換算61万戸と予想の72.5万戸を大きく下回るとともに前月から17.3％の減少となりました。

住宅市場と消費者信頼感の動向

住宅価格は落ち着きましたが、販売減少が顕著に。

FOMC議事要旨と今後の金融政策の方向性

26日に公表されたFOMCの議事要旨では、「インフレ率が持続的に２％まで低下し、経済が完全雇用に近い状態を維持するなど、データがほぼ想定通りの内容になれば、時間をかけてより中立的な政策スタンスへと緩やかに移行することが適切である可能性が高いと参加者は予想した」とし…

その他の経済指標とインフレ動向

その他の経済指標では、27日（水）の第3四半期GDPが前期比年率+2.8％と発表され、設備投資が伸び悩む中で消費がリードした状況が明らかになりました。また個人消費支出価格指数（PCE）は総合が前月比+0.2、コアが前月比+0.36でどちらも市場予想ならびに前月と一致していますが、ともに高止まりが続いており、前年同月比ともに前月から上昇しておりインフレの低下が一服している状況となりました。

株式市場の反応

こうした経済指標の発表の中で株式市場は下値の堅い展開でしっかりと週を終えています。

今週の注目ポイント：雇用統計とFOMC

今週は週末に雇用統計の発表があり、週を通じて雇用関連の発表が相次ぎます。今月17日-18日に予定されるFOMCでの利下げ継続が期待されるだけに、どのような発表になるのか注目されます。

トランプ前大統領当選後の楽観論

株式市場や暗号資産市場ではトランプ前大統領の当選が決まってから楽観論が大きく台頭し、来年以降の景気拡大が強く期待されています。そうした中で高止まりしている物価の状況があるだけに雇用の状況は政策決定の大きなポイントになってきそうです。

暗号資産市場の今後の展望

今週は今後の利下げを占う週となるだけに、毎日が一喜一憂することになりそうです。暗号資産市場では、そうした金融市場の動きを見ながらBTCは動くと想定されます。一方でXRPを初めとするアルトコインの一角は個別材料により展開されると思われますので、より注意が必要になりそうです。

12月の始まりと投資家へのアドバイス

来年を占う12月が始まりました。投資家の皆様には、今年を気持ち良く終えるためにも経済指標の発表結果には注意を払っていただくとともに、個別銘柄の価格動向には十分に注意をしていただきたいと思います。