Blur、NFT無期限レンディングサービス「Blend」発表
2023.08.03
引き出しの整理をしていたら、学生時代に使用していたUSBメモリが出てきた。当時の思い出の写真が出てくるかもしれないと面白がって開くと、学生時代の論文と飲食業界に勤めていた当時の資料が山のように出てきた。ちょうど三國清三氏の「三流シェフ」という書籍を読了する頃に、関連する飲食業界に私が従事していたときのUSBが出てきたのも面白い。
「三流シェフ」には、フレンチの巨匠・三國清三氏の半生が書き綴られている。帝国ホテルでパートタイムの洗い場から、社員登用制度を活用して正社員を目指すも、志半ばで制度が廃止。最後に爪痕を残して故郷の北海道に帰ろうと、当時の帝国ホテル内18あった全てのレストランの鍋を3ヶ月かけて全て磨いたという。もちろん営業終了後だ。全ての鍋を磨き終える頃、ある日突然、当時の料理長に声をかけられ、スイスの日本大使の専属料理人に推薦させられるのだ。夢を諦めかけたときに、一筋の光が差し込むような人生に感化され、私も三國氏が過ごした帝国ホテルの空気を感じたいと思い、読了後すぐに帝国ホテルのビュッフェを予約したほどだ。
私もお世話になった飲食店を出るときに、お店の全ての鍋を磨いた事があるが、1つの鍋を磨き切るのに3.40分はかかる。18のレストランの鍋を、全て磨ききることがどれだけ大変なことかもわかる。他にも本書には、三國氏の強烈なエピソードがたくさん詰まっているのだが、彼は一貫してシンプルな法則に従っていたようだ。
それは幼少期、漁師であった父の漁に同行したとき、シケの波に小舟が転覆せずに生き残る術として「波が来たら、まっすぐに突っ込め」との教え。勇気のいることだが、シンプルでかつ本質を突いていると思う。”いま”の自分にとっても、何か縁を感じるような素敵な本であった。気になる方はぜひ、ご一読いただければと思う。
あたらしいスタンダード
2023年はAIやセキュリティ、Game業界などさまざまな領域であたらしい常識が生まれるだろう。NFTにおいても、本格的に利活用されるフェーズに入ってきた。NFTといえば「OpenSea」の存在感は言わずもがなであったが、2022年10月にローンチされた「Blur(ブラー)」が、2023年に入りNFT市場シェア率・取引高で「OpenSea」を抜きトップに躍り出る。背景には、手数料ゼロやまとめて取引ができる利便性があるようだ。
そして「Blur」は2023年5月2日、あらたにNFTのレンディングサービス「Blend」を発表した。これによりNFTホルダー限定イベントにも、NFTを借りて参加する事ができるようになるなど、権利付きNFTを利活用する方法として、ユーザーはあらたな選択肢を得る。この状況を鑑みて「OpenSea」も2023年2月、一時手数料を無料にするなど徹底抗戦の構えだ。健全な競争がNFTの領域にあたらしいスタンダードを生み出し、私たちの生活にNFTが自然に溶け出すときを楽しみにしている。
[Iolite記事]
【NEWS】Blur、NFT無期限レンディングサービス「Blend」発表