暗号資産 SUI(スイ)国内初上場 OKCoinJapanで10月中に取り扱い開始か
2023.10.04
暗号資産 SUI(スイ)OKCoinJapanで国内初上場
今回のメルマガでは、10月中旬にOKCoinJapanにて取り扱いが開始予定の暗号資産(仮想通貨)、SUI(スイ)について深掘りしていきたい。海外取引所に上場後、一時20倍以上の値をつけて注目を集めた暗号資産はどのような特徴を持っているのだろか。
暗号資産SUI(スイ)とは?
SUI(スイ)はレイヤー1ブロックチェーン「Sui Network」上で発行されるネイティブトークンである。Meta社のブロックチェーン研究開発部門であったDiem(ディエム)のリードエンジニア5名によって「Mysten Labs(ミステンラボ)」が設立され、開発が行われている。
Sui Networkの開発に使用されている言語は、Diemで使用されていた開発言語、「Move(ムーブ)」というプログラミング言語を元にした「Sui Move」だ。
暗号資産SUIの特徴とは?
すでにさまざまなレイヤー1ブロックチェーンが存在するが、なぜSui Networkが注目を集めているのか、Sui Networkの優位性を考えてみたい。現時点の情報から特徴と考えられるものは以下の3つ。
- 高い処理性能とセキュリティの高さ
- 大手IT企業との提携をメインネットローンチ前から進めた盤石な体制
- 独自ウォレットやNFTマーケットプレイスの展開
それぞれみていこう。
高い処理性能とセキュリティの高さ
1秒間あたりに処理できるトランザクション(取引)の件数を示す数値にTPS(transaction per second)と呼ばれるものがある。ビットコインは毎秒3~7件程度、イーサリアムは15~25件とされているなか、Sui NetworkはDAG(Directed Acyclic Graph)という仕組みで並行処理をすることによって高速処理が可能であり、最大で30万件の処理が可能ともいわれている。Sui Networkの処理速度の速さは1つの特徴といえるだろう。
大手IT企業との提携をメインネットローンチ前から進めた盤石な体制
Sui Networkを開発する「Mysten Labs(ミステンラボ)」と、サポートを行う「Sui foundation(スイ財団)」は、2023年5月3日のメインネットローンチ前からさまざま提携を進めてきた。以下は、2023年のMysten Labs(ミステンラボ)及びSui foundation(スイ財団)の主な発表である。
2023年
- 【2月10日】
- WeChatPayを提供する大手IT企業テンセントのクラウド事業を担うテンセントクラウドと提携。
- 【2月17日】
- Sui Foundation(スイ財団)と大手暗号資産カストディのBitGoがパートナーシップを締結。
- 【3月7日】
- クラウドコンピューティングサービスを提供するアリババクラウドと提携。
- 【4月15日】
- ネイティブトークン「SUI」を発行。IEOを実施することを発表。
- 【5月3日】
- メインネットローンチ。トークンブリッジができる機能「Sui Bridge」も利用可能に。
- 【6月22日】
- ソーシャルゲーム大手のグリー株式会社はMysten Labsと戦略的パートナーシップに係る覚書を締結。
- 【7月25日】
- 広告大手電通グループが、Sui Network上でクリエイターエコノミーの組成を目指す。
- 【9月28日】
- 国内取引所 OKCoinJapanが取り扱いを発表
これら大手企業との連携を強めていく展開と、Meta社のブロックチェーン研究開発部門であったDiem(ディエム)の開発で培った技術力が、投資家より好感を買い「a16z(アンドリーセン・ホロウィッツ)」やBinance Labs等から3億3,600万ドル(約500億円)の資金調達を達成したといっても過言ではないだろう。
独自ウォレットやNFTマーケットプレイスの展開
Mysten Labs(ミステンラボ)は「Suiet」というSuiチェーン対応のブラウザ上の独自ウォレットを開発しており、SUIはもちろんのこと、dAppsやNFTの管理もできるようだ。
加えて、NFTマーケットプレイス「Blue Move」では、Suiチェーン上で発行されたNFTを売買したり、ステーキングしたりすることができる。Blue Moveは、ほかにも「Aptos Chain」や「Sei Chain」に対応している模様だ。
ゲーム領域で展開をしていく際、ウォレットとマーケットプレイスを押えていることも、経済圏を網羅的にサポートするためには重要なカギとなるため良い要素だと考えている。
Sui Networkの優位性とは?
Mysten Labs CEOであるEvan cheng氏は、7月のCoinPostの取材に対して、「例えば、イーサリアム(ETH)のブロックチェーンではトランザクションを行うのに平均12秒かかるのに対し、Suiは0.5秒でNFTを売ることができます。ブロックチェーンのパワーユーザーは、12秒の待ち時間を非常に長く感じるでしょう。Web3.0ゲームやDeFiの領域でSuiは優位性を持っている。」と話した。
テンセントやグリーなど提携企業の顔ぶれから、ゲーム領域でSUIが持つ優位性を最大限に活かす展開を目指しそうだ。
今後の展開
10月中旬とされる国内取引所OKCoinJapanでの取り扱いを皮切りに、日本国内の主要取引所では続々と取り扱いが増えることだろう。
プロジェクトとしては、AppleやMicrosoft、国内企業でいえばソニーや任天堂などとの提携や戦略的パートナーシップがなされるとゲーム領域に特化したブロックチェーンとしては、盤石な基盤が築けそうだ。
まとめ
SUIの特徴としては、大きく「高い処理性能とセキュリティの高さ」「大手IT企業との提携をメインネットローンチ前から進めた盤石な体制」「独自ウォレットやNFTマーケットプレイスの展開」の3点がある。
SUIはさまざまな大手IT企業及びゲーム関連企業とパートナーシップを締結しており、Web3.0ゲームやDeFiの領域でSuiは優位性を発揮する可能性を秘めている。
ブロックチェーンがインフラとして普及するには、ブロックチェーン上で動く優れたdAppsの存在も欠かせない。いわゆる爆発的なヒット作がGameFiの領域で誕生して、Suiネットワーク対応となればゲーム領域のあらたなインフラとしての認知をSui Networkが獲得する可能性はある。正直なところ、お金が稼げるゲームという一時的な人気ではなく、ゲームとしての面白さの方がよっぽど求められていると考えているため、Suiの爆発的な普及は、自社で制作するにしろ、他社のコンテンツに対応するにしろ、爆発的なコンテンツの誕生もカギとなりそうだ。
[Iolite記事]
オーケーコイン・ジャパン、暗号資産スイ(SUI)を国内初取り扱い予定。