監修:株式会社J-CAM 金融アドバイザー AFP認定者 倉本 佳光 Yoshimitsu Kuramoto

慶應義塾大学法学部法律学科を卒業後、山一証券株式会社に入社し金融業界でのキャリアをスタート。その後、メリルリンチ日本証券株式会社マネージメント・コミッティーメンバー、岡三アセットマネジメント株式会社理事などを歴任。
執筆:BitLending編集部 更新日:2026年9月18日

倉本 佳光

イーサリアム(Ethereum)とETHの今後を考えるとき、価格予想だけで判断することはできません。重要なのは、ネットワークが使われ続けるか、その利用がETHの需要や安全性にどう結び付くか、競争や規制にどう対応できるかです。

ETHの将来性は、技術の話だけでも、過去の価格だけでも判断できません。本記事では、短期の相場や目標価格を示すのではなく、長期的な見通しを自分で点検するための判断軸を解説します。

免責事項(投資助言ではありません)

本記事は、暗号資産に関する情報提供を目的としたものであり、特定の銘柄の売買・投資行動を推奨するものではありません。暗号資産は価格変動が非常に大きく、短期間で大きな損失が発生する可能性があります。投資判断は必ずご自身の責任で行い、必要に応じて専門家へご相談ください。

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イーサリアムの将来性を考えるイメージ

イーサリアム(ETH)の今後をどう考えるか

ETHの将来を「上がるか、下がるか」だけで判断すると、途中で必要な確認を見落とします。Ethereumは、送金用の暗号資産にとどまらず、スマートコントラクトを動かす基盤です。一方、ネットワークが広く使われても、その価値が常にETHの価格へ同じように反映されるとは限りません。

まず分けて考えるべきなのは、Ethereumが利用基盤として成長することETHの需要・供給構造が改善すること市場がETHを評価することの三つです。三つは関連しますが同義ではありません。保有を検討する場合は、どの仮説に期待しているのかを明確にしてください。

時間軸主に確認すること数字だけで判断しない理由
短期市場全体の流動性、価格変動、リスク許容度日々の値動きはネットワークの長期価値と一致しないため
中期利用、開発、L2との分担、競合用途が継続するかを確認する必要があるため
長期安全性、分散性、価値還元、規制技術と制度の変化が保有前提を変え得るため

EthereumとETHの役割|今後を考えるための基礎

Ethereumは、条件に応じて自動実行されるスマートコントラクトを利用できるブロックチェーンです。ETHはそのネットワークで手数料を支払い、セキュリティの維持に参加するために使われるネイティブ資産です。両者を同じ言葉として扱うこともありますが、利用基盤の拡大とETHの投資成果は分けて考える必要があります。

Ethereum Virtual Machine(EVM)は、アプリケーションのプログラムを実行する共通環境です。開発者が同じ言語やツール、監査の知見を使いやすいことは、ネットワーク効果の一つになります。仕組み、発行ルール、半減期との違いはイーサリアムの仕組みと発行ルールの解説で確認してください。

《出典》
イーサリアムとは?|ethereum.org
Ethereum Virtual Machine|ethereum.org

EVM経済圏の図解

イーサリアムの将来性を支える5つの要素

将来性の根拠は、一つのニュースや価格水準ではありません。以下の五つが相互に保たれているかを確認することが重要です。

  • EVMと開発者基盤:アプリを開発・移植・監査しやすい共通環境があるか。
  • 流動性と合成可能性:資産、アプリ、ウォレットが相互に利用できるか。
  • 実需:DeFi、ステーブルコイン、資産のトークン化などで、利用者に選ばれる理由があるか。
  • 安全性と分散性:検証・決済の土台として、参加者が信頼できる状態を維持できるか。
  • 改善能力:コスト、使いやすさ、検閲耐性などの課題に、開発者コミュニティが対応できるか。

ただし、アプリが増えることはETH価格の上昇保証ではありません。アプリが別のネットワークやL2で動く場合、手数料、流動性、セキュリティ、ETH保有需要のどこへ価値が帰属するかを別途確認する必要があります。

ステーブルコインとRWAは利用基盤の一例にすぎない

ステーブルコインや現実資産のトークン化は、Ethereumや互換ネットワークで利用される可能性がある分野です。しかし、採用事例の増加だけでETHへの価値還元を断定してはいけません。発行体がどのネットワークを選ぶか、利用者がどこで取引するか、手数料や担保が何で支払われるかまで確認します。

「社会実装」という言葉は便利ですが、実際の利用継続、利用者の利便性、規制への適合、流動性がそろうかを見て初めて判断材料になります。

イーサリアムの今後を見る5つの判断軸

価格を当てる代わりに、保有仮説を点検できる五つの軸を使います。特定の数値だけを追うのではなく、なぜ変化したのか、ほかの軸と矛盾していないかを確認してください。

判断軸前向きに読める状態見直すべき状態
実需利用者がコストや利便性を理由に継続利用する補助金や投機だけで利用が保たれている
EVM・開発開発者・ツール・監査知見が蓄積する重要な開発や流動性が継続的に流出する
L1とL2安価さと安全性の分担が機能する分断やブリッジ事故が使い勝手を損なう
ETH価値還元手数料、担保、ステーキング等の関係を説明できる利用増加とETH需要の関係が弱くなる
競争・規制比較優位と利用条件が維持される代替手段や制度変更で利用が阻害される

一つの指標が改善しても、五つ全体が改善したことにはなりません。たとえばL2の手数料低下は利用者には利点ですが、L1の手数料収入、ブロブ需要、ETHの利用、セキュリティへの影響を同時に読む必要があります。

イーサリアムのリスクを検討するイメージ

レイヤー2の拡大はETHにとって追い風か、課題か

レイヤー2は、多くの取引をまとめて処理し、結果や必要なデータをEthereumへ記録する仕組みです。利用者にとってはコストや速度の改善が期待でき、Ethereum全体の利用可能性を広げます。一方で、L2の成長をそのままETH価格への追い風と呼ぶことはできません。

追い風になるかを考えるには、L2がEthereumのセキュリティやデータ可用性にどの程度依存するか、利用増加がETH建ての手数料・担保・流動性へどうつながるか、ユーザー体験が分断されていないかを確認します。L1の取引件数やガス代だけを見て「Ethereumが使われていない」と結論づけるのは早計です。

反対に、L2間の資産移動が複雑であること、ブリッジの脆弱性、利用者がネットワークの違いを意識しなければならないことは現実的な課題です。送金前のガス代・ネットワーク確認はETHのガス代を確認する方法を参照してください。

《出典》
Ethereumのレイヤー2|ethereum.org
Ethereumのスケーリング|ethereum.org

ETHが伸び悩む・下落する可能性がある条件

暗号資産の価格は大きく変動します。Ethereumに利用実績があることは、価格下落や損失を防ぐものではありません。主なリスクは、競合、価値還元、技術・運用、規制、市場環境に分けて確認します。

  • 競合リスク:別のネットワークが、低コスト、使いやすさ、流動性、開発環境で選ばれる可能性があります。
  • 価値還元リスク:利用が増えても、ETHの保有・利用需要に結び付かなければ、ネットワーク成長と価格評価が乖離し得ます。
  • 技術・運用リスク:スマートコントラクト、ブリッジ、ウォレット、取引所、ステーキング事業者にはそれぞれ異なる障害・不正流出リスクがあります。
  • 規制リスク:国・地域やサービスごとに利用条件が変わる可能性があります。
  • 市場リスク:市場全体の流動性低下やリスク回避局面では、個別の技術評価とは別に価格が下落することがあります。

イーサリアムはオワコンか

「オワコンか」という問いには、ネットワークの利用基盤としての評価と、ETHをどの価格で保有するかという投資判断を分けて答える必要があります。Ethereumは競争に直面し、L2への移行や価値還元にも論点があります。しかし、課題があることだけで利用基盤が失われたと結論づけることも、利用実績だけで投資成果を保証することもできません。

比較する場合は、用途、分散性、速度、コスト、流動性、開発者環境、停止や障害が起きた場合のリスクを同じ軸で見てください。ETHとSOLの違いはイーサリアムとソラナの比較で詳しく解説しています。

イーサリアムの10年後・将来価格は予想できるか

10年後のETH価格を正確に予想することはできません。長期になるほど、技術、競争、規制、金利、利用者の行動、事故の有無など、不確実な要素が積み重なるためです。目標価格が具体的であるほど信頼できるわけではありません。

AI予想も、過去データや与えられた前提から計算した結果です。想定外の制度変更、セキュリティ事故、競合の台頭、マクロ環境の変化を確実に織り込むものではありません。AIによる数値を購入理由や損切り水準の根拠にせず、どの前提で出た予測か、予測レンジはどの程度か、反対のシナリオがあるかを確認してください。

よくある見方不足しやすい確認置き換える判断
過去の上昇率を延長する市場規模や競争条件の変化利用・流動性・規制の前提を点検する
AIの予想値を比較する入力条件と外れた場合の影響予測の前提と反対シナリオを確認する
金融機関の目標価格を見る想定する利用・需給・制度環境結論ではなく仮説として読む

ETHを保有・運用する前に確認したいこと

ETHを保有すること、ステーキングすること、レンディングすること、DeFiへ預け入れることは同じではありません。得られる可能性のある報酬だけでなく、誰が資産を管理するか、いつ引き出せるか、どの障害・信用リスクを負うかを確認してください。

行為主な特徴確認したいリスク
現物保有ETH価格の変動を直接受ける秘密鍵、取引所、送付先、価格変動
ステーキングネットワークの検証に関わる仕組み委任先、引出条件、手数料、税務
レンディング第三者へ資産を貸し出す仕組み返還、事業者信用、流動性、契約条件
DeFiスマートコントラクトを通じて利用する契約不具合、オラクル、担保、清算、操作ミス

レンディングの比較やリスクは仮想通貨レンディングの仕組みとリスクで確認してください。いずれも元本や価格が保証されるものではありません。

ETHの売却・交換・運用時に確認したい税務

ETHを売却する、他の暗号資産と交換する、商品・サービスの支払いに使う、報酬を受け取るなど、取引内容によって税務上の確認が必要になることがあります。税制や個別の扱いは変更され得るため、保有期間が長い場合も取引履歴を残しておくことが重要です。

ステーキングやレンディングも、資産を動かさない「保有」とは異なる記録・確認が必要になり得ます。具体的な計算、確定申告、制度改正の確認は仮想通貨の税金に関する解説を参照し、個別事情は税理士等の専門家へ相談してください。

《出典》
暗号資産に関する税務上の取扱いについて|国税庁

イーサリアムの今後についてのよくある質問

イーサリアムの今後はどうなりますか?

価格を断定することはできません。利用、ETHへの価値還元、競合、規制、安全性という判断軸がどう変化するかを確認してください。

イーサリアムに将来性はありますか?

スマートコントラクト基盤、EVM、流動性、開発者基盤は評価材料です。ただし、利用基盤の成長とETH価格の上昇は同じ意味ではありません。

イーサリアムは10年後にいくらになりますか?

正確な金額や時期は予測できません。長期では、利用継続、競争、価値還元、規制、安全性の前提が維持されるかを確認します。

イーサリアムのAI予想は信頼できますか?

AI予想は入力条件と過去データに依存します。将来価格を保証しないため、予測値だけを投資判断の根拠にするべきではありません。

ETHは今後上がりますか?

上昇を保証できません。市場全体の流動性、利用、競争、規制、保有者のリスク許容度を確認してください。

ETHはどこまで下がる可能性がありますか?

下値を正確に決めることはできません。保有額を生活資金と分け、損失を許容できる範囲に抑えることが重要です。

イーサリアムはオワコンですか?

利用基盤としての評価と、ETHの価格評価は分けて考えます。競争やL2との関係、価値還元の課題を確認する必要があります。

レイヤー2の普及はETHにとって良いことですか?

利用コストや速度の改善につながる一方、ETHへの価値還元はL1との関係、データ利用、流動性などを含めて判断します。

ガス代が安いと将来性は下がりますか?

一時点のガス代だけでは判断できません。利用者の利便性、L2の利用、データ需要、ETHの利用を合わせて確認してください。

ETHとSolanaはどちらが将来性がありますか?

用途、分散性、処理特性、コスト、流動性、リスク許容度によって評価が異なります。どちらが一律に優れているとはいえません。

ETHに発行上限はありますか?

ビットコインのような固定上限はありません。供給だけでなく、発行、バーン、ステーキング、利用需要を総合して考えます。

ETHのステーキングは安全ですか?

価格変動に加え、委任先、引出条件、手数料、カストディ、税務の確認が必要です。安全性を保証するものではありません。

ETHのレンディングをしてもよいですか?

利回りだけで判断せず、返還条件、事業者信用、流動性、契約内容、税務を理解してから検討してください。

ETHを少額で保有する場合もリスクはありますか?

少額でも価格変動、送付先の誤り、秘密鍵の管理、詐欺、税務上の確認が必要になる場合があります。

ETHを売却・交換したら税金はかかりますか?

取引内容によって課税関係が生じ得ます。取引履歴を保存し、詳細は国税庁資料や税務専門家へ確認してください。